神様が舞い降りてきて、こう言った。』の作文集

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神様が舞い降りてきて、こう言った。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

7/27/2023, 2:13:57 PM

神様が舞い降りてきて、こう言った。

「あなたの力になります」

神を信じない私の前に現れた神は、男性なのか女性なのかわからない風貌で背が高かった。
白い布をまとい、金色の髪は腰の辺りまで伸びていた。
想像する神様の通りだと思い、同時に不信感で寒気がした。

「神が私の願いを叶えたところで、私に何のメリットがあるというの?自分の力ではないのに何か喜ぶことが起こるの?」
「あなたのお母さんの病気を治しますよ」

神は、抗がん剤治療中の母の癌を消すことができるという。神は得意げな顔をしたのでイラッとした。

「神に振り回される人生ですから、力になると言われたところでまた振り回される。運命は私が決めます」

7/27/2023, 2:12:48 PM

ある暑い夏の、そんななかでも特段に日差しがキツイ日。毎日を生きるのが辛くて、生きることを考え始めた頃。無神論者の私に神様ができた。
その笑顔は1級品で他の何にも比べられない。トレードマークの高く結ばれたポニーテールは彼女に漲る元気さを象徴している。日焼けで茶色くやけた毛先を揺らした神様は私の前に舞い降りてきて、こう言った。

「ね、先輩。汗ふきシートもってない?」


私は美術部の幽霊部員だ。1年生の時はしっかり行っていたような気もするが、去年から部室である美術室への足取りが重くなってしまった。美術部に入っているからと言って美大進学を視野に入れられる程の腕では無い。人より少しばかり上手というだけだ。
絵を描くのは好きだ。でも、ただそれだけ。それが何か生きるための心の支えになったりするなんてことはない。受験勉強で毎日すり減っていく心とヒステリをおこした母親の相手と、ろくに帰ってこない父親。特に仲のいい人もいない高校生活。ただが十数年しか経験していない私にとっては随分ギリギリな状況だった。もしも絵を描くことが楽しければ、明日を生きる理由にでもなったのだろうか。そんな存在し得ない未来を考えるのももうやめる。とりあえず今は家と学校と図書館の往復をするだけだ。塾には通わせてもらえない、でも家も学校も集中なんてできないから少し遠い図書館まで勉強場所の確保に勤しむのだ。

そんな大した価値もない毎日を過ごしていた私の下に、突如として神様は舞い降りてきたのだ。

彼女は美術部1年生の斎藤凛乃ちゃん。今の1年生がいる時に部活動に顔を出したのなんて、強制参加だと言われた年度始めのオリエンテーションのときだけだろうに。よく私なんて存在を覚えていてくれたものだ。私は凛乃ちゃんのことを名前こそ知らなかったが、姿は何度かみかけていた。なんと言っても凛乃ちゃんは運動ができてコミュ力がカンストしている。日々を惰性で乗り越えている私の目にも映っていた。1年生と3年生では棟が違うはずなのに何故かよく廊下やトイレですれ違った。何故私が凛乃ちゃんのことを覚えていられたかと言うと、凛乃ちゃんの顔がそれはもう国宝級に良いからだ。聞いた話によると私の学年に凛のちゃんの兄がいてその人も顔が良いらしい。対人関係が嫌で、全てから退いてきた私としては、その人が誰だかなんて何一つ分からないのだが。

凛乃ちゃんはあの私に声をかけてくれた日、中学の友人に誘われて部活終わりにソフトボールをしていたらしい。いくら美術部の終了時刻が早いからと言って、何とも私には真似出来ない所業だ。帰路についていた凛乃ちゃんは偶然図書館から出てくる私を発見。その後私に追いつき冒頭の事態に陥ったわけだ。

アイドルだとかアニメだとかドラマだとかに一切興味が湧かなかった私を、「推し」の意味がわからなかった私を、恋愛もなにも理解できなかった私を、凛乃ちゃんは変えたのだ。その一目見ただけで何もかも全てを捧げたくなる衝動は何にも形容できないそれで、一瞬で凛乃ちゃんが私の生きる意義になった。凛乃ちゃんがいるから頑張れる、凛乃ちゃんがいるなら明日も生きたいと思える。凛乃ちゃんはきっと私にこんな執着じみた感情を抱かれていることに気づいていない。だから今もあの人変わらずフレンドリーに接してくれるのだ。いや、あの日よりも距離は確実に近づいているが。

