『病室』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
しろい時。
わたしをかくすように垂れる布。
狭い世界で制限された視界を眺める日々。
生白い2本の肢はただ白い世界に揺蕩う。
自ら望んで、この世界に沈んだのではないのに。
今日もわたしはここに1人。
ただ、解かれるときを待って。
また、まぶたの裏のくろに背中を預ける。
病室
白く明るい部屋に
閉じ込められた子どもが8人
みんなで励ましあって
一日も早く外に出たいねと願った
叶わずに遠く旅立った子もいたけれど
さいごまでみんな笑顔を忘れずにいた
限りある命だから
泣くよりも少しでも多い時間
笑っていたかった
今でもつらいことがある時は
あのとき繋いだ小さな手が
しっかり生きて、と励ましてくれる気がする
『コロン』
君と私は、看護師と患者でした。
コロナ渦なので、見舞いもダメと、言った。ジョイトリックのような環境で君と出会った。
私は、皮膚ガンの為に入院することになった。私は、一人ぼっちの入院がすご〜く心細くて、なんか、他に回避出来る方法は、ないかずっと考えていた。
でも、その方法は、なかった。親しい医師に相談をしたら、『頑張るしかない!!』と、強い語気で叱られた。私は、プツんと、糸が切れたように声を上げて、泣いた。不安不安でしかたなかったから・・・・・。付き添いの友達は、冷たい視線で私を軽蔑した。『大人なのにしっかりして』と、言われるいるようでした。声に出して泣いた、おかげで私は、入院をして頑張る決意が出来た。先生は、私の為を思ってわざとキツイ言葉で、私を叱ってくれたのでしょう。今でも、その先生には、感謝しています。先生のエールちゃんと私に、届いたよ〜(´;ω;`)メソメソして、ごめんなさい。(´;ω;`)でも、ありがとうございました。心、想います。入院までに、諸々と、準備することはいっぱいあった。母が、モコモコのカワイイピンクのパジャマを買ってくれた。飲むお薬や色々と、お薬手帳やは歯ブラシや歯磨き粉や色々と、用意をした。不安定な私は、毎日、動画で、遠隔参拝をした。何処か、毎日がフワフワした日々だった。大好きなお姉さんと京都の嵐山のトロッコにも、乗りに行ったが、窓際で黄昏ていた、楽しかったのは、楽しかった。お姉さんが、『このトンネル、ジブリの世界に繋がっいるみたいだねと、言った。カメラマンさんが『今だけ、マスクを外して』と、言って写真を撮ってくれた。レールの振動が身体に諸だった。でも、エメラルドグリーンに、染まる渓谷と、保津川くだりの船とすれ違い様に船長さんとお客さんが手を振ってくれた。何だか、嬉しくなった。
入院の日も、心は、フワフワしていた。担当の看護師さんは、イケメンだった。不謹慎だけれども、ときめいた。私が脚に障害を持っているためだろう。(男性の看護師さん。)
誠実に、私らしく、病気と向き合おうと頑張った。はじめての、一人ぼっちの入院。個室だった。看護師さんとのAさんは、誠実な方でした。私の病室に入る時に、マスクをちゃんとして、私ときちんと向き合ってくれた。やさしい、誠実な方でした。『今日は、夜勤ですか〜?』なんても聞けたりした。Bさんの看護師さんは、the、イケメンでした。でも、プロの看護師として頑張ってはりました。昨日、お風呂に入ったから、堪忍して〜と、お願いしてもきっちりとダメと、言われた。明るくて、気さくで、素敵な看護師さんでした。でも、何処か、私は、一人だし、頑張らなくちゃと、思いは、変わらなかった。B看護師さんは、香水を着けてはりました。
ーー手術を終り、自分のBPMと、向き合っていました。無機質な白い病室と酸素マスクをしていました。夕方、B看護師さんが、『あんずちゃん、今日は、僕は、夜勤だよ〜。』と、音符付きの声で言った。甘いマスクの香水が強めで、ドキリとした。『あんずちゃん、よく、手術を頑張りました〜。』と、B看護師さんは、褒めてくれた。大人ななっても褒めてもらうのは、嬉しかったです。もう、点滴だけだった。顔は、アンパンマンのように腫れていた。不思議と痛さは、入院中は、全くなかった、退院日に、それまでの痛くないのが嘘のように、激痛でした。
母が迎えに来てくれた。上手くいかない時は、クソッと、言いながら私は、頑張っていた。お世話になったA看護師さんに、B看護師さんに宜しくお伝え下さい🙇♀と、伝えて帰ろうと、思った。
A看護師さんが『B看護師さんなら、そこにいるヨ〜』と、言われた。『行っていいんですか??』と、言ったらOKIだったので、私は、B看護師さんと、元気な声で呼んだ。母には、病院やからと、しかられた。(^_^;)兎に角、私は、B看護師さんに、挨拶がしたがった。B看護師さんらしく、『あんずちゃん、もう退院ですか〜?!』と、驚いていた。そして、踵を返した。
B看護師さんらしく明るく見送ってくれた。『お大事に〜♫』と、また、音符付きの声でした。外は、みぞれ鍋混じりの雪がチラチラ降っていた。終り。
