ひそかな想い
私は2匹の怪獣と生活を共にしている。愛すべき双子のハルとルオだ。
2人のお陰で笑顔も沢山増える一方、正直1日の終わりにはクタクタでベッドにダイブする毎日だ。
離乳食も既に終わっている怪獣くん達は、この頃よく食べる。
四六時中何かしら作る為に、キッチンに立っている。
食べてもその分動き回るので体重はプラマイゼロで平均値をキープしている。
おはよう〜の挨拶が「お腹しゅいた〜!」で始まる日などざらだ。
そんな話をママ友にしたら、「え〜!?食欲旺盛でいーじゃない!大きくなる証拠〜。」と、美容家のikkoさんのポーズで返してきた。まるで他人事だ。
月に一度か二度、頑張ってる自分にご褒美と駅前の和菓子屋さんでフルーツ大福を買って食べるのが目下の楽しみ。
しろあんと大福の柔らかい餅の様な求肥に包まれた季節ごとのフルーツは、緑茶とマッチして最高のハーモニー。
夜の9時過ぎ、2人がやっと寝入った頃、お湯を沸かし、さあ私だけの時間♡と冷蔵庫から今日買ってきたフルーツ大福をそ~っと取り出した瞬間。
背中に気配が…。トイレに起きてきた怪獣の目が4つ。
じーっと私を捉えながら、「あー!ママだけずるいー!」の大合唱。
君たちは忍びなのか?
お願いですから、ママにも休息を。
ママはリビングでも微動だにしないラスボスも相手に闘う日々なのですから。
私のひそかな想いは、1人で優雅に誰にも邪魔されず好物を食することだ。
その想いは、まだまだ届かないようで…。
がんばれ!私!自分で自分にエールを送った。
ココロ
こころと言えば夏目漱石。何度読み返しただろうか…。
カタカナでココロと書いてあると、あら不思議。ずっしりとした重みさえかんじる仮名文字のこころはどこえやら。
電子化された機械的でもあり、可愛いロゴみたいなコロコロとした軽さも感じられる。
我が師の心こそ大切なれ、との教訓もココロコソタイセツナレだとワレワレハウチュウジンダの様で宇宙からのメッセージと化してしまうではないか。
平仮名表記とカタカナ表記だけで言葉はガラリと変化する。
日本語はまだまだ奥が深い。そして面白い。
国語辞典を又手に取ろう。
この頃はお笑い芸人さんのYouTube、Spotifyで音楽鑑賞、radikoでラジオ。それにスマホゲームのポケポケとポケモンGOにすっかりハマった私は、かつて文学少女と言ってくれた近所の辻さんの叔母様に謝りたい気分である。
身近に楽しめる優秀な相棒。スマホ。Kindleもファッション雑誌まで購読出来てしまう。
でも、私はやはり読書だけは装丁された単行本か文庫本が好きだ。
やはり、原点回帰といきますか…そろそろ。
ココロの赴くままに。
星に願って
生まれてからこのかた星に願った記憶がない。夜空を見上げれば瞬く星は綺麗だから、ただただ見とれてしまう。
遠い記憶を辿ったら、数回チャレンジした事があった。流れ星に願うと夢が叶うと知った私は流れ星が見たくて見たくてチャンスを伺っていた。
ようやく現れた流れ星は、あっという間に消えてしまって願い事など言えず、又ただただ綺麗で見とれている自分がいた。
星に願う人たちは、とても素敵だし利口だと心底思う。
ならば自分もそうすれば良いのに、結局ただただ綺麗だな〜とうっとりするばかり。
私が願う対象は銀河の惑星の中でも、お月様が良いらしい。満月なら尚良い。
1番近い日は何と今日か明日2月11 日か12日。スノームーンだ。
2025年のスーパームーンは11月5日だそうだ。地球と月の距離が最も近くなる。
4月13日はピンクムーン。8月9日はスタージョンムーンの満月がお目見えする。
手帳に書き留めているはずなのに、去年は何度か見過ごす始末…。お天気の関係もあったかしら…。
月に一度はお月様を拝めるのに…見逃すとは…。
ああ…。私の願い事は叶う日が来るのだろうか。謎だ。
願わくば、星に願いを。
そっと
言いたいことは山程あった。頭の中を整理して、相手にできる限り伝わる言葉を選んで今まで感じていた?の件をつらつらと書き綴る。
読み返してみた。プライドの高い彼女なら、猛反撃に出るであろう文にまとまっていた。
これで縁が切れるならそれでも良いと思った。
そんな関係なら、最初から無かったことにするに限る。
私としては、彼女からごめんなさい。と、誠実な謝罪の言葉を期待してしまった。
でもそんな理想的な返事は返ってこないだろう。
何しろ彼女は自分の時間だけが尊いたぐいの人なのだから…。
私の要望が素直に受け入れられたことはあっただろうか。
無きに等しい。
思いの丈を書き終えて、そっとペンを置いた。
後はポストに投函するのみ。
楽しかった思い出も、勿論ある。それだけを残して、後は全て忘れたいと思う。
もう、そっとしておいて欲しい。
絶縁状は静かに机の上に置かれた。彼女にさようならと告げながら…。
Ring!Ring!
クリスマスの鈴の音なら、耳心地は良い。
あのリンリンという軽い音色は好きだ。
でも私は、電話のベルが大嫌いだ。あまりに嫌で、家の電話をとうの昔に解約してしまった。
あの、唐突でドキリとする「りーん!りーん!」
という音は一種の図々しさまで感じられる。
急用でも今は、スマホもメールもLINEもあるから、何も不便ではない。
今は、詐欺も多いので私は家電がなくて清々している。
おしゃべり好きな女友達が、こちらの都合も忙しさも関係なく、いきなり話し始めたり…これ又愚痴しか電話してこない実姉に電話は好都合だったようだ。
だから、私は家電を止めて心の底から嬉しい。
時は金なり…。その心境である。