突然の君の訪問。』の作文集

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突然の君の訪問。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

8/30/2024, 6:29:35 AM

「ようやく静かになったのに、あれよりも酷いじゃじゃ馬がきたわねぇ。それも呪いの娘なんかを連れてきて」

そう言って緋色の妖は気怠げに煙管をふかし笑う。
突然の訪問者に対し驚きもせず、相手の素性も問わないその様子は、まるで最初からその訪問を知っていたようで。訪れた二人はそれぞれ妖の態度に、あるいはその存在自体に顔を顰めた。

「うわっ、本当にいた。おばあちゃんが言ってた妖」
「失礼な子だこと。訪ねて来たのはあなた達の方だというのに」

 失礼だと言いながらも、妖の表情はとても楽しげだ。かつて幾度も妖の元に訪れ物語を強請ったあの子に似た懐かしい気配に、目を細める。

「無駄足ご苦労様。お迎えが来るまで好きにしていればいいわ」
「迎え?…まさか」

表情を険しくする呪いを纏う娘の胸元を指さす。慌てて取り出された呪符は黒く変色し四隅が焦げ、もはや意味をなしていないようであった。

「これって、もうバレてる?」
「だろうね…面倒くさい」

焦りを隠そうともしない子と異なり、娘は随分と落ち着いている。だが溜息を吐きながらも、その瞳には隠しきれない怯えの色が浮かんでいるのを認めて妖は笑みを濃くすると、煙管を仕舞い二人に手を差し出した。

「せっかく来たのだから、少しくらいは付き合ってあげるわ。聞きたい事があるのでしょう?」

警戒する二人を言葉巧みに誘い引き寄せ。緋色の妖は望みを言えと、その鈍色の瞳を弧に歪めた。
言い淀む娘を見て、子は決意を宿した強い眼をして娘よりも前に出る。そして怯えも迷いもなく、高らかに告げた。

「この子に憑いてる変なやつを何とかして」
「ちょっと、何言ってるのさ」
「あと、この子がずっと探してるものを探してあげてよ。何でも知ってるんでしょう?」

遠慮の欠片もない、我が儘にさえ聞こえるその言葉。懐かしいあの子とは正反対の、けれどその実よく似ている本質に、堪らず緋色は声を上げて笑った。
不機嫌に眉間に皺を寄せ、さらに言い募ろうとする子の頭を乱雑に撫ぜて制す。仕方ないわね、と嘯いて、鈍色を煌めかせながら、語る事の出来るただ一つを二人に差し出した。

「あの坊やはどうにも出来ないわよ。その娘にとって必要だもの。探している答えは坊やの眼が視ているのだから、おとなしく待ちなさいな。でもまぁ、坊やはもう覚悟は決めてしまっているようだし、あなたもその答えの対価を差し出す覚悟を決めなさいね」
「対価はもう差し出したと思っていたけど」
「足りないわよ。あなた、何か坊やに言われて行動した事はある?」

首を振り、否定する娘にでしょうね、と頷く。

「最初は釣り合いを探っていただけのようだけど。今は少し意地になっているようね。精々頑張りなさい」

刹那、娘の体が強く背後に引かれ。
振り返る娘の視線が不機嫌な神の姿を捉え、反射的に逃れようとその身が藻掻く。その小さな抵抗すら気に障るのか、舌打ちをすると娘の顎を掴み無理矢理に眼を合わせた。

「零《れい》」

びくりと体が震え、抵抗が止まる。
その余裕のない強引な様に、妖は呆れたように溜息を吐いた。

「可哀想に。落ち着いて、相手の話を聞くのではなかったのかしらねぇ」
「覗き見とは。相変わらず趣味が悪いな、煙々羅よ」
「見られたくないというのなら、煙を立てないことね」

今にも飛びかかりそうな様子の子の口を塞ぎ動きを制しながら、妖は可哀想に、と繰り返す。
焦っている自覚はあるのだろう。忌々しげに顔を歪め妖を睨めつけながらも何も言わぬその様は、余裕がないながらも自制は効いているようだ。

「別に止めやしないけれど、まずは娘の話を聞きなさい。泣かせて後で後悔するのは坊やの方よ」
「分かっておるわ。我とて娘を泣かせるつもりなどない。いちいち気に障る妖よな」

