星空の下で』の作文集

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星空の下で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

4/6/2024, 8:42:48 PM

(二次創作)(星空の下で)

 星の綺麗な夜だった。
 ひとつひとつの存在感がはっきりしていて、まるで瓶にいっぱいの宝石を溢したようだ。月も出ているのに、すっかりそちらが添え物になっている。一年の多くを雪雲に覆われているこの地で、今日のような夜空は久しぶりだった。
「…………」
 カーテンを開け放った窓からは、冷気が静かに漂ってくる。メアリィは、それでも夜空から視線を外さなかった。
 ふと想起されたのは、幼い頃の思い出だ。イミルでは、年に数回、流星群が見られる日がある。それまで振り続けていた雪が朝からぱったり止まった日の夜、それは見られる。流星群に願いを掛けると叶うと信じられており、幼き日のメアリィもまた、願いをかけた。
――大きくなったら、アレクスのお嫁さんにして。
「アレクス……」
 父の弟子であり、従兄であり、かつて父が拾ってきた居候でもあった男だ。灯台を守る使命を持ちながら、ある日いきなり消息を断ち、再開した時は一族を裏切っていた。小さい頃の自分は、アレクスを慕っていた。きっと今だって、無邪気に慕う気持ちは残っている。黄金の太陽現象を起こしてからまた、行方知れずとなったが、今頃どこを歩いているのだろうか。
(裏切り者――なんて、世界にとってはそれが正しかったのだけれど)
 あの神は"アレクスは助からない"と告げたが、真偽の程は確かめようがない。
 物思いに耽っていたメアリィを現実に戻したのは、アレクスではない男だった。
「身体に障るよ、メアリィさん。君一人の身体じゃないんだし」
「あなた」
 カーテンが閉められ、星空の景観は失われた。ふわりとブランケットが肩に掛けられ、ひとときの温かさを得る。
「何を考えていたんだい?星空に吸い込まれそうだった」
 夫に尋ねられ、メアリィは微笑んだ。
「初恋の相手のことを」
「えぇっ?」
 目に見えて焦るこの人は、あの旅に出る前からメアリィのことを好いていたらしい。その真っすぐさは面映くも、嬉しくもあった。

4/6/2024, 6:40:43 PM

「星空の下で」

ぼくは孤独な彼岸で、此岸のことを観測していた。
そんなある日。太陽と月が降ったある日。
ぼくはきみと出会った。

まさかこの世界で誰かと出会えるとは思っていなかったから、ぼくはあまりうまく話はできなかった。
でもまたいつか、いつか会えたらと思ってぼくは

「また会える日まで待ってて」

そう伝えた。

その瞬間、強い風が吹いて、気がつけば
きみはいなくなっていた。

だが、きみと出会ってから、観測用装置に異常な値が検出されるようになった。

-6366799 -3699 -14400 -38480 -5473
マイナスを表す数値ばかり表示される。
此岸で観測出来る存在が減り続けている、ということだ。

そして「Xjlro」という謎の文字列。

何が起こっているんだ。
きみは何者なんだ。

ぼくは彼岸で此岸を観測することしかできないから、
きみを止めることはできない。

いつかぼくもこの世界ごときみに消されるのか?

星空の下で、星が減りゆく空の下で、
ぼくはただ、此岸の破滅を見ていることしかできなかった。

そんなある日、ぼくはひとつだけこの装置から「IFO-712」という場所にメッセージを送れることに気づいた。

一縷の望みを懸けて、ただ「Help」とだけ入力した。

そうしたらなんとぼくを助けてくれるという内容の返事が来た。
ぼくは安心して、久しぶりの眠りについた。

「……おい!おいキミ!!!」
気がつくとぼくはミントグリーンの小さい人に揺り起こされていた。

「びっっくりしたよ〜!!!まさかこの空間から生体反応どころか、メッセージが!来るだなんて思ってもいなかったからね!!!」

「それはそうと……まあ詳しい話はあとにして、一旦ここから安全な場所に移動しようか!!!」

そうしてぼくはその人と共に誰かが暮らす部屋に来た。

「ただいま〜!!!」
「……お邪魔します……?」

「お〜い!!!キミ!!!ちょっとこっちへ来たまえ!!!」
そう言ってその人は誰かを呼び出した。

「あ、そうそう。いちおうキミにもこいつをつけておくよ!」
そう言いつつぼくの着ている服にピンバッジのような何かをつけた。

あぁ、おかえり。……その人が例の「特殊空間」にいた人か?
……どうも、狭い部屋ですがゆっくりお過ごしください。

この部屋の家主と思われる人の声が聞こえた。
だが実際に話をしているわけではないらしい。

「そうだよ!!!ってキミは彼も見えるのかい??!さすがだね〜!!!」

「あ、この人はマッドサイエンティストのボクの助手さ!!!キミも仲良くしたまえ……と思ったんだがキミは少し存在が不安定なようだ……。安定した空間を提供できるようになるまで、ここで過ごすといい!!!」

