『暗がりの中で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
灯火が消えた。部屋に二人、肌を触れ合わせている。
色っぽい雰囲気なら……いやせめて、彼女の髪を撫でて優しい言葉を掛けてやっていたら…どんなに良かったか!
私のしたことは逆だった。彼女を押し倒し馬乗りになって、細い首に手を掛ける。言え、と低い声で圧をかけた。
『何故、他人のために毒なぞ飲んだ。』
周りの目を欺き由緒ある家から出奔しようとした何処ぞの姫の替え玉となり、その死を偽装するために。
毒に耐性があるから意識不明で済んだ。とはいえ耐性を付けるためには、長い時間をかけて毒を体になじませなくてはならない。私だけでなく部下たちも、体調を崩しがちな女に負担をかけないよう、滋養のあるものを食べさせ休養を十分に取らせ気を配ってきた。それなのにその不調が、日頃の服毒の結果だというのは許し難い。
姫様の…と私の下で女が呟く。許嫁は母君と通じていた、父君はそれを知っていて嫁がせようとしていたんだ、と。
不遇……否、それは確かに不幸だろう。
だが、だからといって、なぜ君が。女は表情を消し、淡々と言葉を続ける。
母と疎遠で、父に見捨てられ、恋も知らない
友は離れて行き、ただ生き延びるために、毒に親しむ
そういう少女を救いたかった
かつての自分を、その孤独を救いたかった―――と。
虚ろな目が閉じる。私が暴いた女の秘密、その全て。
……灯火が消えた。
闇の中で軽い体を抱き起こし、そのままその背を掻き抱く。
そうか。もういいよ、何も言わないで。
…ごめんね。いつもの君の屈託ない笑顔が、こんな寂しい覚悟の上に貼り付いていたなんて知らなかった。
腕の中の髪を撫でる。彼女は人形の様に脱力して、抱き返してはくれなかった。どうかもうしないで、と願い縋る心を叱咤する。髪の中から柔らかい耳を探り出し、指で撫でながら唇を寄せた。
【暗がりの中で】
暗がりの中で
黒っぽいバッグが置いてあってさ
もしかしてって思って
そっとさわったら
黒猫だったこと本当にあるからね
暗がりの中で
「くらいところはきらいなの!
だっておばけがでるじゃない?
しょーちゅーこうせいになっても、
おとなになってもきらいだとおもうなあ」
『そんな小さい頃の日記を見ていた私。
現在停電中の自分の家にいます。
外では雷がゴロゴロ鳴っていて、
停電してしまっているので友達にも
連絡ができませんし
何より一人暮らしなのです…
どうしましょう…雷は大の苦手なんです!!!』
と、漫画のようにそう心の中でぶつぶつと言っていた。
ゴロゴロゴロピッカァァァァァァァァァン(※雷の効果音のつもり…)
「ひぇっ…!」
誰か助けに来てくれないかな、なんてことを考えながら半べそをかいて1人部屋で小さな悲鳴をあげる。
ゴロゴロゴロォォォォォォォン(※雷の効果音のつもり…!!)
「ひぃぃっ…!うぅっ…」
もう限界。泣いてしまう。そんな時だった。
ピンポォォォォォォン(※インターホンのつもり…)
「え…こんな時に?誰…?────はい」
扉を開けるとなんと私の好きな彼が目の前に。
私はびっくりして腰を抜かしてしまった。
彼は「どうしても心配で何も持たずに来てしまった」と言った。
「ふふっ」
いつも真面目な彼がそんなこと言うなんて、面白くてついつい笑ってしまった。
「ごめん、真面目なあなたがそんなこと言うなんて
面白くてさ」
変な意味で笑ったわけじゃないよって伝えたくて、 そう私は言った。
彼の表情は暗くてよく見えない。でも、きっと優しい顔をしているんだろうな。
なんて思っていたその時────唇に何かが当たった。
そう、彼は暗がりの中で────私にキスをした。
──────フィクション───────
ある夏の日、
クラスメイトの陽キャが
立ち入り禁止の洞窟の中に行ってみよう
と提案した。
クラスのみんなも行こう行こうと
クラスメイト全員参加で夏休み行くことになった
〜そして当日〜
真っ白なワンピースを着て
小さな明かりがいひとつ、ついている街灯の近くが
集合場所だといい、そこに行った。
すると、もう10人くらいは集まっていた。
「もう行こーよー」
集まっていたクラスメイトはどんどんと
立ち入り禁止の看板を倒して洞窟に入っていった。
みんな入っていったが、私は他のクラスメイトを
待っていた。10分くらいたったが1人も来ない。
近くのベンチに座り、LINEで来ていない
クラスメイトに「まだ〜?」と送信すると
「用事あるから行けなかったの〜
強制じゃないからさ〜」
私は強制参加だと思っていたが違ったらしい。
確かに陰キャはほとんど来ていない…
私は走って洞窟に入った。
クラスメイトを探しても探しても
見つからなく、迷子になった。
私は、暗がりの中でただただ静かに歩いていた。
「暗がりの中で」
前の作品の最後に書いてありましたが、今日は発表会
でした。セリフは長かったですが、何とか噛まずに
発表できたので…緊張しすぎてみんなで歌うとこ
みたいなところ歌い忘れてたけど…
今日私の誕生日会をしました。
明日が誕生日なんだけどね笑
早く寝ても遅く寝ても疲れていても、いつも明け方前に目が覚めてしまう
もしかして年のせい?
