日の出』の作文集

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日の出』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

1/3/2026, 6:21:54 PM

日の出。
美しい、希望の象徴のようにされるもの。
生活習慣が通常でないなら見ることもないもの。
明日が苦痛なら見たくもないもの。
実際には、地球が、足元が太陽のほうに顔を向けただけのこと。

1/3/2026, 6:16:07 PM

【日の出】

 シャッ、とカーテンを素早く引く音が聞こえた。沈み込んでいた意識がゆっくりと引き上げられる。何度か瞬きを繰り返す。薄暗い室内。音の方向に顔を向けて目を凝らせば、掃き出し窓の前に立ち尽くす人影が見えた。衣擦れの音で気が付いたのだろうか。何か声をかけるよりも先に、窓の外を見つめていたらしい視線がくるりとこちらに向けられる。

「あ、起こしちゃったか。ごめん」
「いいよ別に。なに見てたの」

 甘やかな声色に浮つきかける気持ちを抑えながら、ほんの少しそっけない態度で問いかけた。それに気が付いてか気が付かずか、彼はその質問には答えないまま、もう一度窓の方へ顔を向ける。

「ほら、ちょうど今見える」

 その言葉に、横たえたままだった体を少しだけ持ち上げる。一緒になって目を向けた先、遠くの山の間からきらきらと輝く太陽が覗いているのが見えた。――日の出だ。
彼がこんな時間から起き出してまで見たかったのは、この景色だったのか。隣をちらりと見やれば、満足げな微笑みを返される。差し込み始めた陽光に照らされたその笑みがなんだかひどく眩しくて、思わず目を細めた。

1/3/2026, 5:40:47 PM

朝が早くて、
起きれなくて、
見れなかった初日の出。
別に新年の日の出だから
見たかったんじゃなくて、
ただ綺麗だから
それをただ見たかったんだ。
日が海に溶けるように沈むみたいに、
山からキノコが生えてくるように
昇ってくるのを見て、
あぁ、綺麗だなぁって。
今日が始まるなぁって、
感じたかっただけで。
でも私は夜更かしも大好きで
寝るのが遅いから
早起きは大の苦手で、
目覚ましでも起きれなくて。
この世にはあんなに
大きくて輝くものが
毎日見れるのに、
睡眠に負けて見れない自分が
少しだけ愚か。
もうてっぺんまで昇ってしまった太陽は
後は沈むことしかないけれど、
私はきっとまた
夜更かしもするし、
早起きを頑張って
日の出を見ると思う。
"Good Midnight!"
好きなことと綺麗なもの。
どっちも見ていたくて
どっちも捨てられない。

1/3/2026, 5:25:22 PM

(ママさん)
なんで反対なの…


(先生)
理由なんかあるか…


(虎さん)
いいかいおじさん
反対なのは皆同じなんだよ
ただママさんは店辞めて
田舎に帰らなきゃならない理由があるだ
あんたが子供みたいに
ダダこねたってしょうがねぇんだよ…


(村の青年B)
ほんだほんだ


(先生)
お前黙って肉焼いてろ!!


(村の青年B)
はい…


(先生)
とにかく行っちゃいかん
俺が許さん…


(ママさん)
なんて偉そうな口きくの
あたしがどうしようとあたしの勝手でしょ


(村の青年B)
ほんだほんだ

(船長)
そうだそうだ 

(ママさん)
先生の助手じゃないんだから


(先生の娘)
そうよ
おばさんの言うとおりよ


(先生)うるさい!!


(ママさん)
まぁ呆れた…


(虎さん)
なぁおじさんよぉ
あんたがそこまで反対してる理由は
それなりの理由があるからだろ
だったらその理由をちゃんと言ってみな


(先生)
言えるかそんなこと


(虎さん)
お… 
言えないとさ…
言わなきゃ終わりだ
ママさんは新潟へ帰る…


(先生)
だから…
俺は…
反対だと言ってるんじゃないのか


(虎さん)
だから…
その理由をちゃんと言えって言ってるんだ
男らしく
みんなもそう思うだろー


(村人全員)
うんだ!!うんだ!!うんだ!!

