『忘れられない、いつまでも。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
忘れられない、
いつまでも、
生きている間、
ちゃんと覚えていられる間、
その間だけ、
その間だけ、だけではないかも、
嫌な思い出も、
幸せな思い出も、
何も思わない思い出も、
きっと、
どこかで覚えている、かもしれない、
細胞が、昨日抜け落ちた髪の毛が、
覚えていた、かもしれない、
忘れたくて消えてしまったのかもしれない、
消えてしまうのがもったいなくて、
わざと消えてしまったのかもしれない、
いつまでも、は、ない、かもしれない、
あるのかも、しれない
【忘れられない、いつまでも。】
こんな筈じゃなかった。
何処にでも転がっているような、ありがちなワンナイトのつもりがどうしてこんな事になったのか。
彼女の甘ったるい香水の匂いや、苦痛の中に混じり始める甘みを帯びた喘ぎ声、白く黒子一つない柔肌、胸から尻にかけて男のそれとは完全に違う艶かしい身体の曲線、俺の身体を撫でる艶やかな黒髪、与えられる初めての快楽に戸惑いながらも抗えない表情。
その全てが俺の身体、網膜、嗅覚、脳髄に刻み込まれてしまった。
「さっさと忘れてね、私の事なんか」
別れ際そんな事言われちまって、逆に忘れられない。
しかも名前も歳も勤め先も経歴も、全部嘘っぱちじゃねぇか。
お陰でこっちは未だに顔と匂いだけを頼りに、アンタをずっと探してる。
清純ぶった顔をして、大した女だよアンタ。
じんわりと肌にはりつくような湿った初夏の日、クーラーで除湿を入れたあの夜に、飼ってたうさぎが亡くなった。
小学生のとき、帰宅するとリビングにはすでにケージがあり、真っ白なあの子がいた。体は真っ白なのに鼻と口の周りと耳の先が少し黒い子で、成長すると全体がグレーへと変化したが鼻先と耳の先の黒さは健在だった。あの子が小さい頃はあまり積極的に世話はしていなかった。せいぜいエサをやり、ちょっと撫でて遊んでやる程度であまりケージからも出していなかったように思う。
それでも受験で荒んだ心をいやしてくれる存在だった。あまりのストレスに「うさぎになりたい」なんて口走って家族に驚かれたこともある。
あの子が七歳を迎えるころ、発作のような症状があった。引き攣るような呼吸、ケージの中で苦しそうにもがく姿に心が痛んだ。近くに小動物を見れるような獣医もなく、ネットで調べて相談するもなす術がないとのこと。ときどき起こす発作に、ケージで暴れて怪我しないように抱いてさすって落ち着かせるしかない無力感。
あの初夏の夜も発作を起こした。たまたまリビングには私しかいなくて、とりあえず抱き上げ、大声で他の部屋にいる家族を呼んだ。
そのとき。
ヒーッと悲鳴のような呼吸のあと、あの子は動かなくなった。
私の腕で最期を迎えられて、あの子も運が良かったと家族は言う。私もそう思う。あのどれだけ呼びかけても反応がなく、だんだんと失われていく温もりは今でも忘れられない。
思えば、それだけが現実だった。
時の流れはいつだって残酷で、綺麗に過去に変えてしまうのかもしれない。
それでも、俺達にとっては過去にならなくて。
そうなってしまえば、そう思えてしまえば良かったのかと、思わないわけじゃなかった。
……いや。多分、きっと出来なかっただろう。
過去にしてしまえば、俺達自身が生きていけなかった。
今を生きるためにも、過去にすることなんて出来なくて。
それが自己満足だろうが、ただの足掻きだろうが構わなかった。
”忘れられない、いつまでも。”
あの現実が、あの悪夢が、あの光景が、いつだって俺達を希望と絶望に導くんだから。
忘れられない、いつまでも。
あなたの声が好き
あなたの顔が好き
あなたの性格が好き
あなたの全てが大好き
でもあなたは私だけのじゃない
わかってる
独占したくてたまらないのに
あなたに嫌われるのが嫌で
私は1歩引いてあなたを応援してるの
気づいてもらえないかもだけど私はあなたに初めて笑顔で言われたありがとうが大好きで頭から離れない、やっぱり忘れられない、いつまでも…
忘れられないのか、忘れ方を知らないのか――もしくは忘れたくないだけなのか。結局のところすべては同一の事象でしかないのかもしれないとも思う。なんにせよそこには記憶と呼ばれる残骸だけが残されていて、わたしの脳髄にはそのにおいが染みついてしまっている。それだけだった。部屋に染みついた煙の痕だとかが、待てど暮らせど魔法のようには消えやしないのと少しだけ似ている。それだけのことだったのだ。
人は誰しも いずれ忘れ去る。
記憶の中に埋もれる日常や 鮮やかな夕焼け
青春を駆けた学校 思い出の遊び場 読み終えた本
もちろん 埋もれる日常も。
「ねぇ 何かあったの」
茜に焼けた桜を遠目に見ながら 感傷的な思考に
君の声がかかった。
「いつか 君を 忘れてしまいそうで。
いつか 君が 忘れてしまいそうで。」
答えるつもりはなかった が うっかり口が滑った
お互い この場所以外には行けない けど
"離れ離れになるんじゃないかって
もう逢えない日が来るような気がして
ただ これが君の夢で 俺が空想で
君の目が覚めてしまえば..."
