『無色の世界』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#無色の世界
音がない世界は モノクロです
愛のない世界は モノクロです
それらが当たり前にあることに 感謝します
無色の世界
ある朝。目覚めると世界が無色になっていた。
ベッドから見渡すいつものアトリエ部屋が、それだけで全く変わってしまったように見えたのだ。
……とりあえず、テレビをつけてみる。白黒だ。…昔って、こんな感じがデフォルトだったのかな。
ニュースだって、特に変わった様子がない。
つまり、こんな状態なのは僕だけのようだ。
疲れ?目の病気?そいつは仕事柄致命傷だな、などと思考を巡らせるも、何もかもが億劫に思えてきた。今日はせっかくの休みなのに。
どうせお金も、やることもないし、代わりに日課の散歩でもしようと外に出てみた。
空は味気ないベタ塗りの黒に、白い雲が少しだけ。
……センスがないな。まるで夜みたい。
いつもカラフルで綺麗な花壇も、今の季節にピッタリな桜吹雪も、何を見ても無色。つまらない。ご飯も味が薄い。感覚も全部、ぜんぶ、平坦になっていく。
……色のない世界は、僕には結構つらいみたいだ。
僕は、綺麗な物、綺麗な色が好きだった。街を散歩して、綺麗だと思った、面白いと思ったものを芸術にするのが、何よりもすきだったのに……そう考えると、不意に涙が出てきそうになる。
堪えようとして、ふと、自分の手を見た。
なぜか透けている。
無色ではなく、透明……の方が近い。
水につけると、やっぱり空洞のように視える。
……それがすごく、綺麗で。
どれがどの色かなんて、まるで分からない絵の具で。
ただひたすら、キャンバスを塗りつぶした。
新月の形見つけ想像する
裏側の凹凸は無色
#無色の世界
この桜 嵐に散ってしまっても
花びら吹きだまり光る君
#桜散る
俺にとってこの世界は無色だ。
白と黒で構成された無機質な世界。
人々の笑いは耳鳴りに変わり、人々の悲鳴は心地よいサウンドに変わる。
変わり映えのない、つまらない世界。
この世界に色がついた瞬間が一つだけあった。
ダングラールとヴィルフォール、そしてフェルナン。あいつらの顔が歪む所を見たとき、私の視界は色鮮やかに変化した。
あいつらに復讐する。
そう決意した瞬間だった。
殺すことなく、
俺が請け負った全ての苦痛を味わうまで、
絶望と恐怖のどん底に突き落とすまで。
俺が色鮮やかな世界で暮らせる様に。
しかし…
私の目に映った世界は色鮮やかな世界とはかけ離れた世界だった。
じっとりと赤黒く、汚い、目も当てられない世界。
ダングラールとヴィルフォール。
二人の手に握られた刃には、
誰のものだろう
ドス黒い命の液体がべっとりついている。
目の前の弟もまた、
ドス黒い液体に塗れて蠢いている。
弟が手を伸ばしている。
「にいさん…にいさん…」
と蚊の鳴く様な声で呟いている。
何故だ、何故だ。
この復讐で私にも色のついた世界が見られるはずだった。
だが私の目に映ったのは、一色だけだった。
挙げ句の果てには弟の命さえも奪っていってしまった。
私は…俺は一体なにを見ていたんだ?
俺は…何の為に色を追い求めていたんだ?
