『旅路の果てに』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
旅路の果てに
キミのことをわかった気がした。
ボクとキミは種族が違う。
同じ人型だけど、疎まれるボクと好かれるキミ
長く生きるボクと短く生きるキミ。
ボクは人に似た異形で、キミは花から生まれた人。
どうしてボクと共にいてくれるのだろうか。ボクが死ぬ場所を探してる冒険だったのに、いつのまにかキミと生きる冒険になってた。
キミは死ぬ時に花の種を作って亡くなる。
その種を植えるとキミが生まれる。だから、ある意味ボクより長生きなのかもしれない。
でも、そんな冒険ももうおわり。
ボクは疲れてしまった。何度も何度もキミと会って、何度も何度も別れて、その度に色々な冒険して、とても、たのしかった。
ボクの手の中にいるキミは知らないだろうけど。
…寂しくないように、いてくれてありがとう。
旅路の果てに何を思うのだろうか。
後悔は必ずするだろう。
だから、やりたいことはやっておこう。
《旅路の果てに》
人の生というものは、とても短い。
対して、魔族の生というのはとても長い。
少なくとも数十年は魔族の方が長く生きられるのだ、雑魚であっても。
「……つまらない。何もかも」
その瞳に諦観を映して、呟く女魔族が一体。
時には傾国の美女。時には女王。時には旅人。時には村人。時には商人。時には魔女。時には騎士。時には——。
数え切れない程、名を変えて生きてきた。
その時間は一万と飛んで三千八百年程。百以下は数えるのも面倒で、寧ろよくここまで数えていたな、と呆れる程だ。
だからか、女魔族は多くのことを知っている。
今女魔族が立っている地で、まさに一触即発の空気が漂っていることも。
そんな中現れたたった一体の女魔族に、両国の軍が怯んでいることも。
これから起こる、戦争の理由も。
「寝ているところを邪魔されて、少し気持ちが昂った。どれ、死にたい奴から掛かってこい」
女魔族の声は不思議と、遠くに布陣している両国の軍に届いた。
頭の中で響いたのだ。
「たかが一体の魔族に、十万を超える軍勢が手も出せぬとは……中々愉快でならんな」
そう言った女魔族は、手を広げた。
刹那、両軍の前衛が吹き飛んだ。単純に、広範囲に魔力を広げたのだ。
簡単であるが故に、強力なそれ。
天災にも等しい威力を見とったのか、両軍は女魔族の排除を最優先と定めた。
そして、共に女魔族と戦うことを選んでいた。
そもそも、敵国を放っておいたとて女魔族に掛かれば一瞬で捻り潰す筈だ。
つまり、共闘が成ったのである。
「よい子らよ、おいで」
慈愛に満ちた表情を浮かべたかと思うと、女魔族は全力で両軍を壊滅させることにした。
その間、僅か一時間。
半壊状態の軍勢を置いて、女魔族はその場を去った。誰もが気付かぬ内に。
一人静かな崖に立ち、女魔族は溜息を吐く。
国の全土が見渡せる場所だ、眺めはいい。
「……ぬかったか」
悠然と振り返った女魔族の胸には、剣が突き立てられていた。
背後から突如として現れた男が、女魔族を刺したのだ。
素早く影から飛び出してきたのだろう男だが、女魔族は気付いていたが無視していた。
そろそろ、飽いたのである。
「ふふ……久しく忘れていたようだ。ありがとう」
刺したにも関わらず笑みを向けてくる女魔族に何を思ったのか、男はより深く剣を刺した。
「そう焦らずとももう、長くはないさ。この私を討てたことを、最高の名誉として生きよ」
ここ二千年程忘れていた感情が、女魔族の胸を満たしていた。
それは、喜び。
長く生き過ぎたせいか、感情を一つずつ失っていた女魔族にとって、最高の終わりだと思ったのか。
満足そうに目を閉じ、自らの手で剣を引き抜く。
「さらば、勇者よ」
崖から女魔族は飛び降り、頭から着地した。
赤が男の視界に映る。
こうして、世界を作りあげた最悪の立役者は、呆気なく消えてしまったのだという。
『帰宅困難の詩』
砂漠に浮かぶ骨たちが 家路をどんより照らしてる
あってないような入り口 なんだかあり過ぎる出口