「忘れないよ。絶対に。」
そういった君は 真っ直ぐな眼だった
彼女は出来ない約束事は言わない
だから いつもなら"絶対"なんて使わないんだ
君は俺の手を握って
「忘れても 君は覚えてくれるから。」
だから大丈夫。
って君は笑った。
その後は 指切りげんまんをした 馬鹿らしいけど。
例えこの本に結末が来ても 忘れないって。
彼女は俺に会う為に身を捨て
俺は彼女と伴に過ごす為に身を捧げた。
そんな関係だから多分忘れないだろう。
忘れたくても 忘れられない。
忘れらない、いつまでも。
三つ葉の群集の隣に咲いた青い花は、どんな香りだったか。花の中心からまっすぐと伸びる藍の色は はっきりと目の奥に焼き付いているというのに、記憶の中の嗅覚は意味を成さないようだ。
先日の事になるが、久しぶりに里帰りをして、ふらりと家の裏手にある野草の群生地へと足を運んだ事があった。記憶のそれよりも随分と狭く思えた思い出の場所は、何ら変わらない様子でそこに残っている。それが随分と懐かしく思えて、三つ葉の辺りをちらりと見てみれば、名も知らぬ青い花が一輪、風に吹かれて揺れた。
何十年ぶりに見たその花は、かつてよりも繊細な色持ちで可愛らしくその花弁を風に遊ばせていた。何気なしにじっと見つめていれば、どうやら青と一言に括りつけるには惜しい色をしていると感じる。透き通った藍の色を、雪の上に流した様な淡い色。その様が何となくカワセミの羽に似ているような気がして、この花の色をかわせみ色と名付けてみた。
風に乗って届いた香りは、幼き日の故郷の匂いによく似ていた。
僕はさっきまで隣にいた君と
これから会うことはないのだろう
いつもにこにこしていた君、
僕は何年経っても忘れることはないだろう
いつまでも
【忘れられない、いつまでも】
#14
「忘れられない、いつまでも。」
忘れられない、君のことが。
みんなから嫌われている君のことが。
忘れたくても忘れられない。
ごめんね。
でも私はす…って言ったら嘘になっちゃうか、。
私だって前みたいに好きって思いたかった。
でも…それはどうやら今の私には無理そう。
毎日毎日君に対してくだらないこと思ってごめんね。
君のせいじゃないのにね。
君だって苦しいよね。
ごめんね。
でもね、私も辛いんだ。
あそこで笑ってるやつらのせいで、ね。
「今日もまたあいつ学校に向かってなんか言ってんだけどwきもww」
_
そんなことを言っても仕方が無いんだけど、うじうじ考えてしまう。あの時、ああしとけばとか、こうしとけばとか。後悔先に立たず、負けたものは仕方ない。そして私には何もできない。ラジオから流れて来る、贔屓チームの負けの報。
忘れられない、いつまでも。
私のことをいじめた人たち。
私の幸せを潰した。
今もまだ私は病気だ。
でも殺したいとは思わない。
ただ私より何百倍も不幸になれとは思う。
午後9時55分
酒と眠剤を胃に流し込む。
あと少し経てばこの後の記憶は残らないはず。
酒を一口。はぁーーーーーと深く息を吐く。
今日も昨日も一昨日もその前も、この繰り返し。
そして毎日ここから先の記憶が無い。
気がつくと朝。
始まりは1週間前。
眠剤を飲んだあとにジュースと間違えて缶チューハイを飲んでしまったあの日。
スマホ片手に朝起きると、2時間会話をした記録が。相手は非通知。
枕元にはレシートの裏に殴り書きの私の字で「明日も同じ時間に電話してくれるって!!!!!!!!!」とあるが、もちろん記憶にない。
記憶になくても記録には残ってるから知っている、午後10時の非通知の電話。
「もしもし、どちら様でしょうか。」
明日には相手は誰か忘れてしまうけれども、
