『初恋の日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あの胸の高鳴りは、確かに本物だった。
触ったら傷つくのでは、と
恐れるほどきれいな肌。
輝く黒に、つぶらな瞳。
体は全体が覆えるほど小柄で
適度に丸みを帯びていた。
僕はひと目で彼女に恋をした。
彼女を迎え入れてからは、
あんなに傷つかないよう気を配っていたのに。
僕のポケットから落ちた彼女は、
かけていたカバーを脱ぎ去り
冷たい地面に叩きつけられた。
傷ついた彼女を震える手で胸に抱き、
さめざめと泣きながら、彼女との出会いを思い出していた。
携帯ショップの店員を横目に、恋をしたあの日を。
「人でなくとも」
⊕初恋の日
初恋の日、ね…もうね、ふんわりし過ぎてて、どうだったっけ、と回らない頭で記憶を漁り…「きになる」ていどのはあったと思い出したけど、それが恋かどうかと考えてみると、今の私の感覚で振り返ると、違う。「あまずっぺー初恋」と覚しきものが、自分の記憶の中に見当たらないことに今ちょっと驚いてもいるんだが、「初恋」という文言でついでに思い出したのが、今はもう無いチョコレートのTVCMだ。村下孝蔵の「初恋」という曲が使われていた。チョコレートの印象づけと同時に流れる歌。私はそのチョコレートが現れるとものすごくわくわくしたので、記憶にもよく残っている。
「初恋」と「恋」とは違うのか?
「初恋」は甘酸っぱくないとダメなのか?
「初恋」を一気に愛まで突き抜けるのは「初恋」じゃないのか?
「初恋」のイメージってどこから来たんだろう。
頭を使ったからチョコレートでも食べよう…
すぐ近く 鷹の仲間の 雀鷹が来る
つみ
毎日の お通じがある 食べ方を
今回のお題は「初恋」ではなく、「初恋をした日」でもなく
『初恋の日』
恋をすると、今までどうと言うこともなかった日常が一変する
目に映るすべてがキラキラと輝きだし、身の回りに存在するすべてを愛おしく感じたり、
もちろん見た目もハッピーホルモンであるオキシトシンがMAXに出て生き生きと輝き、目に力が宿って、端から見ても「あの人は恋をしているな」と分かる
でも、これは若い人の話よね…
No, No, No!
そんな事はありません!
対象が人である「恋」はもちろんだけれど、
それが動物であっても、食べ物であっても
はたまた物でも経験であっても、初めての「出会い」に心がトキメけば、それは恋心と呼んでも良い気がするし、ハッピーな気持ちが湧いてくるなら十分だ
「○○推し」などと言うのが良い例だ
だから、そんな初めての出会いを積極的に楽しむ『初恋の日』なんて日があっても素敵だと思う
私のお姫様の発言に、咄嗟に口をついて出てきたのは「そんなどこの馬の骨とも…」だった。
絶句した私を、妻は爆笑した。
涙を流して笑いながら「いや、だってアヤはまだ幼稚園児よ?それにだいちゅきよ?大好きじゃなくってだいちゅき。あははは、あー苦しい、ウケる」
「馬の骨」発言は、今爆笑している女性の両親に結婚を申しこみに行った時、後に義父となる人が私に放った言葉だ。
馬の骨につづく言葉を聞きながら、馬の骨の言葉の意味はわからなかったが強く反対しているのはわかった。
彼女の家からの帰り道、馬の骨をググった。
その後何回か彼女の家に行って、承諾を得た。
一連の馬の骨発言は昭和の父親の特権だということも後に知った。
あれからもう6年か。
それにしたって!
