思えば、それだけが現実だった。
時の流れはいつだって残酷で、綺麗に過去に変えてしまうのかもしれない。
それでも、俺達にとっては過去にならなくて。
そうなってしまえば、そう思えてしまえば良かったのかと、思わないわけじゃなかった。
……いや。多分、きっと出来なかっただろう。
過去にしてしまえば、俺達自身が生きていけなかった。
今を生きるためにも、過去にすることなんて出来なくて。
それが自己満足だろうが、ただの足掻きだろうが構わなかった。
”忘れられない、いつまでも。”
あの現実が、あの悪夢が、あの光景が、いつだって俺達を希望と絶望に導くんだから。
忘れられない、いつまでも。
5/9/2023, 1:58:03 PM