(船長)
ガンバレ!!


(虎さん)
勇気を出して言え
今言わなかったら
一生死ぬまで言えないぞ…



(先生)

よし言うぞ…

言ってやるぞ…


(虎さん)
よし!!いけ!!!




(先生)

俺が行っちゃいかんと言ってる理由は

俺が…俺が…

俺が惚れてるからだ…

悪いか……


(虎さん)
はあ…言っちゃたよぉぉ…


(村人の青年B)
聞いたか…

(船長)
言ったよ… 

(村の青年B)
ああ嗚呼…!!

(先生の娘)
きゃぁ~良かったあ!!

(村の青年B)
実に感動的なシーンであります〜!!


(虎さん)
本当に言っちゃたよ…




(船長) 

知床の〜♪岬に〜♪

(全員)

ハマナスの咲く頃〜♪

思い出しておくれ〜♪俺たちのことを〜♪

酔ってさわいで〜♪丘に登れば〜♪

遥か国後に〜♪白夜は灯る〜♪




……

いくつかコインも増えたけど

少し名誉に酔ったけど

ウソと飾りで街の空には矛盾がこだまする

素直な自分が恋しくて

都会のネオンに透かしたら

時代に向けた服を選んだ大人になっていた…

失うことが…

失うことが…

明日を生きるなら…

涙解いて風を頼れば

瞳の中にきっと僅かな本当の愛がある

……


困ったことがあったらならな…

風に向かって俺の名前を呼べ…

叔父さん何処からも飛んで来てやるから…


うん…


じゃぁなぁ…


………


嘉穂劇場にて…


(虎さん)

俺は前にここで
東京の歌舞伎観たことあったなぁ…
あれは…



(おいさん)

昭和38年3月10日、



(虎さん)

はあ…好きだねぇぇ〜

勧進帳…良かっなあ〜

おいさん〜おいさん〜

よっ〜

ばんばばんばんばんばん〜

よぉ〜高麗屋〜上手いね!!


(おいさん)

えっぇぇえっ…



(虎さん)

おいさん元役者やってたんじゃない…
やってたんだよ…
やってた…?!!


(おいさん)

お…
わかる〜!?

……


おいさん役(すまけい)さん

船長役(すまけい)さん

……

正月らしく山田映画を見て思う


すまけいさん… 好きだな…

見てて…

なんだろううまく言えないけど…

好きな役者さん…


こまつ座公演での

すまけいさんが父親役演じる  

「父と暮らせば」見たい🍀


もう過去の映像でだけ御会いするしかない
好きな俳優さんです

1/3/2026, 5:21:21 PM

日の出
机に突っ伏した状態で目が覚める。
どうやら疲れて眠ってしまっていたみたいだ。
まだ薄呆けた目を擦って窓を見る。
ちょうど日の出の時間であったようで、
外は美しい朝焼けに染まっていた。
あの日、大雨ですべてを奪っていったとは思えない優しい空。
結局あの図書館は再建しなかったし、お兄さんには会えなかった。
がむしゃらに勉強して司書の仕事には就いたけれど、
同じところに来ても僕にはお兄さんは分からなかった。
僕は未だに下巻を探せていない。いや、探していない。
図書館がなくなっても、もうお兄さんに会えなくても、
あの約束はなかったことにはならないから。
ばらけて少しシワのついてしまった書類をまとめる。
続きはもう少し休んでからにしよう・・・
と思った時に、司書室の扉がノックされる。
受付に誰もいなかったんだろう。
こんな早い時間に勤勉な人もいるものだ、と返事をして表に出る。
その人が持っていたのは、あの日の本の上巻。
懐かしい。
頭によぎったそれは声に出てしまっていたようで、
お客さんが微笑ましそうにこちらを見る。
すみません、いきなりと謝ると
いいえ、いいんですと優しく返された。
その声になんだか聞き覚えがある気がした。
いや、まさか。
でも、きっと。
こちらが二の句を継ぐ前に、あちらから声がかかってきた。
もしよろしければ、この本の下巻を一緒に探していただけませんか。
あの日の約束を、まだ覚えていらっしゃるのなら。
何か自分にのしかかっていた重苦しいものが弾けた気がした。
ええ、もちろん。是非!!と大きな声を上げて受付を出る。
子供の僕が笑っている気がした。

