『刹那』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「刹那」
あぁ、わかってしまった。
これまで僕は、君のことを“点”でしか捉えられなかった。
笑う顔
怒った顔
泣きそうな顔
真剣な顔
心配そうに僕を見る顔
楽しそうに弾む顔
ふっと優しく笑う顔
どうしてだろうと、ずっと思っていた。
けれど、点はいつか線になる。
ひとつひとつの刹那がつながって、君という輪郭が浮かび上がる。
その瞬間、気づいてしまった。
――大好きなんだって。
刹那
この一瞬を…忘れられないと思う…ただ、ちょっとだけ、指先が触れただけなのに…
何かが、心の中で、ギュッと締め付ける感覚を覚えた…本当にほんの一瞬だけ、普段なら、気が付かない位の触感なのに…
出逢って暫く経つのに、突然訪れたこの不思議な初めての感覚…
夢でいいの
幸せなら
それが嘘だって
刹那の幸福を
奪わないで
永遠に沈んでいさせて
「刹那」
夜のガソリンスタンドは、昼よりも静かだ。
先輩はいつも通り無口で、必要なことだけを淡々と教えてくれる。
「寒くない?」それだけ言って、先輩は自分の上着を軽く差し出した。
特別じゃないって、わかってる。誰にでもそうする人だって、知ってる。
それでも、受け取った刹那、胸が痛くなるくらい嬉しかった。
少しだけ近づいた気がして、でもきっと、それ以上はない。
先輩は何も知らないまま、今日も静かに「お疲れ」と言う。
その一言が、こんなにも遠い。
いつの日か、君に恋をしていた
君は太陽のように明るく照らすような人ではないけど、
月のように静かに皆を支えるような、そんな君に惹かれた。
ふいに笑ったり、バトンをぽんぽんと叩く君に。
だけど、この恋は叶わないよね
一瞬で虜になって、一瞬で悟ってしまう。
刹那 𓈒𓏸𓐍 𓇢
『刹那』
言葉にした瞬間、もう違う。
そう気づいたのはいつからだろう。「好き」と口にするより先に、その感情はすでに形を変えている。声に乗せるあいだに、何かが剥がれ落ちる。残るのは正確な複製ではなく、近似値。それはもう、嘘の一種だ。
感情というのは、名前を持たないうちが一番純粋なのかもしれない。胸の奥で火花のように散って、まだ何ものでもない、あの一瞬。それを「切ない」と呼んだ途端、輪郭ができて、温度が下がって、标本のように固まってしまう。言葉は救済でもあるが、同時に、感情の死亡診断書でもある。
刹那、という字がある。仏教では七十五分の一秒、あるいはそれよりもずっと短い時間の単位だという。人が「感じた」と認識するより前に、すでに無数の刹那が生まれ、死んでいる。だとすれば、私たちがどこかで感じたと思っているものの大半は、記憶が後から作り上げた物語に過ぎない。感情の実物など、最初から誰も触れたことがないのかもしれない。
それでも人は言葉を探す。
嘘だとわかっていても。近似値しか掴めないと知っていても。むしろその不完全さに縋るようにして、「愛している」と言う。「悲しい」と言う。言葉が感情を裏切るたびに、また新しい言葉を重ねる。その連鎖が、どこか愛おしい。
私はあなたに、本当のことを言ったことがあるだろうか。
声にした瞬間に零れ落ちるものを、あなたはどこかで受け取ってくれているだろうか。言葉の隙間に滲んだ、あの、まだ名前のない感触を。
やりたくないことを
やらなくていいのなら
どれほど幸せだろうか。
でも、
やりたくないことほど
将来に繋がる
やっておいた方がいい事とされること。
ため息をつきながらでも
やらなきゃいけないこと。
私にとっては
今が幸せじゃなきゃ意味無いのに
将来の見えない幸せのために
みんなは我先にと
やりたくないことをやっていく。
"Good Midnight!"