「あ、そうそう!!!さっきつけたそれ、助手の心の声が聞こえるようにする小型ながら高性能なボクの発明品なのさ!!!流石ボクだね!!!」

「では、そろそろ昼ごはんの時間だよ!!!何か食べたいものがあれば言ってくれたまえ!!!」

とにかく、ぼくは孤独なあの世界から救われたんだ。
それだけでとても安心して、気がつくとまた眠りに落ちていた。

4/6/2024, 2:26:33 PM

星空の下で君を待った。
まだかなぁ、早く来ないかなぁと白い息を吐きながら玄関先で手を擦っていると、遠くで流れ星が見えた。
あっ、と思っているうちに消えていき、願いを考える時間さえも与えてくれなかった。

でもいいんだ、今になって思いついた願い事の1つはもう、叶うから…。

「お待たせしましたー。牛丼大盛りと豚汁です。」

星空の下、バイクに乗せられたキミを出迎える。
流れ星はいらない、スマホと財布さえあれば。

4/6/2024, 2:01:24 PM

その瞬間。なぜだか、胸の奥がぎゅうと締め付けられた。


くしゃりと胸のあたりを掴む。


理由も分からず、ただただ胸が苦しかった。
何か、とても大切なものを失ってしまったような。しかし同時に、この星空をずっと待ち望んでいたかのような。そんな不思議な感覚だった。
何がこんなに苦しいのか分からないし、そんなことを経験した記憶も無いのに、ただひたすらに悲しくて寂しくて、けれど、覚えてすらいないそれはとてもあたたかい記憶のような気がした。


「っ……」


気がつけば、ツー、と涙が頬を伝っていた。


何も覚えていないのに。分からないのに。胸が苦しくて、寂しくて。でも、胸の奥はあたたかくて、記憶の中で自分がとても幸せだったことは何故か分かった。


「え……どうして、泣いてるの……?」


隣の宇宙人に、泣いているのがバレてしまった。綺麗な瑠璃色の瞳がまん丸に見開かれている。
咄嗟に涙を拭って「なんでもねえよ」と答える。


「…………そっか」


彼は穏やかにそう零した。


星空を見上げる彼の目は細められていて、何故か嬉しそうに口元を緩ませている。そんな彼を目にした途端、また理由も分からないまま胸の奥と目尻がじわりと熱くなる。


再び、涙が頬を伝っていく。


全てが不思議だった。


こんなに悲しいと感じているのも、涙が止まらないのも。見上げている星空がとても綺麗で、それをなぜだかとても嬉しく感じるのも。


隣の彼は、泣いている理由を何故か聞いては来なかった。星空を見つめているその目には、一体何が見えているのか。いつも掴みどころのないこの男が、何を考えているのかなど、分かるはずもない。


ただ、何故か。


星空を見上げているこの瞬間だけは、自分と隣の彼は同じことを考えているような気がした。

4/6/2024, 11:25:26 AM

星空の下、生ぬるさとほのかな冷たさを感じる春の夜風に頬を撫でられながらぼんやりと思う。
―――――――――あぁ、もどかしい。

あと何歩の距離だろうか?
姿は見えてる。声も聴こえている。
ただ、埋まらない。
すり抜けていくようなこのもどかしさ。

でもふとした時に覗き見る
そのすり抜けていくもの達を見送りながら
あぁ、この距離がきっと、僕には丁度よくて
この距離がきっと、必要なんだと。
貴方の背中を見ながらぼんやりと想う。

4/6/2024, 10:15:08 AM

君を迎えに行って

星降る夜の下で暮らそう

続く日々の中で

星空を見上げて一呼吸できるように

4/6/2024, 9:58:11 AM

『星空の下で』 4月5日

円い星空を見下ろした
星空に飛び込んだ
ゆっくり沈んだ
掴めないものを掴もうと手を伸ばすと星空が揺れた
息をしようと重いものを吸い込んで
苦しくなって目を閉じた
流れない涙を流した
私の躰は星空の下に落っこちた