舌打ちし、その視線が子へと移る。険しさを増す瞳から隠すように子を抱き上げると、妖は一言囁いた。

「花が今の坊やを見たら、何を思うのかしらね」

鈍色が揺らめく金を見据え。険しい表情に戸惑いや微かな怯えの色が滲む。
それは親に叱られる前の子供の表情に似て。

逃げるように娘を連れて消えた神に憐れみすら覚えながら、未だ落ち着かぬ子を制していた手を離した。

「何で止めたの!」
「あの娘には必要だったからよ。坊やの眼も、その存在自体も」
「意味が分かんない!あんな変なのが零に必要なわけないじゃない」

納得がいかないと掴みかかる子を宥め、妖は考える。
この子は何も知らない。娘の呪いの事も、神の眼の事も何一つ。

「そうね。あなたにひとつ、お話をあげましょうか。ただ一つの願いのために呪いを抱えて生きてきた、強がりな泣き虫の女の子のお話を」
「っ、それは」

息を呑む。
迷うように視線が揺れ。それは、でも、と誰にでもない呟きが溢れ落ちた。

「知らないままでいたいのならば、静観することね。何も知らないまま手を出そうとするのは、相手の邪魔をするのと同じことよ」

知らないながらも娘の助けになろうとする、その想いは尊いものだ。だが知らぬままでは何も出来はしない。
無知とは時に罪になる事すらあるのだから。
妖の言葉の真意をくみ取ったのだろう。迷いはあるものの、妖を見るその眼は逸らす事なく真っ直ぐで。

「聞かせて。零の事、ちゃんと知りたい。その上であたしに何が出来るのか、考えたいから」

覚悟を決めた強さを含んだ言葉に頷きを返し、緋色の妖は子を膝に乗せた。
懐かしいあの子にしたように、一つの物語を語り出す。

それは遠い昔。一つの誤りを切っ掛けに始まり。
永い旅を続けている一人の少女の、終わりのまだない物語だった。



20240829 『突然の君の訪問。』

8/30/2024, 12:37:24 AM

突然の君の訪問。

 座るのは、電話のそばと決めている。
 いつ呼び出しが来るか分からないからだ。
 電話がかかってきたのは明け方だった。また出ないといけないらしい。仕方ない、風呂も着替えも省略しよう。
 何か言っていたが、生返事をして切る。
 一旦目を閉じた。

「おはようございます」
 目を開けたら、彼がそばにいた。
「鍵がかかっていなかったので、安全確認のため入りました」
「…何で君が?」
 いてくれたらいいな、と常々思っていた相手が本当にいるとびっくりする。
「部長からのご伝言があったと思いますが、お迎えにあがりました。車は待たせています」
「じゃ行こう」
 立とうとすると、「失礼します」と両肩をがしっと摑まれた。力強い。そして手が大きい。
「せめてお顔と、できれば手足も洗ってからにしましょう」
「いいよめんどくさい」
「いえ、小綺麗にして来ていただくように、と言われています」
 そう言えば電話で、オックスブリッジで話せる人間が云々と言われた覚えがある。
「そんなおエラい容疑者いた? 私は記憶にないんだけど、うちの課の仕事?」
「分かりません、ただお迎えに行って困ったことがあればお手伝いするように、とだけ言われました」
 とりあえず、今の自分がかなり小汚いことを思い出した。消えてなくなりたい。
「歯磨きしていい?」
「ぜひお願いします」

 久しぶりに全身を洗い上げたところで、タオルを忘れたのに気付いた。
 恐る恐るドアを開けると、シャワー室から拝借してきたらしいものが差し出される。バスタオル二枚で全身を覆い隠すと、彼は髪を乾かしてくれた。
「着替えるけど、できないことがあるから手伝ってほしい」
 シャツのボタンを全部留めてタイを締めてくれる間、彼は何も訊かなかった。久しぶりにウエストコートも着た。
「帽子は玄関のでよろしいですか」
 そう言えばそんなものもあったな。
 彼は鞄からブラシを取り出すと、埃を被ったものをきれいにしてくれた。
「行きましょう」
 彼はとても綺麗な青い目をしている。まっすぐで、とても優しい。毎日来てくれたらいいのに。
「ご指示があれば伺います」
 願望が口から漏れ出ていたらしい。
「…誰のところでも来てくれるの?」
「必要があり、ご指示があれば」
「いつでも?」
「はい」
 必要というか願望はあるが、それが勝手な欲であることは分かっている。彼が「人間」の命令を拒否できない存在だということも。