刹那主義で
自分と今を
1番大事にしたい。
もしかしたら
周りに置いていかれるかもしれない。
だがしかし
今日は夜更かし。
ちょうど二年前のこの頃「春刹那」という単語をどうしても詩におさめたいと思っていたことを思い出した。春の豊穣さが広がる感じと刹那のぶつ切り感を混ぜたら霧を固めたような美しさになるのではないかと思っていた。完成した詩はヨルシカの春泥棒に似たオリジナルなものとは言い切れないものになってしまったが、新しく言葉を生み出す楽しさを感じていたあの夜は特別だった。
刹那の間に
人が生まれて、人が死ぬ
誰かが恋に落ちて、誰かの好きが嫌いになる
刹那という時間を切り抜いて、全人類をかけると
そこには一生分の時間がある
そんなことをぼんやりと思いつつ
自分の人生を生きている私は
刹那に何を提供できるのだろう
瞬きするような刹那という時間の中で
私はもがき、苦しみ、誰かを愛して
静かに焼かれる
歩みを止め、後ろを振り返ると
そこに命をかけた刹那があった
一瞬の詩
刹那
キミと過ごせた時間は
ドラマチックで
なんて 刹那的だったか
思い出せば 虚しさで 胸がいっぱいになる
刹那を繋げて永遠に。
preserved roseの「短い夢を重ねて永遠にして逝く花の偽りが切ない」って歌詞思い出す。
短いものの連なりは作れても1本の永遠に続くものは作れない。
inherit the forceの「無間の想い継ぐ 運命に乗り込める」って歌詞も近いかもしれない。人はずっと生きられないから絶え間なく想いを託して継いでいく。関係ないように思えてガンダム感ある歌詞満載。
この瞬間を生きなさいって良い言葉だけど、この刹那を生きなさいだと少し、世界観が変わってきますね。殺伐としてる。
近づいては行けないと何度も言われていた危ない魔導書が並ぶ書架の方に転がって行った鉛筆を追いかけたのが、全ての始まりだった。大して傾斜もないはずの床をコロコロ転がっていく六角鉛筆。まるでナニカにおびき寄せられるような、そんな不自然さに気付けずに、ただ止まらない鉛筆を追いかけた。
「ナギ?ねぇ。そっちはだめって師匠が」
いつもならそう言われたら素直に諦められるのに。なぜかユキの声が妙に遠くに感じた。だって、まだ鉛筆を拾ってない。あの鉛筆を拾わなくちゃ。
少し奥にあった簡素な木机の足にぶつかってやっと止まった鉛筆を拾い上げる。さぁ、ユキの元に戻らなくちゃ。振り返った刹那、
「ナギっ!」
ユキの声。ドンッと突き飛ばされて右のこめかみに衝撃が走る。驚きが勝って痛みが飛ぶ。全ては一瞬だった。クラクラする視界を何とか持ち上げて自分の立っていた場所に目をやった。大きく開いたページにじわじわと吸い込まれていくユキを見た。
「っ、ぅ」
抵抗している呻き声。でも、本は無情にも閉じられていく。
「……ゅ、き……」
手を伸ばす。助けたくて。でも届かない。視界がブレる。バチン、ブラックアウト。次に目を覚ました時には、もうユキは遠く、遠くに行ってしまった後だった。
あの時、完全に本が閉じる前にこちらを見たユキの顔がどうしても思い出せずにいる。
【刹那】
この一瞬一瞬の刹那を
忘れることないように
今できること、やりたいことを
一生懸命 続けていこう
そうすればいつか
報われると信じて
刹那と聞いて最初に浮かんだのは、ある瞬間に周りがスローになるという現象でした。
調べたらこのことをタキサイキア現象と言うそうです。
※
タキサイキア現象(Tachypsychia)は、極限の緊張状態で、周囲の景色がスローモーションのように感じられる心理現象です。
強い情動によって脳の情報処理能力が「ターボモード」のように一時的に高まり、視覚の時間精度が約10%向上することで、脳内で詳細かつスローに処理される仕組みです。
※
だそうです。なので私が実際に体験したタキサイキア現象の話をしたいと思います。
――――――――――――――――――――――
私が彼と付き合いはじめてから一ヶ月くらい経った頃の話です。
週末の夜、私の運転で彼を助手席に乗せて国道を走らせていました。
私はハンドルの上部をハの字に握り、前を走る車のブレーキランプを眺めていました。
車内には、微かな低音が響くジャズが流れ、少し開いた窓から心地よい夜風が入ってきています。
すると、彼が私の名前を呼んで言いました。
「ねえ、ストップ、ストップ」
何事かと思い、アクセルを離してブレーキを踏んだその瞬間、それは訪れました。