彷徨ったら途方の果てだ スリルなんて勘違い
帰りたくても帰れない 舌先が地獄の味がする
君は
旅立ちの朝と同じ顔で
最期の夜の前に立っていた
足元まで迫りくる闇が嘘のように
空は青く晴れ渡って
君は胸を張って 背筋をピンと伸ばして
暗いところが何もないみたいに
「怖くはないの?」
その言葉は言わずに飲みこんだ
一緒に歩いてきた私が知ってる
君の弱さと 君の強さを
共に旅してきた帽子を手に取り
世界に最後の挨拶をして
君は踏みだした
きっと振り返らずに行くだろう
君ならきっと大丈夫だ――
君は――
足音が近づいてくる
顔をあげると君が駆け寄ってきて
私をぎゅっと抱きしめた
「雨が降りそうだったから」
ずっと大切にしていた帽子を
ためらいなく私にかぶせて
君は青空みたいな顔で笑った
私は君の最後の鼓動を聞いた
君は
今度こそ振り返らずに
夜闇のなかへ消えていった
雨なんか降ってない
空はあいかわらず青く晴れ渡って
ただ、私の目から涙があふれて
止まらないだけだ
夜が明けるまで
子どもみたいに泣きじゃくって
泣いて 泣いて 疲れて眠って
まだ腫れた目のまま起きあがる
そして帽子を深くかぶり直した
私は
旅立ちの朝に歩きだした
いつか胸を張って 背筋をピンと伸ばして
君の前に立てるように
青く晴れ渡る空の下を
「旅路の果てに」
「約束を守れなかったんです」
「ずっと一緒にいると誓ったのに」
仄かな夜の灯りの下、ゆらゆら金の水面が揺れた。
「怖くなってしまったから」
「動けなくなってしまったから」
「置いていかれてしまったんです」
僅か軋む椅子の下、片足は力無く重く揺れていた。
「だから、追いかけないといけないんです」
「あの人に追い付けるうちに」
「……あの人が、生きている間に」
緩やかに風を孕んだ、白とも銀ともつかない長い髪。
光無くも穏やかな金色の瞳。
ゆるり伸ばされた指は酷く青白く。
「追い付けたら、ですか?」
「決まっていますよ」
人の道を外されて、魂を歪められて、異形に堕ちたそのヒトは、
「……今度こそ、」
存外、哀しすぎるくらい。深く人を愛していた。
<旅路の果てに>
【旅路の果てに】
色々なところを旅してみて、1つ気付いた事がある。
日本だけじゃなく、外国にも行った。
どこも綺麗で、凄く魅力があった。
でも。
何か足りないと。
心の穴を埋めるために始めた事だったけど、余計に穴が深く、さらに深く、抉れたような気がする。
僕の心の穴を埋めることが出来るのは君だけだ。
君以外受け付けないし、あり得ない。
パズルのピースも同じだ。
ピースが無くなってしまったら二度とパズルが完成することはない。
君が。君が居なくなってしまったから、僕はもう。
完成できないから。
戻ってきてよ。
「....戻って、来るわけない」
だって、君は。
「、もう、、この世に居ない。」
るあ
長い旅であった。
時間にして100年くらいか……
随分と遠いところに来たなと感じる。
東京をスタート地点として、俺たちは日本中から出て世界中を飛び回る。
最初こそ息子と一緒にいたが、すぐに別れた。
一緒にいても俺の目的には邪魔なだけ。
『一緒に行こう』なんて駄々を言われなくてホッとしたものだ。
旅の目的はお金を稼ぐこと。
それ以外に意味なんてない。
金は天下の回りもの。
Money is all.。
俺は目的のため、行く先々で物件を買い漁った。
買うのは利益を生み出す物件だ。
もちろん安い買い物ではなく、出費のせいで懐事情は厳しくなる。
だがこれらは金の卵を産む鶏なのだ。
今は苦しくても、後々自分が金持ちになるための布石。
将来を思えば何ともない。
そうやって俺は順調に資産を増やしていた。
だが常に順風満帆であったわけではない。
世界中が不況になって出費が重なり、泣く泣く物件を手放したこともある。
無差別なテロリストに金をばらまかれたこともある。
妨害が重なり、まったく知らない辺境に行かされたこともある。
山あり谷あり、まるで人生のよう。
だがそれでも最終的に俺は億万長者となった。
この手にはたくさんのお金がある!
