「刹那」夜のガソリンスタンドは、昼よりも静かだ。先輩はいつも通り無口で、必要なことだけを淡々と教えてくれる。「寒くない?」それだけ言って、先輩は自分の上着を軽く差し出した。特別じゃないって、わかってる。誰にでもそうする人だって、知ってる。それでも、受け取った刹那、胸が痛くなるくらい嬉しかった。少しだけ近づいた気がして、でもきっと、それ以上はない。先輩は何も知らないまま、今日も静かに「お疲れ」と言う。その一言が、こんなにも遠い。
4/28/2026, 3:08:13 PM