助手席に座っていた彼が急に私に近づいてきたのです。
視界の端に入ってきた彼の顔は、まるで4Kの超高解像度映像のようでした。
スピーカーから流れていた音楽が、引き伸ばされたテープのように不自然に低く歪み、やがて完全な静寂になりました。
左目の視界を覆う輪郭の影、乾燥して少しだけ荒れた表面の質感、そして微かに開いた口元から漏れる熱、すべてを克明に感じました。
次の瞬間、頬に柔らかい感触と、
彼独特のアーモンドの香りが弾けました。
信号待ちでもない、走行中のあまりに唐突なキス。
彼が身を寄せた瞬間、車内の芳香剤の香りを突き抜けて、彼自身の匂いが鼻腔を抜けました。
洗いたてのシャツのかおりと首筋の匂い。そして、唇が触れた瞬間の感触——。
柔らかく、そして生きている熱を持っていました。
私の心は、驚きを通り越して、凪いだ海のように静まり返っていました。
ハンドルを握る指先にはまだ微かな震えが残り、手のひらは、彼の体温を覚えたまま汗ばんでいます。
自分の心臓が「ドクン、ドクン」と、信じられないほどゆっくり、力強く脈打つ音です。
彼のまつ毛の震え、驚かせたことを楽しむように声をかけてきました。
「……びっくりした?」
彼の声が聞こえた瞬間、魔法が解けました。
消えていた走る車の音がゴォッと一気に通り過ぎ、車内のジャズが再び流れました。
世界はスピードを取り戻しました。
実際には一秒にも満たない出来事だったはずなのに、私の中では数分間のドラマが完結したかのような疲労感と高揚感が残っていました。
――――――――――――――――――――――
以上です。これは実際に私が体験した話ですが、要するになにが言いたかったのかというと、タキサイキア現象は文章と相性がいいということです。
一瞬の出来事を言葉を費やして描写すると、言葉の数だけ解像度があがり、しかも読むのに時間がかかるため、読み味がタキサイキア現象に近くなるような気がするのです。
成功したかどうかは分かりませんが楽しんでくれたことを祈ります。
〈刹那〉
刹那的な快楽のみを重ねて享受し、
何も得ず、同時に無いものを失う。
指を弾くより短い間。
刹那を知り、笑え苦しめ笑い飛ばせ藻掻け。
刹那
__あの日から私の頭の中は、あの人のことでいっぱいになった。
なんとなく、あの人は私に似ていると感じた__
一ヶ月ぶりだろうか、今日は、珍しく雨が降っていた。
昼になっても止む気配はなく、なんとなくクラスの雰囲気はどんよりとしていた。
「…なんじゃこれ。」
ふと、昨日、あの人が彼の机の中にパンのゴミを入れていたことを思い出した。
「えっと、昨日の放課後にこの教室に来た子が入れていってたよ」
「あぁ、あいつか…。
そいつと話したのか?」
「少し」
「面白いやつだろ、俺の幼馴染でな。こうして構ってほしい時にゴミを入れていくんだよ。
わかりやすいやつだよな」
(たいていの人は嫌がらせだと思うけど…)
苦笑いをすると彼は突拍子のないことを言った。
「一緒に飯食わないか?
あいつも喜ぶと思う」
「そんなことはないと思うけど。」
「んなことわかんねぇって、ほら行くぞ。
あ、今日こいつ借りてくな!」
彼は自分がクラスメイトから慕われ、そして、女子からモテていることをもう少し理解してほしい。
現に、私の友達は彼を好いており、彼女から向けられる視線が痛い。
「__お前アホか?」
屋上まで連れて行かれ、少々息を切らしてしまった。
まだ降っている雨だが、その人はなんの躊躇いもなく、紙パックを片手に飲み、フェンスにもたれていた。
「はぁ。
さっさと教室戻れ。雨だぜ?」
「やなこった。
今日はお前と食うんだ!」
「ならお前一人でいいだろ。」
「だって、最近この子、あの人たちといても苦しそうだからさ。」
「なんだお前、こいつのこと好きなのか?」
「好きだよ。
あ、もちろんお前のことも好きだぜ。」
「……。」
その人は呆れたようにため息をつき、彼が差し出したハンカチを受け取るとなぜか紙パックを拭いた。
彼は、自身のブレザー脱げば、そのブレザーでその人のびしょ濡れになっている頭を拭いた。
ふと目が合い、彼はそのまま少し恥ずかしそうに口を開いた。
「…物事は、人も、モノも、刹那で生まれて、刹那に消えるんだ。
同じ雨、って言うけどさ。
今落ちてるやつと、さっきのやつ、別モンだろ。」
その人は、頭を犬のようにブルブルと振りその場に座った。
「あちょ、けつ冷たいだろ!