『君の目を見つめると』 4月6日

4/6/2024, 9:48:43 AM

約束な。また、この星空の下で会おうぜ。

その約束は、もう叶うことは無い。
「かわいそうに…まだ若いのに…」
「通り魔ですって…ひどい」

1人で見上げた星空は、なんでか汚かった。

4/6/2024, 9:46:38 AM

【星空の下で】


あぁ、星が綺麗だ。
君は何処に居るんだろう。

僕はここにいるんだ、と。
君に見つけてもらいたくって、目一杯腕を広げた。
大きく息を吸い込むと、夜の少し冷たい空気が肺一杯に満たされる。

あぁ、君は何処に居るんだろう。

君の居場所が分かったなら、今すぐにでも駆け付けて強く抱き締めたい。
君だって、そうでしょ?

僕は寂しくて仕方無いよ。
ねぇ、そこにいるんでしょ?

輝く星を見詰めながら考える。
僕を置いていくなんて。許さないから。

ねぇ、僕もそっちに行っても良いかな。
この大きな星空の下じゃ、君が何処に居るのか分かんないや。
きっと、そこに行けば分かるよね。

あぁ、お星さま、お星さま。
そっちに行っても良いですか?

広い星空の下で。
輝く星に問いかけた。
                   るあ

4/6/2024, 9:41:51 AM

星空の下で、なんて言うけれど、私はちゃんとした星空を見たことがない。

だって、街の光が強すぎるから。
遠くからやっとのことで光を届けてくれる星が負けちゃってるんだ。

今日も寝る前、そっと窓越しの空を見上げてみる。
すると、真っ先に目に入ったのは街灯の光。
案の定と言うべきか、やっぱり空に星はない。

技術の発展なんかは良いけれど、そのせいで昔懐かしの文化や習慣がなくなっていくのは、とても悲しいと思った。

4/6/2024, 9:38:30 AM

数多ある、宇宙の神秘は深遠で壮大で、果てしない。何億何千年とかけて届く星の光に比べれば、人間の一生なんて一瞬だ。
 その一瞬を一緒に過ごしたいと心から望んだ女性と、今日結婚した。
 そんな日も星空の下で天体観測に明け暮れる僕を、彼女は、らしいわね、と苦笑で許してくれた。天体観測にも付き合ってくれて、今は、すぐ横の椅子に腰掛けたまま眠っている。
 その顔が、どんな宇宙の神秘より魅力的に見えて、僕はそっとくちづけした。
 一生を共にするキスは昼間行ったけれど、これは、それ以上の時間も君を愛すると。
 永い星の寿命にかけて、ひっそりと、誓った。

4/6/2024, 9:37:08 AM

一人将来について考えていたあの頃。
満点の星空の下で都会にはない澄んだ空気と星空。
この景色は自分の心の支えだ。
こんな素晴らしい星空が見えない都会で
自分はやっていけるだろうかという不安と気持ち。
それでもやらなければ生きていけない自分の人生。
気持ちと心が右往左往していたあの頃。
聞こえてる?あの頃の自分へ。
都会に行かず地元でちゃんとやっていけてるよ。
心配しなくて大丈夫。
今日も頑張った自分へご褒美に星空の下で
まったり癒されてるからね。

_星空の下_ ななまる

4/6/2024, 9:36:47 AM

煌めきの彼方にある鏡は、人を映さず、ましてや『私』をも呑み込むようにぽつんと佇んでいた。
その鏡には『私』がいたが、然してそれは『ワタシ』であった。顔も映らず影のみがただただそこに在る。真っ黒な虚空には小さな光が幾つも浮かんでは消えていたが、その一つに手を伸ばすと『私』は吸い込まれ、『ワタシ』になったのだった。

4/6/2024, 9:33:30 AM

切っ掛けはさて何だっただろうか。
記憶力は割りと良い方だと自負しているが、流石に二十年も前のこととなると曖昧だ。
朝からニュースで盛んに報じられていたのを見たのが先か。
はたまた、学校の廊下で地学部からの星空観測会の案内を見たのが先だったか。
いずれにせよ。星空と聞いて思い出すのはやはり、深夜に極大を迎えた二十年前のしし座流星群の夜だろう。

