『大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
大地に寝転び雲が流れる
私は休日、買い物がてらに散歩をする。
田舎であるため、土手があり
昼間から夕方 寝転んで空をみる。
雲が流れているのがよく分かる。
生きてる感じがする。
気づいたら少し寝てしまってた。
起きたら、野球少年たちが試合をしていた。
この空の向こうにはかつて大きな都市があったらしい。
何百年も昔、まだわたしたちに羽根が生えていた頃。人々はそこで暮らし、さまざまな生活を送っていたという。
空と大地を自由に行き来して、鳥たちと歌い遊ぶ。太陽は今よりずっと近くにあって、時折優しい歌声が聴こえてきたという。
小さい頃、おばあちゃんがそんな話をしていたと、寝転がって空を見て、流れる雲を眺めていたら思い出した。
その話が本当かどうか、今となってはわからない。今を生きるわたしには、羽根なんて生えていないから。鳥の羽ばたきを見送ることしかできないし、太陽の歌なんて聴こえない。
でも。目を閉じて、空想する。もしも羽根が生えていて、空を自由に飛べたのなら。青い空を駆けて、あの雲と同じ高さで世界を眺めることができたなら。心は躍る。それはきっと素敵なことだ。
瞳を開く。真っ青なキャンバスに、飛行機雲が線を描く。手を伸ばす。遠くの空を、わたしはここから見上げることしかできない。それがなんだか寂しくて。
今もまだ空に遊ぶ、鳥たちを羨ましく思うのは。
遥かの太陽に、こんなにも恋焦がれるのは。
かつてわたし達が空にあった証拠なのかもしれない。
もう一度、空を舞う。
瞳を閉じて、私はそんな夢をみる。
【大地に寝転び雲が流れる…目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?】
川沿いの草原に寝転び雲を眺め、
何も考えずぼーっとする時間が
僕は好きだ。
【大地に寝転び雲が流れる】
#9
【大地に寝転び雲が流れる…目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?】
ある日、突然高校生の頃の自分を思い出したんだよ
そして、同時に青春っぽいことしたいなーって思って
原っぱに寝転んで空を見たんだ
空は青くて、雲は真っ白、文句なしの一円玉天気だ
風が心地よくて、草がサーっと音を立てている
忙しい毎日だ。
朝のアラームが私を無理やり起こし
移動中は、イヤホンをして
時間通りの電車に乗って
時間通りに仕事をこなして
残業して………
でも、こうしてのんびりできるのは
最高の贅沢なんだな
高校生の時は……
知らなかったな…
今の自分がこんなに時間に追われるなんて思わなかったんだろうな
でも…夢…叶ったよ
だからさ、勉強ばかりじゃなくて
しっかり、休むんだよ
夢は叶うかは分からないけど…
でも、休みすぎも良くないからね
ほどほどに…ね?
大地に寝転び目を閉じる
100均で買ってきたレジャーシートを広げて寝転ぶ。さやさやと揺れる葉が辺りに影を作り、遠くを走り回る子どもの声が良い子守唄になる。リュックを枕にすれば貴重品が盗まれる心配もない。
はー、最高。素晴らしい休日の過ごし方だよな。
鳴り止まないスマホさえなければ。
正直気になる。ずっと気になる。なんでこんなに鳴ってるのか意味が分からないぐらい鳴っている。しかし今日の俺は休日だ。休みだ。責任者は別にいる。はずなのにリュックがずっと震えている。
考えなくねー……。電源切っとけばよかった。
つか俺じゃなくて出勤してるあの人に聞けよ。
心の中で悪態をついてもぶーぶーうるさいものはうるさい。
「はあー」
せめて誰から電話がきてるのかだけでも見ておくか。そう思って目を開ける。
俺の視界にあるのはでっかい木の枝や葉っぱのはずだった。しかしそこにあったのは人の顔で、俺は心臓が飛び出しそうなぐらい驚いた。
「はあ!?」
「やっと起きた〜」
へらへらと笑うのはマンションのお隣さんちの息子さんだ。瞬間、スマホのバイブが止まる。え? 俺のスマホ鳴らしていたの、君なの?