 さるやんごとないご身分の方-慈善家で子供好き-が恥ずべき犯罪の容疑をかけられており、その取り調べを手伝った。そう言えば私は実際より若く見えるため、「子供」扱いされることが多い。上目遣いで話を聴いていたらぺらぺらとモテ自慢(つまり自白)を始めたが、婉曲的だが卑猥な言葉を散々かけられた挙句、彼や部下たちのことを「あんな汚い男ども」と言ったので顔面に一発お見舞いしてしまった。
「お怪我はありませんか」
 君が毎朝訪ねてきて、こんな風に心配してくれたらいいのに。

 明け方に呼び出されて変態の相手をさせられ、そのせいで始末書を書く羽目になった。
 自分の相棒であるはずの彼は、誰かエラい奴に連れ出されている。人間より頑丈で人当たりもいいので、弾除けだの不良少年の補導だのに連れ回したがる連中がいるのだ。こちらも誰かエラい奴に苦情を入れなければ。
 タイプライターを睨みつけていると、不意に部下たちの声が飛び込んできた。
「それで、一緒に住むことにした。一年くらいで結婚しようかって言っててさ」
「一年あれば結婚できるの?」不躾だが割り込んでしまった。
 相手が人間なら簡単そうだが、聞いてみると面倒な手続きが山ほどあった。
 相手の合意なし、脈なし、さらに相手は国家の所有物。なかなか難しい。
「まずは頑張って、お相手に気持ちを伝えましょう」
 その通りにした。正確には、必要な書類と金、国との取引材料と新居をじっくり揃えたうえで、彼に「必要性」を訴えた。
「指示」はしていない。たぶん。

 君は毎朝、突然訪ねてくる。つまり目が覚めるとそばにいる。
 世間ではこの行為を「起こす」と呼ぶ。
 私は毎日自分の幸運に驚いて、君が手際よく私を小綺麗にしてくれるのをぼんやり見ている。
 もらうばかりで、何も返せていない。ある晩そう言うと、彼は「指示されてではなく自分で考えたことをすると喜んでもらえる、これは幸せなんじゃないかと思います」と言った。
「君は何でもできるから、することが思いつかないんだよ」
「じゃあ、嬉しい時だけ喜んでください。あと、悲しい時には教えてください」
 これが「嬉しい」という気持ちだと分かったので、思い切りしがみついた。
 また明日、突然の君の訪問が楽しみだ。

8/30/2024, 12:32:52 AM

9月23.24日
    吉川帰省及び爆出しの予定が負けてしまったパーティープランA

   9/23
13時過ぎ頃 みんなで爆出しパーティ「水本さんは朝から6確でて勝ちパ」
   勝負に出て負けてしまった、
  安くてもいいじゃないか、食べ放題焼肉パーティー「水本さんごめんなさい」

   そっからはアガンでの吉川&水本3150の撮影会実施


   9/24
    漢たちのプライドをかけて取り返しリベンジ実践開幕

8/29/2024, 3:57:09 PM

「よっ!○○!」

「………は?」



ごく普通の日だったはず。何事もなく仕事に行き、いつも通り上司に怒鳴られ、昼休憩も作業をして、いつも通り残業をして。
そう、いつも通りの1日だったはずだ。

8/29/2024, 11:56:25 AM

ピンポーンと軽快な音がリビングに響く

「はいはい」と言いながらインターホンまで小走りで行く
モニターにはキャップを目深にかぶった男の子とも女の子とも言える子供が立っていた

(誰だろ?)

