『病室』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
全身に激痛が走り目が覚めた。仰向けで目だけ動かして周りを見ると、不安そうな表情をした両親と、医師と看護師がいた。なるほど、そうか。僕は失敗したのか。生きているのは奇跡だと言われたが、僕にとっちゃ奇跡でも何でもない。ただの地獄だがな。なぜこんな時だけ運がいいのだろうか?なぜこんな時だけ神は救うのだろうか?涙が込み上げた。
「よく生きてたね。頑張ったね…」
「生きていて良かった…!」
…僕の気も知らないでそんなこと言うな。涙を抑えようと天井に目を向けた。ああ、駄目だな。真っ白に統一されたそれを見ると、僕の居場所などどこにもないような気持ちになる。点滴と、苦しみの匂いがした。
不思議病院そこは異世界で唯一異世界の奇病をもつ患者
通称異世界患者を受け入れる病院…
主に重度の異世界患者を取り扱っているのだかその患者
が病室から毎度脱走し担当医や看護師やヘルパーさんが
慌ただしくしているそんな時またしても緊急事態が起き
急いでその病室の扉を勢いよく開けたその瞬間驚くほど
病室が血で染って真ん中に立っていた患者は首よりした
から縦一直線に引き裂き開かれ内臓はえぐり出され
滅多刺しされた自○あとがその光景を見た男性の看護師
が悲鳴上げその場でうずくまり震えていた
その悲鳴を聞きつけた担当医とヘルパーが来て慣れた
手付きで対処し男性看護師の心と精神のケアに当たった
その後その男性は看護師を辞め別の穏やかな日常を
送っているっと
不思議病院での働き方が変わりった
そして異世界では自殺をした者又重罪の者はに
不老不死の呪いがかかる
不老不死の呪い…永遠の若さと人生と引き換えに
消える事無い痛みと苦しみを味わう…
という呪いだ…
その後その病室22番号室蛹殻黒百合は常に担当医又は
黒百合の専属のヘルパーが付く事が義務となった
最初で最後の両思いは、病室で。
手遅れだったのか
命拾いしたのか
わからない"恋"をしたことを、
ハッピーエンドだったのか
バッドエンドなのか
わからない"愛"を育てたことを、
ふと思い出すのは夏の夜。
汗と涙は白いシーツに吸い込まれて
朝まで濡れたまま。
#病室
目覚めて目に入るのは真っ白な天井。
何もかも吸い込んでしまいそうな、
汚れなんて一切ないような、
ただ、ただ、真っ白な天井。
僕はそんな天井と睨めっこして毎日過ごしている。
視覚はほぼ機能していない。
僕は視覚を失った代わりに聴覚が発達したらしい。
声で君の表情が分かる。
仕草で君の感情が分かる。
空気の振動。ただそれだけ。
だけど僕にとってはそれが全てだ。
誰がここにくるかだって、足音でわかる。
ほら、君がそのドアを開けるまで、
3.2.1
病室
貴方はこの病室で息を引き取った
貴方は死ぬ前に俺にキスをした
誰にも見られず俺以外誰も知らない最後の
言葉、それは酷いものだった
最後の最後に俺の心を抉ってきた
まだ冬の香りが残る頃
あなたは「桜が見たい」と呟いた
慌てて私は 桜の植木を 探しに走り回った
(——すでに覚悟はできている 頃だった)
近くの花屋 遠くの植木屋
寒さで耳が痛くなるほど 探し回った
車のドアの開け閉めに 飽きるほどだった
◇
やっと 見つけた 小さな苗木
その枝は 細く 細く まっすぐと伸びていた
まだ春の兆しがなく 葉すら存在していなかった
◇
すぐさま 医師に看護師に頼み込み
そっと病室に持ち込んだ 桜の苗木
くすんだ茶色の枝と土の匂い
それでも
あなたも 私も
そこに 満開の花びらを みた
《短編ポエム小説》
“病室”
ここでは真白な風が吹き抜ける
ドアを開けて全面がガラスになった
絶景の部屋の中に駆け回る数多の人の幻はあった
無機質で清潔な閑散とした無人の部屋に降り立つ
愛しくもあり懐かしくもあり微笑ましくもあり
いつでもあるようでいつまでも見つからなかった
何処にでもあるようで何処にも見つからなかった
あのときは笑っていた
あのときは悲しんでいた
あのときは安堵していた
横たわる人の姿が変わっても
駆け回る人の姿が変わっても
時代や場所が変わっても
誰かがそこで喜んでいた
誰かがそこで悩んでいた
誰かがそこで泣いていた
扉を開けると
ある人はありがとうと言った
閉じてまた開けると
ある人はお大事にと言った
閉じかけていると
ある人が頑張れと言った
