『旅路の果てに』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【後で書きます…!】
2026/1/31 「旅路の果てに」
あなたはたくさん傷ついてきた
子どもの頃から大人の顔色を窺って
周りの空気を読むことだけがどんどん上手になって
なぜかみんなよりも他人の気持ちに気づくことができるあなたは
人の気持ちのわかる優しい人
一緒にいて安心する人
きっとそう言われることが多かった
優しいね、真面目だね
聞き飽きるほど聞いてきた言葉
褒め言葉として受け取れたらどんなに楽だったか
ある時未来が真っ暗になって
スイッチが切れたように
みんなと同じように笑えなくなった
明日が来てほしくなくて声を押し殺して泣いた夜
それなのに朝が来ると動けてしまう自分が憎らしかった
辛いのに、涙が止まらないのに、
消えてしまいたいと願ってもなお、立ててしまうのが苦しかった
よく、ここまで生き抜いてきたね
ここにはあなたを追い詰めるものは何もない
ほら、あっちを見てごらん
朝焼けの空がきれいだろう
向こうにはあなたが好きな花の花畑があるんだ
あとで一緒に行ってみようか
ここではいつでも眠って良いし、おやつも食べ放題だよ
おまけにふわふわの犬もいる
最高だろう?
ここに来られたのは、あなたが頑張り続けてきたからだよ
よく頑張ったね
でもね、
もう頑張らなくていいんだよ
力を抜いて、ゆっくり休んで、好きなことをしようよ
頑張っている人にはそんな世界が待っているって
そう思えたらほんのちょっと
この頑張りが報われるような気がするんだ
『旅路の果てに』
旅路の果てに
こんなもんか
まぁこんなもんだよな
あるかも分からないものに期待して
自分らが勝手に探してただけだ
見つかっただけ幸せなんだろうな
求めていたものは得た
得たはずなのに何かぽっかりと穴が空いてしまったかのような虚無感に駆られている
こんな事なら辿りつけなければ良かったのだろうか
そんなはずはない、そんなこと思っていいはずがないのに脳裏によぎるその悪に、希望も他者に見せる顔も攫われてしまった
旅路の果てに
人間の誕生のプロセスを旅だとしたら、旅路の果ては母親のお腹から外に出たとき、そしてまた新たな旅が始まる。
受精卵は受精してからプランクトンから魚の時代、陸に上がって手足が生えて、と人類の進化を一通り経験すると聞いた。
確かに、エコーを撮る度にその命は形を変えていたことを目撃してきたから、その壮大な話は夢物語には聞こえず、納得しかなかった。
「出産して赤ちゃんを育て始めたら急に縄文時代みたいになっちゃったんです、体感が」と話した時に、その人が「そういえば」としてくれた話だった。
その場にいたみんなで、「ああ、お腹から外に出て進化の続きやってるんですね、赤ちゃんは」となんだか腑に落ちてしまった。
たしかに、子供が2、3歳になる頃から言葉で他者とコミュニケーションを取れるようになり、そうなると他者との交流が始まり、体感一気に文明化が進んだ。
1人の体の中に人類の進化の過程が全て詰まっていると考えると、なんて大きな存在なんだろう。
そして、微々たる長さではあるが人類の歴史が伸びるたび、1人が経験する過程は増えていく。
人類の経験したあれやこれやは次々と新しい人々に詰められていくわけで、より新しい人間たちがより深度を増していくのではないかと思えるし、人類の未来は明るいと思えるのです。
いつの日かたどり着くはずのこの『旅路の果てに』は、いまこのときの苦しみをどう振り返るのだろう。まさか、忘れ去っていたりは……するかもしれない。この後に訪れるもっと大きな苦しみに、いまの痛みなど霞んでしまって──なんてこともあり得るのだし。
……ってなことを考えてないで、さぁ早く、この長編小説の続きを書かないといけない。
旅路の果てに至らないこと──それこそが私にとって、最大の苦しみではないのか?