「日本で、夜に、肉眼で。沢山の流れ星を見られる、またとない大チャンス!」
その触れ込みの通り、まるでアニメの背景か。もしくはエフェクト加工を施した動画のようにきらりと瞬き、光の筋となって消えたものを空に見付けたときの感動は今も忘れられない。
それが間を置かずして次から次へと繰り返すのだから、まさに千載一遇、夢のような夜だった。

「次に好条件が揃うときは……私はもうおばあさんだね」
後日、流星群の様子を伝えるニュースを見て、余韻に浸りながら母がぽつりと呟いていた。
二十年前に見たときは、私と母と、祖母の三人だった。
祖母は昨年に亡くなってしまい、もう居ない。
そのことにはまだ慣れなくて、意識してしまうと少し寂しい。
母が待つ次の大出現の頃、私は一緒に居られるだろうか。
昨年から家の中がバタついて、先のことは分からない。
それでももし叶うのならば、あの時のようにまた星を見たい。

夜中に目覚ましをかけて、示し合わせ。
眠い目をこすり、空を見上げて流れ星を待つ。
そんな思い出の夜を、もう一度。
まだ見ぬ未来の星に、願うとしよう。


(2024/04/05 title:021 星空の下で)

4/6/2024, 9:33:14 AM

星空の下で

「あの赤い星、動いてる!」
「え!?赤い星?動くわけ、、、ほんとだ!」
「でしょ!!」
「って、あれ飛行機だから」
「え」
飛行機に乗っている皆さーん、星空の下ではこんなことを思っていまーす

4/6/2024, 9:20:30 AM

あいつの目ってめっちゃ綺麗やねん!
きゅるきゅるしてて子犬みたいで可愛いがどうしても先行してまうんやけど。
キラキラと澄んでいて星空みたいやなって、思う。
全然ほんまの星には興味無いんやけど。

それを本人に言うたら、あいつは「それはあんたがほんまの星空見た事ないからや」って言いやがった。
素直に喜べや。褒めてんねんぞ。
「満天の星空って綺麗やねんで」
と風景を思い出しているのか、目をキラキラと輝かせる。
「いつか見てほしいわ、感動するくらい綺麗やねんから」
それやったら常に俺は感動してるわ。
汚い大人たちを見ても、全く濁らないお前の瞳に。

そして、月日は経ち。
俺はなんだか気恥ずかしくなって、あいつの目を見れなくった。いや、見てはいる。
目を合わせられなくなった。でも好きなんに変わりはないから、気づかれないように見ている。ガン見。でも俺が盗み見上手いんか知らんけど、あいつ全然気付かへんねん。
しょうもないスキルだけは身に付いていく。
汚い大人になっても相変わらず、こいつの目は濁らへん。
綺麗なもんや。肺とスケジュールは真っ黒やのに。

そんなある日、友人達とキャンプに行った。
あいつも一緒や。俺とあいつが友人やからなのか、俺とあいつに共通の友人が居るからなんかは分からん。

みんなでテント立てて、BBQして、酒を飲んで、片付けして、酒飲んでおやすみー言うて、酒飲んで、ふと空を見た。
確かに空気が澄んでいるから、空が綺麗だ。
でも目が慣れていないからかそんなに星は見えない。

「綺麗やな」

いつの間にか隣に来ていたあいつが星を見上げながら言う。
思わず息を飲んだ。星空だ。
あいつの瞳にはこんなに沢山星が見えているのか。
確かにこれは、

「綺麗やな」

流石にお前の瞳が、とはクサすぎて言えへんかったけど。

『星空の下で』




作者の自我コーナー
いつもの。
何だかずっと目の話を書いている気がします。
それほど彼らにとって目がキーワードなんですよね。
目が澄んでいたらきっと星空もより綺麗に瞳に宿るんだろうなぁ。作者の目は充血気味ですが。
こんな時間まで書いてるからですね。

4/6/2024, 9:14:15 AM

この星空の下で
今 誓いを立てよう
水面に落ちる涙はこれきり置いていくから
どうか見ていて と
冷たい額にそっと口付ける

遠くで夜空を明るく照らす炎
立ち上る煙
この光景を忘れない



星空の下で(お題)