閉じた向こう側から
ある人が頑張ったと言った
ノブから手を離すと向こう側から
ある人が頑張ると言った
みゆき
『病室』2023.08.02
いささか適当に渡された紙袋。その中には一冊の雑誌が入っていた。
確かに暇は潰れるかもしれない。病室という閉鎖された空間で、気晴らしというのも必要だろう。
しかし、その手段がエロ本というのはいかがなものだろうか。しかも、ナース服をはだけさせた綺麗なお姉さんが表紙というのは、新手の嫌がらせのつもりだろうか。
そんな文句を言うと、雑誌をもってきた彼はまるで心外だとでも言いたげな顔をした。
「みんなやってるんだから仕方ないだろ」
彼の言うみんなが誰を指しているのか。きっと彼より前に来て、同じようにお姉さんの雑誌を渡してきたあの男の事だと察した。しかも、雑誌の内容も被っていないのだから、すごいとしか言いようがない。
これでナースもののエロ本が二冊。他にこういった『気遣い』をしてきそうな男が四人ほどいる。彼らもきっと、同じジャンルのエロ本を差し入れてくることだろう。
「手を折らなくてよかったね」
にっこりと彼は笑う。何が言いたいんだか。
こっちは足を骨折して、あちこち打撲をしているというのに。
ネチネチ言うと、彼は困ったように笑って頭を撫でてきた。
「そのぐらいの怪我で済んで良かったよ。早く治るといいな」
そんな優しい言い方をされては、それ以上文句を言うこともできず、頷くことしか出来なかった。
そして最終的にエロ本は六冊になった。
病室には白いカーテンが引かれ、そこにはひとりの男性が横たわっていた。彼は慣れた手つきで、ベッドの上に散らばった雑誌を整理していた。彼の顔には深いしわが刻まれ、苦痛に歪んでいた。彼の身体は、病気との戦いに疲れ果て、やせ細っていた。
病室の壁には無機質な装飾が施され、空気は薄く、静寂が支配していた。男性は窓の外を見つめ、深いため息をついた。彼の目は青く、沈んでいた。彼は自分がいかに弱っているかを知っており、それが彼をますます悲しませていた。
彼は病室の中で孤独を感じていた。彼は家族や友人に会いたいと思ったが、彼らは遠く離れていた。彼は自分自身を責め、自分の選択に後悔した。彼は生きることができるかどうか疑問に思ったが、それでも彼は希望を持っていた。
病室からは医療器具の音が聞こえ、看護師たちの足音が響いていた。男性はそれらの音に慣れていたが、それでも彼は自分自身を取り戻すことを望んでいた。彼の体は弱っていたが、彼の意志力は強かった。彼は病気との闘いで勝者になりたかった。
彼は深呼吸をして、自分の肺が動くのを感じた。彼は自分が生きていることを実感し、それが彼を前進させた。彼は病室を出る日を待ち望んでいた。彼は自分自身に誓った。彼は病気を克服し、生きることを選んだ。
「病室」
自分が死ぬ時、病室の天井を長い時間眺めながら
あの世に行くのかなぁって、今日のお題を見ながら
ふと思いました。
「病室」
白く無機質な部屋、部屋の中心に一つベットがポツンと存在している。
そのベットの近くにはピッピッと電子音を流している機械があり、何もないこの部屋ではただ一つの音。
何も特徴のない真っ白な空間の中で白く清潔なベットに黒を白の中に散らせている存在が一人、長い髪は長いことここにいたことを象徴していて、その病的な程に白い肌は、太陽に当たっていないからだろう、この部屋は窓は一つしかなく、その唯一の窓ですらベットには届いていない。
本当に白で包まれた部屋。黒という存在が異質にも感じられるだろう。
だが、この部屋を異質に感じさせている張本人の長い睫毛に枠どられたその目は閉じられていて、その瞳を外に映し出すことは無い。
毎日見る自分の姿、もう飽き飽きしていまうほど見たこの身体。目を覚まして欲しいけれどどうしようもできない、本人ですらわかっていない自分に戻る方法。
私は高校の帰り道、歩道に突っ込んできた車に轢かれ、こんな体になってしまった。私の家は所謂大手企業の社長で、私は社長令嬢というもの。お母様もお父様も私のことは愛してくれないけどね、成績は必ず全て一位を取って、運動も、友人関係も、社長令嬢という私を望んでいて、それを遂行する。できなければ何があるなんて言いたくない、本当、あの人たちは周りに上手くやるからバレたりしないんだけどね。
私は望んでいない。あんな日々に戻るなんて。でも跡継ぎとしての私の利用価値はあって、目を開けることを望んでいる、?