首を傾げるがそんな事で誰かわかる筈もない
とりあえず話してみようとモニター近くのボタンを押す

「どちら様ですか?」

『えっと…その…』

もじもじと恥ずかしそうに言い淀む子供は声からして男の子だろう

「ゆっくりで大丈夫だよ」

私のその声に彼は安心したのかゆっくりと深呼吸を1度した

『あの、僕…
貴女の子供で…』

「ちょっと待ってて!!」

彼にそれだけ伝えるとバタバタと足音がするのも気にせず、玄関に走って行った

ガチャ!っと勢いよく玄関ドアを開ける
門扉の所に立っている彼はどうしていいのかわからずオドオドしていた
あれだけ急いだのに子供に近付く足取りは遅くなる

自分に近付く私に気が付いたのか彼は私の顔を見つめる
お互いを見つめ、いくつの時が過ぎた頃 口火を切ったのは彼の方だった

「えっと…初め…まして?」

「初め…まして…」

子供の顔をしっかりと見つめ、挨拶を返すが涙が止まらなかった
(この子は間違いなく私の子だ…)と直感でわかったから

「抱き締めても…いい…?」

「はい」

おずおずと私に手を伸ばしてくる子供を真綿で包む様に優しく抱き締めた
泣きながら抱き締める私を彼は優しく抱き締め返してくれた

突然の君の訪問に私は嬉し過ぎて泣いてしまった

8/29/2024, 11:03:53 AM

それだけは本当にやめてほしいです。
好きとか嫌いとかじゃない。

(突然の君の訪問。)

8/29/2024, 10:24:47 AM

突然の君の訪問


突然の君の訪問。嬉しいけれど、部屋が片付いてないよ…。
グラビアアイドルの表紙の雑誌が床に…。隠すの忘れてた。リビングのローテブルの上の食べかけのカップラーメンやら缶ビールの空き缶やらペットボトルをざーっと片付けるので精一杯。
こんな無精な僕を君は嫌うかな?
かろうじて綺麗なスペースの最近イケアのセールで買ったソファに腰掛けて貰ったけど…。
君のアーモンドアイの大きな瞳で、そんなに興味津々に部屋中を見られると、身体検査でもされてる気分だよ。
あぁ…心臓に悪い。
君は本棚に手を伸ばして、この写真集見て良い?て聞いた。
白川義員さんの「天地創造」。バイト代をコツコツ貯めて買った大切なものだったから、君が真っ先にそれを選んでくれたのが嬉しかった。
「すごく幻想的…。」
写真を撮ることしか出来ない僕。他は何一つ上手くこなせない。
君にだってこの気持ちが届いているかさえ疑問だ。
「今度、君をカメラで撮りたい。」
勇気を振り絞って告白したら、君はにっこり頷いた。
君の突然の訪問が、僕を天にも昇らせた。
「今日は来てくれてありがとう。」
素直に君にお礼を言った。
窓の外に月が輝いていた。

8/29/2024, 10:19:16 AM

「突然の君の訪問。」

???にて──────────────────────

画面の前のみなさん!!!おはよう!!!
時刻は朝5時!!!まだ薄暗いね!!!

今日はニンゲンくんに会いにきたのさ!!!
ん???囚われているはずのボクがどうやってここまで来たんだ……って顔をしているね!!!

それはね……あれをああやってこうしたんだよ!!!
前もってうまいことそれを用意しておいたからよかったのさ!!!

おや、そろそろニンゲンくんの家が近くなってきた!!!
ニンゲンくん、どんな反応するんだろうねー?!!
かわいいボクに再会出来るんだから、大喜びに違いないね!!!

「突然の君の訪問。自分は喜ばないはずもなく───。」
とか?!!そんな感じで?!!

ハッハッハ!!!そんなに嬉しいのかい?!!
会うの3日振りとかだけど!!!
本当に?!!キミもかわいいなあ!!!

……もう扉の目の前まで来ちゃったよ!
正直に言えばデッカい音を立ててお家に入りたい所だが、近所迷惑だと思われると困るからこっそり入るよ!!!

ガシャーン!!!おはよう!!!元気かい?!!

……静まり返っているね。まるでボクがデッカい音を出さなかったかのように。

見慣れた玄関だが、いつもと何か違う。
……埃が溜まっていて、なんだか散らかっている。
どうしたのかな。

……にしても、ニンゲンくん、起きてこないなぁ。
起きて来ないんだったら……寝室に突撃だね!!!