最後の年の三月。
ここが旅路の果て。
これを越えればで自分の勝ちだ。
「じゃあ、『持ち金ゼロカード』使うね」
「は?」
息子がこのタイミングで最悪のカードを切る。
すると俺の現金が0に……。
これでは……これでは!
そして、最後の総決算。
答え合わせは……
「ばかな」
画面に映し出されたのは『2位』の文字。
思わず息子の方を振り返る。
息子の顔は悪意に満ちた笑みを浮かべていた。
「お父さんも甘いね。お金はちゃんと使わないと。
金は天下の回りもの、だよ」
旅路の果てに見えたのは
平和ですか?
その問いに答えてくれる人なんていない……
沢山の世界を回って同じことの繰り返しをする
失敗したらまた戻る……
成功したら進む…
あぁ…
この旅路の果てに平和という単語が存在するの
だろうか……
高いところから振り返ってみれば
今までの道のりは点でしかない
掻き分け掻き分け前に進んできた
未来から流れてくる時間を
題 旅路の果てに
…やっとここまで来れた。
相棒も,アイツらも,そして俺も
皆死ぬ気で頑張って来た誰に無駄だと、出来っこない、夢を見過ぎだとか何を言われても気にせずあの壁を越えここに来る事を夢見て
頑張って来た。……なのに
俺はどうしてこんなにも虚しいんだ?ここに来る事ただそれだけにッッッ嗚呼そうか、他の奴はこの先の道を知っている。音楽を辞めて,父親の店を継ごう、このまま進もうとしているアイツらと違って俺は……
俺はどうすれば良いんだ?
終 happy end……?
【187,お題:旅路の果てに】
今まで積み上げてきた長い長い旅路の果てに、勇者が掴むのは何だったのか
人は醜い生き物だから、偽りでも綺麗なものにすがりたがる
「勇者様はとても優しく強いお方だ」
そんなこと無いのに、僕だって1人の人間なのに
「たった1人で村を守り抜いたのだ」
そんなこと無いのに、仲間がいなきゃ僕だって戦えないのに
「勇者が様は絶対に負けない、必ず我々に勝利をもたらしてくれる」
そんなこと無いのに、僕はヒーローでも魔法使いでもない
絶対負けない、とかそんなのあり得ないのに
勇者は特別な力を持つ人間、その力が大きくとも小さくとも
他人からすれば、人と違う何かがあるというふうに見えてしまうだろう
人間は自分と違うものにはいつだって線を引いてきた
神のように崇めるか、家畜や奴隷のように蔑むか
長い旅路の果てに、きっと勇者は悪を打ち倒して帰ってくるだろう
だが、語り継がれる英雄と言うのは皆すでに死んでいるものだ
人から尊敬され羨望され、でもその眼差しが自分ではない何かを眺めていると気付いた時
勇者は一体何を得るのか。
旅路の果てに
今まで私が経験した旅は、
行くところも帰るところも決まっていて、
待ってくれている人が必ずいた。
行き先もその果ても知らずに、
私が最も深く体験できる旅があるなら、
それはこの人生より他には無いと思う。
旅路の果てに何を感じるのかは、
よくわからない。
ただ今までその旅路に暗く苦しい時があっても、
本当に一人ぼっちだった時はなくて、
善意や小さな思いやりを集めて灯火にして、
暗い行き先を照らして、
歩いていたんだと思う。
#162
ザッ……
『つい……た。』
重い足で思い切り大地を踏みつけた。
目の前には、日の出に照らされた山々。
俺が一番見たかった景色。
この数年間、たどり着きたかった場所だ。
かつて雑誌で見たのと比べて何倍も綺麗だった。