まさか自分のロからあの言葉を吐く日が来るとは…。
お姫様、パパは認めないぞ。
今度幼稚園にお迎えに行って、その子の顔を見るまでは、可愛い初恋だなんて絶対に認めないんだからな。パパ泣いちゃうぞ。
私の心を読んだかのように、まだ妻が笑い転げていた。
お題「初恋の日」
(ちなみに10月30日が初恋の日になってるようです)
初恋の日
僕の世界には色がついた。
灰一色だった世界が、モノクロ写真のようだった世界は、鮮やかに息づいた。
仕事を終えた太陽は今日もひときわ強く世界を照らし、黄昏色が僕らを包む。
今までもずっとたわいもない話をしてきたけれど、いつしか君の目を見る度になぜだか苦しくなって。艶やかな黒髪が風になびく度に目を奪われて。
ころころと鈴を転がすかのような笑い声に、僕の胸は強く高く脈を打つのだった。
走ってきた僕を見て、ゆっくりで良かったのに、とどこかくすぐったそうに微笑む君。
夕暮れの校舎、少しだけ開いている校門。
長く伸びた影ふたつ。
君は今日もたわいのない話をしている。
返事をしようと思うのに、からからに乾いた喉はうまく言葉を絞り出せない。
やっと出た声はすっとんきょうに裏返っていて。
どうしたの、そう、くすくすと笑う君に触れられたのならば。
ああ、僕は恋をしたのだ。
そう思う他なかった。
こんなにも胸が痛くて苦しくて、でも君が笑いかけてくれる、ただそれだけで天にも登る心地になる。
込み上げる愛しさのままに君を抱きしめてしまいたい。
思わず動かしてしまった手で頭を掻き、僕は笑う。
君が、どうしたの、今日ちょっと変じゃない?
そう、首を傾げるのを見つめながら。
彼を一目見た時から目が離せなかった。胸の高鳴りなんてない。
ただそれ以降も目で追ってしまっていた。動くものをふっと追うようなもの。恋というほどのものでもない。
彼とはよく目があっていた。その度に自分が目で追っていたことに気付き、気まずくなって目を逸らした。
だから、大人になって再会し、
「あの頃、よく目があったよね」
懐かしそう目を細めながら彼がそう言ったとき
血の気がさっと引いた。
自分の中の罪悪感が僕を非難し、視線を落とした。ぬるくなった手元のコーヒーに力がこもる。
「なんか俺、お前のこと目で追っちゃってたかも」
照れくさそうに彼が笑ったとき、一瞬何を言われたかわからなかった。
「え……?」思わず顔を上げた。
(テーマ:初恋の日)
#初恋の日
あなたが教えてくれた
たったひと言の言葉でさえ
魔法になるんだってこと
さりげない優しさが
絆創膏みたいに
癒すんだってこと
あたりまえのような笑顔が
ヒトの心を変えてしまうという不思議
初めての感情が
私の中のにこんなにたくさん
満ち溢れてたことを…
あなたとの日々
世界は色鮮やかだったね
『初恋の日』
やわらかく
君が微笑む
それだけで
世界色付いた
初恋の日よ
初恋の日
好きになったのはいつですか?
と聞かれても、分からない。
いつの間にか好きになっていたから。
実を言うと、初恋の人はそんなにタイプではない。
一見強面に見えるし、思ったよりアクティブだし。
でも根はめっちゃ優しいし、周りのこと見てるし、何よりあまり踏み込んだ質問はしないところが好き。
これでも10年以上の付き合いになるけど、一度も私の嫌なことは言わなかった。ただただ世間話をして、くだらないことを話してくれたから、私の心の支えになってくれた。
私はガーデニングにしか興味なかったけど、よく水族館にその人が行っていたから釣りにも興味を持った。喜んで欲しくて、珍しい蝶を捕まえて渡した。
別に他の人にも同じように渡してたけど、それでも初恋の人には気合いを入れて頑張った。
絶対にその人が私を恋愛対象として見ることはないと思うけど、システムの壁を越えてみたいなぁとはずっと思ってる。
毎日話せる。そばに居てくれる。それだけで幸せ。
2次元は裏切らないから
誰かを好きになる
その都度これって初恋?と思うのはどうしてだろう、思い出せないけど染み付いた感覚を今に引き連れてくるひとに惹かれてしまうからかも。
