怖がり』の作文集

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怖がり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

3/17/2024, 1:34:54 PM

『彼等』
彼等の振る舞い 彼等の空気 彼等の嘆き 彼等の風景 彼等の成り立ち 彼等の在り方 私はとっても怖がりで 知りたいけれど とてもじゃないけど彼等に訊けない 胸にしまった疑問符を風船にして飛ばそうか?

3/17/2024, 10:55:34 AM

深夜1時。
明日も平日楽しいお仕事。な訳は無いのだが、生活していく為に必要である。
だというのに眠れない。不眠ではないし、身体は至って元気で健康だ。
それなのにどうして眠れないのか、答えは明白である。
私は今怪物と戦っているのだ。これは明日が仕事だろうがなんだろうが、引くことは出来ない、負けられない戦いである。
深夜0時に戦いのゴングが鳴り響きかれこれ1時間。まだ決着は付きそうにない。これ以上起きているのは、明日の仕事に支障が出る。それは非常にまずいのだ。朝から眠気で欠伸をし、お昼を食べると仕事が手につかないほど眠くなる。眠気を我慢するのは一種のストレスなのだ。出来ればあと30分以内に倒して睡眠を勝ち取りたい。
怪物を最後に見た場所へ視線を向ける。
そこには棚が置いてあるだけで、他はだだっ広い床にカーペットが敷かれているだけ。出てきたところを見てはいないし、棚の後ろにいるのは分かりきっている。分かりきっているのだが、なんせ相手は怪物だ。そう簡単に腹を括ることなど出来ない。それに相手はすばしこいのだ。下手に動くと距離を詰められてしまうかもしれない。
一つ深呼吸し、距離を取りつつ棚に手をかける。少し揺らすが反応は無い。仕方が無いと、ここでようやっと腹を括る。
ガッと棚を斜めにし素早く視線を動かす。
そこに--居た
「そっこだぁぁぁ!」
バシンと大きな音を出し手に持っているものを叩きつける。
勝利の行方は…私だ。怪物は、見事息絶えていた。
はぁぁ、と大きな溜息を吐き持っていたハエたたきを床に下ろす。1時間にも及ぶ戦いは怪物である蜘蛛の昇天によって幕を下ろしたのだ。
「……寝よう」
勝利の余韻を味わっている暇は無い。さっと片付けて布団に潜り、疲れた体と心を休めるのだった。

3/17/2024, 10:21:15 AM

墓地(テーマ 怖がり)



 こどものころ、父は自宅は建て直した。新築になった家は広く、2階には窓の大きなこども部屋があった。

 真新しい家は快適で住みやすかったが、こどもだった私には一つ気になることがあった。

 こども部屋の大きな窓から一番良く見えるのは、家のリビングに面した墓地だったのだ。


 こどもの私は、昼間は墓地や、その近くの山に遊びに行っていたくせに、夜になるとその墓地を怖がり、よく母の元へ行っては、窓から音がなる、天井がミシミシ言う、など言って母を困らせた。

 夏は暑く、部屋にはエアコンもないため、窓を開ける。
 山から入るひんやりとした冷たい空気がゆっくりと入り込んでくる。
 暑い時はこの空気が快適だったが、一方で墓地の空気が入っているかと思うと怖がることも多かった。

 私には今も昔も「霊感」というものはないが、怖がっていたからだろう、怖い夢はしょっちゅう見ていた。

 母は私の怖がりを厄介に思っていたのだろうけれど、特に顔に出すことなく、昔話をしてくれた。

「私の父さん、あんたのおじいさんは、昔、ここに住んでたんだけど、昔釣り竿とランタンで火の玉を作った事があってね。帰ってきた私と妹の前に釣り竿で吊るしたランタンをおろして、脅かそうとしたことがあったよ。ひょうきんな人だから。」