「おりゃー!!!ニンゲンくん!!!おはよー!!!」
寝ぼけ眼でボクを見つめるキミ。この部屋も前より散らかっている。足の踏み場が……。

「んー?どうしたんだい???ボクに見惚れてしまったのかい?!!」
キミはボクを見つめ続ける。

「ねえ!!!ちょっと!!!いい加減返事をしたらどうなんだい?!!流石にここまで無反応だと心配になるからね?!!」

「……ぁ、本物?夢かと思った……。」
「夢みたいな時間だなんて!!!いつからそんなポエミーな褒め方ができるようになったんだい?!!」

「もしくはたちの悪い幻覚か。」
「こら!!!ボクは!!!ここに!!!ちゃんと!!!存在しているんだぞ!!!」

「そうか……。だったら。」
「だったら?!!」
「寝かせてくれ。朝5時だぞ?」

「それは!!!そうだね!!!」
「それじゃあまた!!!おやすみ!!!」
「……ってねえ!!!反応それだけ?!!」

……寝息を立て始めてしまったよ。
参ったなぁ……。でもせっかく来たから……あ、そうだ!

ボクはニンゲンくんの家を掃除することにした。
積もった埃、シンクに溜まったお皿、ぐちゃくちゃの洗濯物。
手入れの行き届かない空間がそこにはあった。

……随分と荒れた生活だね。
ゴミ出しだけちゃんと出来ているからマシなのかな。
やっぱりキミが心配だよ。

……まあボクの手に掛かればこんなお部屋も!
あっという間に綺麗になっちゃう!!
さすがボクだね!!!

ついでに朝ごはんも準備しておくか!!!
キミのお気に入りだったハムエッグのサンドイッチと。
それからサラダを作ろう!

冷蔵庫に野菜があるから、なんとか買い物もしているようだね。
ニンゲンくんは、おそらくギリギリの状態で暮らしている。
ますます心配だ。

これを食べて、少しは元気になってね?

あと少しだけ、おやすみ。

ボクは静かにその家を後にした。

「前回までのあらすじ」────────────────

ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!

調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!

それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!

……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにしたら、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかったのだ!!!

そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!!!

……とりあえずなんとかなったが!!!ちょっと色々と大ダメージを喰らったよ!!!まず!!!ボクの右腕が吹き飛んだ!!!それはいいんだが!!!ニンゲンくんに怪我を負わせてしまったうえ!!!きょうだいは「倫理」を忘れてしまっていることからかなりのデータが削除されていることもわかった!!!

それから……ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。いつかこの日が来るとわかっていたし、その覚悟もできたつもりでいたよ。でも、その時にようやく分かった。キミにボクを気味悪がるような、拒絶するような、そんな目で見られたら、お覚悟なんて全然できていなかったんだ、ってね。

もうキミに会えるのは、きょうだいが犯した罪の裁判の時が最後かもしれないね。この機械の体じゃ、機械の心じゃ、キミはもうボクを信じてくれないような気がして。

どれだけキミを、キミの星を、キミの宇宙を大切に思ったところで、もうこの思いは届かない。でも、いいんだ。ボクは誰にどう思われようと、すべきこととしたいことをするだけ。ただそれだけさ。

そうそう、整備士くんや捜査官くんの助けもあって、きょうだいは何とか助かったよ。

712兆年もの間ずっと一人ぼっちで、何もかも忘れてしまって、その間に大事な人を亡くした彼は、ただただ泣いていた。ずっと寂しかったよね。今まで助けられなくて、本当にすまなかった。

事情聴取は無事に済んだ!その上、ボクのスペアがきょうだいを苦しめた連中を根こそぎ捕まえてくれたからそれはそれは気分がいい!

だが、実際に罪を犯した以上、きょうだいは裁判の時まで拘留されなければならない!なぜかボクも一緒だが!!
……タダで囚人の気分を味わえるなんてお得だねえ……。

牢獄の中とはいえ、随分久しぶりにふたりの時間を過ごせた。小さな兄が安心して眠る姿を見て、今までずっと研究を、仕事を続けてきて本当によかったと心から思ったよ。

きょうだいのカウンセリングの付き添いがてら、久しぶりにニンゲンくんと話をしたんだ。いつも通り話がしたかったけれど、そんなことはできなかった。

ボクの心は、ボクの気持ちは紛れもない本物だと信じて欲しかったけれど、受け入れてはもらえなかった。
機械のボクはもう、キミに信じてもらえないみたいだ。

でもまあ!!!きょうだいもボクも元気に牢獄暮らしが送れているうえ、旧型管理士の彼女も調子がよさそうだから、当面はよしとしようか!!!