これ下に引け!」
なんも躊躇いもなく自身のブレザーを差し出し、そうだな、と、なんの躊躇いもなく座るその人たちに、私はなぜか心底羨ましい気持ちが生まれた。
「お前も座れよ、昼休みが終わるまであと5分だぜ」
「え!?」
「ほら、食えって。冷めるぞ。」
刹那
私は中学3年生。
幼い頃からずぅっと運動するのが大好きで、陸上をバリバリやっていた。
その中でも大好きなのが"棒高跳び"跳べば跳ぶほど記録が伸びて、空中にいる時はまるで本当に飛んでいるかのようにも感じられた。
中学1年、総体で惜しくも記録に届かず敗退。
中学2年、努力の末、準決勝まで上り詰める。
そして今年。
今まで積み上げて来たもの、長いようで一瞬だったあの練習
この総体で最後。
会場に入るとたくさんの学校の生徒が来ていた。
友達を応援する人、家族、先生。
私の知り合いもちらほら来ている。
心臓の音がうるさい、何度来てもこの空気感には慣れない。
そうこうしているうちに競技が始まり、あと少しで私の番。
この待っている時間がとてつもなく長く感じる、あ...前の人引っかかってる...なんて考えてる場合じゃないのに。
ピー!!!!
笛がなった。私の番だ。呼吸が浅い。心臓の音がうるさい。
冷や汗が止まらない。
これで"私"が決まる。
助走、そして、跳ぶ。
ピー!!!
あれ...?終わり?終わりの笛がなった。私の横には
ハードルが落ちていた。
結果はハードルに引っかかり、初戦敗退。
これで終わりじゃない。次は高校を目指して練習を始める。
「私は諦めないよ。あなたはどう?」
刹那、話してみようと思ったのだ。
僕の頭の中に、それを話した後の未来がフラッシュのように瞬いた。驚いたきみの表情。その唇は震えるに違いない。目は見開かれ、声は上ずり、もう一度聞き返すかもしれない。
「本当だよ」
僕は想像した未来のきみにそう話しかける。
「本気できみを殺そうとしていた。そういう仕事をしていたからね。いつも通り依頼を受けて。まあ簡単だと思ったよ。あまりに無防備すぎる。いつでもその手をひねってくるりときみをダンスさせることだってできた。その後首にナイフを突き立てることもね」
——「どうしたの? 黙っちゃって」
その声に、僕の想像はふわりと紅茶の香りに溶ける。
今目の前にいるきみはきょとんとして僕を見ている。そのあまりに無防備な瞳で。
「何でもないよ」
いつも通り口角を上げて、カップの紅茶を飲み干す。
もう少し黙っていよう。きみのせいで僕の人生プランが狂ってしまったことは。
【お題:刹那】
【刹那】
当たり前は当たり前では無いこと。
それは、誰もが知っていることだが、
誰もが忘れてしまっていること。
当たり前とは、刹那に過ぎ去っていくもの。
誰も知らないうちに、静かに消えていく、
どうにか阻止しようとも、止められるものではない。
だから当たり前がある内に頑張るのだ。
いつか無くなったとしても、前を向けるように。
その当たり前が無くならないようにすることは、
いつまでも続くように努力することは、
できないのでしょうか。
どうして、いつもあるはずのものが無くなっても
前を向けるのか。
どうして、今までと違うままでも
進んでいけるのか。
当たり前が当たり前にあること。
それを望むことを許してはくれないか。
そのために、努力をすることを
どうか無駄だと思わせないでくれ。
時間とは残酷なものだ。
たくさんのものを消して、増やして、変化させる。
過去のまま、いつまで置いては置けない。
必ず変化し、衰退させ、忘れていく。
それがどれだけ辛く、苦しいことか。
時が経つのは一瞬だ。
その辛く苦しいことすら、忘れさせていく。
誰も私を覚えていない。
そんな世界もあるかもしれない。
それでも私の見ている世界は昔と変わらず 今も続いてる
せめてそう思わせて。
昔と変わらない景色なんて、ここにはない。
もう記憶の中にしかない。
それは多分、悲しくて苦しいことだ。
刹那に移りゆく世の中に、
変化しない何かを求めるのは間違っているでしょうか。
いつもまた同じものを見れるという当たり前も
当たり前じゃなかったのかな。
お題 「刹那」
今日は難しいお題だ。刹那って一瞬のことだよね。調べたら、刹那とは一瞬の出来事や、将来を考えずに今だけを生きる態度を表すと書かれていた。自分は果たしてそのように生きれているのだろうか。私はいつだって将来のことを考えてしまうし、今だけを生きるなんて無理だ。それもまあ人生なのかもしれない。仏教的な意味では「今この瞬間を精一杯に生きる」と書かれていた。これなら私にも当てはまっているのかもしれない。けれど、「将来を不安視せず、ただ刹那に生きる。」という例文を見た時、そういう生き方もありかもしれないと思った。