ドサリ、と背負っていたリュックサックを地面に置く。
長い旅をしていたわけなので、相当な重さはあったのだろう、体がだいぶ軽くなった。
『よっこいしょ……うわぁっ』
腰掛けようとしたが、歩き続けていたせいで足がふらつき体制を崩しそのまま倒れ込んだ。
仰向けに倒れたので、目の前には若干白くなってきた空があった。
雲がちらほら見えるが、きっと今日も快晴だろう。
今日という一日を、来たかった場所でようやく迎えることが出来た。
なんて最高な日なんだ。
季節や場所の関係でとても寒いはずなのに、心はとても温かい。念願の場所へ来られて、胸がいっぱいだからかもしれない。
『あぁ、そうだ。』
ゆっくりと起き上がり、さっき置いたリュックサックの元へと這っていく。
体の限界はとっくの昔にこえていて、もう立ち上がることも出来なかった。
リュックをガサゴソと漁ると、一つの錠剤が出てきた。
『……もう、最後か。』
錠剤をプチプチと取り出し、口の中へ放っていく。
少しだけ残しておいた水も一気に煽り、ゴクリと飲み込んだ。
一息ついて、改めて景色の見える所へと腰を下ろした。
俺は重度の心臓病を患っている。
旅の途中で気づき入院も勧められたが、この場所に行きたいから、と断った。
何を馬鹿なことを、と思われるかもしれないが、それくらいたどり着きたかった場所なのだ。
数年前。
働いていた会社の業績悪化の末、倒産。
もちろん俺は無職になって、当時一緒にいた家族からも見放された。
元々家庭を顧みなかった旦那だ。
生活費を稼ぐしか役割がなかったのに、それすらも全う出来なかった俺にはもう居場所は無かった。
家も売り、どこかで新しい生活を始めようと考えていたその時、一冊の雑誌と出会った。
それは写真の雑誌で、その中にここの景色があった。
守る家族も頼れる親戚もおらず、もう人生に未練もなかった俺はこの場所に向かうために一人旅を始めたわけだ。
もう俺がこうして生きる理由は、この景色を見るだけになっていた。
正直、この景色を見たあとは、自分の命なんてどうでもいいと思っていたからこそ、こんな無茶ができたのだと思う。
入院を断り、本来は安静で休んでいなきゃ行けないところをこうして水分食料もまともに補給せずに歩き続けるなんて、病人がやる事じゃない。誰にでもわかる。
体は思うように動かず、視界もだんだんぼやけてきた。
きっともう、手遅れだろう。
ろくに治療もせず体にムチを打って、助かるほど人生甘くない。
目的は果たした。もう俺は充分楽しかった。
強いて言えば、あの家族が幸せに過ごして行けるのかどうか、それだけが心残りだった。
どうか、笑顔で、過ごしてくれますように……。
そう神様に願ったところで、俺の意識は途絶えた。
#旅路の果てに
冷たい風が吹く中、暖かい陽気が照り出し、心地よい温度を保っている。
騒々しい駅構内に電車が到着した。
一つに括った髪に寝癖が残るスーツ姿の女性は
列に着いて電車に乗り込む。
電車は人で満たされ入る余地がない。
が、次々と乗り込む人により前に押し込まれる。
いつもの光景だ。
夜遅くまで残業が続き、寝不足のせいで吐き気がするところまでがテンプレだ。
(旅路の果てに何があるんだろう…)
ふと思う。
(さすがに疲れているのかも…)
今の仕事は好きだけど、
趣味や自分の時間に費やす暇がない。
毎日職場と自宅の往復で、
さすがに気が滅入ってしまったのだろう。
人の隙間から微かに見える窓に光がさす。