「おはよーございまーす」
「お、おはよう……?」
というか君、なんでここにいるの? ここ、高校じゃないよね? 学校は? 今日平日だよね?
「あは、おもしれー顔してる」
「えと……」
「昨日体育祭だったんだよ〜。今日はそれの振替〜」
「あー、そう、なるほど……」
上体を起こした俺を端に追いやった息子さんは、そのままレジャーシートに乗り込んできた。んん? 君?
「ヒマ〜って思って外見たら、お兄さん見つけたからさぁ」
「はぁ」
「ついてきてみた!」
にぱ、と笑う息子さんは楽しそうだけど、俺はイマイチ繋がりがわからない。
体育祭の振替休日は分かった。家の窓から俺が見えたのも分かった。平日の、出勤するには少し遅い時間に家を出ている俺を見るのは珍しく思うだろう。それも分かる。だけどそれで俺についてくるのは分からない。
な、何で?
がじがじとストローを噛んでいた息子さんがそれを俺に向ける。もうほとんど残っていない何かのフラペチーノは美味しかったのかな。
「飲む〜?」
「いや、飲まない……」
何が面白いのか息子さんはけらけら笑って寝っ転がった。んん? 添い寝かな? 大人一人で寝るには十分な大きさだったけど、そこにもう一人加わるとちょっと狭いぞ?
かといって彼をレジャーシートから追い出すのもできず、俺はリュックを少しずらして体を倒した。
「お兄さんはお盆どーすんの?」
「どうっていうのは……」
「出かける予定的な?」
「特にはない、かな」
「実家に帰る〜とかも?」
「ないねぇ……」
もうお盆の話? 早くない? まだ5月だよ? なんて考えながら、先週会った両親のことを思い出す。お盆ねぇ。わさわざそういう理由をつけなくても、電車で30分だからすぐ帰れるんだよなぁ。
「じゃあさ、俺と遊ぼーよ」
「んん?」
「お兄さんと遊びたい、俺。ね? いいっしょ?」
「ええ? 俺と?」
「そー!」
ごろり、と体を回して俺を見る息子さんはキラキラした目をしている。どういうこと? 俺のことからかってるとか?
「それか、今日、これから遊ぼ?」
「これから?」
「今日俺ヒマなの」
「うん、そうだね?」
「お兄さんの予定は? 公園で寝て、昼飯とかさ、行くっしょ?」
「行く、ねぇ……」
これは昼飯奢れって話かな?
んんー、と俺は唸る。別に息子さんに奢るのが嫌な訳ではないんだけど、何かこう、意味が分からないんだよな。何がしたいのか分からないというか。何がしたいって、俺と遊びたいって話なんだろうけど、それの理由が分からない。
俺と遊びたいって、何で?
唸りながら目を瞑る。
今日は天気がいいなぁ。風も吹いててちょうどいい。子どもたちも楽しそうに遊んでて、俺は仕事のことを忘れてのんびり過ごしてさ。
「んーふふ、俺も寝るね」
マンションのお隣さんちの息子さんが、レジャーシートでもお隣さんになっているのは何でだろうなぁ。
俺は考えるのを一回やめた。ひとまず寝る。今日の午前中は公園でのんびりしようと決めたのだ。息子さんは俺の答えを待ってくれるみたいだし、もしかしたら途中で飽きて帰るかもしれないし。
とりあえず、起きてから考えよう。そうしよう。
水田に囲まれた小高い丘の上に座り、晴れやかな空の下、杳かな翠微を眺める。数える程度にしか経験していないのにも関わらず、この景色に常に懐かしさが映り込んで何処か面映ゆい気されするのは、今は亡き父の郷里だからだろうか。
五月の涼やかな風にあたりながら、草の上で寝転ぶと、暇を潰すために持ってきた文庫本の頁をめくった。鳥の囀りと風に靡く稲のそよぎの外に聴くべき音もない。そして、朗らかな陽射しにわたしの瞼は次第に重くなっていく。
――ちゃん……――ちゃん。わたしを呼ぶ声に驚き、目を醒ます。見た限りわたしと齢の近そうな、白いシャツを着た青年が、わたしの顔を覗き込んでいた。わたしは胸のあたりに落ちていた本も構わずに慌てて飛び起きた。
空はもう茜色に打ち染められている。気取られないように、そっと口許を指先で拭いつつ立ち上がると、わたしはあの白いシャツの残像を辿るようにして振り向いた。
だが、そこには誰も居ない。四囲を見回してもひとの姿はない。ただ颯然と風が吹き渡っているばかりで、わたしは幾分冷えた身体を摩りながら、不思議な感覚をその場に残し、父の生家へと帰った。
古びた百姓家では、母と父の兄夫婦が談笑を交わしている。何処に行ってたの?心配そうに声を掛けた母の手には埃にまみれたアルバムが一冊。
伯父は母からそのアルバムを渡されると、或る頁をめくってわたしの方へと差し出した。
わたしは今でも目を閉じると、そこに貼られていた写真と、あの時の声の輪郭を重ね合わせては懐かしさに心が動かされる。
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大地に寝転び雲が流れる……目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?