それはともかく、一度目が覚めてしまうともう眠れなくて、ひたすらネガティブなことが頭をよぎるばかり
起きて何かをする気力はなくて、暗がりの中で悶々とする時間がけっこうしんどい
そんなときどうすればいいのか、誰か教えてくれないかな
見えるのは外灯とそのまわりに群がる虫たち
その先に見えるのは小さな星たちの群れ、
そっと手を伸ばしてみて、触れているのは小さな小さな空気の群れ
そんな僕はただ1人、道の真ん中で立っている
暗がりの中で
手探りで、あなたを探す。
深い闇に吸い込まれるのか
声をあげても、響かぬ名前。
暗がりの中で
私は、誰を探す、、、
深い闇に吸い込まれたのか
その名も記憶も、忘れた果てに
私の前に立つ人に
「あなたは、だぁれ?」と
問うのであった。
【お題:暗がりの中で】
ちょうど今日、部屋の電気の電球が切れた。
困ったな。
暗い部屋の中で、スマホをいじっていると、画面だけが明るいから、目が疲れてくる。
明日、買いに行かなきゃな…。
今日にふさわしいテーマでした。
「暗がりの中で」
「ねぇー、やっぱお化け屋敷怖いって」
「僕が守るから大丈夫」
そう言った瞬間に足が震えた。
#暗がりの中で
明度を落とした部屋の片隅で、あかりを灯して机に向かう。
好きなものを集めたデスクの上に、広げたノートとお気に入りのペン。
部屋全体を灯すのが悪いとか、何か都合が悪いとか、そういったことは何もないのだけれど、片隅でひっそり静かに、じっくりと。好きなものに囲まれたこの場所を灯して、暗がりの中でさもここが特別かのようにして過ごす。ここで好きなことをする。お気に入りのお茶と、だいすきな夜時間。思考も深まる、幸せで満ち足りるひととき。
〉暗がりの中で
【あの子は私の大事なお友だち】
みんなね私をいつからか邪魔者いや居ないみたいに扱うのいつからかな確かあの子が来る1.2年前ぐらい前からだったかしらそれまでは仲良くしてくれて居たのにあの時はとても孤独で寂しかった
でもね今はあの子がいるからあの子は私のことをとても大事に扱ってくれるの嬉しいけどそのせいか私は今日もここに居るみたい時々なんで私がここに居るのか分からなくなる時があるのでもそんな時はきまってあの子が【分からなくていいよ】と言ってくれるだから分からなくても良いかなと思ったりするだってあの子と2人なら何処だってきっと楽しいものあの子は私を包み込んでくれる毛布みたいあっそろそろ彼女が朝ごはんを持ってきてくれる時間だわ
彼女のゆうあの子は本当にただの優しいお友だちなのでしょうかそれとも、
夜中に目が覚めた。直前までなにか夢を見ていたはずで、それがあまりいいものでは無かったことくらいは覚えている。天井の輪郭もぼんやりとする中、もう一度眠りたいとは思うものの、尿意と相談をしたいところで、とりあえずはあと何時間寝られるのか知りたい、となればスマホがいる。
メガネもスマホもだいたいは枕の左側、ベッドをピッタリと寄せた壁側に置いている。今日もそこにあるはずだ。数時間前の、眠る直前の自分の思考との推理ゲーム。時々、きちんとサイドテーブルの方に置いているから侮れない。引っ越してすぐは安くてそれなりにお洒落そうなこのベッドを選んだものの、やはりちょっとした小物置きスペースがあるタイプを選んでおくべきだったと、こういう時に実感する。
なかなかスマホの感触が探せない。起き上がる気はなかった。ここで起き上がって、電気をつけて探せばあっという間に見つけられるのはわかっているのに、どうにも意地になって毎度負けられない戦いに身を投じてしまう。愚か。
「スマホー」
「ここだよ」
