日呑

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煌めきの彼方にある鏡は、人を映さず、ましてや『私』をも呑み込むようにぽつんと佇んでいた。
その鏡には『私』がいたが、然してそれは『ワタシ』であった。顔も映らず影のみがただただそこに在る。真っ黒な虚空には小さな光が幾つも浮かんでは消えていたが、その一つに手を伸ばすと『私』は吸い込まれ、『ワタシ』になったのだった。

4/6/2024, 9:36:47 AM