それでも、朝起きて枕元にある、楽しそうな私の字が羨ましくて。
楽しそうな私の字が忘れられなくて、最初に電話が来た日と同じことを繰り返す。
記憶にない夜の私に嫉妬しながら、私は今日も電話に出る。
#忘れられない、いつまでも。
ひとに疲れて
ひとに傷ついて
ひとりがいい と思っても
ひとに支えられ
ひとっていいな と思う
美しい想い出も
悲しい出来事も
全て自分の糧になる
糧にするんだ
『忘れられない、いつまでも』
この夏独特の、くぐもったような、低い、と言うような匂い。
この匂いを嗅ぐと、いつも思い出す。
目の前で落ちていく少女の姿を。
手を伸ばしたところで届かなかった。
あれから何年経っただろうか。
私は今も思い出す。
『忘れられない、いつまでも』
ある日の学校の放課後。
いつものように部活動を終えて家に帰ろうとした時
「舜翼君!」っと女子に名前を呼ばれた。
何用かと思い声がする方を見てみると、
莉桜さんがいた。
彼女はクラスのマドンナ的存在で、明るく元気な性格だ。僕は彼女の笑顔がとても好きだ。
「あのぉ、良かったらこれっ」
彼女が何か渡してきた。
ぬいぐるみのキーホルダーだった。
「プ、プレゼント!」
!!僕はようやく気づいた。
今日は僕の誕生日。
そのプレゼントを莉桜さんは渡してくれたんだ。
「あ、ありがとう。よく覚えてたね」
彼女がなにやらバックから取り出す。
「えへへ、お揃いだね。」
彼女が笑顔で何かを差し出した。
僕にくれたキーホルダーと同じ…
「嬉しいな!」
そうだその顔だ。僕が大好きなその顔。
これは宝物にしよう。
こんな幸せな誕生日なんてきっとないから。
忘れない。今日の出来事もこのプレゼントも君の笑顔も。
忘れない、いつまでも。
いつまでも。
忘れられない想い出ばかりを与えて。
私を置いていってしまった、あなた。
ああ、なんて残酷で。なんて無慈悲なの。
あなたの優しそうな笑顔ばかりが脳裏に浮かぶ。
忘れられないほど、たくさん貴方が私に笑いかけてくれたせいで。
まるで呪いみたいに。
いつまでもあなたが私を蝕んでいってるの。
【忘れられない、いつまでも。】
よろしくね
おはよう
また明日ね、バイバイ
ありがとう。
わっ、ごめん!
あっつい…。ねぇ?
寒いねぇ。
涼し〜!
あったかい〜!
眠…
面倒くさぁ…
がんばんなきゃ
すごいじゃん!!
凄いでしょ!
ねぇねぇ、
あのさあのさ、
す、好きです。
大好きだよ。
愛してる。
ありがとう。
嬉しい。
私、すっごい幸せ。
見て、桜が綺麗。
今までありがとう。
いくら私のことが好きだからって
さっさと私のところに来るのは禁止だからね。
ずっと覚えてる。
あいつの声を。
「忘れられない、いつまでも」
【忘れられない、いつまでも】
俺はずっと、幼少の時から雇われて人を殺して来た
雇われてからもう15年も経つ
今年でたしか22歳だったと思う
俺の誕生日なんて1度も祝われたことが無い
そもそも自分の誕生日がいつなのかすら知らない
ただ、俺にとって1番大切な人はあの人だけだって事
俺とあの人…師匠が出会ったのは寒い寒い冬の時期だった。
俺の母親は7歳の時まで幸せの時間を過ごしていた
俺は父親の顔を見た事が無い
母に聞いても何も答えてくれない言ったとしても〚あの人はもう死んだ〛としか答えない
思えば、はじめから母は俺の事なんてどうでもよかったのかもしれない。名前なんて呼ばれた事が無いし、世話も最低限しかしていなかった
ある日、母いや、あの女の話を聞いてしまった
〚「はぁ、あの子いつまでここにいるのかしら、もう、本当うるさくて仕方ない、いっそ外に投げ出して仕舞おうかしら」〛
は?
