突然の君の訪問
突然の君の訪問。嬉しいけれど、部屋が片付いてないよ…。
グラビアアイドルの表紙の雑誌が床に…。隠すの忘れてた。リビングのローテブルの上の食べかけのカップラーメンやら缶ビールの空き缶やらペットボトルをざーっと片付けるので精一杯。
こんな無精な僕を君は嫌うかな?
かろうじて綺麗なスペースの最近イケアのセールで買ったソファに腰掛けて貰ったけど…。
君のアーモンドアイの大きな瞳で、そんなに興味津々に部屋中を見られると、身体検査でもされてる気分だよ。
あぁ…心臓に悪い。
君は本棚に手を伸ばして、この写真集見て良い?て聞いた。
白川義員さんの「天地創造」。バイト代をコツコツ貯めて買った大切なものだったから、君が真っ先にそれを選んでくれたのが嬉しかった。
「すごく幻想的…。」
写真を撮ることしか出来ない僕。他は何一つ上手くこなせない。
君にだってこの気持ちが届いているかさえ疑問だ。
「今度、君をカメラで撮りたい。」
勇気を振り絞って告白したら、君はにっこり頷いた。
君の突然の訪問が、僕を天にも昇らせた。
「今日は来てくれてありがとう。」
素直に君にお礼を言った。
窓の外に月が輝いていた。
8/29/2024, 10:24:47 AM