手放す勇気
手放す…とは断捨離のように物だけに限らず、心の持ちようもあるだろう。
つい最近、大切に思っていた友人と喧嘩別れしそうになった。暫く私はモヤモヤが止まらないでいた。
恨み節が多かったこの私を、もう忘れなさいよ…。そんな感情手放しなさいよ…。
と背中を押して頂いた本がある。Panasonic創業者の松下幸之助さんの名著「道をひらく」だ。
ともすると、ビジネス指南書だろうと括られがちだが章ごとの短いエッセイの中に、「人とはこうありたいものだ」という松下幸之助さんの強いメッセージを感じとれる。
また、苦労人の著者の人間性が随所に垣間見える。
その一節がこれだ。
〜花は桜だけ、木は杉だけ、鳥はウグイスだけ。それはそれなりの風情はあろうけれども、この日本の山野に、もしこれだけの種類しかなかったとしたら、とてもこの自然のゆたかさは生まれ出てこなかったであろう。
いろいろの花があってよかった。さまざまの木があってよかった。たくさんの鳥があってよかった。自然の理のありがたさである。人もまたさまざま。さまざまの人があればこそ、ゆたかな働きも生み出されてくる。自分と他人とは、顔もちがえば気性もちがう。好みもちがう。それでよいのである。ちがうことをなげくよりも、そのちがうことのなかに無限の妙味を感じたい。無限のゆたかさを感じたい。そして、人それぞれに力をつくし、人それぞれに助け合いたい。
いろいろの人があってよかった。さまざまの人があってよかった……。(原文まま)
先人に胸を撃ち抜かれた私は、手放す勇気を貰った。
すぐに勇気を出して、こちらから連絡をとった。
大切な友達は、大切なまま私と共にある。
5/17/2025, 6:03:20 AM