幸せとは
私は昔から些細なことで幸せを感じる
愛猫が初めて一緒に寝てくれた時
靴下が左右ぴったり同じ感触だった日
小説の好きなページだけ何度も読み返す時間
使い切れなかったノートの最後のページ
電車で端の席に座れたこと
そんな些細な幸せを感じる日々でも時々本当の幸せはなんだろうと考えてしまう
まぁ、そんなことどうでもいいよね今が幸せならなんでもいい。
2026年も幸せな日々で溢れますように
遠い鐘の音
夕暮れの坂道で、私は立ち止まった。
風にまぎれて、遠い鐘の音が一度だけ届く。
どこから来たのか分からないその響きは、忘れていた約束をそっと揺らした。
空はまだ明るいのに、胸の奥だけが夜になる。
もう一度鳴る前に歩き出すと、音は消え、代わりに足音が未来へ続いた。
古い洋館のバルコニーで、そっと外を見つめていた。
雪は静かに舞い、白い世界をゆっくりと満たしていく。
手すりに積もった雪を指で触れると、結晶はすぐに淡く溶けて消えた。
「触れた途端にいなくなるなんて……でも、綺麗」
その小さなつぶやきも雪に吸い込まれ、夜の空気に溶けていく。
広い庭も、背の高い木々も、雪に覆われてまるで別の世界のようだった。
消えてしまうものほど、心に残る瞬間がある──
白い景色を見つめながら、そっとまぶたを伏せた。
夜空を越えて
雲の切れ間から、ひときわ明るい星が瞬いた。
星を追いかけるように、海岸をゆっくりと歩く。
暗い海に月の光がゆらりと揺れて、道のように伸びていく。
その細い光の道をたどれば、
まだ誰も知らない場所へ辿り着ける気がした。
波は静かに寄せては返し、
まるで「進んでいいよ」と背中を押す。
足もとに冷たい潮が触れた瞬間、
胸の奥で眠っていた勇気がそっと目を覚ます。
遠くで小さな白波が跳ね、
月明かりに照らされて、まるで笑っているようだった。
凍える指先
今日でバイト先に行くのは最後
私はあえて先輩がシフトの日に制服を届けに行った
先輩はいつものように作業で忙しそうだ
「先輩、お世話になりました。」勇気を出して先輩の背中に声をかけた
「お疲れ様。」その一言だけ
これでもう会うことはないもう会えない
お辞儀をして歩き出す
もっと話したかったこれから会えないなんて連絡先も知らないのに
涙が溢れてきて自分が奥手すぎて後悔でいっぱいだ
1人で歩く道は寂しくて夜風が体に突き刺さる
「寒い」指先が冷たくなり涙すら冷たく虚しい気持ちになる