『旅路の果てに』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【旅路の果てに】
私たちは
旅路の果てに
何を得るのか
喜びや悲しみ
怒りや苦しみ
そういうのを経て
人として成長していくのだろう
そして
最後には何が残るのか
旅路の果てに
半世紀前のウエディングスピーチでのこと
兄の様に慕っていた従兄弟からの最後のメッセージは「…この子を外の世界へ連れ出して欲しい…」だった
旅行好きの彼はこの時最高の印籠を手にした
家庭を持っても私の為にと言いつつ旅三昧
そんな彼に引っ張られて40年、内向きな私でもいつしか旅慣れて今に至る
ツアーでは行けない様な諦めていた場所へも行った
特に個人旅は地球の歩き方片手に決断の連続でそれ次第では挫折にもなれば経験値が爆上がりすることもある
繰り返していくうちにプランの当たり外れは運次第だと悟り、いくら準備を周到にしていてもストライキに遭うし…仕方がないことが多々起こると受け止められるくらいには進化した
そして近年Googleを駆使すればかなり快適な旅ができ醍醐味は旅先での人との交流に変わって来た
先月も旅に出た
自分の前半の人生は安全であることに終始して挑戦を避けて来たヘタレだった
それが夫と一緒に思いもよらない経験を国内外で重ねて来て、今ではハプニングを得難い体験だと思い、マイナスの気分もまあまあ引きずら無くなっている
井の中の蛙だった私は目を白黒させ固まりなりながらも海を越え言葉の壁に戸惑い異国の食べ物を試し…心震える非常識体験を重ねている
冥土の土産はそこそこできた
お次はチョイと月へでも
その前に従兄弟へ感謝状を贈っておかなきゃ
何千何万と課金した旅路の果てに推しゲーがサ終。
同じ間違いを2回か3回ほど、繰り返したことのある物書きです。
「旅路の果てに」というお題で今回もひとつ、物語をご紹介します。
最近最近、都内某所のおはなしです。
都内にしては深めの森の中に、本物の稲荷狐一家が住まう稲荷神社がありまして、
そのうち末っ子の子狐は、美味しいものが大好き!
その日も参拝者さんが持ってきたジビエジャーキーを、カミカミ、ちゃむちゃむ。
神社の庭の落ち葉の絨毯で、かじっておりました。
「おいしい。おいしい」
ちゃむちゃむ、ちゃむちゃむ。
イノシシ肉ジャーキーに牙を突き立てる子狐です。
噛み応え良く、味もなかなか良好。
時々ぶんぶんジャーキーを振り回すのは、きっと稲荷子狐の、狐としての本能なのでしょう。
ところで稲荷子狐の耳に、別の参拝客の足音と、
それから何やら話し声が聞こえてきました。
「一応、エビデンスが無いワケでもないんだ」
エビデンス。えびでんす。
コンコン子狐は狐だし、なにより子供なので、
Evidenceなんて英単語、よく分かりません。
海老を何か、田楽でも、桜でんぶでも、
デンのつく何かと一緒に料理した食べ物を、
ポワポワぽんぽん、想像したのでした。
なお伝助穴子なるニョロニョロもあるそうです。
アナゴかぁ。かばやき、いいなぁ。
子狐は連想に連想をかさね、更に連想を加速して、
連想の旅路の果てに「エビデンス」を、
海老を食べた伝助穴子の料理と断定しました。
「えび!あなご!えびでんす!」
旅路の果てに辿り着いた海老伝助穴子を、
コンコン子狐、どうしても食べたくなりまして、
とてててて、ちてててて!
ダッシュで参道を駆け下ります。
稲荷神社に至る神社通りに、それっぽいものを扱っていそうな店があるのです。
「おじちゃん!エビデンス、ください!」
くぅくくく、くわぅ!
子狐が爆速で突入したのは、大古蛇のお酒屋さん。
お酒の他に少しだけ、おつまみも売っています。
「エビデンス、えびでんす!でんすけあなご!」
ギャッギャ!ぎゃっぎゃ!くわぅ!
