「神様が舞い降りてきて、こう言った」
靄のかかった半月の夜
欠けた月の隙間から
淡い光が生まれでて
ゆっくりと近づいて
人の形をとると地上へ降り立った。
ふわりと髪をなびかせる女神様は
白い衣をまといヴィーナを抱え
私のすることをじっと見ておられる。
この女神様は命令はしない、諭しもしない、
突き放しもしない、非難も叱責もせず
ただずっと黙って傍におわす。
ある日 女神様が私にお声を下さった。
「わが娘よ。望みがあれば申せ」
私は頭を垂れて合掌し
「私が最も欲しているものを。我が神」
と申し上げた。
女神様が続けてこう仰った。
「では、努力に見合った成果を与えよう。」
それこそが私が最も欲しているものだった。
この世に
努力に見合った成果以上の幸せが
あるだろうか。それこそが神の祝福である。
お題
「神様が舞い降りてきて、こう言った。」
7/27/2023, 2:08:36 PM