この気持ち悪い汚い感情をいつか全部洗い流して胸を張って凛乃ちゃんに見てもらうことが、とりあえず直近の生きる目標である。

7/27/2023, 2:12:27 PM

神様が舞い降りてきて、こう言った


「君はよくやったよ、ソフィア」
 とある日、神様が舞い降りてきてこう言った。私みたいな下っ端天使を直接迎えに来てくださることは、前代未聞事態のはずなのに、手放しで喜べない。

「でも、私はまだ、あの子を…、メアリーを幸せにできていません」
 私の視線の先では、白いベッドに女の子が弱々しく横たわっている。私の役目は、この子、メアリーの人生の最後を幸せでいっぱいにして、天国へ連れて行くこと。
 それなのに。

「メアリーは友達と外で遊んだこともないんです。学校にだって行けていないし、十歳の誕生日だって家族とお祝いできていません」
 医者も生きて十歳までと告げ、家族も長く生きられないならとメアリーから離れていった。小さな頃からずっと病室にいるからお見舞いに来る友達もいないし、学校に足を踏み入れたことすらない。本当に、ずっと一人だった。
 神様はぎゅっと唇を結ぶ私の頭を、優しく撫でてくださった。

「でもね、ソフィア。君はメアリーの夢の中で、いつも一緒に遊んでくれていたじゃないか。私も見ていたよ。とても楽しそうだった。幸せだったんじゃないかな。君も、メアリーも」
 そうだった。誰もメアリーを気にかけないから、私が一緒にいたんだ。現実の世界で生者に姿を見せるほどの力は私にはないけれど、夢に入ることはできる。せめて夢の中では笑ってほしくて、いっぱいお喋りして、遊んだの。
 それだけだったけど、メアリーは幸せだって思ってくれたかな…?

 神様は穏やかに微笑まれた。
「メアリーの命はもうまもなく潰える。他でもない君が、上まで連れてきてあげなさい」
 私の頭から手を離し、神様は空へ上っていってしまった。

 私はするりとベッドの横まで降りる。病室には、相変わらずメアリーと私しかいない。だけど。
「メアリー。一人じゃないからね」
 静かに命を終えようとするメアリーを、ただじっと見つめる。
 神様の言葉と、夢で見せてくれた笑顔を信じながら。

7/27/2023, 2:11:49 PM

「あなたは生前、とても善い行いを続けました。
あなたに救われた人々の想いによってあなたに選択肢を与えましょう。」

「1つ目、優しく穏やかな両親のもとで愛情を一身に受けて健やかに育つ」
「2つ目、明晰な頭脳と、強健な身体を持ち、文武様々な場面で人々から喝采を浴びる」
「3つ目、民衆に慕われる善き領主となり、豊かな領土と明朗な領民を統治する」