4/6/2024, 9:11:05 AM

「星空の下で」

「ドォォォーン」
星空の夜の下の静かな村に一つの轟音が響き渡る。
その轟音は眠りについていた住人を叩き起こす。
ある村人は驚き、ある村人はまたかとため息をつく。
「これがこの村の呪いといわれているやつか!とうとう見れたぞ!」
この男の名は船橋。
オカルト好きが過ぎていて、一度気になるとすぐに行動に移す超アクティブ人間である。
「こうしちゃいられない。カメラと、スマホと、メモ帳と、ペンと…」
散らかった部屋から必要なものを粗探しし、すぐに玄関を出た。
「とこだー」
玄関を出るとあたりをキョロキョロと見回し、音の発生源を探る。
すると、一瞬怪物と見間違えしまうほど凄まじい煙が、星空が広がる暗澹へと昇っていた。
「あそこか!思ったより近い場所に落下したらしいな。道理で爆音がしたわけだ。本当に危険と隣り合わせの村だな。なのにこの村出身の人は村を離れない。気になる!」
すぐさま落下地点へ疾走した。
探究心と知的好奇心により船橋は気づいていなかったが船橋は寝間着のまま外へ出ていた。
「はぁ、はぁ、あれ?さっきまですごかった煙がない」
落下した場所に来ていたはずがそこには何も無かった。
どよめいていたはずの村人たちもなぜが黙ったままだ。
「すみません。ここに何か落下しませんでした?」
「んっ?最近ここに越してきた若造か?まぁ、気にすることはない。よくあることだ。」
気にするな?
絶対におかしいはずだ。
さっきまでものすごい存在感を放っていた煙が消えているのはおかしい。
それに、あそこまでの爆音を放っていたはずなのに落下地点と思われる場所には落下した痕跡がない。
なぜだ?
この老人は何かを隠している。
この老人だけでなくここの住人は隠している。
「おかしくないですか?さっきまでの煙はなんですか?」
「そうか、そんなに気になるのか若造」
周りの住人はこちらを向いていたが、身を翻し何もなかったかのようにそれぞれの自宅へ帰っていった。
「はい!気になります」
老人は隠している秘密について喋りそうな雰囲気をかもし出しているので、すかさず胸ポケットからメモ帳とペンを取り出す。
「ついてくるんだ、若造」
そう言われ、すこしの間老人の背を追っていくと村の端にある村長の家に着いた。
「ここは村長の家ですか?そうなるとあなたが星降の村の村長ですか?」
「そうだ、村長の家にすら挨拶に来ない世間知らずな若造が最近越してきてなぁ」
「すみません…」
村長は扉を開けると接客用の椅子に座りこちらへ来いと手招きをしてきた。
「それで早速ですが先程の件について良いですか?」
老人は苦虫を噛み潰したような顔をしてこちらを見ている。
「この話をすれば若造はここに越してきたことを後悔することになるぞ」
「良いんです」
船橋は知的好奇心を抑えられずにいる。
「そういえば何故若造はここにきたんだ?」
「この村では星が降ってくるという噂を聞いて来ました」
「つまり好奇心だけでこの村に来たということか?」
「はい。それよりも早く教えてください。後悔しても良いんです」
船橋に後悔という文字はなかった。
「そうか。それならば言おう。」
老人は一息置いて。
「この村は文字通り星空の時、星が降る。星が降る時には共通点がありそれは人が消える。この村の誰かが無差別に消えるんだ。だからこの村の人々はいつ自分が消えてしまうのかといつもビクビクして日々を過ごしている」
「なるほど。それではいつからその現象が起き始めたのですか?」
「昔の話になるが村のある子供がよく村の隅にある神社で遊んでいた。そこは森の奥深くに建立されていたので子供らにとっては秘密基地感覚だったのだ。そこまでならいいのだが、ある一人の子供が本殿の中に入ろうとみんなに提案した。それが呪いの始まりだった。本殿の中に入ったある子供が中にある神仏を倒して壊してしまった。そこからだ」
「なるほど。つまりこの呪いは神の裁きということですか?」
「そういうことだ若造。わかったんならさっさと帰れ」
「あなたですね?」
「な、なんだ?」
「本殿に侵入し、神仏を壊したのは」
老人はただコクリと頷くだけだった。