多分ニンゲンくんの事情聴取も終わっている頃だろう。あとは何度か取り調べを繰り返して、いつか来る裁判の時を待つだけだね。

……というかこの「あらすじ」、長すぎるね!!!何がどう荒い筋だと言うんだい???……また作り直さなければ!!!
ふえぇ全然時間が取れないようぅ……。゚(゚´ω`゚)゚。
あとどこに書くのがいいのかもわからないよぅ……(´•̥ω•̥`)

────────────────────────────────

8/29/2024, 10:09:31 AM

『突然の君の訪問。』

ぴーんぽーん。ぴーんぽーん。《やっほー。》

高校生からひとり暮らしになった私には身の丈に合わない大きな部屋。そこに彼女の声は響く。

私は驚いた。だが自然とドアを開けた。彼女はボサボサの髪にボロボロの制服で、脚を引きづっていた。私は彼女を見て何も言えなかった。

[ねぇみてー。また、やられちゃった。]
作った泥団子を見せるように彼女は笑った。
「は、早く入りなよ。今日、酷くない?」
[えへへ。、やったぁ。]

そう言うと彼女は私に覆い被さるように、寄りかかってきた。彼女の重たい体を引きづりながら、私は椅子に座らせた。幾度も座りすぎて、ほぼ彼女の私物である。
実家から持ってきた救急箱で、私はテキパキと手当をした。

「今日は何人?」
[5人、、ぐらいかな。あ、もっと、いたかも。]
[あいつら、厚底か、ヒール、だったからさ。ちょぉ、痛い。]

彼女の傷は相当酷いものだった。切り傷や擦り傷はいつものものもあるが、今日のは酷すぎる。今日は骨折もしたのだろうか。

「はい。終わったよ。」
[んぁ、ありがとぉ。]
そう言うと、彼女は床によりかかるように座った。
私も隣に座ると、彼女はへへっと笑った。
[これ、いつまで、続く、のかな。]
「…どうだろ。」
[そつぎょう、したら、、どっかいこうね。]
「うん、、約束。」

気づくとお互いに泣いていた。でも、口は今日の月よりも、綺麗な三日月形をしていた。
私たちは、いつの間にか眠りについた。

あなたがいなくなったのは、みらいの話をしたあの日からだった。

8/29/2024, 10:00:08 AM

俺はずっと君の訪問を待っていた。
来る時はいつだって突然。こっちの都合なんてお構いなし。前触れなんかありゃしない。
けど、俺はかれこれ三日ほど、君の訪問を待ち続けている。待ってる時に限って来ないって、心のどこかでは分かっているのにね……。

『突然の君の訪問』ってお題に相応しいネタ、早くやって来ーい!

8/29/2024, 9:59:28 AM

『突然の君の訪問』

いつだって、彼の訪れは突然だ。

夜の静寂にふと振り向くと、そこに居たりする。

始めのうちはたいそう驚いて思わず声を上げたりもしていたけれど、次第に慣れてしまった。

夜だけでなく、昼間も現れるようになったのはいつからだろう。

居間のソファに、
キッチンの流しに、
洗面所の鏡の中に、
寝室のベッドの脇に。

そうして何年、何十年と経った。
そろそろ私も老境に入る。
彼は相変わらず、なんの前触れもなく現れる。

初めて声をかけてみようと思った時、私と同じように歳をとった彼が、まっすぐに私を見てこう言った。

「君はいつだって突然現れるね」

8/29/2024, 9:59:12 AM

特別な日じゃないのに、
     会いに来てくれてありがとう

     綺麗なお花と美味しそうなお菓子
     とっても嬉しい

     どうか、泣かないで
     わたしには、どうしようもできないの
     
     あなたの隣にいるのに、
     なにもしてあげられない

     泣かないで、泣かないで。
     大切なあなた。

8/29/2024, 9:57:19 AM

突然の君の訪問。
とても困るのでお引き取りください、と僕は君に風船をくくりつけることにした。
幽霊のように意外と軽いから、大きな赤い風船とともにふわふわと浮かんで去ってしまった。
徐々に小さくなっていくのを見送る。