尻尾を高速ブンブンさせ、大古蛇のお酒屋さんに、
お金ならあると小ちゃなガマぐち財布を、
ぴゃっ!子狐は突き出しました。
「んんー……、 なんだって?」
イチバン困ったのがお酒屋さんの店員さんです。
「えび!えび!エビデンス!」
「エビデンス。うん。Evidenceか」
「たべたい!きっと、おいしい!」
「うーん。 なるほど?」
「おじちゃん、エビデンス、ください」
「エビデンスは食べられないよ」
「だまされない。おとなの食べ物だから、『こどもは食べられない』って言うんだ」
「んんー……。なるほどそう来るか」
これは困った。大古蛇お酒屋さん、悩みます。
考えろ、考えろ。お館様ならどうするだろう。
●●●●年で日本全国の酒を飲んだ店長を、思考の旅に登場させます。
「そうだなぁ」
思考の旅路の果てに、店員さん、言いました。
「このお店に有るおつまみで、作ってみよう」
意外とエビとアナゴ、
加工方法や味付けによっては
美味しいおつまみに化ける可能性が
まったく無いワケでも、無いかもしれない、かもしれないかもしれないのです。
(でもアナゴは蒲焼きで食いたいし
エビは天ぷら、別々で食いたいけどなぁ)
まぁまぁ、そこは気にしてはならぬのです。
「えびでんす!えびでんす!」
「うん、そうだね。エビ伝助だね」
コンコン子狐の思い込みと、
酒屋の店員さんの思考の旅路の果てに、
伝助穴子の干物を1パック、それから大小様々な種類のエビの、干物や小鉢パックシリーズを5個。
少しのお味噌やお塩、チーズも実験に参加させて、
まさかの数時間後、大古蛇のお酒屋さんに、
ひとつ、新作おつまみが爆誕しましたとさ。
「ぇえ……ウソだろ……」
「えびでんすあんまりおいしくない」
「だろうね。オコチャマの下には、そうだね……」
『旅路の果てに』
旅路の果てに、それはあった。
目が潰れそうなほど光り輝く金銀財宝の山が。
○○○
僕は海賊だ。
亡き父が遺したとされる、金銀財宝の在り処を探している。
「よぉ! 子ども船長! ご機嫌いかがぁ??」
「もうっ! 副船長! 揶揄うのは止めて下さい! 僕はたしかにチビですけど、もう子どもじゃないんですよ!!」
僕がぷくっと頬を膨らませて、彼を睨みつける。
彼は蓬莱のさんばらな褪せた長い金髪をかきあげながら、ヘラヘラとした笑みで僕の頭を撫でてくれた。
僕が子供の頃から、彼はこうやって僕の頭を撫でてくれた。
……父の代わりに。
「わりぃ、わりぃ。あまりに船長がチビでよぉ……飴ちゃんいるかぁ?」
「こらぁ!!」
「あはは!! 元気でいいねぇ! 子どもは元気が一番!!」
父とこんなやり取りをした事は一度もない。
父にとって、僕は息子では無かったからだ。
「そういや、母ちゃんの様子はどぅ? 生きてるかぁ?」
「……はい。ギリギリですが、お医者様が良いお薬を紹介してくださって」
「貴族令嬢も没落したら貧民ってこたぁな。金は?」
「もう無いです。だから、次の航海で……僕は亡き父の遺産を手に入れなければなりません」
「そっか……じゃあ頑張んなきゃなぁ!」
「……はい!!」
父が陸に上がったとき、貴族令嬢だった母に手を出して生まれた子、それが僕だ。
僕は父のたくさん居るであろう子どもの一人に過ぎず、父と離れて貴族令嬢の母の元で育った。
ある日、政略により母の実家が没落し、僕らは生活が困難になった。母は幼い僕のために必死に働いて体を壊してしまった。
……父からの支援は一切無かった。
「父親って、なんなんでしょうね……」
思わず、ボソリと呟いた。
副船長は無言で僕の頭を撫でてくれた。
その大きな手のひらの温もりに、じわりと涙が溢れてきて鼻を啜った。
○○○
数カ月後、とある洞窟にて。
僕らは様々なトラブルを乗り越え、亡き父の財産が隠されたとされる洞窟にやってきた。
先が見えない暗い洞穴、ちゃぷりと小波が船に当たり音を立てる。
「行くか、船長」
「はい、行きましょう。副船長」
長い長い旅路の果てに、それはあった。
目が潰れそうなほど光り輝く金銀財宝の山が。
僕は、それを見つけたときの心境を、言葉には出来なかった。
それほど、色々な気持ちが僕の中でぐるぐるとしていたから。
ただ、突っ立って涙を一筋流した。
「ほら、船長……はやく帰らなくっちゃ、だろ?」