 墓場の目の前でそんなことをするなんて、祖父は冗談が過ぎる人ではないか。
 こども心にそう思っていて、怖がるこどもの私にはあまり効果はなかった。


 
 次第に成長し、小学校を卒業する頃には、私は目の前の墓地はすっかり平気になっていた。むしろ、たまに近くに住み着く野犬や、山から来る蜂、または家に出るゴキブリやムカデの方が実害が大きかったのだ。
 夏の夜、のどが渇いて1階の台所へ降り、冷蔵庫の扉を開け、冷えた麦茶を飲む。コップを洗って乾燥機へ入れて2階へ戻る。
 夏季限定だが、その間にゴキブリを見る可能性はだいたい30%くらいだった。実害のない墓地よりもゴキブリとの対面のほうがよほど恐怖であった。

 なお、ゴキブリをいくら退治しても、山からいくらでも補給されるのできりがないのである。

 後に大学に行って寮やアパートで暮らした際には、ゴキブリが出る確率の低さに驚いたものだった。

 ゴキブリの話は置いておく。


 墓地はすっかり平気になり、特に気にならなくなった。

 高校生になってからは、もっぱらついていけない授業や、片付かない宿題や分からない試験の方がよっぽど恐怖であった。その分部活動にのめり込み、成績は特定の得意科目以外は低空飛行で、教師陣のお情けで卒業させてもらったと、今でも信じている。



 大学で卒業が見えてきた年になると、就職活動をすることになる。
 何社も受けて、何社も落ちた。
 東京に出て、説明会や試験をハシゴして回ることが増えた。

 説明会や試験を受けると、それまで学生ではいかない場所も沢山訪れることになる。
 会場をハシゴするために、知らない道を通ることはしょっちゅうであった。

 最寄りの地下鉄駅が遠かったため、地図を片手に進み、青山霊園に入った。

 通り抜けるとショートカットできるのだ。

 しかし、霊園に入った大学生の私は、むしろ心が落ち着いた。

 そこは、東京の、見上げると首が痛くなるほど背が高いビル、酔うほどの車や人の多さ、音の洪水のようなうるささから開放された空間だった。

 墓石と敷石の沈黙の世界。

 不思議と落ち着いて、むしろ、暫く霊園でくつろいでいた。

 後日、古い友人に話すと笑われた。

「そりゃあれだよ。きみんち、墓場の目の前だったじゃん。今さら墓場が怖いなんでないでしょ。」

「まあね。」

 何がいいたいかと言うと、恐怖は慣れる、ということだ。
 大人になってからの勉強は、仕事に必要な分だけやることにすれば割り切れたので、そこまで恐怖ではなくなった。

 しかし、ゴキブリだけは、何故かまだ慣れない。

 突然でてきて、私を恐怖に陥れるのだ。

3/17/2024, 10:04:52 AM

なんでも視える彼女は常に泣いては怯えてばかりだった。誰かが傷つく未来も、その人が苦しんだ過去の痛みも、亡くなった人の心残りも全部視えてしまうのだという。
 だから僕は常に隣にいた。なにがあったって大丈夫だと言い続けた。それでも、怖いのだと泣いてしまう。
 自分の無力さを嘆いたこともあった。それでも、彼女が視ているものを視ることはできなくて、共感だけはどうしてもできなかった。それでも言い続けた。大丈夫だと。
 そして、ついに彼女は学校に来なくなった。なにがあったのかと心配して家まで訪ねた。インターホンを押しても反応はなく、玄関に鍵はかかっていなかった。そのまま中に入ると、どこも電気がついておらず暗かった。名前を呼びながら家の中を探し続けた。二階に上がって、彼女の部屋の前まで来た。すると、中から泣き声が聞こえた。ノックもせずに入ると、血まみれの腕をだらんと垂らしながら、天井を仰いで泣いていた。想像もしていなかった光景に僕はゾッとした。すぐに駆け寄って傷口を確認する。ベッドに置かれたカッターが真っ赤に染まっていてそれで切ったのだとわかる。
「痛いだろ、なんで。なんでこんなことしたんだよ」
 思わず、怒り口調で言ってしまった。責めるつもりなんてなかったのに、血が死を連想させてしまったからか心配のあまり感情をコントロールできなかった。
「だって、もう、誰も帰ってこないから。私がもっと早く未来を視ることができてたら、旅行に行くのだって止められたのに。私も、一緒に死にたかった」
 そういうことかと納得してしまった。家族が死んでしまう未来を送り出した後に視てしまったのだ。傷口に触らないように力強く抱きしめた。
「これからは僕が一番近くにいるから。絶対に死なないし、消えたりもしないから。お願い。泣かないで」
「嫌だ、みんないなくなっちゃうもん。もう誰かが傷つくのもいなくなるのも視たくない」
「絶対に君を置いて死んだりなんかしない。君が死ぬのを見届けてから僕も死ぬから。大丈夫だよ」
 一際大きくなった泣き声を包み込むように抱きしめた。
 怖がりな彼女はそれからもずっと怖がりなままだった。ずっとなにかに怯えていたけど、それでも死ぬ瞬間だけは「君といれて意外と幸せだったかもしれない」と言い遺していった。