私は答えた。
「ニンゲンはもう懲り懲りです。来世はお金持ちに愛される猫にしてください。」


/「神様が舞い降りてきて、こう言った。」

7/27/2023, 2:11:34 PM

「あなたは24時間後に死にます」
「──は?」
 日付の変わった0:01。突然私の部屋に現れた、なんだか神々しい─真白な─天使の羽を纏った女のひとは、憐れむようにそう告げた。
「えっ、な、……なに?」
「あなたは24時間後に死にます」
「いや……え? まず誰? てかなに? 24時間後、って……明日?」
「はい」
「はいじゃなくて……え……天使の幻覚見るとか疲れてんのかな……」
「天使ではありません。神です」
「神様って自称なんだ……」
 なんだかもう混乱してしまって、意味のわからない感想さえ漏れる。死ぬ……死ぬってなに? 誰が? ──私が?
「いや……いやいやいやいや。私、まだ19だよ? 明日誕生日だよ? ようやく20歳になるんだよ? まだ酒もタバコも知らないし好きな人とも出会ってないし遊びに行きたいとこたくさんあるし大学卒業してないし……そもそも病気でもなくピンピンしてるし……いや……てかほら、なんだっけ。日本人は無宗教なのに神様出てくるのおかしくない? こんなの夢だって絶対。覚めろ〜私。起きろよ私。……起きなって………!」
「そう──そうして自らの心を守るのもまた、矮小な人間の知恵なのでしょうね。務めは果たしました。これからの24時間をどのように過ごすか、それは自由です。それでは。汝に救いがあらんことを」
 無責任なことだけ告げた自称神様は、そうしてサッと消えてしまった。言いたいことも聞きたいことも投げつけたいものもたくさんあったのに、本当に最初から、なんにもなかったみたいに。
「──は」
 笑う。声が漏れる。つ、と頬を涙が伝う。
「は、は、──はは、」
 ああ、神様。もしもあなたが本当に居るというのなら──死神の間違いだろ、ばーか。
 時計は0:08分。残されたのはあと23時間52分。頭の片隅でそれを意識して、心の大半がバカバカしいと嗤うなかで──私は、ただただ泣いていた。自分が死ぬことが怖くて泣いていた。
 時計の針だけが、無情に時を進ませ続けている。

7/27/2023, 2:08:36 PM

「神様が舞い降りてきて、こう言った」


靄のかかった半月の夜

欠けた月の隙間から

淡い光が生まれでて

ゆっくりと近づいて

人の形をとると地上へ降り立った。

ふわりと髪をなびかせる女神様は

白い衣をまといヴィーナを抱え

私のすることをじっと見ておられる。

この女神様は命令はしない、諭しもしない、

突き放しもしない、非難も叱責もせず

ただずっと黙って傍におわす。




ある日 女神様が私にお声を下さった。

「わが娘よ。望みがあれば申せ」


私は頭を垂れて合掌し 

「私が最も欲しているものを。我が神」

と申し上げた。



女神様が続けてこう仰った。

「では、努力に見合った成果を与えよう。」


それこそが私が最も欲しているものだった。



この世に

努力に見合った成果以上の幸せが

あるだろうか。それこそが神の祝福である。






お題
「神様が舞い降りてきて、こう言った。」

7/27/2023, 2:03:55 PM

神様が舞い降りてきて、こう言った。

『君たちは、なんのために生きているのですか?』

生きる意味…

名誉、金、幸福、食べ物、好きな人、友人……

などと理由は、人さまざまだろう。

私は死ぬために生きていると思っている。

私は、生きるために死ぬとも思っている。

「生きる」という行為の中に、死ぬというものが組み込まれてる。

「死」は、ただそれだけに過ぎない。

私はそう思って、今を生きている。

皆さんは、どうですか?

7/27/2023, 2:00:06 PM

『神様が舞い降りてきて、こう言った』

あなたは
今一生を終えても
後悔しないくらい
今を全力で生きていますか?

いろんな葛藤で
モヤモヤと過ぎてしまっている日々

それを自覚しているからこそ
もし神様が舞い降りてきたら
そんなことを言って
背中を押してくれるんじゃないかと思う

背中を押されなくても
全力で生きられたらいいのに

7/27/2023, 1:59:15 PM

皆、答え知ってるよね?
え!理解らない?うそやん…。
それは、教えられないよ。僕が教えたら、嘘になっちゃうから。僕、忙しいからもう行くよ。理解ったら、言ってね。何時迄も、待ってるから。

7/27/2023, 1:48:27 PM

突然チャイムが鳴って、こたつに潜り込んだ。君が恐る恐る階段をあがって、一言二言。こたつ布団1枚隔てて、体育座りでじっとしている気がする。触れられることに戸惑わなくても、覗き込み窺う少し怯えたその目は煙草に火をつける十分な理由になる。私は懐かしい曲を聞いていた。過去の自分を思い出して、色鉛筆を背の高さで並べるように。ふたりは同じ空間にいて、ささやかに笑い、一緒に眠った。朝、洗濯を頼んで家を出たけど、私の心はこたつに潜り込んだまま。