4/6/2024, 8:50:18 AM

会社からの帰り道ふと見上げた空。
きっと普段と何ら変わらない星空なのだろう。
それでも私には特別綺麗に見えた。

いつから私は空も見ずに過ごしていたんだろうか。


星空の下で無邪気に夢を語っていたあの頃を思い出す。
今では考えられない程ひどく幸せな時だった。
昔に思いを馳せいつぶりかに見た空に思わず涙ぐんだ。




ー星空の下でー

4/6/2024, 8:48:54 AM

「ありがとう勇者様。この地を救ってくれて」

目の前に広がる景色。
何千人の国民が集まり、歓喜の声を挙げる。

初めて太陽を見る者やもう見れないと思い生きていた者。
この地に平穏が訪れた事への喜びを人々は挙げていた。

「ありがとう勇者様!」

完成の中、聴こえたその言葉。
「勇者」と呼ばれたその人はただ静かに泣いていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
都市から数百キロも離れた場所に勇者の故郷はあった。
絵に書いたような平和で、事件もなくただ日がな1日空を見上げて過ごすくらいには平凡で退屈だったのだ。

「何してるの?」

「星を見てる」

1人の少女が1人の少年に近付いて話しかけていた。
少年はぶっきらぼうにそう少女に言うとまた、星空を眺めだした。

「それ楽しいの?」

「楽しいとか…ない」

「へぇー。そうだ!星と星を繋ぐと星座になるって知ってた?」

少女は緋色に輝く瞳を細めて少年に話しかける。
少年は話したくなさそうに一言で会話を終わらせていく。

「私もあの星みたいにいつかなれるかな?」

そう言った少女の顔を少年は、今この瞬間初めて見たのだ。

「ねぇ、一緒に逃げよう。この世界から」

その瞬間、少年は全てを思い出した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
勇者と魔王はなんで敵対しないといけないのか。
勇者はあの日からずっと疑問に思っていた。

対等になれないことは知っている。
勇者も自分の故郷を無惨に滅ぼされた1人なのだから。
でも、勇者はわかっていた。
自分が魔王を倒すことをましてや殺すことを躊躇していることを。

「勇者サマちゃんと飯は食っておけよ。今度は長期戦になるんだから」

パーティの1人、大柄な男にそう告げられる。
勇者は俯きながらも骨付き肉に齧りついた。

「最期の戦い。これで全てが終わるんだな…」

「そうだね。早く終わらせないと…」

「勇者サマとの旅ももう最期か…」

ゴクリと喉を鳴らし肉を飲み込む。
勇者は今まで一緒に旅してきた仲間の眼を真っ直ぐに見つめいつものように言う。

「本当に最期の戦いだね…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
何百回目の夜を超えて勇者は、仲間と共に魔王城に辿り着いていた。

回復も残り僅かだが勇者は知っている。
いや、覚えている。
絶対に魔王を倒すことになることを。

魔物の群れを薙ぎ倒し、「早くいけ!魔王の元へ!」と仲間に言われるがまま勇者は1人魔王がいる最奥へと走って行く。

大きなトビラを勢いよく開ければ趣味の悪い玉座に座る「魔王」と呼ばれたその人がいた。


「久しぶりだね」

「そうだね」

「魔王」と呼ばれたその人は妖しく輝く緋色の瞳を細めて「勇者」と呼ばれたその人に話しかける。

「あの日から…ずっと疑問に思っていた。なんで僕らは敵対しないといけないのか」

「それは私は「魔王」できみは「勇者」だからだよ」

「そんなの誰が考えた誰かのための物語だろ?なんで…僕らは「魔王」と「勇者」なんだ…ねぇ、一緒に…」

「ダメだよ。これは私たちの物語じゃないから。でも私はきみと話した…あの夜を忘れないと思う」

玉座から立ち上がるや否や魔王は、勇者の目の前に刃を振り降ろした。
勇者は何度も何度も握った剣で間一髪ガードが出来た。

「私はこの世界を支配するから」

「そんなことはさせないから」

勇者は知っていた。
魔王が放った台詞を。
自分の口からでたこの台詞を。
この物語は誰かのための物語ということを。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
何かの予兆のように星たちがひときわ煌めく星空の下。
1人の少女と1人の少年が星空を眺めた。

「私もあの星みたいにいつかなれるかな?」

少女の星のように輝く緋色を少年は見つめた。


「ねぇ、一緒に逃げよう。この世界から」


永遠に応えが聞けないその言葉を「少年」はまた「少女」に問うのだった。

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