3/17/2024, 9:59:47 AM

*** Zzz... ***

(2024/03/16 title:012 怖がり)

3/17/2024, 9:55:16 AM

朝から降っていた雨はやがて夜には雷雨になり、激しいイカヅチがひっきりなしに落ちていた。
ぼくの住んでいる地域は1時間ほど前から停電に見舞われている。何もすることがないのでスマホゲームをしていた時。ふと、あの子のことを思い出す。
――あの子は大丈夫かな。
暗いところが大の苦手だった。同級生にそれをからかわれて半泣きしてた彼女を今でも覚えている。あれから数年が経ったけど、あの子は今どうしているだろう。1度しか同じクラスにはならなかった。もともと会話もそんなにしなかったから連絡先も知らない。なのに思い出したのはなんでだろう。停電してなにもすることがないからなのかな。
もしこの近くに住んでいるのなら今きっと怖いに違いない。早く電気が回復するといいな。
そんなことを思いながら僕は窓の外を眺めた。まだまだ雨は止みそうにない。

3/17/2024, 9:51:06 AM

<読まなくていい前回のあらすじ>
 百合子と沙都子は百合子は、大金持ちの沙都子の家に行くほど仲がいい。
 今日も今日とて百合子は沙都子の家に遊びに行く。

 先日、百合子は沙都子の家の物を壊してしまい、百合子の金で肉を奢ることになる。
 初めて食べる『人の金で食べる肉』にご満悦の沙都子。
 それ以来、百合子は物を壊す度に焼き肉を奢らせられることになった。
 だが、食べすぎからか沙都子は少しずつふくよかになってき……


<本文>

 今日も私は沙都子の家に遊びに来ていた。
 だが遊びに来るたびに感じる違和感。
 私はついにその疑問を晴らすことにした。

「ねえ、沙都子少しいいかな」
「何?」
 沙都子は気だるそうに私のほうに振り向く。
「沙都子、太った?」
「太ってないわ」
 沙都子は即座に反論する。
「ほんとに?」
 私が聞き返すと、沙都子は目をそらす。

「ほらやっぱり」
「太ってないってば」
「事実を認めるんだ。現実を認めることを怖がっても、何も改善しない」
「うるさいわね。そういうあなたは、なぜ太らないの?
 私と同じくらい――いいえ、それ以上に食べてるくせに」
「そりゃ、入ってくるのが多くても使う分も多いからね」
「そういえば、運動部を掛け持ちしてるって言ってたわね……」
「沙都子も運動部入ればいいのに」
「嫌よ、運動嫌い」
 沙都子は子供の様に駄々をこねる。

「でもさ、痩せるんなら、焼き肉を控えるか運動するか、もしくは両方だよ」
「嫌よ」
「ていうか、焼き肉の度にあんな馬鹿食いしなくても」
「だって、食べ放題よ。少なく食べても多く食べても同じ料金。食べなきゃ損よ」
「沙都子、いつからそんな貧乏性に」
「仕方ないじゃない。おいしいもの!」
「うーん」
 どうしたものか。
 ここで諦めると言う選択肢はない。
 『大切な友人のため』というのもあるのだが、すでに太りすぎなのだ。
 少し太いくらいならいじって楽しむんだけど、沙都子はすでにそのラインを越えていた。
 なので、これ以上太って気まずい雰囲気になる前に何とかしなくては!