過去のお題 遠い約束の続きでして
よろしければ作品群を遡ってそちらを見ていただけると
納得感が増えると思います。

1/3/2026, 4:49:46 PM

高校時代に仲の良かった女友達が、最近派手に遊び歩いているという噂を耳にした。

正直、彼女に対して恋愛感情を抱いていた時期があるため、笑い話で語られるその内容を他人事のように処理は出来なかった。

もう何年も経った、もう関係の無い人だ。

そう思えるだけの時間と環境を手に入れたはずだった。

──────────

夜に耽ってあまり聞きたくなかった噂話を思い返しているうちに、寝室から眠っている妻の咳が聞こえてハッとした。自分はとっくに結婚していて、子どもにも恵まれた。自分は幸せだ。

カーテンの隙間から次第に空が白み出していることに気づいた。日の出はいつも正確だな。

昨日と同じ速度で、同じ場所から、ゆっくりと昇ってくる。

太陽は何も知らない。自分が手に入れたもの、失ったもの、そして彼女がどんな人生を送ってきて、どう変わってしまったのかも。

それでも光は等しく降り注ぎ、結婚した自分も、噂の中でイメージが崩れ落ちていく彼女も、同じ朝の下に立たされ、日常の営みを淡々と続けていく。

人は変わる。美しくも、醜くも、自分の意思とは関係なく。何も変わってないと思う自分でさえ、もうあの頃の自分ではないことを思い知る度、人の不安定さを痛感する。

完全に昇った太陽の光が、カーテンを切り裂く勢いで隙間から漏れてくる。子どもの身動ぎで新たな一日の始まりを予感する。

自分は、過去を否定しないし、今の彼女を裁くこともしない。そもそも出来ないのだが。

ただ、間違いなく彼女と充実していた青い日々があったことを胸にしまう。

日の出は毎日飽きもせずやってくる。変わらない周期で
世界を照らす。

その下で、人は今日も、少しずつ別の形へと変わっていく。

1/3/2026, 4:44:27 PM

『カオル、カオル!!』
「え、何!?」
 そんな声で目が覚めた。あまりにも慌てた様子だったから急いで起き上がったけど、声を掛けたのはお母さんでもお父さんでもなくて、マスコットだった。
『起きたね、カオル』
「…………アラーム何回スヌーズにしてた?」
『いいや、まだアラームには三十分ほど早いね』
「………………早い?」
 言っていたことが信じられなくて問い返したけど、マスコットは深く頷いて言った。
『うん、早いね。今は六時。キミのアラームは確か半だったはずだろう?』
「そう、だけど………………」
 段々と頭が整理されてきた。じゃあつまり、あたしはアラーム前にコイツに起こされたって言いたいのか。最悪だ。何がしたくてそんな真似を。
 早く起きたあたしがバカだった。もういい。三十分でも寝た方が有用だ。朝早く起きるのは大切なことだけど、いつもより早いのは良くない。生活リズムってやつが崩れちゃう。
 いそいそと布団に潜り込む。冬休みに早く起きてるってだけでも偉いのに無理やり叩き起さないで欲しい。
『カオル、起きて欲しいな』
「なんで、何のために」
『いまさっき化け物が近くにいるのを検知した。つまりこっちに来るのも時間の問題だ。その時にキミが寝てたらキミが死ぬのは確定事項になるよ』
「…………眠いんだけど」
『……構わないよ。それが永遠の眠りでよければ』
 マスコットはしれっとそう言った。本当になんでコイツは正義の味方みたいな顔してるんだろう。どう考えても敵じゃない?
 眠い目をこすりながら起き上がる。着替えるのが至極面倒だからとパジャマのままで中指に付いているリングにキスを落とせば、そのまま変身できた。
『やる気になってくれて嬉しいよ』
「死にたくないからね」
『じゃあ戦おう。日の出、見れるといいね』
「…………何時なの」
『今日は七時近くだよ』
 なんともなんとも絶妙な時間。一時間でカタをつけなきゃいけないのは大変そうなような、そうでも無いような。
 眠過ぎて眠過ぎて死にそうなあたしのやる気はほぼ地についてると言ってもきっと過言じゃなかった。