心のバランスを崩し、日々の生活が送れなくなり、
しばらく入院をした。
古めかしいというのは、きれいに掃除がされていても、何となくパッとしないものがあり、例えば、共同のステンレスの洗面台は、時代遅れの風情があり
あまり長居はしたくない場所だった。
そういう年月の経った病院の個室に入った。状態が
あまり良いとはいえなかったからだ。
シャワーとトイレがついていて、古びたソファーと丸いテーブルがあった。このテーブルで毎日食事を
し、日記をつけた。
その病室は、しばらく私の「家」になった。
実は去年、病院が移転し、真新しい姿になって登場した。
とてもきれいで、待合室も診察室も清々しい感じがする。
受付の向こうに扉があり、その先は入院病棟になっている。来院した患者は入れないシステムだ。
新しくなった病室はどんな感じなのだろうか。ちょっと見てみたい気持ちになったものだった。
「病室」
私はもうすぐで死ぬ。現代の医療では治せない難病に 子供の頃からかかり、学校にも行けなかった。
私にとっての世界はこの無機質で白しかない病室。
窓から見える青空だけが私の心を癒やしてくれた。
でも、もうそれも終わる。意識が朦朧として少しずつ死が近づいているのが分かりひどく安心した。
だって一人はもう嫌だった。誰とも会えない、静かで私しかいない病室はうんざりだ。
巡回していた看護師の声が聞こえる。
次に生まれてくる時は健康体だったらいいな。
ああでも、最後に。
「────空、見たかったな。」
『病室』
『病室』
病室の窓から眺める景色が好きだった。
二十年と少しの人生の大半をこの無機質な白い部屋で過ごしてきた私にとって、その小さなフレームから見える景色だけが、色の付いた世界だった。
この部屋は広くて狭い。私は籠の中の鳥で、水槽の中の魚だった。外に出たいと願うくせに、外では少しと生きてはいられない。私の体をこの部屋に繋ぐ細い管は、同時に私の生命線だった。文字通りの、生命線。
もし私が人並みに健康だったらと、ありもしない人生を何度想像しただろう。自由に野を駆け回る子どもに、何度醜い嫉妬を抱いただろう。健全な精神は健全な肉体に宿るように、不健康な私の身体には捻じ曲がって歪んだ思いが棲みついている。このままいけば終の住処となってしまいそうなこの部屋は、私の暗い性根を際立たせるように白く清潔だ。
窓から覗く美しい世界の片鱗を眺めて、普通の生活すらままならない脆弱な器を嘆く。そんなことばかりしているからこの身体も一向に治りはしないのだと、そう言われればそうかもしれない。病は気からというが、しかし、気だって病に侵されるのだ。
はたからみれば、鬱屈とした人生に違いない。あるいは可哀想だと憐れまれるのがよく似合う、悲劇の少女なのかもしれなかった。もう少女という年でもないが、少女だった頃からこの部屋に縛られていたことは事実だ。
いっそのこと___と、何度か考えた。お金のかかるこの身体を維持するために、必死になって働いてくれている人たちの顔が思い浮かぶ。私がいなくなれば、彼らだって少しは余裕のある生活を送れるはずなのだ。何度か考えた末に、やはりこんな人生でも生への執着を捨てきれないのだから、人間とはなんと愚かな生き物なのだろう。あるいは私だけかもしれないが。
今日も窓の外を眺める。澄み切った青空の高さには、この折れそうなほど痩せた手をいくら伸ばしても届かない。遠く遠くに見える雲の、その先へ行くのはきっとそう遠くない未来だ。
父が入院した時に、病院内をフラフラ散歩してると
なんと自分と同姓同名の病室を見付けた。
何だろう?何だか妙な気持ち、ソワソワする。
どんな人だろう。同姓同名さんの病室の前を通り過ぎる為に
その階を3、4周まわっては横目で見るものの、戸は閉まったまま。
後ろ髪引かれながらも今日のところは撤退した。
そして次に父の見舞いに行った時には、もう名前はなかった。
私の名前は決してメジャーではない。
これは一生に一度のチャンスかもしれなかった。
会いたかったな、同姓同名さん。はぁ。
しおれた私を見る父は怪訝な面持ちだった。
もう何度目かわからないこの病室
彼が体調を崩したときは
必ずと言ってもいいほどこの病室だった
周りは建物ばかりで殺風景だけど
時々目覚める彼と
病室から見る夕日がとても綺麗な病室
〈病室〉
とても不謹慎だけど、
病室で寝たきりの10代を過ごしてみたかった
毎日つまらない登校をし
義務的な授業を黙って座って受け
関わりたくもない奴らの声を耳に入れ
面倒の臭い先生に絡まれ
テストがあれば勉強をし
課題は必ず提出
本気にしてもない部活動をして帰宅する
これの何が楽しいというのか
私には理解し難いよ
この先病室に行くことがあるなら
私自身のために行きたい
誰かを見舞うためになんて
本当に嫌だから。
_ ₁₀₁
ある病院での一コマ
ビビらずに…
よく狙って(✧д✧)
ウニナゲチャロ₍₍✸◟( ˘•ω•˘)ว ⁾⁾≡✸≡✸
しかし
(;•`ω•´)ツカンダ…ダト!?