 だけどうまい方法が思い付かない
 うーむ。
 沙都子はゲーム好きなので、なんとかゲームに絡めて……
 はっ。

「沙都子、こうしよう。ゲームでやせる。どう?」
「どうって、そんなゲームあるわけ……」
「あるんだなあ、これが!」
 私は沙都子の部屋のゲーム棚を漁る。
 沙都子はゲームにはまった時、色々なゲームを買い占めた。
 そしてゲーマーのサガで、たとえプレイしなくても面白そうなゲームなら買ってしまうという習性がある。
 その買ってからプレイしていないゲームの中に『アレ』があるはずなのだ。
 私は棚の隅々まで探して――あった。

「これ、このゲームしよう」
「これは……」
 あの任〇堂が送り出したエクササイズのゲームだ。
「エクササイズっていう珍しいジャンルだけど、ストーリーは王道ファンタジー。
 沙都子、絶対気に入るよ」
 沙都子をゲーム沼に落とした私が言うんだから間違いない。

「でも、私、体を動かすのは……」
「沙都子」
「!」
 私は沙都子の目をまっすぐ見る。

「沙都子は新しく始める事に、怖がりなの私知ってる。でもさ、ここで変わらないと、ずっとこのままだよ」
「百合子……でも、私は……」
「『あきらめたら、そこで試合終了ですよ』」
「?」
 沙都子が顔にハテナマークを浮かべていた。
 もしかして、知らない感じ?
 仕方ない、こんど漫画沼にも落とすか……

「ともかく、これで運動すれば痩せるから」
「まあ百合子のほうがゲーム詳しいものね。やってみるわ」
 そういった沙都子は、執事のセバスチャンを呼んで、なにやら話し合っていた。
 多分、何かの専門家を雇うのだろう。
 なんにせよ、沙都子がやる気になったのだ。
 これ以上沙都子は太ることは無いだろう。
 それから百合子は専門のトレーナーを付け、専門家のアドバイスの下エクササイズゲームに勤しんだ。

 そして一か月後。
 もともと限度というものを知らない沙都子は、限界までエクササイズを行った。
 その結果、百合子はどこに出しても恥ずかしくない立派なマッチョに――はならず、前の体形と同じだが前より健康的な沙都子がいた。

「マッチョにならんか。残念」
「ならないわよ。トレーナーにもそこはちゃんと言ったんだからね」
「くっ。マッチョになったらいじり倒せたのになあ」
「それは残念だったわね。まあ、それはともかく――」
 沙都子は横にある花瓶――だったものに目をやる。

「今日も焼き肉食べに行くわよ。もちろん、あなたの奢りね」

3/17/2024, 9:48:32 AM

怖がり

私は昔から怖がりであった。
あれもそれも怖かった。でもいつしか怖くなくなった。
あなたが横にいてくれるようになったから。

3/17/2024, 9:48:04 AM

雷音が鳴り響く、ある夕方のことだった。
部活が終わった後に忘れ物があることに気がついた俺は教室へと足を運んだ。
雷と雨のせいか、まだ明るいはずの空は暗く、何だか夜みたいに見える。
「こんな暗い学校、初めてかもな。」
そんなことを思いながら教室に足を踏み入れた時、ドォォーーン!!…と、一際大きい雷が鳴った。
その音の大きさに一瞬で驚いた時、教室の中から声が聞こえてきた。
小さい声で…女の子にの声だ。
「誰かいるのか?」
そう聞くとカタンっ…と、何かの音が聞こえたのだ。
その音のほうに視線を向けると、教室の隅に誰かがしゃがみこんでるのが見えた。
あれは…俺の幼馴染だ。
「…まだ残ってたのか?」
そう聞くと彼女は俺の存在に気がついたようで、視線を上げた。
「あ……」
「ーーーっ。なんつー顔してんだよ…。」
今にも泣き出しそうな顔をしていた彼女は、量手を耳に当て、雷の音を聞かないようにしていた。
普段、『しっかり者』として通ってるからかギャップにドキッとしてしまう。
「な…なんでもないから……」
そう強がる彼女の体はカタカタと小刻みに震えていた。
幼馴染だからこそ知ってることだけど、彼女は『怖がり』なのだ。
単なる自然現象なことでもびびりまくる。
「無理すんなって。」
俺は彼女の隣に座り、肩に手をまわした。
何かが側にあるだけでも、少しは不安が和らぐだろうと思ったのだ。
「うぅ…ごめん……」
「いいって。雷が止んだら帰ろうな。」
そう言って頭を一撫でした。
震える小さな肩に、俺とは違う体つき。
その華奢な体で我慢なんかせずに頼って欲しいと思いながら…。
(まぁ、今はまだこの距離でもいいよ。……今はまだ……ね。)