第三話 日の出

1/3/2026, 4:40:50 PM

もうすぐ学校が始まるのにやる気がでなさすぎる。テストも近づいているのに、、マジでほんまにヤバいです笑
行動しろ俺笑お正月がまだ抜けない、、
梶原と想の過去編エピソードです。


人を好きになるのって説明できないですよね。




中3の頃だった。
自分でも理由がわからないまま、胸の奥が熱くなって、ざらついて、黒いものが溢れてきた。
嫌だった。腹が立った。憎かった。
想が誰かと笑うたび、知らない顔を見せるたび、心がぎゅっと掴まれるみたいに痛んだ。
そしてある日、堪えきれずにぶつけてしまった。

「……梶原?」

「……っ、他の人と喋らないでよ。
俺より親しい人を作らないで。
楽しそうにしないで。
俺の知らないところで笑わないで……」

言葉にした瞬間、その重さに自分でも怯えた。
掴んだ想の手が小さく震えているのに気づき、はっとして離す。
「……ごめん。違う、こんなつもりじゃ……」

沈黙が落ちる。
だけど、想はいつもと同じ調子で笑った。

「梶原、日の出見に行こう」

家から少し離れた神社。
頂上から朝日がよく見える場所に、僕らは並んで座った。
想が買ってきたココアを渡してくれる。

「……心配?」

「え?」

「俺のこと心配してくれたんでしょ」

「……どうだろ。わかんない」

「そうだよ。心配してくれたんだよ」

想はココアの湯気をぼんやり見つめながら、いつものようにニヤッと笑った。
“平気だよ”って言うみたいに。
その余裕が、また胸を掻きむしった。

「……本当はさ。
誰でもよかったんだよ。
俺のことを一番に思ってくれる人なら、それでよかった。
でも……違うんだ。
ダメなんだ。想じゃなきゃ。茜じゃなきゃ……」

声が震えた。
言ってしまったら戻れない気がしたのに、止められなかった。

「なんだよそれー。
俺も茜も、梶原のこと好いてるよ」

優しくて、無自覚で、残酷な人。
胸の奥の黒い感情は、朝日が昇っても消えなかった。

1/3/2026, 4:38:06 PM

初日の出の 輝きは

どうしてこうも

感慨深いのだろう

毎日の 日の出も

美しく新鮮に

感じられますように


〈 日の出 〉

1/3/2026, 4:18:21 PM

日の出


闇があまりに深かったのに
まるで別世界のように
白々とあけていく
その光は神々しく
空気はとても澄んでいて
この一瞬は今しかないのだと
まざまざと思い知らされる
しっかりと目に焼き付けておこうと
瞬きも忘れるくらい見つめる
1つも見逃すまいと
身動ぎもせずそこに居る