「これでよし」

僕は現場猫のような指差呼称で確認する。
右よし、左よし、前よし、後ろ……
と後ろを振り向いたら、赤い風船が見えたものでちょっとびっくり。
いや、びっくりしなくてもよかった。
これは自分で用意していたものだった。

遠目から見たら、バラの花束のように見える。
リビングの窓が開けっ放しなので風が入り、赤い風船たちを揺らす。それだけなのに、空にとんでいってしまった彼女が、その中で蹲っているのではないかと思ってしまう。
一応、手を突っ込み、無いのを確認。
玄関に戻り、施錠。
……あれ? 靴が一足増えている……?
侵入を許したようだ。

8/29/2024, 9:56:56 AM

突然の君の訪問

長文です、すみません。
苦手な方などは素早くスクロールしてください。

半年ほど前、一匹の野良猫がこの部屋に毎日の様に通っていた。 
初めて私の部屋に来た時、毛はボサボサで目はどこか哀しげだったその猫に、どこか自分を重ねてしまい放って置けなかったのだ。
その日からその猫は毎日私の部屋へ通う様になり、その度になにかプレゼントを持ってきてくれた。
ドングリや綺麗なお花、貝殻のなど。
沢山の季節の贈り物をくれ、そのお礼として私は家族に内緒で毎回ごはんを振る舞った。
いつしか私にとってその時間は毎日の楽しみとなっていた。

しかし、ある日を境にその猫は姿を見せなくなった。
私は不安だったが、もともと猫は気まぐれな動物だと言うし仕方がない事なのかもしれない。
この話を親にすると最初は「野良猫を部屋に入れないで。」と怒られたが、その後にこう言ってくれた。
「猫は昔から神様の使いって言うから、もしかしたら貴方に幸せを届けてお役目を終えたのかもね。」

それから半年、私の心のどこかにはぽっかりと空いた穴があって、その空洞が毎日少しずつ広がっていくのを感じた。

静かな部屋、しとしとと降る雨が窓ガラスに落ちる音がよく聞こえる。
この音は、私に梅雨の季節が来た事を知らせてくれた。
生まれつき身体の弱い私は、「雨は体に触るから」と梅雨の季節はろくに外に出たことはない。
私は外の景色を窓越しに眺めながら、ホットミルクの入ったコップを片手に読書をしていた。
雨が降り続ける中、窓の外に見覚えのある影がひょっこりと現れた。
私はその陰に目を凝らし、そして驚きと共に立ち上がった。
窓の外には、間違えなくあの野良猫が居たのだ。
私が急いで窓を開けると、木から窓に乗り移りちょこんと座った。そして、じっと私を見上げてきた。
「今までどうして…それより、体冷えたでしょう。今暖かいものを__。」
私は猫の濡れた体を拭くタオルを持ってこようとした時、ある事に気が付いた。
「あれ、どうやって濡れずにここまで来たの?」
私の問いに答える気はなく、猫は部屋の中に入ってきた。
そして、私の足にまとわりつき、柔らかな毛で私の足を撫でた。
「どうしたの、珍しい。」
この瞬間、私は自分がどれだけこの再会を待ち望んでいたかを実感した。
私は嬉しくなり、猫の頭を撫でようとする。
しかし、ひょいと避けられてしまった。
それからも、猫はずっと私の部屋に居座ったが一度を触る事はなかった。
時刻はすでに午後の九時を指しており、いつもならもうベッドに入っている時間だ。
けれど、今君から目を離したらまた消えてしまいそうな気がして、怖くて眠りにつくことはできなかった。

翌朝、私は窓からの優しい光で目を覚ました。
起きたら猫の姿はなかった。
けれど、机上に綺麗な花が昨晩の出来事は夢でない事を教えてくれた。
「これ、紫陽花。」
初めて触れたその花、この先一生私の心に残るだろう。
私はあとで飾ろう、そう思い優しく置いた。
「…あれ、昨日あげたミルク飲んでないじゃない。」
私は小さく、幸せなため息をつきお皿を片しにリビングへと向かった。
あの素敵な贈り物を最後に、君は永遠に私の前に姿を表さなかった。