嗚呼、毎度の事ながらだけど、愛してほしいなぁ。こんな私だけど、すごいねと褒めてくれれば何だってしたのに、私の存在を肯定して優しく頭を撫でてくれれば、もっと頑張ったのに、戻りたいと、そう思ったのに。
でももういいんだ。もう、遅いから。
本当は知っている。ただ戻りたいと願えばいいんだ。そしたらこんな自分を眺めるだけの日々はなくなるのに、でも、でもやっぱり、望んでしまっている、希望を持ってしまう、期待してしまう、あの人たちに、お母さんと、お父さんに。
もう一年くらい経つのかな、それでも二人が私に会いに来たことはない、ただただ広いだけの病室に飾られる花はない、見舞いの品だって一つも、私の目が閉ざされたあの日からずっと。
あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、ぁぁあ、なんで来てくれないの、なんで、もういいかな。
待って、眺めて、眺めて、待って、待って、待って、待った、待ち続けた、でも来なかった。この場所から動こうとしなかったけど。
看護師が換気として開けた病室にあるただ一つの窓、カーテンがひらひらと揺れていて、私の心境など露知らずに当たる太陽の光を気持ちよさそうに受け入れている。
私は窓枠を越え、空に向かって歩みだした。
重力のある世界に。
───グチャ......
そんな音が、最後に、何もいない世界に、木霊した。
嗅ぎ慣れない薬品の匂いを鼻腔が感じ取る感覚がする。病室をふらりふらりと覚束無い足取りで徘徊してみては、点滴が動くときのかしゃんかしゃんという金属的な音がした。底抜けに青々しい空を見詰めては、眩しさと羨ましさに顔を顰めた。
「───そもそも、何故私を生かしたのかが不明瞭過ぎて訳がわからないんだけど」
上記を呟いてみれば、にこり。パイプ椅子にそんなオノマトペが聞こえてきそうな笑顔を浮かべた男が座っていた。幸薄げに見えるが、どこか不気味さを感じさせる笑みであった。この笑みが、わたしはいつまでも苦手だ。その男はカラスのように黒い服に身を包み、白衣とのコントラストを感じさせる。
男の薄い唇がすぅ、と開く。
「そんなの知らなくていいだろう、夏咲ちゃん」
「……名前を呼ぶなって何回言ったらわかる?やめろと言ったばかりだろうが」
つい口が悪くなる。
男は、私の顔を見ては恍惚とした───もしくは性的に興奮しているような───表情を浮かべた。
「あぁはははは、御免ね」
「……もう善い、本題だ。何故私を生かした?」
いや、そもそも何故、こんな事に?