1/3/2026, 4:07:22 PM

『朝日』

同じ思いだったらな
伝えることない思いに
眠れぬ夜

もう直ぐ朝が来るよ
全て忘れてしまえれば
楽なのに

#日の出

1/3/2026, 4:05:22 PM

どこかで鳥の鳴き声がした。
娘は反射的に上半身を起こし、身体のあちこちが痛んだ。部屋は温かく、サイドテーブルには飲みかけの飲料が置いてあった。
嫌な夢を見た。

手が震え、握り込むことで抑える。
こんなときでも空腹を感じた。
乱れ落ちている衣服を拾い、着られるか確かめながら身につける。

1/3/2026, 4:02:46 PM

日の出

ずっと見てないな。
年が明けてから、毎朝10時とかに起きてる。
仕事始めの日は無事に起きられるか不安。

1/3/2026, 3:55:32 PM

日の出
明けない夜はない…そうわかってはいるけど…
何時になったら、この暗闇から、抜け出せるのか不安になる…ずっと歩き続けているのに、この夜は、なかなか明けない…
この夜の世界では、どれくらい彷徨っているのか、もう記憶すら手繰り寄せられない…
この夜の向こうには、屹度輝く日の出が待っているのだろうけど、其処まで到達するのか…

1/3/2026, 3:54:18 PM

今年こそは初日の出を見るんだと言い張る。
年を越して、眠りにつく。
目が覚めた時は日の出の1時間前。
だけど、もうちょっと寝ていたいんだ
布団の温もりを感じて、次第に意識が深く沈んでいって。
サイドテーブルに置いてある丸型のランプが、私の初日の出代わりになる。

日の出 𓈒𓂂𓇬

1/3/2026, 3:45:45 PM

光が差し込む
今日が始まる
いい事があるのか嫌な事があるのか
今日に期待する

1/3/2026, 3:26:38 PM

初詣の帰り。何気なく空を見上げ眉を寄せる。
月が高い。そろそろ日の出が近いはずだと時計に目をやり、さらに困惑する。

「時間が……止まってる?」

正確には時計の秒針は動いている。しかし長針や短針は少しも動いてはいない。
時計が壊れてしまったのだと思った。
背後ではまだ、初詣に訪れた人々や出店の賑わいが聞こえてくる。振り返れば、いくつもの提灯の灯りが見えている。
神社に戻るべきだろうか。一人きりの不安に、そんなことを考えてみる。
そこで、違和感に気づいた。
慌てて周囲に視線を巡らせるが、自分の他に誰もいない。初詣に向かう時は、何人もの人とすれ違ったにもかかわらずだ。
耳を澄ませても、周囲からは何の音もしない。人の話し声はおろか、新聞配達のバイクや自転車の音。車の音すら聞こえない。
もう一度、神社の方向へと視線を向けた。
離れても聞こえる声。雅楽の音。揺れる灯り。
立ち竦み、意味もなく視線を彷徨わせる。縋るように何度も時計を見るものの、やはり秒針しか動かない。

「もし、お困りですか?」

不意に背後で声がした。自分の他に誰かがいたという安堵と、今声をかけてきたのは人なのかという不安が交じり、振り返れない。

「もし、お困りではないのですか?」

低くもなく、高くもない声。男のものか女のものかも分からない。
そういえば、と去年の夏に皆でした怪談話を思い出す。
人ではないモノは、重ね言葉を言えないらしい。もしも一声呼びで返事をしたら、魂を持っていかれてしまうのだと。
背筋に冷たいものが走る。先程から聞こえる声は、もし、としか言っていない。
気づいて、かたかたと体が震え出す。今すぐここから逃げるべきだと思うのに、足が地面に貼りついてしまったかのように動かない。

「もし、お困りでは……」
「いや、それ以上は止めてやれ。怖がってるだろうが」

別の声がした。この声は人だろうか。それとも幽霊だろうか。
どうすればいいか分からず動けずにいれば、肩を叩かれた。ひぃっと、掠れた声が漏れ、反射的に振り返りつつ後ずさる。