「!……すん、そうですね! 母さんが待っていますから!」
二人で手分けして麻袋にお宝を詰め込む。
お互いに言葉は交わさず、無言の時が過ぎた。
「あれ、これって……?」
そのときだった。
僕は知ることになる。海賊の宝に手を出すというのはどういうことなのか。海賊の財産への執着の恐ろしさというものを。
「バカ! 坊主!!」
「え……ふく、せんちょ、う??」
彼が僕の体を強引に無理やり押しのけ、僕は体勢を崩した。
振り返った僕が見たのは、槍に串刺しにされた……副船長の姿だった。
罠だった。それも、致死性の。
「あーあー。かはっ……こりゃ、ダメだな。うん」
「え、え? まって、なに、え……え?」
「坊主……悪いことは言わねぇ。コレ持って立ち去れ。な?」
「それって、どういう……副船長は? ねぇ」
「坊主……俺は後から、いくよ」
彼は僕に向けて笑う。
まるで父親のような優しい笑みだった。
○○○
それからの事はよく覚えていない。
僕は必死に掴んだ麻袋を持って、一人で船に戻って洞窟を出た。
そして街で財宝を換金し、お金を手に入れ、母の薬代にした。
母は助かった。それは嬉しい。
だけど、僕は素直には喜べなかった。
あのあと作った、粗末な墓の前で僕は花束を置いた。
「…………副船長」
「呼んだか? 子ども船長」
「……え」
おわり
「ところで」
「ところで?」
「このお題を果たすのは無理では?」
「それをいうなら旅路の定義をしないと」
「そうだね。ちょっと突っ走ってしまった」
「うん」
「では旅路を人生と仮定すると」
「死んだ人は山ほどいるので果ての先の人もいっぱいいそう」
「ぼけてて言語化できないとか思ってしまった」
「あ」
お題『旅路の果てに』
旅路の果てに/人の中で
家族の中に僕は生まれた
おばあちゃんがやってくる
村のおじさん、おばさん
おはよう、お帰り、こんばんは
心通う中で始まった世界
草むらに生えている野菊
蒲公英
塀に這わせたグースベリー
川の側には山葡萄
一人でも寂しくなかった
学校に降りていく坂道
夕方鳴っているサイレンの音
友達とさよならして帰る坂
ーー
都会の世界で暮らす頃
知らない人の中で
歩いて生きて
僕は毎日が燻っていて
クリアにならない空気に
気づかないまま
重くなる背中
躓きやすい足で
懸命にあがいた
ーー
ふと思い出すことは
たくさんの人の中で
一喜一憂していた
ようやく落ち着いた今
遠い昔が霞む目で
のんびり詩など書いている
題 旅路の果てに
私は今日帰る。
故郷に。
海底都市に。
息の仕方が慣れるまでしんどいだろう。
地上の息の仕方は学習して慣れるまでやはりしんどかったから。
地上で出会った人たち、建物、文化、本、絵画、全てのものが私にとっての、発見で、素晴らしい経験で……。
もう行けることは無いかもしれない。
海底に住んでいる私たちの肺は、地上に適応するには、とてつもない負荷がかかるから。
私がこの先歳をとってしまったら、負荷には耐えられないはずだ。
だから、今まで見た大切な記録は、私が他の人に話して聞かせて、海底都市で取り入れられる事は取り入れて行きたいと思う。
アル……。
私は地上で出会った人の事を想う。
地上には、海底から上がってそのまま住み着いた一族が少ないものの存在する。
その一族の所で海底からの訪問者はお世話になるのだけど、そこで出会ったアルという元海底の民の子孫……。
もう記憶もないって言ってた。
だから、私はアルに沢山の海底の今を教えたんだ。
海藻が揺れて、さんごやクラゲが美しく漂う水のキラメキと共に繰り広げられる光景。
巻貝を砕いて固めて作ったキラキラした家。
息を止めるくらい美しい海の色。
海底は暗いけれど、私たちの都市は海底でも発光する石を発明して、それを沢山都市に置いているので、いつでも明るく輝いている。
寝る時はその為に暗い場所に移動して寝ることになるけれど。
石の光は明るく、暗くすることは難しいんだ。
それでも、その海底の美しさを映すためならば輝く石の意味は十二分にあって。
私は海底の美しさにいつも見とれて、瞳に焼き付けている。
海底で絵なんて書くことはできないけれどね。
だからこそ、地上のいろんな絵に感動したんだ。
光の美しさや、日の光、星の光、夕日の色合い……そしてそれを写真や絵に描く技術。