ひんやりとしたなにかが手のひらを掴んで、ぐっと持ち上げた。そのまま枕の下に突っ込まれると、コツンと固いものに触れた。ケースにもいれていない、私のスマホだ。たしかに、アラームをちゃんと聞きたいときは、なんとなく頭に直接響く気がして枕の下に突っ込む人間なのだ、私は。
私は、一人暮らしだし。スマホを枕の下に潜り込ませた数時間前は、いつも通り一人で眠ろうとしていた。
誰だ、今の声は。
放心しながらもスマホのホーム画面を表示させた。あと三時間で、憂鬱な月曜日がくるらしい。
『暗がりの中』
もう誰にも愛してもらえない私はもう何も出来ない。お先真っ暗…
でもここは違った。凄く暗いのに私を待っていてくれたような気がする
なにもできなくなった私に手を差し伸べてくれたような気がした。
それを知った時から、私はこの場所に毎日もくるようになった
私にとって大切な、なくてはならない場所になってしまった
ここに来ると落ち着くし、ありのままの自分になれるし、本当の気持ちが言える
そして思う存分泣ける
私はここが好き
だから今日もここに来る
毎日、ここに来る
あなたにもこんな場所が見つかるといいですね
『暗がりの中で』
「自信モテ生キヨ 生キトシ生クルモノ スベテ コレ 罪ノ子ナレバ」
何時だったか
太宰治が知り合いを励ますつもりで
書き添えた文章だとか
あの人が そんなことを言っていた
何故か フッと思い出し
呪文のように繰り返す
私は負けた あの娘に負けた
誰かの命を奪うくらいなら
自分が消え失せた方が楽
なんて誰かが言っていたような
確かに そうね
他人を憎むパワーなど
もう 残っていない
現世への未練を断ち切って
アイツへの未練を断ち切って
アイツを
惚れさせることもできなかった
私を殺す…
そう 決めたはずなのに…
私は以外に業が深い
呪文のように繰り返すうちに
生きることに
執着している自分に気付く
暗がりの中で
声一つ上げずに
私は涙を流していた
すべてを断ち切って
生まれ変わったつもりで
生きてみよう
そう思ったら
なんだか 死ぬのが
馬鹿馬鹿しくなった
暗がりの中
向こうの方で
ポッと咲く
光の花
あそこに行きたい
気づくとあちらにも
光の花
きれいだな
ああなりたい
そう思ってきた
今、暗がりの中で
そっと
目を開けてみる
やわらかい光に包まれた
自分に気づいた
そうだった
みんなそれぞれ
光を持っている
それに気づくかどうかだけ
暗がりの中で
僕は何も見えない。
目が壊れている訳では無い。
おそらく五感は機能しているだろう。
そうでなければ、引きちぎられる足の感覚に気づきようがない。
突然、光が目に刺さった。
眩む。やはり目は機能していたようだ。
その中にあなたがいた。
手を差し伸べ、僕を助けようとする。
体を奪おうとする何かから。
それを感じた時、僕は理解した。
「光」が強ければ強いほど、
「暗がり」は深まるのだと。
暗がりの中で彷徨う
いつからか忘れた
心配するような人はいないから
いつまでもここにいても問題はない
だが、ここで死ぬのは
性に合わない
存在しないかもしれない
光を求め、途方に歩く
昨日も今日も明日も
暗がりの中で
外が暗くなるにつれ、子供の声が聞こえなくなってゆく。
近くのコンビニに行こうと外に出ると、昼は明るかったただの道が、月が隠れて街灯のみの暗い夜道に変わっている。
冬が近いからなのか、風がとても冷たい。
何か羽織ってないと凍えてしまうくらいだ。
夜道を楽しもうと自転車には乗らず歩いてコンビニへ向かう。
靴と小石が擦れあってジャリっと音を出す。
コンビニに近付いていくと、いきなり明るい道へ出る。
中に入って、エナジードリンクとタバコを買う。