内側から込み上げる虚しさに、ただ立ち尽くすだけだった。
私は一度思ったことがある
『旅をしてみたいなぁ』と…
旅路の果てに何かを見つけることができるのか、、、
それが気になるからだ。
旅をすることでいろんなことがわかると思う…
その結果自分にどんな影響を及ぼすのだろう。
だから一度でいい、旅をしてみたい
お題 旅路の果てに
長い旅路だった。ココがゴールか。旅路の果てには、君が待ってたなんてね。久しぶりだ。何年ぶりだろう。君が先にいった事が最近の事のようなのに。旅の土産話をしてあげるよ。色々あったんだよ。楽しかったよ。
「長い旅路の果てには死んだ君がいる天国なんてね。」
お題『旅路の果てに』
旅路の果てに
長い長い旅をしてきたような気がするけど、何があったか、どんな経験をしたか、よく覚えていない。
ただ今は、視界いっぱいに砂漠が広がっていたし、足元に視線を落とすとダークブラウンの作業用ブーツを履いていた。
荷物は何も無い。
水筒すら持っていない。
天気はいい。
空は水色。
日差しが強い。
暑いか暑くないかといえば、不思議と暑くはなかった。
まだ旅を続ける気かと問われたら、正直、勘弁願いたい。
誰の足跡も残っていない砂の上を歩く気には、とてもじゃないがなれなかった。
たとえば隣に誰かがいたら、進む気になったかもしれない。
残念ながら、ここには自分ひとりきりなのだ。
振り返ったら、誰かがいるかもしれない。
でも、もし後ろにも誰もいなかったら?
だだっ広い砂の海を前に、だらしない音のため息を吐き出した。
旅路の果てに
俺はまだ名も無き勇者だ!
隣には魔法使い、さらに隣には騎士がいる!こいつらは俺の仲間で、3人でパーティーを組んでいる!
俺らは、魔王を倒すことを目標に旅を続けている!
でも、そんな旅も今日できっと終わりだ。
画面の目の前にいる俺を操作しているやつは、こんなクソゲーに飽き飽きしてるだろう。
今に電源を落として、アプリをアンインストールするはずだ。
俺らは旅路の果てを知らないままになる。
でも、これだけは知って欲しい。こんな旅でも俺らにとってはすごく、い---
「そうか、この景色こそが宝だったのか! んなわけあるかー!!」
私は空になった水筒を地面に叩きつけた。
「何が楽しくてこんな砂漠のど真ん中まで来なくちゃいけないんだ!」
「だって、ボスが行けって。行って宝の地図が本物か確かめてこいって」
「分かっとるわ! いたわ私もその場に! 行くよ? そりゃ今まであっちへ行けこっちへ行けって駆り出されてきたけどこんなのって! こんなのってあんまりだよ!!」
気弱なミーミは、耳をしょぼんと垂らして、
「でも仕事だもん。仕事しなきゃボクたちなんて居場所ないんだもん。ボクたちガラクタができる仕事なんて、これくらいしかないんだもん」
「そうだけどさ……」
疲れてしゃがみこむと、膝のネジが軋んだ。こんな体じゃなきゃ、こんな世界の果てまで来られなかった。見捨てられたガラクタだからできる仕事。だけど。
「こんなに」
沈みゆく太陽が、私とミーミの影を長く伸ばす。
世界の果てから風が吹き、生き物のように砂紋が動く。
私の足元で、何かが光った。
「……うん?」
かき分けてみると、それは銀色の小さな箱で。
胸の高鳴りと共に、さらに掘って箱を取り出す。
「これって」
ミーミと顔を見合わせてから、私はゆっくりと箱を開けた。
【お題:旅路の果てに】