───────────────────────
かさきちゃん❗
死者病棟。この病棟は、医者も手の施しようがない状態の者集まっている。勿論、医者でも延命治療しかする事が出来ないため、死ぬ者がほとんどだ。そこに、私の幼なじみが入院している。
私の幼なじみはいつも元気で、小さい頃はよく遊んでくれたものだ。
.......だが、高校に入学した途端、幼なじみの病気が判明した。それは、【心血失少症】。
とある時に体の中にある血液が不自然に不足し、最後は干からびて死んでいく。不足する条件はまだ明らかになっていないが、怪我をした時、出血の量が異様に多い場合、この病気だと判明される。その病気に、幼なじみはかかってしまったのだ。それで入院した幼なじみは、今は元気に過ごしている。今もこの病棟にいる。
ガララ。 扉を開ける音が開く。
「.....元気?」
「.....ん.....?あ!深冬!来てくれたんだ!」
幼なじみは元気そうだった。私が来て嬉しそうにする。
「うん。心配だしね。」
「そっか!あ、なんか食べる?って言ってもお見舞いの果物しかないけど....」
幼なじみはテーブルに乗せられた果物の籠を指差しながら言う。熟している物がほとんどで、美味しそうだった。
「いや、いいよ。要は食べる?食べるなら剥いてあげるけど。」
「.....んー.....いや、いいよ。お昼ご飯食べたばっかだからお腹いっぱいなんだ。」
「そっか。」
そういい、要は窓の外を見る。今日はちゃんと食べてくれたみたいで良かった。最近は痩せてばっかで心配だったから。
「......春だねぇ.....」
「うん。桜も満開。」
今は春。病棟の窓からは満開の桜が綺麗に見える。.....綺麗.....
「......さて、私はそろそろ帰るよ。死んでないか確認出来たしね。」
「え!?深冬それ目的で来たの!?」
驚いたような目をして叫ぶ。こんな調子ならまだまだ生きるな。と思いながら私は適当に返事をし、部屋から出ていった。
.....だけど、その年の夏。要の母親から突然電話がかかってきた。内容は、要が病気で死んだ、葬式に参加して欲しい。という内容だった。
急にそんな事を聞いて、私は唖然とした。人間、驚きすぎると声も出なくなると、その時初めて知った。なんで?要は一昨日まで本当に元気だった。いつもと変わらない声色、向日葵の様な笑顔。小さい頃と変わることのない、要だった。なのに、何故?しばらく、そんな事を考えていた。だが、段々と現実が見えてくると、色んな感情が見えてきた。
「.....ふ、っ.....うぐ.....ぅ.....」
いつの間にか、大粒の涙が流れてくる。ずっと仲良くしてくれた要。一人でいた時も、ずっと私と一緒にいてくれた。そんな要は、もういない。優しい、私の幼なじみで居てくれた彼は。
「.....ご、めん.....ごめんなさいぃ.....素直になれなくて......分かってあげられなくてぇ.....」
葬式当日、献花の時。私の順番が来た。一人一人、要への感謝や暖かい言葉を、花と一緒にに贈っていた。
「......要....」
死装束を纏った要は、優しいいつもの顔で、ただ眠っているだけの様にも見えた。
「.....ごめんね、要。今まで楽しかったよ。......あっちでも、楽しくね。」
そういい、私は白いカスミソウを供えた。
【白いカスミソウの花言葉】
・清らかな心
・無邪気
・幸福
・感謝
・親切
鼻を掠めるのは少し沈んだ空気と清涼感のある消毒液の香り。遠くの窓際に生けられたキキョウも微かに香る。聞こえるのは点滴が1粒ずつ落ちる音、心電図モニターの電子音、等間隔で聞こえる音は嫌でも私に時間を意識させる。あと、どれほど。ここに来て、なんども考えた疑問を頭上に浮かべ、ゆっくりと泳がせてみる。思考の波に揺られて、しばらく進み、そのうち、風は、ぴったりと止んだ。凪だ。しーんと静まり返った船上で、私は空を眺める。ウミネコが悠々と羽ばたきながら、私に語りかけてきた。いつまでも、生きるといいよと。私はなにも返答をしなかった。ただ、気持ちよさそうに空を泳ぐウミネコを、羨望の眼差しで眺めていた。ガチャり、と勢いよくドアが空いた。採血の時間らしい。急に意識を取り戻したからか、上空数十米から落下したように感じた。身体が重く、動かない。辺りは、病室の重っ苦しい空気が充満し、息を吐くと呼吸器が白く曇った。看護師が血を抜いてるらしい。左腕がさっと冷え、数秒後にはまた血の流れるのを感じるかのように、温かくなる。潮の香りは遥か遠く、私の船出はまだらしい。