【大地に寝転び雲が流れる…目を閉じると
浮かんできたのはどんなお話?】
地面に寝転がり空を見上げる。
小さい頃はあの雲はなんとかの形なんて言ったりして、
遊んでいたものだ。
心地よい風が頬を撫で、暖かな日差しが私を包む。
そんな落ち着く空間に微睡む。
うとうとし目を閉じた時、不意に吠えられる。
びっくりしてそちらを見ると、
犬の飼い主さんが申し訳なさそうに、頭を下げた。
つられて、こちらも頭を下げる。
そんな何気ない日常。
風がザワザワと
小鳥がピチピチと
小川はさらさらと
草はわさわさと
揺れて、踊って、歌っている。
だけれどそれは煩くない。
寧ろ私の心を落ち着ける。
誰にも邪魔されない、
私一人のまるで空間じゃないかのような空間。
薄目でぽぅっと空を眺めていたら、
涙がほろりと零れてきた。
この空間を
邪魔して欲しい人が、ここにいない。
いつものように眠っていたら
ゆさゆさ揺らして起こして欲しい。
前はそれが煩わしくて堪らなかったけれど、
今はそれが恋しくて堪らない。
お願いだから、帰ってきて。
風も子鳥も小川も草も、もちろん私も
貴方を拒まないから。
「大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?」
ある日、3人の友達と仲良く遊んでいる。ただの日常のお話。
目を閉じても何も浮かばない私はもう、常識しか見えないようになってしまったのだろうか。
※BLです。苦手な方は飛ばしてください。
水色の空がわたあめみたいな雲を浮かべている。ふわふわで甘そうで、なんだかお腹も空いてきた。
隣で寝転ぶ先輩に目を向けると、同じように流れる雲を眺めている。
こんなに穏やかに過ごす日も久しぶりだ。
遠くで子供たちがキャッチボールをしている声が聞こえてくる。
楽しそうな笑い声に、なんだかこちらまで楽しくなってきた。ワクワクしてそわそわして。
「ねぇ、先輩」
「……してぇの?」
まだなにも言っていないのに、なんで!?と驚きに起き上がると、先輩は寝転んだままニヤリと口元を緩めた。
「キャッチボール、してぇんだろ?」
「なんでわかったんすか!?」
目を丸くして見つめれば、先輩はふはっと息を吐き出した。
「お前の考えてることくらいわかるよ」
何年一緒にいると思ってんの?と呆れた視線を向けてくる。
「じゃあ!」
「いや、今日はボールもグローブも持ってきてねぇし」
あ、そうだった。買い物帰りにたまたま公園を見つけてふらりと寄っただけだ。
「あーあ、したかったなあ」
またゴロリと芝生に寝転ぶ。
「また来ればいいじゃん」
代わりに先輩が起き上がる。
「いつだって来れんだろ?」
不貞腐れて寝転ぶ俺の頭をゆったりと撫でながら、宥めるように優しく声をかけてくる。
「え、また一緒に来てくれるんすか?」
がばりと起き上がって先輩の顔を真正面から覗き込む。
「あたりまえだろ」
なに言ってんの?とばかりに優しく微笑むから、胸の奥がじわりと温かくなった。
そっか、先輩の中ではあたりまえなんだ。
そっか、そっかぁ。
「なぁに、すげぇ嬉しそうじゃん」
「そりゃあ、嬉しいっすよ!」
だって先輩とまたこうして一緒に出かけられるんだから。
ふへへ、と笑うと今度はさっきよりも強めに頭を撫でてきた。あれ、もしかしてこれって。