7/27/2023, 1:47:47 PM

『神様が舞い降りてきて、こう言った。』

しばらく連絡のつかなかった友人がいます。
本当にしばらく連絡がなかった友人なので、わたしは、嫌われてしまったのかと疑心を持ち、「何かメッセージしたほうがいいのかも」などと考えていたところ、「嫌われたはずない。それなら、ちゃんと伝えてくれる人のはずだし、そんな事するように思うのも失礼では!?」と、神様が舞い降りてきて、こう言った訳でもないですが、彼女を信じる考えを優先してきました。

そして、本日、誕生日を迎え、友人からお祝いメッセージが届き、近日中に会う運びとなりました。

疑心とは、迷いであり、不安でもあります。
そんな疑心に満ちたメッセージを送らずに良かった、と、心から思います。大切な友人だからこそ、失いたくないからこそ、信じる気持ちを優先出来たのかもしれませんが、本当に本当に嬉しい素敵な誕生日になりました。

7/27/2023, 1:47:00 PM

お題とは違うケド…


今朝の夢

凄くリアル…


唇の感触、舌の感触。


そして…味。


何故か鉄の味。




それでも、貴方は


「ヤバイ…止まんない」って言って


何度も、何度も唇を重ねてきた





夢なのに

とても幸せな朝を迎えました



              梅茶々

7/27/2023, 1:45:00 PM

白日のような髪の神様がそこにはいた。

「僕を旅に連れて行ってくれ」

目を輝かせながら私に言うその姿は、

神だとは思えないぐらいに小さく、幼かった。

『あれが一等星。そしてあれが月』

「……すごいな」

神様なのに、こんな事も知らないのか。

「人間の見る世界が見たかったのだ」

「少年のお陰でこんなにも素晴らしい世界を知れた。感謝する」

言葉遣いだけは、一丁前だな。

「少年よ。僕は次の世界を見たくなった」

「私欲と好奇心で私自身を満たしたいのだ」

『…神様ってのは、気まぐれだな』

次の日、神様は消えた。


ー神様が舞い降りてきて、こう言った。ー

7/27/2023, 1:44:59 PM

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神様が舞い降りて来て、こう言った
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お前今日からクビな」


『えっ』


              ┏━┓              
              ┃□┃    
それは突然のことだった ┏━┛■┗━┓
            ┗━┓□┏━┛
              ┃■┃      
              ┃□┃  
              ┃■┃       
バカでドジで        ┗━┛


間抜けな下級天使


それが自分の


評価だった   ┏━━━━━━┓   ┏━━━             
     ┓ ┏ ┏━━━━┓ ┓ ┏   ┓      
━━┳   ┏ ┏┛◢◣◢◣┗┓ ┓  ┃ ┃    
━━━┳  ┃ ┃ ◥◣◢◤ ┃ ┃  ┳ ┗ 
┗┳━━┳ ┗ ┗┓ ◥◤ ┏┛ ┛  ┃
 ┗━━┳┓ ┗ ┗━━━━┛ ┛┻┓ ┻┏┳          
    ┗━━┛┗━━━━━━┛   ┓┏ ┓ 
仕事仲間に              ┳      
                         

ちょっと代わりに


地獄を見てきてくれない?


そう言われて


地獄に仕事として様子を


見に行ったら


神様に見放された


仲間に裏切られた




理由は無断で地獄に行ったから


曰く、自分は


堕天使になってしまったらしい





嗚呼...


この世に神などいないのだ



      ある日気づいたら堕天使になってた話

7/27/2023, 1:43:39 PM

神様👴が舞い降りてきて、こう言った。
「痩せろ」と。
人生で初めて肉眼で見る神という存在。
まさか、こんな爺さんに痩せろって言われるなんてさ。
肉すらついてないあんたに言われたところで...と思ったが、自分の腹を見ると、爺さんの50倍くらいの厚みがあった。
私は謎の焦燥感に襲われ、すぐにダイエットを始めた。
長期間であったが、-20㎏痩せるという快挙を遂げた。
神はあれから姿を見せなかった。私も忘れていたが、痩せた数日後、ひょいっと姿を現し、にやっと笑って帰っていった。
その笑みは、どこか不気味でかわいらしいかった。
それからというもの、彼氏はできるわ、結婚できるわ、子供産まれるわで絶好調だった。
あれから神は全く姿を見せぬまま30年が経った。
しかし、私の子供に(上へ戻る)↑

