硝煙燻る平原、断続的に鳴り響く銃声。
時折、爆発音の後に大地が揺れた。
誰かのすすり泣く声が聞こえる。
うめき声、助けを求めるか細い声が平原に吹く風に解けていき、やがて消えていく。
焼け焦げた死体がそこら辺の石ころのように転がっていた。
たった数時間前まで名前が有り、なんの変哲もないごく普通の仕事をしていたであろう肉塊が。
尊い命と呼ばれるモノが、ただの数字に成り下がり、変わり果てた大地に打ち捨てられていた。
その遥か上空を何機もの戦闘機が隊列を組んで飛んでいく。
蹂躙は始まったばかりだ、と言わんばかりに。
テーマ「大地に寝転び雲が流れる……目を閉じると浮かんできたのは」
5/4/2023, 1:31:52 PM