「あ、わり。そんなに驚くとは思ってなかった」

そこにいたのは自分と同じくらいの青年と、振袖を着た幼さの残る少女。おろおろとこちらと青年を見つめる少女は、どう見ても霊には見えなかった。

「あ、あの、その……お困り、だと、思いまして。ですから、その……」
「悪ぃな、兄ちゃん。こいつは人見知りが激しい上に、口下手なんだ」
「あ、はい」

気の抜けた返事をしながら、その場に崩れ落ちる。恥ずかしさはあるものの、恐怖から解放された安心感から膝が震えて立てそうにはなかった。

「おい、大丈夫か?というか、兄ちゃん何でこんなとこにいるんだ?見た所、お詣りは済ませてるみたいだけどよ」

何で、など、自分が一番知りたい。
動かない月。進まない時計。訳の分からない現象に、人前だというのに泣いてしまいそうだ。

「えっと、その……迷子、でしょうか……?」
「迷子、って感じじゃねぇ気がすんだけどなぁ……?兄ちゃん、お詣りん時、いつもと違うことしなかったか?」
「違う……こと?」
「そ。兄ちゃん見る限り、礼儀とかはしっかりしてそうだから、手順を間違った訳じゃなさそうだけどな。もっと他に、なんつぅか、いつもはしないことをした、とか、逆にしてたことをしなかった、とかないか?」

差し出された手を借り、立ち上がりながら必死に考える。
いつものようにお詣りをして、おみくじを引いた。それを括り付けて、出店を冷かして。

「――あ」
「なんか思い出したか?」
「お札……貰うの、忘れてた」

授与所でおみくじを引いた時に、一緒に買ったことは覚えている。だが、お釣りだけを受け取り、そのままおみくじを結びに行ってしまった。
やってしまったと思いながら目の前の二人を見れば、納得したような顔をして笑った。

「それだな。兄ちゃんの神様を迎えに行ってやりゃあ、元に戻ることができるぜ。さっさと行ってきな」
「あ、はい。行ってきます……?」

青年に背を押され、神社へと走り出す。
途中、礼を言っていないことに気づいて振り返る。こちらを見送ってくれている二人に大きく手を振った。

「あのっ!ありがとうございました!」

手を振り返されて安心して、神社に駆け戻る。
授与所につけば、覚えていてくれたのか、苦笑した巫女に札が入った紙袋を手渡された。

「気を付けてくださいね。神様が寂しがってしまいますから」
「はい、気を付けます。ありがとうございました」

頭を下げ、今度こそ家へと戻る。
途中見上げた空は月が傾き、東の空が明るくなってきていた。
時計に目をやるが、しっかりとすべての針が動いている。深く息を吐いて、忘れてしまった札を見た。
忘れてしまった自分がすべて悪いとは思っているものの、色々なことがありすぎて陽の昇らない内から疲れてしまった。帰って神棚に札を納めてから少し眠ろうと決め、家路を急ぐ。

ふと帰り道の先に先程の二人の姿が見えた。こちらに気づき、にこやかに手を振ってくれる。

「よぉ。戻ったみたいだな」
「さっきは、ありがとうございました。二人がいなかったら気づくことができませんでした」
「気にすんなって。新年だもんなぁ」
「よかった、です。はい」

改めて礼を言い、頭を下げる。
自分のことのように喜んでくれる二人には、本当に感謝してもし足りない。
二人に対し、何かできることはあるだろうか。そう考えていれば、空が美しい橙に染まり始めていた。
日の出だ。見上げれば、雲一つない茜色に輝く東の空から陽が昇り始めている。

「おぉ。ラッキーだな。今年は天気が悪いって言ってたから、諦めてたんだ」
「あ、えと。ありがとう、ございます……その、初日の出、見ることができて……あの、あなたが、いたから」

意味が分からず首を傾げる。
自分がいたから日の出が見れたとは、どういう意味だろうか。
青年に視線を向ければ、彼は笑い手の中の札を指さした。

「兄ちゃんの神様は、太陽の神様だからなぁ。忘れられたのは悲しかったみたいだけど、その分迎えに来てくれて、そんで大事に抱えられて家に着いたら丁寧に祀ってくれるって思うと、本当に嬉しかったんだろうさ」