7/27/2023, 1:41:39 PM

神様が舞い降りてきて、こう言った。
お前、戻ってこいよ。

7/27/2023, 1:38:33 PM

神様が降りてきて、こういった。
「今眠れば、その子は助かるだろう。
しかし、貴方は助からない。」
そんな言葉に、っはとしながらも、
大きく深呼吸。
しばらくすると、
息がし辛くなり、なんとか貴方をみようともがいた。
貴方を見れば、
何故か当たり一面をきょろきょろ
一体何を見ているだろうか?
気が抜けてしまう光景だが、なぜかほっこりし、
少しずつ、深呼吸をしながら、呼吸を整える。
部屋を移り、
貴方を見れば今度は眠そうに「ふあ〜」、とあくびをしている。
こっくり、こっくりと船を漕ぎついにはその瞼が閉じられた。
そこまで見て、やっと肩の力を抜く。
貴方と見る明日を、
そして、その先に続く、明るい未来を…

それは、いつか聞いた、自分の誕生の話。
誰かと過ごす今が、
家族と過ごす今が、
当たり前ではないのだと、思い出させてくれる話。
今、ここで、当たり前のように息をし、
明日を迎えられることが奇跡の積み重ねなのでは、と思わせてくれるお話。

7/27/2023, 1:34:18 PM

神様が舞い降りてきて、こう言った

『貴方は神を信じますか?』


この言葉を人間が放つと途端に胡散臭くなるのは
何故だろう。実は今日、駅前の大通りで如何にもな方に
そう声をかけられた。

その方はよく見積もって40代後半、
言ってしまえば中年程の人で、
駅に着いて、一緒に遊びに行く予定だったNがトイレに
行っている間に横からひょっこりと現れて、
私の腕を掴んだ。

知らない人に急に腕を掴まれたものだから、
驚いてその腕を捻り上げてしまったが、
その女性は短い悲鳴をあげると、
ガン決まりの様な目つきで私を見て

「貴方、貴方は運命を、信じますか…?」

そう聞いてきた。
だから私は持論を述べた。

「まぁ、はい。奇跡とは、違いますからね。
 運命って、実際に存在する出来事ですし…。」

するとその女性は私の腕を掴む力を強くした。
だから私は少し強めに捻った。
「やめて下さい。」
正直人にベタベタされるのは嫌いだった。

女性は私の腕を離すと
「素晴らしい…是非私達のお話を聞いてみない?」
と誘って来た。この手の話はよく聞く宗教や
カルト団体の誘いだろう。めんどくさい。断るか。

「いえ、人を待っているので」

すると女性は「ならそのご友人も一緒に」と言ってくる

「友人じゃないです。」


私はキッパリ答えた。すると女性は
「彼氏さん?」

「彼氏いません」
これが良くなかったのかな、女性はギラッと目の色を
変えて私に詰め寄る

「恋人を探しているのね!」
「いえ」
「出来るわよ。理想の彼氏さん」
「えぇ…」若干引いた。何だこのババア。

「特別に、理想の恋人とも巡り会える運命の宝石をあげる」

「え、要らないです。」
マジで要らない。何それ。胡散臭すぎ。

「これさえあれば貴方も幸せな運命に導かれる!」

ドーン!