私は一つ一つに感動して、心が踊った。
アルは地上での沢山の事を教えて見せてくれた。
私の海底の話も楽しく聞いてくれた。
……時間が過ぎるのがあっという間だった。
いつまでも地上で過ごして、地上のことを聞いて、美しい光景をずっと見ていたいと思った。
アルとずっといたいなって……次第に思うようになっていた。
……だけど脳裏にチラつく。
馴染みのある美しい光景、波紋、ゆらめきが。
私の心を捉えて離さなかった。
地上は素晴らしいけれど、風は柔らかくフワッと心をほどくけれど、でも、やっぱり私は揺蕩う波のゆらめきが恋しかった。
海の底から見上げる光の色がプリズムみたいに変わる様が、くらげの柔らかい心を溶かすような踊りが……。
全てが私の故郷だった。
そう故郷なの。
だからこそ、やはり帰ることを選んだ。
アルは一緒にここでいようって言ってくれたけど……でもね。
アルも分かる。
きっと海底に来たらわかるよ。
懐かしく、そしてとてつもなく美しく感じるよ、と言った。
地上に慣れたアル達は頑張っても海底都市には来れない。
逆は大丈夫だけれど。
だから、もうアル達は故郷の海底に戻ることは出来ないんだ……。
私は故郷である海底都市を想いながらもう一度だけ地上を振り返る。
誰もいない朝に別れも告げずに出てきた。
早朝の風が少しだけ肌にひんやり感じる。
「さよなら」
もう来ることがない場所、そして会うことがない人々。
私は1人さよならの言葉をこぼすと、静かに海底へと体を沈めて行った。
【旅路の果てに】
前はなんとなーく想像できたけど
今はちょっとだけ違う未来も見えて来ちゃってて
先のことはわっかんないなぁ笑
今を大事にして
その繋がりや想いが向く方向で
自ずと旅路の果てが見えて来そう…かな
無理なく、自然体で…
でも、
幾つになってもちょっとだけ
ワクワクドキドキしてたい♪
旅路の果てに
風が背を押すたびに
私は少しずつ 誰かを置いてきた
砂に埋もれた約束
雨に流れた言葉
それでも 歩みは止まらなかった
見送る背中に 言えなかった「ありがとう」
振り返るたび 胸に残る「ごめんね」
旅路の果てに 何があるのか
誰も知らないまま それでも進む
地図のない道を選んだのは
誰かのためじゃなく
私自身のためだった
そして今
ひとりで立つこの場所に
静かな誇りが そっと芽吹いている
眞白あげは
【旅路の果てに】
夜明け前の駅は、いつも正直だ。眠気も不安も、切符を握る手の汗も、隠しようがない。私はベンチに座り、鞄の底で擦れた地図を見下ろしていた。行き先は決めてある。けれど、そこで何を得たいのかは、まだ言葉にならない。
電車に揺られる間、窓に映る自分の顔が少しずつ変わっていく。期待と恐れが、同じ重さで肩に乗っているのが分かる。途中下車した町で、古い喫茶店に入った。苦いコーヒーと、壁に貼られた色褪せた写真。店主は多くを語らず、ただ「遠くまで来たね」とだけ言った。
歩く。迷う。引き返しかける。道端の花に足を止め、名前を知らないまま香りを吸い込む。誰かと比べる癖が、ふと薄れる瞬間があった。持っていないものを数えるより、今、ここにあるものを確かめるほうが、足取りが軽い。
やがて、地図の端に描かれた印の場所に着く。そこは何もない丘だった。風が吹き、雲が流れる。それだけだ。拍子抜けしながら腰を下ろすと、胸の奥で固まっていたものが、静かにほどけた。
旅の果てにあったのは、答えではない。答えを探す自分を、許す時間だった。帰りの切符を取り出し、私は立ち上がる。来た道を戻る足は、来たときよりも、少しだけ確かだった。
人生は旅と同じだとよく言われる。
山を登り、谷を下り、時に回り道をさせられたり、壁によってその道を断念したり。
それらは全て経験であり、何一つ無駄なものはない。
後々自分の役に立つのだと。
だから、しっかり自分の道を歩んで行くのだと。
今、自分の歩いてきた道を振り返ってみる。
お世辞にも綺麗な道ではない。
回り道ばかりで効率が悪く、少し行っては諦めて、中途半端な行き止まりになったところがたくさん。
今だって、本当にこの道に行きたかったのかと問われると自信をもって言えない。
いろんなものを諦めて、妥協してきた道のように思う。
このまま行ったその旅の果てはどんなものなのだろう?