《旅路の果てに》
すっごい書きたい気持ちだけはある
2026.1.31《旅路の果てに》
「旅路の果てに」
ようやく一軒の小屋が見えてきた。
久しぶりの人の気配に涙が一筋垂れてしまうほどの感動が胸に迫った。
一人でやっていけるさ、と啖呵を切ってほぼ家出同然で村を飛び出し数年。
何度あの時の自分の顔を形が変わるまで引っ叩きたいと思ったことか。それほどまでに旅は過酷だった。
そもそも村を飛び出したのはお節介な村人や娯楽も刺激もない平凡な村に飽き飽きしたからだ。
異国の都市に行って、一発当てて楽しい人生にしてやるぞ、おれはこんなところにとどまってはいけない人間だと本気で信じていた。
しかしぬくぬくと大切に育てられた温室育ちに旅は向いていなかった。
村の畑では見たことがない食材、常識が一切通じないどころか理不尽な盗賊たち、見たことないけれど本能的に近づいてはいけないと分かる動物たち。
これなら父親に怒鳴られながら畑仕事する方がマシだったし、母親の甘ったるい料理を食べ続ける方が良かった。
何も起こらないのもまた苦痛だった。
自分一人だけを残して人間は絶滅してしまったんじゃないかと思うような日々が続いた時もある。独り言が増えて本当に気が狂ってしまうのではないかと思った。村の爺さんの長い話が恋しいと思ったのはそれが初めてだった。
旅の思い出に浸りながらドアをノックした。
「ただいまー!」
甘い香りが勢いよく出迎えてくれた。
旅路の果てに
僕は今まで良い思い出はあまりなく、イヤな思い出を昨日のことのように引きずりながら歩いて来た。何でこんなに辛い思いをしてまで、僕は歩き続けているんだろう。そう思いながら歩いて来たその答えが、今になってやっとわかった。今までの長い旅路の果てに見つけたのは、キミという愛しい存在。キミに出会うために、僕は歩き続けていたんだ。
やっと出会えたキミを、僕は大切にしようと思うのだった。
—山頂の証明—
今日は山登りに来ていた。
頑健な登山服に身を包み、妻と二人で。
そして、長い旅路の果てに、私たちは山頂に辿りついた。
「わぁ……」
彼女は目を輝かせた。隣で私も息を呑んだ。
私たちは、雲の上にいた。
やや赤み掛かった靄の上には、幾つか輝く星が見える。
何よりも、肌で感じる空気が澄んでいて、心地いい。
「子供たちに自慢できるね」
彼女はにっこりとして言った。
私は高校で数学の教師をしている。妻はそのことを言っているのだ。
「あぁ」
私たちは手を握り合った。
「もう少し、ここにいたいな」妻が言った。
険しい道のりを歩き切ったこと。痛みや疲労に耐えてきたこと。二人で切磋琢磨しながらここまで来れたこと。
様々な要因が密接に絡め合い、ここからの景色は、より輝いてみえる。
それは、答えに至る過程の全てが意味を持つ、証明問題のようだった。
お題:旅路の果てに
旅路の果てというと、断崖絶壁に来ているだろう。二時間サスペンスだったら、最後に来る場所だ。崖の上で遠くを眺める。海はずーっと続いていて、遠くに島が見えている。下は、恐ろしすぎるから見ない。
誰かに追われているわけではない。ただただ、地上の果てに行き着いて、佇んでいるだけなのだ。風が強く吹き付ける。さえぎるものが何もないから、右から左から吹き付ける。
髪の毛は舞い上がり、服がハタハタと音を出す。勇気を出して、そっと下をのぞいてみる。白い波が見える。はっと頭を後ろに戻そうとした時、少し上の崖の途中に、ゆらゆらと白いものが見えた。
もう一度のぞくと、花だった。そういえば、足元には白い花が点々と咲いている。こんなところでも咲いていたのか。不安定でも、斜めでも。
自分には無理だと思いながら、またすごすごと崖から戻っていく。いつかは、あんなところでも咲けるだろうか。
「旅路の果てに」
うぇぇ、ヒトコトネタも思い浮かばない(´・ω・`)
(来客中)
またね(´・ω・`)
街へ行こう! 鬱屈した気分晴らしに
街へ行こう! 外はお日様ぽっかぽか
街へ行こう! 閉じこもってちゃ勿体無い
待ち合わせの時間は過ぎてる
君は待っててくれるかな
街へ行こう! 話したいことがある
街へ行こう! 伝えたいことがある
たくさん、たくさんあるんだ
だから
君に君に 逢えるかな
街へ行こう! 饐えた匂いに満ち満ちた
街へ行こう! 護身に一応金属バット
街へ行こう!