ババアがなんか喋ってた事を言い終わる前に、
Nが私の肩にダイブして来た。

Nは私に飛びかかるとすぐにこう言った
「〇〇!ナンパ!?」

うん。相当頭が弱いらしい。
するとババアは私の袖とNの袖を掴んで
「貴方も!私と一緒に来てくださらない?
 運命とは希望、運命とは未来、
 運命とはなんちゃら神さま…!」
とか何とか言ってた。

Nは服を引っ張られたからか、
ニコニコ笑顔から一気に冷めた表情に変わって、
「何かと思えば宗教勧誘かよ!
 ごめんだけど興味ないんだよね!!」
そう言って腕を振り解いて、私の腕も解いた。

ここからN無双が始まる。
「なんしゃら神さまを信じないとどーたらこーたらで
 世界が滅びるのよ!!」
みたいな事を言い始めた。このババア相当きてんな。
対してNは

「知らねぇし興味ねぇよ!」と一蹴
ババアそろそろ疲れてくるんじゃない?
私は呑気にそんな事考えてた。
そしてなんとババアはNにも
「なんちゃら神さまを信じてこれに願いを込めれば!
 理想の彼氏!理想の旦那!理想の人生が歩めるのよ!」

そんな事言ったって無駄だっての、
Nはレズビアンなんだから。

Nは終始イライラしてたけど、その発言で
堪忍袋の尾が切れたのか、捲し立てる様に話し出した

「うるさいなぁ!私!女だけど男に興味ないし!!
 てか彼女居るし!!!
 アンタの勝手な価値観で話進めないでくれる!?
 あと!宗教とか!そーゆーの日本じゃ自由だけど!
 それは無宗教である権利も守られるって事だから!!
 押し付けるのも度が過ぎれば犯罪になるんだよ!
 分かったらさっさと〇〇離して!」

ババアから無理矢理私を引き離すと、
Nは肩で息しながら「行こ!」って手を引く。
あ、ここで言うNの彼女とは私の事だ。
私はレズビアンでもなければ、バイセクシャルでもない、
Nが別枠ってだけ。

私たちはババアを後にした。

ババアのせいで、Nは今日一日中少し不機嫌だった。
放っておいたら治って来てたけど、
さっきなんてスト缶2本目を開けてた。
どうせ飲み切らなくて私に預けるくせに。

ほら来た。

「飲めねぇ…」
じゃねぇよお前が開けたんだろ。

持ち上げてみると3分の2はある。
ふざけてんなマジ

私は酔っているであろうNに聞く。
「ねぇ、Nは神様って信じる?」

「はぁ?何で?」そりゃそうだけど、

「いや、なんか気になって」

「うぅ〜ん……」
Nは考える仕草を見せて、妙案を思いついた様に顔を向けた

「神様ってさぁ〜色んな所に居るって言うじゃん?
 だから〜まぁ〜居てもおかしくないけど、
 居ないって言われてもぉ納得できるよねぇ」

酔っ払いの言葉なのでそんなに信用できないが、
N的には神様は居ても居なくても別にいいと言う事らしい。
私も正直そっち派だ。居ても居なくてもどうでもいい。

「あ〜でも!受験は神頼みしたー!」

現金なやつだな。

まぁそんなもんか。日本人って大体そうだ。
ここぞと言う時にしかお願いしないし、
普段から神様を信じてあれこれしてる人の方が少ない。
そもそも神様ってゆー存在自体が不確かで不透明だ。
人によって解釈が異なる。

だから私は明確に神様を想像できない。
想像できない大きな存在。と言う事しか出来ない。

何より怖いのは、人は人を信じる力、依存する力を
使い、人を神さまの気分にさせてしまう。
神さまのような力を持たせてしまうと言うことだ。

だから神様が舞い降りてきて、私が奴に一言言うならば、

「居なくなってくれ」

これに尽きる。

7/27/2023, 1:30:23 PM

神様が舞い降りてきて、こう言った。


願いにしては大きく、祈りにしてはあまりにも厚かましいようなそれはいっそ許しを乞うようだった。
絶望にうちひしがれて、地面に膝をつきながら見上げたその先に、光が見えた。
神様が舞い降りてきて、こう言った。
「君にあげたものだから、君の好きにしていいよ」
生きるのも、死ぬのも。どんな道に進んで、何をしようが、これは君の人生だから。
だから、いつかまた戻ってきたら、君の話をたくさん聞かせてよ。

7/27/2023, 1:28:07 PM

神とは、私の中の私を超越した(と考える)ものを抽象化したものである。だから、神が言ったことは自らが言語化した思いや気持ち。


私の神はこう言った。
「生とは自己である。自己の魂を精一杯生かしなさい。」

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