意味が分からなかった
なぜ追い出そうとしてるのか
今そこにいるのは母ではなく誰なのか
もう何が何だか訳が分からなかった
気がつくとあたり一面が赤黒く、鉄臭い匂いがした
目の前にいる女はもう息をしていない
俺は外に飛び出した
裸足で触れるその雪はとても冷たく自身の体温を奪って行く
家が見えなくなったところで等々俺の足が動かなくなってうつ伏せで倒れてしまった
嗚呼、死ぬのかと思った
しばらくすると、パチパチと何かが燃える音がした
暖かい
目が覚めた
知らない家にいた
どうやら眠ってしまったらしい
そこに誰かが来て俺をたまたま助けてくれたのだろう
〖「目が覚めたか」〗
知らない人の声だった
「なんだ、おまっゴホッ...ヴ...ゲホッ」
久しぶりに声を出した所為か咳き込んだ
〖「おらよ」〗
と言って水が注がれたコップを手渡してくれた
「……ありがとう、ごさい、ます」
それが師匠と出会った日だった
その日から師匠は俺に物の使い方、学術、それから…師匠の職業について、沢山のことを教えてくれた
それから3年の月日が経った
ふと、師匠がこんな事を言ってきた
「おい、お前、誕生日は?」
俺が答えられなくて困っていると
「そうか、なら今日がお前の誕生日だ、のぞむ」
と笑顔で言った
ん?のぞむ?と思い
「なあ、師匠、のぞむって、誰?」
と聞いた
「っはは、お前の名前だよ」
「僕の名前、のぞむ…」
「ああ、今決めた、俺からお前の誕生日プレゼントだ、希望の[希]に生きるの[生]で希生だ」
希生…俺の名前、師匠がくれた大切なもの
だから、師匠、今までありがとう
俺にとってあの日がいつまでも、忘れられない最高の思い出だよ
今日も俺は依頼を受けて人を殺している
だって、アイツらは裁かれるべき人
自分が一番幼いときの最初の記憶が、その後の人生において指針になるという。
私にとってそれは、泣き叫びながら何かの紙を破く母の姿だった。怒っていたのたか、父がその横で必死に慰めていたのを覚えている。なにを言っていたのかまではわからないが、それとなく母と距離を置くようになった理由かもしれない。
母は大切なことを私が大人になっても、教えてくれなかった。そのせいで、学生時代は多くの苦労をした。先生からは忘れ物が多いと怒られて。周囲からは空気が読めないと言われて。自分では時間管理ができないことに困った。それは社会人になってからも続いた。事務職として雇われた会社で、淡々とした作業はこなせるものの、途中で話しかけられたり、新しい仕事を渡されたりすると、さっきまでなにをやっていたのかわからなくなる。何度も上司に怒られてついに社長に呼び出された。クビになるんだと覚悟をしていたが、社長は真剣な面持ちで発達障害の検査を受けてみないかと勧めた。自分は健常者だと信じたかった反面、周囲の人と同じことができない原因があるのならそれを知りたいと思った。
幼い頃からのかかりつけの病院に行ってみると、見覚えのある医者がいた。久しぶりだねと声を掛けてくれて嬉しかった。そのまま社長からの話を伝えた。すると、医者は訝しげな表情をしてカルテを読み返した。
「君にはADHDの診断がとっくの昔に出ているよ。お母さんから聞いたことない?」
その言葉に目を見開いた。長らく帰っていなかった実家に寄って母にその話をした。すると、母はひどく怒って水の入ったコップを投げつけた。
「あんなの嘘に決まってるでしょ! 私が生んだんだから障害者のわけがない。あなたは健常者よ。二度とその話をしないで」
この人とは話にならないと即座に思った。ここで思い出したのが、最初の記憶だ。あの時、母が破っていたのは診断書だったのではないだろうか。あの記憶は忘れられない、いつまでも。
これから障害を自覚して生きていかなければならない。今まで感情のコントロールができなくて、爆発してしまうことが何度もあった。だけど、あの時の母のようになってしまって、現実から目を背けた人生を歩んではいけない。
これからは、たくさんの人に助けてもらいながら生きていこう。そうすれば、きっともっと息がしやすくなる。