街へ行こう!
ゾンビであふれる、街へ行こう!
【街へ】
気づけば、足跡はここで終わっていた。
「ここで……終わり?」
呆然と辺りを見渡した。だが広がる雪原に、足跡は見当たらない。
ここで道は途切れている。それを理解して、思わず深い溜息を吐いてしまった。
「果てには、何もないんだ」
おとぎ話のような、願いが何でも叶うことを期待して旅に出たわけではない。けれど、最果てにはきっと何かがあると信じて旅を続けてきた。
旅の終わりが無であるというのなら、何故先人たちは何も語らなかったのだろう。そんなことを思いながら道を引き返し、旅人のために建てられた小屋へと足を踏み入れる。
とても疲れていた。長旅による疲れだけではない。旅が終わったこと、そして旅路の果てに得られるものは何もなかったことが、疲れを加速させていた。
小屋の中の、簡易的なベッドに横たわる。目を閉じれば、すぐにでも夢の世界へと落ちていった。
道の果て、旅の終わりを求めて歩いていた。
道すがら、見るものすべてが輝いて見える。出会う人々との会話が、心を弾ませる。
「どうして旅をしているのですか?」
そう問われ、歩いてきた道を振り返った。
長く続く一本道の先にあるはずの故郷は見えない。それだけ長く、旅を続けてきた。
「それはね。会いたい人がいるからだよ」
進むべき道の先を見ながら、笑顔で答える。
手を振り、再び歩き出した。
「会いたい人がいるんだ」
小さく呟いて、ふふと笑う。
驚くだろうか。今から会うのが楽しみで仕方がない。
足取りが軽い。道が煌めいて見えて、鼻歌でも歌ってしまいそうなほど気分がよかった。
目が覚めれば、陽はすでに落ちていた。
懐かしい夢を見ていた。旅を続けていた頃の、とても充実していた日々の夢。
現実との落差に、目を伏せる。溜息を吐いて、ゆっくりと体を起こした。
「誰に会いたかったのだろう」
火を起こしながら、夢の内容を思い出す。
旅の始まりは、確かに会いたい人がいるからだった。それがいつしか旅を続けること自体が目的となり、最後には果てを目指すことだけを考えていた。
「これからどうしようか」
果てには辿り着いた。長く続いた旅は終わりを迎えた。
そして会いたかった誰かは、記憶の中にはない。
目的をすべて失い、途方に暮れる。終わった後のことは、何一つ考えてはいなかった。
「明日、考えようか」
考えても何も思い浮かばず、嘆息する。食事を摂る気も起きず、ただぼんやりと揺れる火を見つめていた。
翌朝。
小屋を後にしながら、どこへ行くべきかを考える。
行きたい場所は思いつかない。ただ帰るべき故郷は残っている。
「帰ろうかな」
つけた足跡を逆に辿るように、ゆっくりと歩いていく。
見たことのある景色が過ぎていくが、今は何故か何も感じない。一度見たからなのか、それとも旅の終わりで疲れているからなのかは分からない。
旅をしていた時とは異なり、辺りには誰の姿もない。親切な老夫婦も、旅の理由を尋ねた子供も、挨拶を交わしたはずの人々と誰一人すれ違うことはなかった。
とても静かだ。人がいないというだけで、途端に寂れた感じがする。どこか寂しさを感じながら、只管に歩き続けていた。
そういえば、と今までの旅路を思い出す。
旅を続けていた時は、毎日が満たされていた。一人旅ではあったが、寂しさを感じたことは一度もない。
目的があったからだけではない。一期一会の出会いが、旅を豊かにさせていた。
――どうして旅をしているのですか?