この後 看護師に怒られたとさ…。
テ
∣
マ
▅
病
室
▅
『やあ、二日ぶりだね』
病室のドアを開けて、ベッドの上の彼女に話し掛ける。
少し青白い顔の彼女は僕を見て微笑む。
『…今日はあまり体調良くなさそうだね』
目を逸らしてゆっくりと頷く。
その様子を見て僕は話題を変えようとする。
『そうそう、今日はね…』
看護師1:「…あの男の子、また来てますね」
看護師2:「ああ、貴方は見慣れてないのね」
看護師1:「見慣れるわけないですよ。だって…」
「あの病室、誰も入院してないのに」
あの木が桜色になったら私、死ぬんだって。
そんなんわかんないじゃん。そんなの、なってみないと。
私だってあなたが長くないって知っていたつもりだったけど。まさかそんなに―
月日は流れ日に日に衰弱していく私を見て、あの子はどんどん顔が曇っていった。一分一秒がおしいといった目で見つめて、私の心には罪悪感が芽生えた。
どうしても会いたくなくなって、布団を頭までかぶって子供みたいにやり過ごした。悲しそうな背中が病室を出ていくのを見て、このまま死んでしまえばと思った。
病室の外の丸裸の枝を見て、担当医のもうすぐ春だという声に耳を傾けた。
いよいよさいごの日になって、異常な眠気と戦いながら私は窓のそとを見た。満開の木があるだけで何もなくて。さいごの景色にはなんだか物足りない。
動かない足と共に、私ははやすぎる生涯を終えた。
さいごに聞いたのは、あなたの泣き声の混じった笑い声だった。
ねえやっぱりさ、こういうのって葉っぱが落ちたらにするべきだったかな。
病室からはちょうど見えない花火
音だけが聞こえてくる花火
街の花火大会に行けなかった夏
もう慣れた左腕の点滴
子供向けのキャラクターがテープに描かれている
そのキャラクターが特別好きではないけど
見守られている感覚に癒されていた
絵を描いたり天井の模様を見たり
ただ寝転がって過ごした
決まった時間に運ばれてくる食事
おやつのたまごボーロが少し苦手だった
トイレに行くのが億劫だった
歩くのも辛かった
同じクラスの喘息持ちの子と廊下ですれ違って手を振った
退院の日の帰りのエレベーター
閉まる扉の向こうで
看護師さんたちが笑顔で手を振ってくれた
これは、小学二年の夏休みの思い出
入院したことがない。
そう書くと、
いかにも健康優良児のようだが、
この歳になると、ここが痛いあそこが痛いと
ボロボロ(のつもり)。
しかし漢方内科のおじいちゃん先生は、
たいていニコニコと
「今日も元気ですね、よく食べる人は基本
元気なんですよ」
と言ってくれ、ほっとする。
よく食べる人…うん、間違ってないしな。
病室は生と死が混ざり合って独特の匂いを放っている。
他人行儀で自分のものにできない真白いベッドは居心地が良くないけど、ここに居てもいいってはっきりしているのは少し安心だ。
清潔な病室は、私のかさぶたが目立つ。
独特の匂い。名前をつけてあげる。あなたは
『病室』
僕は交通事故で怪我をしてこの病室に一人だ。
でも、彼女のゆりが毎日のようにお見舞いに来てくれる。
コンコンと誰かが部屋のドアをノックした
「お邪魔しまーす」
彼女のゆりだ。今日もまたお見舞いに来てくれた
彼女の要望で今日はカーテン越しに彼女と話した。
「心配で早く来ちゃった」
「ありがとう。あれ、ゆり、声おかしくない?」
「私もしかして風邪かも…?」
他愛のない話がしばらく続き面会の時間は終わった
「そろそろ帰るね」
「うん。今日もありがとね」
そうして彼女が部屋から出てから30分が経った頃
「遅くなってごめんね~」
と声がした
恐る恐る見てみると彼女のゆりが居た。
じゃあさっき来たのは一体…?