「ねぇ先輩、もしかして、」
「うるせ、こっち見んな」
先輩の腕はまだ俺の頭の上にあって顔がよく見えないけれど、ちらりと見えた頬は微かに赤く染まっているようにも見える。
「ふーん、へぇ」
「なんだよ」
「いやぁ、別にぃ」
俺だって先輩のことならなんでもわかるんですからね。何年一緒にいると思ってるんですか。
くふくふと耐えきれない笑みが勝手に口から溢れてしまう。先輩は居た堪れなくなったのか、俺から視線を外してまた空を見上げていた。
空にはまだふわふわの雲が浮かんでいて、やっぱりわたあめみたいに美味しそうに見えて。
「先輩、お腹空きません?」
早く帰って先輩の作る美味しいご飯が食べたくなった。
「じゃあ、帰るか」
ふたり一緒に立ち上がり、うーんと空に向かって手を伸ばす。雲に届かなかった手は、先輩の手のひらの中へと吸い込まれる。
「また来ましょうね!」
ぶん、と大きく繋いだ手を振って、ふたり一緒に歩き出した。
硝煙燻る平原、断続的に鳴り響く銃声。
時折、爆発音の後に大地が揺れた。
誰かのすすり泣く声が聞こえる。
うめき声、助けを求めるか細い声が平原に吹く風に解けていき、やがて消えていく。
焼け焦げた死体がそこら辺の石ころのように転がっていた。
たった数時間前まで名前が有り、なんの変哲もないごく普通の仕事をしていたであろう肉塊が。
尊い命と呼ばれるモノが、ただの数字に成り下がり、変わり果てた大地に打ち捨てられていた。
その遥か上空を何機もの戦闘機が隊列を組んで飛んでいく。
蹂躙は始まったばかりだ、と言わんばかりに。
テーマ「大地に寝転び雲が流れる……目を閉じると浮かんできたのは」
#大地に寝転び雲が流れる…目を閉じて浮かんできたのはどんなお話?
風がスィと気持ちいい…
大地はわたしを優しく包む
空にはひつじ雲がぽわりぽわり…
やさぐれてトゲトゲのココロが
溶かされてゆく
私は微睡みの中にいる
このまま眠りたい…
傷ついてボロボロで…
もう高く飛べる羽根もないょ
もう…何もいらない…
このまま眠れるなら…
深い眠りが私を呼ぶの
起こさなくていいんだょ
ごきげんよう…みなさま
そして
ありがとう…
「嗚呼、空は良いものだ。」
どこまでも自由だ。
そう思いながら大地をベッドに目を閉じた。
目を閉じれば現実から離れられる。
空のように自由で雲のように沢山の想像を思い浮かべることができる。
目を閉じ、身を大地と風にまかせればもうそこには眠気がある。
そして私はわくわくする。
「さあ今日はどんな夢が見られるだろうか。」
瞼を閉じるとそこにはどこか懐かしいような家が
1件たっていた
吸い込まれるように中に入ると少し洒落た置物などが
置いてある骨董品屋さんだった
店の中には店員はいなく蓄音機から
クラッシックが流れていた
少しだけお店の中を見ていると
一際目立つ時計が置いてあった
別にその時計が特別派手な訳では無い周りと比べると
とても地味で普通だったら目にもとめないようなものだった
その時計をよく見てみると
〝過去に戻れる時計〟
そう書かれていた
私はそんなことがあるわけないと思いながらも
いつの間にか手に取っていた
#8 大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると
浮かんできたのはどんなお話?
