「刹那」
夜のガソリンスタンドは、昼よりも静かだ。
先輩はいつも通り無口で、必要なことだけを淡々と教えてくれる。
「寒くない?」それだけ言って、先輩は自分の上着を軽く差し出した。
特別じゃないって、わかってる。誰にでもそうする人だって、知ってる。
それでも、受け取った刹那、胸が痛くなるくらい嬉しかった。
少しだけ近づいた気がして、でもきっと、それ以上はない。
先輩は何も知らないまま、今日も静かに「お疲れ」と言う。
その一言が、こんなにも遠い。
「生きる意味」
毎日、毎日同じことの繰り返し
6:50布団から飛び出しロフトから降りる
また昨日と同じ一日
それでも目の前のことをする以外選択肢はない
駅のホームは人で溢れている
みんな昨日と同じことをしてるんだ
「生きる」ってこんなにつまらないんだ
でも生きてる中で少しのハプニングや変化が生きる活力になる
私たちはこの世界に生かされている
誰が支配してるのかそんな哲学的なこと考えてもキリがないので明日も同じ一日に期待してみよ
「雫」
春が過ぎそうになり夏が近づく
毎日忙しい日々であなたを考える時間も少なくなった
換気扇の下でタバコを吸う時間だけ思い出してしまう
クリスマスの夜バイト先の喫煙所で一緒に吸ったラキストの味
片思いのまま離れ離れになってお互いの夢に向かっている
きっと雨が降ったらまた思い出してしまう
雨の中のガソリンスタンド
梅雨は大っ嫌いだったけど雨にうたれながら一緒にバイトしてた日だけは大好きだった
もう一生会えないかもね、もう隣がいるかもしれない
梅雨なんて来なければいいよ
枯葉
冬が来て気温が下がり、日照時間が短くなって、植物は光合成をやめる
まるで自分と同じようにもろくて砕けやすい
青葉の鮮やかさは消えて地面に這いつくばっている
あなたと出会った初めての夏は、シトラスの香りがした
もうあの香りを一生感じることはできない
春が来て「さよならしよ」
また夏が来たら、新しい青葉になって、新しい日々が始まる。
「誰よりも」
誰よりも好きだった
あなたに好きな人がいるって友達から聞いたよ
好きな人から連絡が返ってこなくて悩んでるんでしょ?
それは私じゃないことくらいわかるよ
だって奥手すぎてLINEを送ったことないから
前の彼氏と別れたのもあなたが私の前に現れたから
あなたが好きな人がいるなら応援したいよ
でもほんとは叶ってほしくない
一生好きな人からの連絡が無ければいいのに
ごめんね誰よりも好きだからやっぱり応援できない