言われて、腕の中の札に視線を落とす。
そっと紙袋越しに札を撫でた。笑みを浮かべながら、日の出を見た。

「明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします」

自然と挨拶が口をついて出る。
新しい一年の始まりだ。今年は忙しくなりそうだと、おみくじの内容を思い出す。

身が引き締まる感じがして、日の出に向けて深く礼をした。



20260103 『日の出』

1/3/2026, 3:25:00 PM

『新しい世界で』




「あーもう、なんなのよ。こんな朝早く起こして」

ふわぁと大きな欠伸をしながら、ブツブツと文句を言う男に「うるせぇ」と返す。寒そうに身震いする男は首に巻いているマフラーに顔を埋めた。

「何処に向かってるのよ」

「秘密」

男は「はぁ?」と眉をひそめた。

「良いとこ連れてってやるから。黙って着いてこいよ」

男はそれ以上言い返すことはせず、またマフラーに顔を埋めた。




「はぁ!?海!?」

20分ぐらいで着いた場所は海だった。まだ辺りも薄暗いため、誰もいない。波の音だけが響いていた。

「うぉ…!さみぃな…」

「そりゃあね!海だからね!こんな所に来るなんて馬鹿なの!?……あ、馬鹿だったか」

「はぁ!?馬鹿って言うなよ!」

言い返すと、べーっと舌を出される。「こんの…!」と拳を震わせたが、男は気にしてないように海へ目線を向けた。

「で?どうしていきなり海なんか?」

俺はスマホを取り出して時間を確認する。スマホには6時50分と表示されていた。

「もうすぐだ」

「もうすぐって何が…」

そう男が言いかけた時、眩しい程の光が目に入る。男はびっくりしたように手で目を隠したが、次の瞬間にはその光景に目を奪われていた。
日の出だ。水平線から太陽が上り、海と空をオレンジ色に染めている。赤い壁なんてない、それはとても神秘的な光景だった。

「どうだ、綺麗だろ」

「あぁ…」

男は小さな声を零し、白い息を吐き出した。俺は口角を上げ、海へ目線を向けた。隣で流れる雫を見てないフリをして。





【日の出】

1/3/2026, 3:24:18 PM

「始まったね」
視線を上げると、水平線が金色に輝き始めていた。
少し離れたところで歓声が上がっている。男は傍らにいる恋人の肩を抱き寄せて「寒くないか」と尋ねた。
「君がいるから平気だよ。コーヒーもあるし」
そんな会話を交わしている内に太陽の輝きはどんどんその範囲を広げていく。
凪いだ海に金色の糸が織り込まれていくようだ。

「·····」
「泣いてるのか?」
不意にそんな声が聞こえて、自分が泣いていることに気付いた。
「おかしいね。もう何十回も見てるのに」
乱暴に涙を拭う。
「今年もやっぱり君と見られて嬉しいんだ·····」
「俺も」
囁いて肩を寄せる。
「今年は特等席だしね」
小さく笑うとコテンと肩に頭を乗せてくる。
「あと何度、こうして見られるか分からないけれど·····」

「来年も一緒に見よう」
金色に輝く景色を見ながら、どちらともなく呟いた。


END


「日の出」

1/3/2026, 3:15:32 PM

'26年1月3日 日の出

3年生最後の夏、合宿中の私達はみんなが寝静まった後にこっそり抜け出した。
高台の校舎から坂道を下って行く。
初めは静かに息を殺しながら、校舎から離れていくに従って笑い声は大きくなる。
まるでこの日のために部活を頑張ってきたみたいだ。
時折車のヘッドライトに照らされながら海へ向かう。
笑いながら歌いながら走ったりスキップしたり。
いつも教室の窓から眺めていた海が目の前に見えてきた。
月明かり、静かな波の音。
隠し持ってきた花火で最後の思い出を作る。
3年生で残ったのは私達3人だけ。
つらい練習も悔しい思いも乗り越えて今がある。
優秀な後輩達に追い越されてしまったけれど、最後まで3人でやり遂げたことに誇りを持とう。
誰もいない砂浜に3人並んで座っていると、海の向こうがだんだん明るくなってきた。
何でもない1日が始まる日の出だけど、何でもない私達の未来はあの時から今も続いている。

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