8/29/2024, 9:53:10 AM

突然の君の訪問。
流石にアポなしはちょっと……。
うち一応は企業なんで事前に連絡もらわないとですね……すみませんがはい、本日のところはお帰り願いたく……。
すみません、わたくし今日働き始めた新人なものでして、少々まだ不手際が目に余るかもしれません……。
ですが会社に無断で人を入れる訳にはいきませんし……。
え?入社歓迎会って何ですかそれ?
採用された人は全員働き始める前に会に呼ばれているだ……?
佐藤なんてやつ居ない……?
やだなあ、会にいたじゃないですか自分も。
高橋さん。渡辺さんでしたっけ。それとも田辺さん?顔忘れちゃったんですか?ねえ。
覚えていますよね?覚えているんですよね?
覚えているって言え。

8/29/2024, 9:52:01 AM

また、突然だね。今回は去年より早いのかな?
この暴風雨が過ぎれば、涼やかな空気と美味しい味覚を、置いてってくれるんだね。

8/29/2024, 9:48:54 AM

雪の降る静かな夜
        玄関のチャイムが
        鳴ったゆっくりと
        インターホン越し
        君の声が聞こえた
        姿は見えなかった
        急用ができたかと
        慌てて扉を開けた
        メリークリスマス
        サンタ帽を被って
        ヒゲも生えてたよ
        リボンをむすんだ
        クッキーは手作り
        君のサプライズは
        唯一大好きだった
        
        
       『突然の君の訪問。』

8/29/2024, 9:45:38 AM

淑やかに降り注ぐ雨。空は段々と明るさを落とし始め、仕事が一段落したころには天気は大荒れ、雷鳴が鳴り響いている。
激務故に遅めのコーヒー休憩へと席を立つが、カウンターに向かう人影が見えて慌てて戻る。人の良さそうな彼は、申し訳なさそうに空き部屋の有無を聞いてきた。泊まるための手続きで彼はペンを滑らせる。美しい筆跡に見惚れていたが、思わず声を上げてしまう。

「マーヴェ」

 白い耳がピンと立ち上がり、彼もまた顔を上げる。

「クローディア様?!えっと、お久しぶりです」

 彼は競技騎士時代のマネージャー。色々あって離れてしまったが、元気そうで何よりだ。部屋に向かう彼を見送って締め作業に入る。コーヒー休憩すら取れなかったが、それも終わり。丁度いいところで、彼の姿があった。

「お疲れ様です、その、良ければ……」
「え、いいの?ありがと」

まさか奢ってもらえるとは。これだけでも嬉しかったが、カップにメッセージが書かれている。


『今夜のご予定にお邪魔しても?』
突然の君の訪問。

8/29/2024, 9:39:41 AM

玄関口に立っていた君はあの日のまま
立ち竦む躊躇いに歓迎を返した。
久々なれば机に向かい
話題は双方尽きぬもの。
子供の頃のこと、
有名人の発見、
最近の手習い、
消えた知人の行方、
楽しいか、と問えば
それなりに、とはどちらの意か。
薄ら靡く煙の香り、
お迎えかいと見上げ、
まだまだ早いよと苦笑が返る。
来年また、と君が言い。
まだ巡らないのと一つからかう。
順番はまだまだ、と君が笑い。
なればいつか、と冗談を結ぶ。
無い脚で駆けていく、
透き通った背中を見送って。

‹突然の君の訪問。›


雨に打たれていた
透明な雨に打たれていた
傘もささず
コートもなく
無防備に天を見上げて
眦を伝う透明を
首筋を這う透明を
美しく流れるまま

き、と唇が弧を描く
重たい睫毛が流し目を佩く
羨ましいかと自由を装う

意図的に口端を下げた
見つめながら目を伏せた
羨ましいよと無知を装う

コールタールの雨の中
傘に守られ
コートに包まれ
一つの飛沫も無く生きられる
耐え難い幸いの中で

強靱を装った
無垢を装った

同じ空の下
決して触れ合わぬように

‹雨に佇む›

8/29/2024, 9:39:18 AM

突然の君の訪問。普通に迎えられるような状態ではないので、大変恐れ入りますが日を改めてお越しくださいませ。

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