—山頂の証明—
今日は山登りに来ていた。
頑健な登山服に身を包み、妻と二人で。
そして、長い旅路の果てに、私たちは山頂に辿りついた。
「わぁ……」
彼女は目を輝かせた。隣で私も息を呑んだ。
私たちは、雲の上にいた。
やや赤み掛かった靄の上には、幾つか輝く星が見える。
何よりも、肌で感じる空気が澄んでいて、心地いい。
「子供たちに自慢できるね」
彼女はにっこりとして言った。
私は高校で数学の教師をしている。妻はそのことを言っているのだ。
「あぁ」
私たちは手を握り合った。
「もう少し、ここにいたいな」妻が言った。
険しい道のりを歩き切ったこと。痛みや疲労に耐えてきたこと。二人で切磋琢磨しながらここまで来れたこと。
様々な要因が密接に絡め合い、ここからの景色は、より輝いてみえる。
それは、答えに至る過程の全てが意味を持つ、証明問題のようだった。
お題:旅路の果てに
2/1/2026, 9:32:59 AM