3/17/2024, 9:46:41 AM

第四十六話 その妃、術を解く
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 東の空には朝日が昇り始め、陽の光が世界を明るく包み込んでいく。水溜りや雫に反射して、いつにも増して輝いて見えた。

 気付けば、一晩中降り続けた雨は、いつの間にか止んでいた。


「……綺麗ですね」

「……ええ。本当に」


 雨は、必ず上がる。
 明日も、必ずやってくるのだ。




「終わったわよ」

「……そこは、『終わったわね』と言うところでは」

「私が終わらせたんだからいいでしょ別に」

「まあ、確かにそうかもしれないですけど……」


 困ったような顔をして、男は辺り一面を見渡す。


「僕は今、世界の終末を見ているわけではないですよね」

「そこまで終わらせたつもりはないわよ」


 ただ、そのように思うのも無理はない。
 雨のおかげで、今は煙や焦げた匂いが残っている程度で済んでいるが、辺りはまるで戦争跡地。建築物は木っ端微塵に破壊され、樹木は勿論、植物の影も形もなくなっていた。

 それもこれも、仕掛けた爆弾を全て起爆させたせいだが。



「まあ、ここまでしておいて人の命を奪ってないのが、本当に流石と言いますか。全員伸びてはいますけど」

「それについてはロンに感謝しなくちゃね」

「それについても、流石としか言えません」

「一人一人にまさか、結界を張るだなんて。誰もできやしないわよ」

「仕組みとしては簡単なんですけどね」


 いつの間にやってきたのか、振り返ったそこにいたのは、今まさに話をしていた人物。

 大丈夫なのかと視線で問うてみれば、どこかスッキリした様子で軽く会釈をされた。


「さてはいちゃついてやがったわね」

「否定はしませんけどね」

「いや、自重はしよう? 僕たちのためにも!」

「取り敢えず、“術”を解きましょうか」

「そうね。お願いしたいわ」



 完全に流してから確認を取ったロンは、そっと両手を差し伸べてくる。その片方に手を乗せると、もう片方の手には愛すべき馬鹿の手が。


 そして、「――解」と言う掛け声と共に、あたたかい力に包まれる。まるで足の先から頭の天辺まで、湯船に浸かっているような、そんなやさしい感覚。

 すると、空いていたはずのもう片方の手が、ぎゅっと握られた。犯人は言わずもがな。


「……約束、覚えていますか」

「報告がまだ終わってないわよ。お馬鹿」


 それを握り返した時には、“入れ替わりの術”は、あっという間に解けていた。



「最後まで、誰にも気付かれませんでしたか」

「んー、誰も何も言わなかったけど」

「この状況になった今、そこまで考える必要はないわよ」


 そうこうしていると、騒ぎを嗅ぎつけた消防隊や自衛隊、救急隊などが到着。突如にやってくる現代感に違和を感じていると、急に隣のポンコツが手を離し、かなり緊張した様子で固まった。

