しじま

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10/25/2024, 4:47:10 PM

見渡す限りの広大な砂漠。

その下には何があるんだろうね。

もしかしたら超古代文明の遺物とかが眠ってたりするかも、と目を輝かせながらテレビのドキュメンタリーを見ている君。

宇宙戦艦は出てこないと思うよと、あの有名なアニメ主題歌のイントロ部分を、少し音痴に口遊む君に言った。

テーマ「友達」

10/25/2024, 8:40:29 AM

ちょっと、トイレに行きたいんだけど……。

膝の上、香箱座りで舟を漕ぐ君を見下ろす。

ゴロゴロと喉を鳴らして、時折前足で脹脛をモミモミしてくる愛くるしい君の為なら、もう少しだけ尿意を我慢出来る気がして。

寒そうに毛を立たせている君の背を一撫で二撫ですれば、目が覚めたのか前足をグイッと伸ばした。

あ、退いてくれるかな?

しかし、私の狭い膝の上で君は器用に丸まって本格的に眠る体勢となった。

テーマ「行かないで」

10/24/2024, 6:58:14 AM

せっかくの休みだというのに、本日は早朝から家の手伝いに駆り出されている。

垣根仕立てのブドウ畑をカゴを載せた台車と共に佇む。

収穫用のハサミでパチリパチリとブドウの軸を切っては、たわわな赤い房をカゴの中に容れていく。

熟した房が手近に見当たらなくなると一歩、二歩、横にズレて再びパチパチと房を収穫していく。

同じようにブドウを収穫している父母、手際の良さかどんどんと遠くへ行ってしまう。

貴方は自分のペースで来ればいいのよ。

遠くから聞こえた母の声に、わかったよと応えた。

遮蔽物のない農地に降り注ぐ日光が、冷えた手足をじんわりと暖めていく。

くあっ、と大きく口を開けて欠伸を一つ。

一杯になったカゴの上に新たなカゴを載っけて、ブドウの房を一つ手にする。


 そんな、優しい夢から醒めて独りベッドの中、パジャマの袖で目元を拭った。

テーマ「どこまでも続く青い空」

10/22/2024, 7:56:03 PM

 君は一張羅で良いねえ。

日当たりの良い縁側で寝っ転がって寛ぐ君にそう言えば、庭を眺めていた綺麗な緑色の目が此方に向けられた。

 こんな面倒臭いこと、しないで良いんだからさあ。

山と積まれた夏向けの衣類を一つ一つ畳んで収納ケースへと入れていきながら、眠そうに目を細めている君を横目で見る。

少々不服そうに鼻を鳴らした君が、大きな欠伸をしたかと思ったら、自分の後頭部を後ろ足でガガガッと掻きむしった。

 ああっ、なんてことをするんだ。

風に乗って此方へ押し寄せてきた大量の抜け毛が収納ケースの中へ吸い込まれていくのが見えて、盛大な溜息を一つ、畳んだTシャツを毛塗れのケースの中に押し込んだ。

テーマ「衣替え」

10/17/2024, 12:26:25 PM

アトラス彗星が次に来るのは八万年後。

その時に地球はまだ存在してるのかな?

八万年後の人間は、動植物は、どうなっているんだろうか。

ガンダムは作ったかな?
コロニーで生活してる?
……勉強は大変だろうな。
オルトの雲の先はどうなっている?
宇宙人には会えた?

その頃には、また私は生まれているかな?

居ると良いなあ。

……次生まれる時は、もう少しイケメンでヨロシクお願いします。

 そう願いを込めて、青白い彗星の尾を仰ぎ見た。

テーマ「忘れたくても忘れられない」

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