本当にこのままでいいのか?
でも、今から変える度胸もない自分は今日もこの妥協の道を行くのだろう。
人生が終わる時、自分はその旅路の果てで何を思うだろうか。
さて、果てとは。
すなわちゴールではあるのだが、正直明確な終わりを迎えたくない、というのが正直なところ。
旅には終わりがあるものというが、苦しいものは早く終わって欲しいし、楽しいものは永遠に続いて欲しい。だから終わりを迎えたくない。
長い長い旅路の果ての、一歩前で立ち止まる。
ここで終わりたくない、まだ、まだ旅を続けたい。それでも時間は止まってくれない。
さあ終止符を。
一歩踏み出せば、あとはもうあっという間。
旅路の果てに
人生という旅が終われば自分という存在は無になる。生まれる前に自分という存在がないように、死んだあとに自分という存在はないのだろう。
そのあとがないのであれば今の人生を全力で生きるべきなんだろう。一回限りの人生なのだから。
しかしこの世界は過去の人間たちの影響が大きすぎる。控えめにいってクソゲーだ。
親の資産を投資に回すだけで一般的な労働者の年収を稼ぐことができる人がいる。馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
ほかにも運動や知能格差も大きい。これは親の遺伝子、そして環境によるところがすべてだ。
働かなくても生きていけると約束された人たちが失敗しても安全な環境で多くのことにチャレンジして成功者になり称賛される。なんだこれは。
社会の寄生虫のような連中をすごいと誉めて金を貢ぐ貧乏人たち。この世は吐き気がするほど醜悪だ。
こんな地獄そのもののような世界で人生を全力で、なんてとてもやってられない。だから今日もだらだらとただ生きているだけの人生。
おにぎりは出発してすぐ食べちゃって
ルート変更 福寿草咲く
人類は右往左往してまだ靴も
履いていない旗も見えてない
#旅路の果てに
地方紙のお悔やみ欄(訃報欄)で、自分と同年代か若い年齢の方を見掛けることがある。寿命というには若過ぎる年齢なので、事故だろうか?病気かな?と、判るはずもないのに思いを巡らせる。
今際の際に人は何を思うのだろう。
#旅路の果てに
夢だと、すぐに分かった。
けれど妙に現実味があった。
気がつくと私は本丸の玄関口に立っていた。
見覚えのあるはずの場所はひどく寂れていて、割れた壁から蔦が覗き、庭は草に埋もれている。
それでも誰かがここで暮らしていた痕跡が、微かに息づいていた。
私は理由もなく、これが未来の私の本丸の姿なのだと、自然と理解していた。
静まり返った空間に、奥からひとつの足音が響いてきた。
驚きはなかった。ただ、その方向を見つめ、音の主を待った。
暗闇から現れた彼は私の姿を見るなり目を見開いた。
「……あ、るじ?」
その掠れた声が、言葉を探すように震えていた。
私は苦笑して、そっと手を振った。
彼の話によれば、私は既に亡くなっていた。老衰だったらしい。
それと同時に、ここにいたかつての仲間たちの半分が役目を終えて消えていったという。
日が経つにつれ、残っていたものも次々と数を減らし、今では彼ひとりだけになったそうだ。
「俺が一人になって、十五年くらいかな」
淡々と語る彼の声色は、どこか擦り切れていた。
なぜ一気に解かれなかったのか、かつて仲間たちで考えた末「強く愛された存在ほど、長く留まるのではないか」という結論に至ったらしい。
その言葉に、胸が締めつけられた。平等に接してきたつもりだった。それでも、確かに偏りはあったのだろう。
――私の想いが、彼を縛りつけてしまった。
それでも彼は言った。
「確かに一人は寂しいけど。でも……嬉しかったよ」
笑ったつもりだろうその表情は、ひどく痛々しかった。
それから彼は本丸の案内をしてくれた。今は必要最低限の場所しか使っていないという。
二人で料理し、言葉を交わし、私は彼がどれほど素晴らしい存在なのかを語り、やがて眠気に抗えなくなり、並んで横になった。
翌朝、彼は静かに願い出た。