 どうしたのだろうかと視線を追うと、そこには応援に駆け付けてくれた“桜”の人たちが。



「何。怖いの?」

「あなたは知らないからそんな事が言えるんですよ……!」

「残念だけど、あんたよりよく知ってるわよ」



 日本の警察や国家機関の象徴である旭日章《きょくじつしょう》――通称“桜の代紋”は、昇る朝日と陽射しが模られている。


 まさに今、この瞬間のような徽章を付けた背の高い背広を着た男三人が、近付いてきて目の前でぴたりと止まると、隣に立つ愛すべき馬鹿は息を止めた。


 しかし、それも致し方ない。
 “桜”の一員ともあれば、尚の事。



「此度の任務は無事、完遂した。ご苦労であったな」


 その中の一人こそ、我々にとっての御上。
 そして、“桜”という組織の天辺に位置する存在なのだから。






#怖がり/和風ファンタジー/気まぐれ更新

3/17/2024, 9:46:17 AM

怖がり

ずっと一緒にいたから
ひとりになるのが
とても怖い
あなたを
ひとりにするのが
とても怖い

3/17/2024, 9:40:49 AM

音がする。

新居に入居してから半月。
ピッタリ1時になると、変な音が聞こえるのだ。

ここは5階建マンションの2階。
もちろん、他の住民も生活している。
周りの住民の発する音の可能性もある。

ただ、違うのだ。
他の部屋から聞こえるという感覚ではなく、私が暮らしている部屋の中から聞こえる。

ワンルームなのだが、浴室の方から音がする。
浴室には窓があり、風の可能性もある。
だが毎日ピッタリ1時にのみ、変な音が聞こえるのはおかしいし、明らかに単純な風の音ではない。

怖いと思いながら、音が聞こえる時間に浴室を覗いてみた。
窓を叩く手が見えた気がする。

「えっ」

思わず、声を出してしまった。
その手はスーッと消えた。

それ以降もあの音はまだ聞こえるが、もう見に行く勇気はない。
ここは2Fで、浴室の窓がある位置に人が立てるスペースはない。

アレを見てしまってから、音の鳴る時間が少し長くなった気がする。

私はただの、怖がりなのだろうか。



「怖がり」

3/17/2024, 9:31:27 AM

一緒に歩いた歩道橋。
高いところが苦手なあなたは怖がってたね。
なんで歩道橋なんて歩いたの、とか言ったけどね、
私実は結構嬉しかったの。
私に弱み、っていうのかな。素を見せてくれたような気がして。嬉しかったんだと思うの。
初めて手を繋いだのもその時だったよね。
あなたから繋いでくれてさ、それどころじゃないけど私、どきどきしちゃった。
その後恥ずかしいとこ見せた、なんてあなたは言ったけどね。

私、怖がりなあなたも大好きだよ。
私、どんなあなたでも大好きだよ。

3/17/2024, 9:30:23 AM

ぼくは狭い所が大の苦手です。

トンネルで渋滞にでもなったら…と想像するだけで

、怖くて怖くて仕方がありません。

橋の上で渋滞したら…と、こちらも前にも後ろにも

動けない事を考えると怖くて怖くて仕方がありませ

ん。大都会ではビルが空を塞ぐので、空が見えなく

って圧迫感を感じてしまい、胸が苦しくなるので

す。だから、家でごろごろして過ごすのが大好きな

でたまらないのです。

【怖がり】

3/17/2024, 9:23:29 AM

君は怖がりだ、人と話すのもお化けも何をするにも怖がって、俺に泣きついてくる、、、仕方ないから俺がやってあげる。もう俺以外にいないもんな、お前は♡

3/17/2024, 9:22:02 AM

何も知らないから僕は怖がりなのだと思っていた。
高所に足がすくむのも、海に言いようのない不安を感じるのも。…まあその他諸々。

でも、どれだけ知識を取り入れてもやっぱり怖いものは怖い。

それどころか、世の中には理解が及ばない恐怖がごまんとある。

例えば僕が怖がる様子をにやにやして見ている君!
ねえ聞いてる?


「怖がり」

3/17/2024, 9:10:56 AM

怖がり


友達が学校に来なくなった。
心配して理由を聞くと隕石が落ちてくるのが怖いのだという。
意味がわからないので会って話そうと誘うと外に出たくないというので家を訪ねた。

「隕石男?」
「雨男の隕石版みたいなもん。僕が出歩く先で隕石が落ちてくるんだ。周りの建物が壊れるし周りの人も怪我するし危険で迷惑」
「前は普通に出歩いてたのに」
「自分でも半信半疑だったからね。最初は投石と思う程度の被害だったし、頻度もすごく低かった。でも最近自分のせいだとわかって、被害も洒落にならなくなってきてこれはまずいんじゃないかって」
「隕石が落ちるって結構すごいことでニュースになったりするんじゃないの? この辺でそんなニュース聞いたことないけど」
「本当だって!何度も怪我してるし証拠の隕石もあるよ」
ほら、と出してきた黒い小石は隕石っぽく見えなくもないがそのへんに落ちていそうでもあった。
小さな傷跡も見せてくれたが隕石にやられたと言われると信じきれない。