分からない…分からない…
分からない
……
参考
A・デュマ「モンテ・クリスト伯」
ナゴヤ座「GANKUTSU-O〜復讐の鎮魂歌〜」
より
『取り残された世界』
彼が死んで、あの子も殺された。何の色も映さなくなった世界にため息を零す。
「はぁ…1人にしないって約束してくれたのに……」
壁に寄りかかり目を閉じた。壁の冷たさが私の体に移る。
「私はこれからどう生きればいいのよ……」
この言葉を拾ってくれる人は誰もいなかった。
【無色の世界】
一人で作り上げてきたのは
何も無い無色の世界で。
そこに貴方が現れて
この世界には沢山の色があることを教えてくれた。
空は一色で出来ていないこと。
物には影があること。
太陽は色が変わること。
雨の後には虹ができること。
全てが私にとっては新鮮で
ただひたすらに、眩しい世界だった。
同じ国でも風情が違うこと。
文化があり、それに伴った言語があること。
場所によっても価値観が変わること。
でも全てが生きているということ。
楽しそうに話す貴方の旅路を
私も少しだけ覗いてみたいと思えた。
誰かが言っていた
「プリンセスが泥棒に惹かれたのは
自分にない世界を彼が持っていたからだ」と。
ないものねだりな私達が
自身に無いものを持つ人間に惹かれるとするなら
間違いなく私の相手は貴方だろう。
貴方が外の世界を教えてくれるなら
私は貴方に内の世界の広げ方を教えよう。
何処に行っても
2人でいられるように。
何処に行っても、貴方の笑顔を思い出せるように。
タイトル「無色の世界」
僕の目に見えてる世界には色がない。
理由は分からない。
でも、毎日毎日毎日毎日、色を探しながら過ごしてる。
無駄かもしれない。
だとしても探し続ける。
たとえ、見つからなかったとしても。
見つかるといいな。
色んな色がある世界に飛び込んでみたい。
そんな気持ちで探し続ける。
色のない世界で
君なら何を思うだろうか
そんなことを考える
ことり、と音を立てて置かれた白いマグカップ
その中で揺れる黒い水面
立ち上る湯気と香ばしい香り
君はミルクを混ぜるのが好きだった
そんなことを考える
色褪せた世界で
瞼の裏の君だけが妙に鮮やかだった
透明人間になりたくなかった
ただ 自分の存在を認めて欲しかった
無色の世界
この世界は僕の目に映るある種、
遠近法と呼ばれるもので構築されている。
世界自体には意味も価値も無い。
僕が目に映す遠近法が
世界にひとつの意味と価値を与えている。
遠近法は重要なものほど大きく見え、
関心の無いものは小さく見える。
世界はその人の遠近法によって異なる。
それが価値観。
そんな君に出会った。
それがどんなものであったとしても、
確かに僕は君に心を救われた。
無色の世界
ただ消えて
なくなればいい
腐敗して
この身もすべて
一つ残らず
無色の世界
煩わしいと思った。
僕は色を塗るのが苦手だから。
何を描いてもモノクロの世界で寂しさを感じる。
だから色なんて無くなってしまえばいいのにって。
そうすれば僕の絵が誰よりも目を引く。
僕の絵を見てもらえる。
それなのに。
無色の世界に負けた。
そこには色なんてなくて、
ただのキャンバスが置かれているだけだった。
皆が期限に間に合わなかったのか、と嘲笑った。
だが、違った。
その絵に光が当てられた瞬間、
白いユリの花びらがキャンバスからうまれた。
厚塗りで影をつくりだしている。
勝てない、そう悟った。
色なんて関係なかったのだ。
自分の才能に失望した。
それでも無色の世界から生まれたその絵に
僕はすっかり魅せられてしまった。
春になると夜の散歩に出たくなる。
夜も暖かく、風が吹くとむしろひんやり心地よい。
昼間とは違う光加減が街を違う場所に変えてしまう。
最近の街灯はLEDが多く、昔よりも強い白さが照らしている。その光は色彩を隠す。
特にそう感じるのは寺の裏手の墓地。
そもそも色の少ない場所ではあるが、並ぶ墓石は無色の世界だ。塔婆の白木も黒く見える。
ここからは本当の話なのだが、ヒトダマが見える時がある。青白かったり、赤かったり、黄色だったり割とカラフルなのだが、その光はどこにも反射しない。ただ、ゆらゆらと光り、すーっと消える。それだけのものだ。
一部の人はこれを地上の流れ星と呼んで願いをかけるらしい。
私はいつも間に合わない。
無色の世界
姫依は職を失った。
初日、姫依はあらゆる縛りから解放されたことを喜んだ。読めなかった小説を沢山読んだ。世界に没頭した。
二日目、姫依は、久々に朝寝を楽しんだ。次に目が覚めたのは、日が頂点に達していた。
三日目、姫依は、自炊が億劫になり、初めてピザをデリバリーした。大きく分厚い生地にはニンニクとイベリコ豚の香ばしい香り。サイドメニューのポテトはカリカリしていて歯ごたえがよく、ナゲットはしょっぱく感じた。
四日目、昼に目が覚めた姫依は、不意に虚しさを感じた。部屋が何故か雑然として見える。
今まで感じることのなかった違和感が姫依の中に入ってくる。
五日目、明け方に姫依はベットの上に座り込んでいる。明かりを着けない部屋は黒一色だ。
姫依はじっと黒を見ている。
六日目、姫依はカーテンを開けても、部屋に色がついていないように感じる。何処を見ても白、白、白。
姫依は何故か空腹を感じなかった。
七日目に、姫依の瞳孔は開いたままになるところだった。
姫依は無意識に、机に無造作に置いていたパソコンを開き、起動させた。
姫依の瞳は右往左往するが、何処までいこうが、白しか認識出来なかった。
八日目、遂に姫依は、赤、青、白の三色を取り戻すこととなった。
まず、メアリーの実験というものがありました、その実験は、少女を無色の世界で育てて、外に出したら何を学ぶのか、というものです。
無色で表せるものは少ないと思っています。
なので、無色だけの世界で生きて外に出されたら、色々な物に好奇心が湧き人生が楽しくなると思いました。
無色の世界に
色がついた。
あの人はいつも
私の心のどこかにいた。
本は私の知らないことを教えてくれる。
世界が無色に見えてる人がいて
その人はある人に出会うと
世界に色がつく。
わからないことだらけの
私の頭の中には
無色の世界は
どんなにつまらないことだろうと
考えていた。
焦る場面。
赤と青の動線があって、
赤を切れ!って言われても
どっちがどっちかわからない。
だから切れない。
命に関わるくらい危険な世界だ。
そんな世界に色がつくなら
ある人に出会うことが
1番の幸せかと思える。
でも、
色がついた後は?