――自分を終わらせてほしい、と。
生まれたのも、終わるのも、あなたの手であってほしいのだと。
彼は桜の花びらのような光となって消えた。
私はその場に崩れ、涙が止まらなかった。
ふと、彼がいた場所にひとつの封筒が落ちていることに気がついた。
「主へ」と書かれたそれには、三枚の手紙が入っていた。感謝の言葉が、丁寧な文字で綴られている。
三枚目は、たった三行。
私の名前と、彼の名前
「愛してる」
その短い言葉に込められた彼からの思いや、感情、全てが伝わってきて。
私はその手紙を抱きしめ、泣き叫んだ。
必死に押し殺していた声は、もう堰き止められなかった。
少しだけ、悲しい旅路を描いただけ。
けれどその果てで、私は選び、見送り、受け取った。
きっと――もう大丈夫だ。
これでようやく、皆が同じ終着点へとたどり着けるのだから。
【旅路の果てに】
人生という旅に歩き疲れた。もう、何もしたくない。
心が死んでしまって、夢を見られなくなってしまった。幾星霜と歩き続けて、たどり着いたのは小さな砂浜。あたりには古びた小さな小屋と、色あせたコンクリートの狭い道路。手すりが錆びた階段を下ってさらさらとした砂に足を取られまいと慎重に歩く。海の方へ向かうにつれて、波音がだんだんと存在感を増してくる。左右に軽く揺れながら、とうとう波に足をすくわれる一歩手前までたどり着いた。階段からわずか一分の旅ですら、こんなにも息をしなくてはいけないのだなと、つくづく自分に嫌気が差す。ゆっくりと息を吐きながら、世界の理に自然と調和するように、深く腰を下ろす。沖に見える不揃いの岩たちは波に揉まれ、ウミドリは悲しそうに長く鳴いて、水平線の向こうに消えていく。中途半端な強さの雨が波音と混ざって音楽を作っている。雲で満たされた薄灰色の味気のない空が、ただ続いていく時間を象徴している。今私は、世界の歯車としてここにいるような気分だ。何も考えず、ただ押し寄せては引いていく波を眺めながら、無意識に呼吸のリズムを合わせ、私自身へダイブする。「夜の空を見て、夢想いながら、海へと沈む。」気づけばいつもそこにあった私の心象風景を、今、目の前の現実と重ねる。私の中身と世界をリンクさせる。夢と現実を融合させる。あの優しい海へ、ゆっくりと沈んでいく。私の旅は、ここでおしまい。
旅路の果てに
酒場の半戸がぎいいという音を立てて男を迎え入れた。
「いらっしゃい」
白い髭を蓄え、庶民服を着た店主がそう言った。
「旅の方かい?」
店主が男に聞く。
「あぁ。店主、キールをくれ」
大きな荷物を背負い、顔がすっぽりと隠れるほどのフードを被った男は静かにそう言った。
男はカウンター席につき荷物を下ろそうとした。とても大きな音が鳴ると思ったが、とても軽い音しか鳴らなかった。
男がフードを外す。
とても澄んだ翠緑の瞳をしているが、傷だらけの顔と大きな体には、とても不似合いである。
「はいどうぞ」
真紅の色をしたキールが男の前に差し出される。
男はそれを少し呑んだ。
「この街にはどれくらい滞在するんだい?」
店主が聞く。
「いや、実はここが旅の終着点なんだ。妹に会いにきてね」
男がそう返す。キールがゆらりと揺れる。
「おお。家族の再会って訳か。それはいいね。家族は大事にすべきだ」
店主は自慢の髭を触りながら歯がピカリと光るような笑みをした。
「そうだね。そう…。ほんとうに」
男は荷物を触りながら言った。
男はグラスに残った酒がなくなるまで、店主と他愛のない会話をした。
男がそろそろ出るかという時に、店主は聞いた。
その箱の中身はなんなんだい?、と。
すると男は翠緑の瞳を揺らめかせて、
「天国への梯子さ」
そう言った。
身勝手な旅に、何を得て何をもたらされたのかわからない。わからないけど、わからないなりに自分が生かされている意味を考えることにした。
「旅路の果てに」
【旅路の果てに】
どこに辿り着くのかは
まだ分からない
どこまで続けられるのかも
ぼんやり見える
行き先が
終着点なのか
通過点なのか
だから今日も平然と過ごしていける