ふと問われた言葉を思い出し、旅を終えた今はどう答えるだろうかと考える。
道の果てはきっと理由にならない。記憶にない会いたい人ならば尚更だ。
旅を続けていた理由。思い浮かぶのは、出会った人々の笑顔だけだ。
「出会いを楽しむため、かな」
記憶の中の子供に向けて、呟いた。
笑みを浮かべてみる。少しだけ体が軽くなったような気がした。
戻ってきた故郷は、旅に出た時と変わりはなかった。
しかし人の姿はない。物寂しさを感じながら、自宅に向かい戸を叩いた。
反応はない。鍵のかかっていない引き戸を開け、家の中へと足を踏み入れる。
「――ただいま」
旅に出た時と変わらない家。それに何かを思うこともなく、奥の自室へと向かう。
戸を開けて中へと入る。ベッドに腰掛け、目を閉じた。
「如何でございましたでしょうか」
声が聞こえた。
小さく息を吐き、口を開く。
「果てには何もなかった」
「左様ですか。会いたいと切望されたお方には会えましたでしょうか」
感情の伴わない、淡々とした声音。だが、酷く不快に感じ、眉が寄る。
「会えたのかもしれないし、会えなかったのかもしれない。覚えてないから分からない」
「では、このまま続けられますか」
その言葉に目を開けた。
いつの間にか、目の前に黒い影が佇んでいた。
揺れる影を見ながらふと、思い出す。旅に出るきっかけは、この影の甘言だったことを。
にたり、と影の口元が歪に弧を描く。黒の中に毒々しい赤が浮かび、答えを待っている。
嫌な笑い方だ。答えはすでに分かっているのだと言わんばかりの、そんな嘲るような感情が伝わり、思わず眉を顰めた。
感情的になるわけにはいかない。
影を見据え、静かに呼吸を繰り返す。旅を続けるのか、終わるのか。出会った人々の笑顔を思い浮かべながら考える。
間違えることがないように。後悔をしないように。
何度も自分自身に問いかけながら口を開いた。
「――続けない」
「よろしいのですか。会いたいお方がおられたのでしょう」
「対価として、その記憶を持っていったんだろう?ならば、続けるだけ無駄だ」
一つと交換で、旅ができる。
かつて影はそう言った。何を交換するのかは聞かず、かつての自分はその契約に乗ってしまった。
旅を続けるなら、また一つ差し出さなければならないのだろう。それはきっと、自分の中の大切なものだ。
失ったことに気づかずに何度も求め、その結果すべてを差し出してしまう。悪魔の取引を、これ以上続けることはできなかった。
「後悔はありませんか」
「たくさんの出会いがあり、語らいがあった。その記憶が、旅の終わりを悔いのないものにしてくれる」
そう告げれば、弧を描いていた影の唇が引き結ばれる。
無言。何を思っているのか。唇以外に感情を推し量れるものがないため、分からない。
「――分かりました」
微かな呟き。その瞬間に景色が一変した。
見慣れた室内が色を変える。幕が剥がれ落ちるように、朽ちた室内が露になっていく。
崩れ落ちた天井から、暗闇が覗いている。月や星はない。完全なる闇が広がっていた。
「残念ですが、致し方ありません。迷いがない方に契約はできかねます」
抑揚を欠いた声音。
影が部屋の外の闇に解けていく。目を逸らさず影が消えていくのを無言で見つめる。
「泡沫の夢をありがとう」
「とても残念です。なので、二度と会わぬことを願っていますよ」
消える間際、一瞬だけ影の唇が柔らかな笑みを形作った気がした。