初夏の陽気を受け、草木生い茂る山の麓。
広がる草原に寝転び、流るる雲を友に。
束の間の休息と、紡ぐ物語-
「どうしようかしらねぇ、うーん、うーん…」
真っ黒なキャンパスを前に、うんうんと唸っているのは、神々に定められた序列の末端も末端、ようやく神格に迎え入れられたばかりの、分かりやすく言えば新人でした。
この新しき神に与えられたのは、創世の試練と権能の見定め。
できあがる創世記は、神にとって己を表す大事なもの。作り上げた世界を愛せるよう、材料は皆平等に用意されるので、発想や権能がものを言います。神なので制限時間はありませんが、しっくりくるアイデアが見つからず、新しき神は悩んでおりました。
人間で言えば、工房のような美術室のような。
そんな空間を気分転換も兼ねてウロウロし始めました。
「これが終わらないと仕事がもらえないのよね。でも、やっつけ仕事なんて絶対イヤ。きっと、これだ!って言うものが見つかるはず…」
さらなる天を見上げたり、自分の爪先を見下ろしたりしながら、孤独な存在に特徴的な誰に話しかけるでもない独り言をブツブツ呟きながら歩き回ります。
-ガッ!
お分かりですね。周囲への注意を怠った神は、絵の具入れを蹴飛ばしてしまいました。
「ああっ!やっちゃった!あー!しかもキャンパスにまで飛んだし!」
蹴飛ばされた衝撃で、色とりどりの絵の具は、大小ばらばらとキャンパスに飛び散っています。
それは、エネルギーに溢れた爆発のようにも見えました。
「あー…うん、まあ、これが私よね」
どうやら新しき神は無事に、
自身の権能と向き合い、
創世に本腰を入れることができそうです。
突如の衝撃から始まった創世は、
止まらぬ世界の広がりはそのままに、
少々の手心を加えることで行われた。
熱き太陽と廻る星の核が大地を温め、
吹き抜ける風によって更に匂い立つ。
木々や草花が歌い、動物たちは踊る。
それ即ち、創世の奇跡なり。
どんなお話?
ゆうと
【ハッピーエンド】な
お話がいいなぁ♪
ゆうと結婚?
したら
本当に幸せそう。
お題「大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?」
「言い天気...」
ある日の晴天の午後、とある少年がポツリとそう呟いた。
とある木陰の下で昼寝をしようと思って寝転んでいた少年であった。
ただただ流れる雲をボーッと見つめていた彼。そこに誰かが現れた。
「ん?なんだ猫か...」
茂みから出て来たのは人懐っこそうな丸い顔した猫だった。
その猫は少年の隣に丸くなり、昼寝をし始めた。
その猫をみながら少年もゆっくり瞼を閉じて眠りについた。
目が覚めればそこは、雲の上だった。
状況が理解できない。そう感じた少年は咄嗟に走り出した。
しばらく走るとそこにはさっき見た猫が座っていた。猫は言った。
「ようこそ。天国へ。」
少年は目を丸くし、猫に尋ねた。
「なんで、僕は天国にいるんだい!?」
猫は顔色一つ変えずに言った。
「あなたはあなたの両親に売られたのです。」
少年は腰を抜かした。そして、絶望のどん底に叩き落とされたような気になった。
自分を愛していると思っていた両親が、よりにもよって悪魔ではなく、「天使」に自分を、自分の魂を売ったという現実を知ったからだ。しかし、猫は言葉を続けた。
「あなたの両親は、お金が欲しいが為だけにあなたを売ったんです。妹さんの時も、そうでしたよ。」
驚いた。両親は自分に妹は事故に会ったと嘘を付き、天使に魂を売っていたなんて。
「ここは天国です。妹さんもいます。もう帰れませんがゆっくりしていってください。」
猫はそう言って消えていった。
少年はしばらくその場を動けなかった。
天国にこれて嬉しいという感情より、両親が自分を裏切ったという事実を受け入れられなかったからだ。
出ないはずの涙が溢れそうな気分になった。
もう二度と友達に会うことも生き返ることも不可能なのだ。
題名 「木陰の下での物語」
まっさらな草地に大の字で寝っ転がると、気持ちいい風が頬を撫でた。見上げる空は底抜けに明るく、ゆっくりと雲が流れてゆく。
そのままゆっくりと目を閉じて、風の唄に耳を澄ませていた。
目を開けた時、そこが見知らぬ土地に早変わりしていはいないかと、期待半分不安半分、少しドキドキしながら。
少し肌寒い風が流れて起き上がると農家のような見た目をしたおばあさんが話しかけてきてくれて、少し話すと打ち解けて夕食を奢ってくれる話