#病室
君は病室にいた。
君は一人で空を眺めていた。
私はその子に私は声をかけた。
「君、一人?」って
その子は「うん」と言った。
そしてどんどん私はその子に毎日会いに行った。(*´ω`*)
いろんな話をして、一緒に散歩もした(*´ω`*)
私は、その時間がとても楽しかった!(◍•ᴗ•◍)
もうやめよう
なんで私
あんなに頑張っちゃってたんだろう
なんで私
あんなに人の気持ちを気にしてたんだろう
こんな体になるまで…
もうやめよう
一番に大切にするのは
私自身だったんだ
誰も周りにいなくなったとしても
私は私でいる
遠回りしたけど
気がつけてよかった
ふぅ~
この窓から見える景色
こんなに綺麗だったんだ
今までわからなかったな
〜病室〜
美しいもの
それを美しいと感じるのは
君の中にも
その美しさがあるから
意識を向けたものが
現実化してくる
今どんな状況
どんな心境であろうと
美しいもの
ほっとするもの
そこに意識を
少しだけ向けてみよう
君の周りに豊かさが
あふれるように
病室に佇む君は
儚くて美しくて
だから思わず祈ってしまった
このまま時が止まればいいのに、と
君がいなくなって
あの病室には別の人がいる
今だからこそ言うけど
あの時君が治りますようにと
祈れなかった僕は
同じ病室に寝るようになっているんだよ
《病室》
#58
人生で何度も入院をした。
大部屋は周りの人に気を使い家と同様に療養する事ができず十分な睡眠がとれない
テレビも冷蔵庫も有料な為、携帯か天井、同じ部屋の人の話を盗み聴き
ドラマの様な楽しくなんて過ごせない
病室と聞いて何が思い浮かぶ?
見舞いの花?ベッド?白いシーツ?
わたしはこの病院に入院している患者だ。この病院は庭がとてもきれいに手入れされている。ここの庭師さんとはよく喋る間柄だ。今日も、
「おはようございます」
「おー、おはよう。今日の体調はどう?」
「まあまあまです」
「まあまあかぁ、俺は元気だよ。見て、新しい
花が入った。これから植えるよ。」
と、まぁこんな感じで喋る。この人は新しい花が入ってくるといつもよりテンションが上がるんだった。にっこり笑顔になっている。新しい花はどうやらこの近辺で見る花ではなさそうだ。花の知識が皆無に等しいわたしはなんの花か分からなかった。ラベンダーとか植えてほしいと言ったら「それはありきたりだな」と言われた。多分今も植えられてないから却下されたんだろう。
正直になんの花か聞いてみることにする。
「今日はなんの花を植えていらっしゃるんですか?」
「んー、今日はウツボグサを植えるよ。」
その後少し喋ってお別れした。部屋の窓からはきれいに手入れされた庭が見える。花で色とりどりだ。
どうしてウツボグサを植えたのか聞けばよかった。
その2日後、この少女は死んだ。
静寂した部屋の中で、僕は窓越しに星空を眺めていた。
本当はもう眠らなければならない時間だけれど、僕はいつも夜ふかししてでも、この景色を眺めていた。
ここから出られない僕の、唯一の楽しみだから。
ー俺、ここよりももーっと綺麗に星が見える場所知ってるんだ!ー
向かい側に居た彼が、口にしていた言葉。
彼が来てから、一緒に夜ふかししながら見るようになった景色。
ーいつか二人で外に出て、この星空を眺めに行こうな!ー
そういう彼は、今は星のもとに居る。
星を見る度に思い出される彼の姿は、一番星より眩しい彼の笑顔は、もうここにはない。
数週間前まであった彼の温もりは、もうすっかり夜の空へと消えている。
僕にとって希望の星であった彼は、本当の意味で星になってしまった。
悲しいはずなのに、もう涙はもう出なかった。
僕ももうすぐで、彼と同じ星になれるから。
だから、涙は出なかった。
「大丈夫、僕もすぐに、おんなじ場所に行くからね」
微笑み星にそう呟きながら、真っ白な布団を被り、僕は目を閉じ眠りについた。
今度こそ、二人で同じ景色が見れるように、そう願いながら。
#病室