『ありがとうございあしたぁー』
と面倒くさそうな店員の声が聞こえる。
歩きながらタバコに火をつける
はぁ〜っと息をはくと、真っ暗な夜道に煙が馴染んでいく。
この時間がお気に入りでもある。
女子高生から見ると、これはエモいとやらに入るらしい。
ただのヤニカスがタバコを吸っているだけなのにさ。
明日は休みだ。何をしようか。
そんな事を考える
どうせ何もしないのに
だけどそれが一番良いのかも知れない。
変わらない日常を感じる夜道でした。
―暗がりの中で―
お先真っ暗。
先が見えない。
進むことに疲れてしまった。
帰る場所も捨ててしまった。
何もする気が起きない。
何をしても楽しくない。
なんだか人生のどん底にいる気がしてきた。
「馬鹿言うな。
お前ごときが人生を語るな。
人生はお前が使うには広すぎる単位だ」
どこかから声が聞こえてきた。
私は辺りを見回したが、一面真っ黒で誰もいない。
幻聴か?
だが、その声は私の脳にハッキリと響いていた。
「大体、進むことに疲れたってなんだ?
お前が選んだ道だろ?
お前が行きたいと望んで歩み始めた道だろ?
なんだお前。今更その選択を後悔してんのか?」
違う。私は後悔なんてしていない。
あのまま別の道に進んでいた方がもっと後悔していただろうし。
「無理矢理自分を正当化するのは辞めろバカ。
変に自分を甘やかすから、ムダな自尊心とどうしようもない罪悪感が生まれるんだ」
やめろ。本当にこの道を選んだことには後悔していないんだ。
私はこの道を楽しんで、憧れて……。
好きだからこそ、今俺はここに居るんだ。
「でも、今は楽しくないんだろ?
それって、この道の“終着点”が好きなだけで、この道自体は好きじゃないってことじゃないか。
言っておくが、この道にただ居座ってるだけじゃ、いつまで経っても終着点には辿り着かないぞ。
お前がずっと頼り切っていた、何でもやってくれる親や仲間はもう居ないんだからな」
…………。
「結局、お前は一人じゃ何も出来ないんだよ。
誰かが目標、師匠、そしてライバルにならないとお前みたいな凡人は長続きしないんだ。
無くなったやる気だって、焦る必要が無いから発生しないんだ」
…………。
「いいか? やる気ってのは後から付いてくるもんなんだ。
まずは何か行動しろ。
何もやってなきゃ、そりゃ楽しいも何もねえよ」
…………。
「まずはこの道を選んだ理由を思い出すんだ。
終着点に行きたいからか?
終着点に行ったことによる名誉か? それか報酬か?
この道を進む理由さえ見つかれば何でもいい。
とにかくやれ!」
「黙れ!
こっちだって分かってんだ。
自分が現実逃避をしてるだけなのも。
自分がどれだけ甘えて生きてきたのかも。
そんなに言葉を並べなくても、感覚で理解してるんだ。
正直帰りたいってのも。
心配してくれたのに蹴っ飛ばした親に甘えたいってことも。
でも出来ないんだ!
もう一人じゃ動けないんだ!
誰かに希望を見せて貰わなきゃ生きていけないんだよ!」
……言い切った瞬間、私は気付いた。
さっきまでの幻聴が、全部自分の口から出ていたことを。
ピタリと静かになった視界は、未だに真っ暗なことを。
どこ見渡しても光がない暗がりの中。
私はただひたすら、誰かが来るのを待っている。
でも誰も来ないんじゃないのだろうか。出口なんてある訳ないのではなかろうか。なんて、思ってしまっている。
それが1時間、1日、1年と経ったか分からない時だった。
誰かが私を呼んでいる声が聞こえたのだ。
·····よ……ろう
それは優しくて暖かい、どこか懐かしい声だった。
そして淡く小さな光が闇を溶かすように、広がっていき
迎えにきたよ、一緒に帰ろう