「ちょっとその辺を一緒に歩いてみよう。隕石が落ちるとこ見てみたい」
「だから危ないんだって! 軽く考えてると本当に死ぬよ。特に最近は謎のプレッシャーが高まってて引きこもることで地球を守っているんじゃないかという気さえする」
「死なない死なない。そんな根拠のない危機感で引きこもってるのはおかしいから。外に出て何もなければ大丈夫だってわかるでしょ」
押し問答の末、彼を家から引きずり出したときは夕方になっていた。
二人で見た夕焼けは美しく、茜色の空に巨大隕石の影が浮かんでいた。
彼を家から出した5分後に地球は壊滅した。

3/17/2024, 9:04:28 AM

怖がり

「怖がり」というと、一般的にはネガティブな響きがある。「私って、いつも怖がりで、一歩を踏み出すことができない」などという場合もあるだろうし、もっと単純にお化け屋敷なんかでは、すぐ悲鳴を上げてしまうなんてこともあるだろう。

しかし、それは見方を変えれば、未知の領域に対して、種々のネガティブな要素を想定する能力であったり、怖いものを素直に怖いと思える、ある意味での能力ではないだろうか。

考えてもみて欲しい。人類はその歴史の大半を、人間以外の大型動物などから、身を隠し、子孫を残してきたわけだが、「怖れる」という能力が全くなければ、ライオンやトラに食べ尽くされて、当の昔に絶滅させられていただろう。

そう考えれば、怖がりというのも、そんなにマイナスのイメージでとらえる必要はないではないだろうか。むしろ、細心の注意が払える能力があると、ポジティブに変換して自分の強みとして意識してみるのもいいかもしれない。

3/17/2024, 8:57:10 AM

怖がり

一時期、不安障害になりかけたことがある。
少しずつ大人になっていくにつれてお化けより人のほうが怖いと気づいたころだった。
一人が怖くなったのだ。
それは別に一匹狼になるのが怖いのではなくて、物理的に一人、もっと言えば誰もいない空間の中で一人だけという状況が怖い。
その時期恐怖を煽るかのように近くの地域で強盗殺人事件が多発していた。
私は親に何度も一人にしないでほしいと言った。
しかし私にも頼れる人ができた。
それが今の旦那。
怖がりな私をいつも温かく包みこんでくれような存在。
何かあってもこの人なら助けてくれる。

でも私知ってるんだ。
あなたがあの時の加害者だってこと。

3/17/2024, 8:54:22 AM

〝怖がり〟

まだ日は落ちていないはずだが、墓地はかなり薄暗い。
全く、お盆の渋滞を舐めるんじゃなかった。
日が落ちる前に墓参りを終わらせよう。
…と、思っていたのだが子供の泣き声が聞こえてきた。
なんだか墓地の雰囲気まで変わったような気までする。
…でも、もし本当に子供が困っていたら、
見捨てる訳にもいかない。
とにかく、声のもとに近づいて見ることにした。
震えながら歩いていったにも関わらず、
そこにいたのは、普通の男の子だった。
どうやら、一人で来たものの、
暗くなり、怖くて帰れなくなってしまったらしい。
「ごめんなさいお兄ちゃん。僕1人で動けなくて…」
「ごめんな。俺、花買っててさ供えてからでいいか?」
「えっ。本当に?ありがとうお兄ちゃん!」
「…。よし!帰るか。またせてごめんな」
「ううん、こっちこそごめんね…騙してて」
「えっ?」
「じゃねお兄ちゃん!元気でね!大好きだよ今も昔も」
そしてぎゅっとハグをして、男の子は消えてしまった。
幽霊、だったのだろうか。
少し懐かしいような感じがしたが、もしかしたら、
亡くなった弟だったのだろうか。
元気で、やっていたらいいな。
「…全く、変わってないな、お兄ちゃん。
怖がりなところも、優しいところも。」
「良かったね、会えて。私も会いたかったわ」
「…きっと、奥さんを連れて、
おじいちゃんになって会いに来るよ」
そっと、遠くに見える姿に手を振った。

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