気のせいかもしれない。確かめようもなく、あえて知りたいとも思わなかった。
「――いかないと」
小さく息を吐いて立ち上がる。
形が残っていた戸に手をかけ、躊躇うことなく開け放つ。その先に続く一本道を見て息を呑む。
この道の先、旅の果てが本当の終わりなのだろう。
旅に出る前とは違い、後悔はない。穏やかな気持ちで足を踏み出した。
「ありがとう」
消えた影に礼を告げる。影にとって本意ではないだろうが、最後に旅ができたことがとてもありがたかった。
迷いなく進める。笑みを浮かべ、最後の旅を楽しもうと歩き出した。
20260131 『旅路の果てに』
ほら、あたたかいミルクを準備して。まずは、北の端で出会ったある少年との賭けの話をしましょう。
_旅路の果てに
長い長い旅だった。幾人もの仲間の死を乗り越え、文字通りに血の滲むような思いをして続けてきた。そんな旅が、ようやく終わった。十年だ。十年かかった旅の終焉が、ついに訪れた。
目の前に斃れた魔王の死体を見て、俺はじわりと心に滲む歓喜に震えた。長年目の前に立ちはだかり続け、俺の仲間達を何人も目の前で殺し続けてきた巨悪が、ようやく死んだのだ。世界の平和はもはやこの手の中にあり、俺は英雄となった。魔王への道のりで志半ばにして散っていった仲間達も、きっと喜んでくれるはずだ。そうして俺は、討伐の証として魔王の首を獲って国へ帰った。
だが、国に戻った俺を待っていたのは、華々しい歓声でも、平和を喜ぶ人々の笑い声でもなかった。
化け物を見るような眼差しと、腫れ物に触るような空気感。十年という時は、残酷な程に人々の心を変えてしまった。
かつて俺を労った街の商人達は、恐ろしい怪物を見たような悲鳴を上げて逃げていった。かつて頬を染めて俺に好きだと告げた村娘は、あの頃より成熟した唇で俺を罵り、知らない指輪の付いた薬指で腕の中の子供を抱えた。
俺は英雄なんかじゃなく、これまで自分が切り伏せ、死ぬ気で殺した化け物共と同じにされた。命を賭して護った人々は、誰一人俺を守ってはくれなかった。
これがあの地獄のような旅路の果てなのか。こんなものが、俺の望んだ平和だったのか。こんな結末なら、仲間はきっと死んでよかった。道半ばで死んだ彼らは皆、英雄だった。少なくとも、世界で一人は、俺は、彼らを英雄として弔うことができた。
守りたかった彼らは、もう別の何かになってしまった。共に戦った仲間も、もう居ない。ずっと追い続けてきた巨悪は、この手で切り伏せた。今の俺にはもう、何もない。
ならば、もう一度作り替えてしまおうとふと思った。誰からも感謝さえされないのなら。誰も仲間の死を悼まないのなら。そんな間違った世界は、直さなくてはならない。
俺はその日、王城へ赴き、そのまま鏖殺を決行した。顔馴染みの門番も、いつか俺の世話をした従者も、可憐な姫も、勇敢な王子も。そして、みっともなく命乞いをして財宝をやると抜かした王も。
俺が欲しかったのは、豪奢な城でも、愛らしい伴侶でも、万人が振り向く名声でもなかった。ただ一言、ありがとうとだけ言ってくれればよかった。
俺は全身を血に染め、世界を救った刃で世界を滅ぼさんとしている。幽鬼のように、俺はかつての宿敵の城へ戻った。
思えば、彼も同じだったのかもしれない。俺が彼の胴を切り裂いた時、彼は泣きそうな、それでいて世界一幸福そうな顔をして、死んだ。