色がついたら
もう色はあるから
別にその人とは
一緒にいなくてもいいかもしれない。
色を知ってしまったら
色があることが幸せだと
感じなくなってしまうかもしれない。
"Good Midnight!"
ありがたい事が
あたりまえになってしまうのが
少しだけ怖くなってしまった。
本はやっぱり
私の知らないことを教えてくれる。
# 無色の世界 - ↺
無色の世界ってどんな世界なんだろう、
って考えた。
モノクロなのかな?とか思ったけど、
白や黒っていう概念ないかとなってまた最初に戻る。
それと。
もし、この世界に色がないのであれば
記憶に残っているあの美しい景色も
見ることはできなかったんだなーって。
無色の世界
「青春って何色だと思う」
少しどんよりとした、雨上がりの空気が漂う中庭で、君が言った。
何度も聞いた言葉だった。いつだったか、色んな人に聞いていると耳にした記憶がある。
そんなに聞いてどんな答えが聞きたいんだい?どうせ一辺倒な答えしか返ってこないだろうに。
どれだけそう思っていたって、私は君に否定的な意見を伝えたりはできないのに。
考えるだけ無駄だと理解しながら、ぼうっと空を眺める君に、いつもと同じ答えを返す。
「やっぱり青色なんじゃないかな。ほら、青春には青っていう漢字が含まれてるし。」
「…そう。貴女もそう答えるんだね。」
私は可能な限り明るく答えたつもりだったけれど、そんなことは関係ないのか、君は俯いてしまった。
君の、昔と比べてしわくちゃになった手には、一枚の写真が包まれていた。
紙はとうに色褪せていて、何度も手に持って見ていたのか至る所に折り目が付いていた。
まだ、モノクロの写真しか撮れなかったのだ。
写真撮影の時に着ていた服の色も、緊張して強張った顔の色も、あの日の暗い雲に覆われた空の色も、
今では全てが、灰色にしか見えないのだ。
君と描いた青春の日の思い出。
手元の写真しかない君には灰色の思い出でも、全て憶えている私には、未だたくさん色付いた青い青い思い出なんだよ。
49.無色の世界
いつもと同じ生活。
ご飯食べて、学校に行って、家に帰り寝る。そんな毎日。
本当につまらない。僕の世界は何も無い無色の世界だ。
新学期が始まる。入学式。桜が舞うこの季節。
ぼーっと桜を見ていたが、ふと目線を下げるとあの子はいた。
綺麗な髪、白い肌、あの子は桜を愛おしそうに見ていた。
その姿に目が離せなかった。なんだろうこの胸の高鳴りは。
気づいたのかあの子は僕に笑いかけてきた。
その姿に僕は恋をした。
あの子と出会って僕の世界は変わっていったんだ。
あの子とクラスが一緒になりしかも隣の席だ。
僕は仲良くなろうと話しかけ、
連絡先も交換し、とうとうデートの約束もできた。
前日は告白のセリフを考えていて寝ることもできなかった。
待ち合わせ場所に着くと、あの子は待っていた。
私服も可愛くて胸の高鳴りは治まらない。
あの子と一緒に行く水族館はとても楽しかった。
きっと何をしても楽しいだろうな。
そう思い、「好きだ。」と心の声が漏れてしまった。
あの子は顔を真っ赤にして「私も好きだよ。」そう答えてくれた。
この無色な世界を、あの子は彩りの世界に変えてくれた。
これからも一生忘れない君を、大切にするよ。
こわれたセルロースのにおいで
かさぶたの上から手のひらを切った。
ぺら、と捲った。
ぶわっと拡がる目の前に
反比例して足元覚束無いだけ。
いくらかカレンダーにバツ印。
日銭を落っことしてしまってさ。
収まらない腹の音は
矮小なわたしを責め立てるから。
そのうち、灰被って
なんもかんも味しなくなって。
揺らいだ刺激的極彩、超常であった。
「赤」が誘うように、居た。
向かえば迎え。向かってゆき、蒸発。
……したような気がした。
世間が煤に近づいたのは確かでした。