作 天城
からっぽになった病室
また明日って言ったのに
#病室
白い壁 白い天井 白い床
そこには清楚さや温かさはなく
何故か清潔さと冷たさが
脳の芯までズキズキと響く
病室
メトロポリスで見つけて
君はメトロポリスの住人
ミステリアスなこの都市で生まれ育った
きらびやかな摩天楼
巨大な沿岸工場地帯
芸術科学の臨界点
誰もが思い描く理想郷
それがメトロポリス
君は愛のテレパシーを僕に送る
空飛ぶクルマで会いに行くよ
むき出しの鉄骨の山を越え
ビルの谷間をすり抜け
酸性雨の嵐の下を飛ぶ
メトロポリスへ
愛の理想郷へ
君を狙う悪を光線銃を撃つ
おちおちしていられない
都市の中心に聳え立つタワー
そのてっぺんに君が囚われている
僕は必死に螺旋階段を昇る
武装した兵隊たちが行く手を阻む
構うもんか、僕はただ君に会いたいだけなんだ
頂上の小さな部屋に君はいた
そして僕を見て微笑んだ君を
強く強く抱きしめた
メトロポリスで君を見つけた
私の好きな色はバラ色。どんな色かっていうと、赤とか黄色とかピンクとかオレンジとか。バラの花にありそうな色はほとんど好き。
でもこの部屋にはバラ色のものが1つもない。それどころか、白ばっかり。部屋の壁も天井もカーテンも。テーブルもベッドも手すりも、ずっとピッピッと鳴ってる機械も、全部。部屋中の白に埋もれて、私の腕さえも白く見えてくる。せめて髪の毛は黒、と言いたいところだけど、先月で全部なくなってしまった。
「今日はね、あなたにプレゼントがあるの」
いつもの時間にお母さんがやってきて、私にラッピングされた袋を見せた。
「なあに、これ」
「開けてみて」
リボンを解いて中身を取り出す。ニット帽だった。その色は、バラ色。赤も黄色もピンクもオレンジも入ってる。カラフルでとっても可愛い。私が今のように病気になるずっと前に、バラ色が好きって言ったのをお母さんは覚えていてくれた。そわそわしながら頭に被ってみる。鏡に自分を映す。でもなんだか、思ったよりも。
「どうしたの?」
「……ううん」
一瞬、鏡に映った自分が誰なのか分からなかった。髪の毛も眉毛も失くなって。死にかけた瞳の女の子が派手なニット帽を被っている。まるで帽子だけが生きているよう。もう我慢できなくて静かに帽子を脱いだ。私にバラ色は似合わない。赤も黄色も、私が身につけると死んだ色になってしまう。
「気に入らなかった?」
「……気に入りたかったけど、似合わなかった」
「そんなことないわよ」
お母さんがそっと私の手を取る。私なんかよりずっと生き生きした肌色の手をしていた。
「私に可愛い色は似合わない。白しか、似合わない」
「なら、こっち被ってみる?」
そう言ってお母さんが別の紙袋をバッグから取り出した。
「先にこっちを買ったんだけど、これじゃあまりにも地味かと思って買い直したのよ」
中身は真っ白いニット帽。お母さんがそっと私の頭に被せてくれた。恐る恐る鏡をのぞき込む。白い帽子を被った白い顔の私。でもさっきより肌の色に鮮やかさが出たように見える。帽子のほうが真っ白いからそう見えるのかもしれない。おまけにその帽子には、
「……耳がついてる!」
「そう。可愛いでしょ。白猫ちゃんね」
小さな2つの三角が、ぴょこんと私の頭に立っていた。
「ねぇ、似合う?」
「もちろん。とっても可愛い」
その後しばらくずっと、鏡の中の自分を眺めていた。お母さんが帰ってからも、ずっと。
私にバラ色は似合わない。けれど、私に白はとっても似合う。
そう言えば。白色もバラにある。
じゃあ白もバラ色だ。
私にも似合うバラ色、見つけた。