その日、新たな魔王が誕生した。俺はかつての俺と同じ、正義と光に満ちた勇者に殺されるいつかを待って、かつての魔王と、好敵手と同じように、この城で暴虐の限りを尽くすことにした。
テーマ:旅路の果てに
私は旅は好きじゃないんですよね。
旅路の果てがお題で出たけど旅はしません。
家にいるのが好きな引きこもりです。
ここまで仲間と共に歩んできた最終局面。
ついにこの砦に巣食うという魔物を倒すだけとなった。
その祠の前にいま俺たちはいる。
みんなここまでの戦いで身も心もボロボロだ。
一緒に苦難を乗り越えて来た仲間たちの顔をゆっくりと見回してそして深く息を吐いてその先の魔物がいるだろう暗い穴へと目を向ける。
一歩踏み出すその足を、ぴたりと止めた。
「やっぱり世界救うの辞めた」
俺の突然の発言に仲間たちからざわめきが起こる。
「どうしたの?あと少しじゃない」
「怖くなったのか?」
そのどの質問にも頭を振って否定する。
そんなんじゃない、そんなんじゃないよ。
厄災が襲い掛かり、戦う意志を見せたその場で目立つ数名が突然祀り上げられ名ばかりのみんなの盾となり矛となる勇者となった。
ここまで本当に生きるか死ぬかの道のりだった。
容易にここまで来たわけではない。
道中縋ってきたいくつもの人たち。
でも誰1人共に立ち向かってはくれなかった。
縋り祈る助けてくれと。
それは俺らだって同じだ。
「ここまでやっと来たんだぞ」
「あとはここにいる魔物を倒すだけじゃないか」
必死に仲間たちに説得されるけど。
だってお前ら、
みんな傷だらけじゃないか!!
「そんなボロボロになってまで助けてもきっと俺らはそのうち忘れられる。最初は感謝されるだろう。でもそれもすぐに記憶から薄れていく。そんな戦いに意味があるのか」
俺の問いに悲しそうに見つめ合う彼ら。
「俺らのこれまでに負った傷は?誰が癒してくれる?俺らの救いは…誰が助けてくれるんだよ」
旅の途中で出会った人は優しい人も居た。
この人たちを救いたいと本気で思った。
生きていて欲しいと本気で思った。
それでもみんながみんないい人ばかりで無くて欺いたり利用しようとした奴等も少なくなかった。
それを見ないように勇者であるために目を瞑り前へ前へ進んで来た。
重くなった足を引きずり仲間と励まし合って何とかここまで辿り着いた。
やっとここまで来た!やっとここまで来たんだ!!
そして、我に返ってしまった。
ここまでして救う価値があるのか…。
見逃してきた悪意たち。見ないようにと目を伏せた。
悪い事ばかりでは無かったよ。
でもいい事ばかりでも無かったよ。
「もう俺は、勇者を辞めたいんだ」
もう疲れてしまった。
俺も、
誰かに救って欲しいんだ。
(旅路の果てに)
旅路の果てに
ある人は説いた、そこには望みがあると
ある人は言った、そこに希望があるはずと
ある人は伝えた、そこは全てだったと
ある人は囁いた、そこで待つのは終わりのみと
貴方は果てに何を見るの?感じるの?聞くの?
私?私は、
旅路の果てに、貴方を見つけた。
きっと、何か待っているわ。
【旅路の果てに】
本の書き出しと共に始まり
電車に揺られながら読み進める
行き先で見た景色、音、空気を
あとがきに添えて
ちょっとしたことですぐ心臓がぎゅっと締め付けてくる。
だめだ、あんまり自分と向き合いすぎちゃだめだ。
と、言ってるくせになにやってんだろ。
向き合う時間が止まらない止まらない
遊ぼう、話そう、寝よう、読もう、編もう、作ろう
気をそらしてあげなきゃ