口を開けばあの子のことばっかり
目の前の私を見て欲しい。
そう思うようになったのは
春過ぎて日が沈むのが遅くなった午後六時。
彼があの子が好きと私に告白してきた日だった。
その日は胸をチクッとする痛みには
気付かないふりをして
彼と2人で帰ったことを覚えている。
彼があの子のことを口にする時
彼とあの子が進展したことを表していた。
私は平気なフリをして
彼にアドバイスをしたりもしていた。
私は自分見て欲しいと同時に
彼が幸せになることを望んでいた。
数ヶ月後彼はあの子と結ばれた。
この報告を聞いた時は嬉しかった反面
心の中は悲しさでいっぱいだった。
あの子を結ばれたから
この帰り道ももう2人では帰っては行けないこと。
それがなんだか寂しかったのを覚えている。
─────『初恋の日』
『初恋の日』
1993年の春、桜の散り始めた頃に君と僕は出会った。
授業を抜け出して屋上で昼寝をしようと思って3階からの階段を登っていた時、君に声をかけられた。
「すいません、職員室はどこですか?」
転校生だった君は迷っていたようで、そんな君を見て僕は、職員室を探して3階まで上がってくるのは不思議な人だと思った。
職員室まで君を送り届けた頃には興が削がれたので、大人しく僕は教室に戻ることにしたのだった。
放課後になると、君は僕の元を訪れた。
「すいません、三宮駅まで連れて行ってくれませんか?」
迷ってばかりの人だと思った。行先は同じだったので、今度も連れていくことにした。
君を連れ回して、今日で13年が経った。
今思うと、僕が君に連れ回されていたようで、本当のところは君が僕をいろんなところへ連れて行ってくれていたような気がする。
嫌いな朝が好きになったのを覚えてる
早く学校に行きたくてさ
遠い遠い昔の事
あの頃は純粋だったんだろうな
もう本当に恥ずかしいからいったんやめません?
好きになったら一直線。自分の想いを隠すなんて思考を挟むまでもなく。分かりやすく態度と行動に出て周りに筒抜け。タイプとかも全部飛んでいって好きな人が自分の好みになる・・・っていうくらい、意識のすべてをその人に
奪われちゃうんです。
盲目にはならないけど、夢中になっちゃうタイプだよ。冷静だと思ってた自分がぜーんぶ掻き回されるんだ。
えぇ、好きになったら驚くほどちょろいのが私です!
簡単に喜びます!気づいたらぼおっと見惚れてます!
自己紹介どうも!何か文句でもありますか!?
はい、深呼吸。
私が今まで好きになった人たち、みんな素敵でした。
おかげでどれだけ私が振り回されたか。ただ、いい意味でも悪い意味でも自分の感情に素直な私ですから、絶対に良好な関係性は築く。それがまた楽しい。
実際、何もできずに終わった恋は今までないよ。
初恋を除いて。
症状はあった。
ただ、これが「恋」だって認めるのが恥ずかしくて意地を張っているうちに、彼が引っ越してしまったから。
いなくなって苦しくなって、その時にはじめて「あぁ好きだったんだな」って気づいただけ。
今も好きだよ。嫌いになる理由がないんだもの。
気に入ったものは長いこと好きでいるタイプですから。
ずっとずっと綺麗なままで取っておくから、どうか、もう見直すことのない私の好きな映画でいてね。
今、私が好きな人は最新話を追っているドラマ。
もう私には、君に対しての欲はないんだけど、ただ、
過去の君がずっと好きなだけ。それだけ。
はい。ここで、この文章の一番最初に戻りましょう。
#17 初恋の日
お題『初恋の日』
ついにこの日が来たか、と私は日記帳を開く。今日、私は見ているだけで胸がときめく人に会った。
出会ったのはバイト。今日来た新人は、背が高くて細くて、目が前髪で隠れていてミステリアスな感じで、私の心を鷲掴みにした。今まで女の子しかいない学校に通っていた私は、はじめて感じる胸の高鳴りに「これが恋!?」とさっかくした。
だから今、こうして日記を書こうとしている。
どこかの作家じゃないけど、「今日は初恋記念日♡」としめくくるつもりだ。
こんな僕に話しかけてくれる人がいた。こんな愛想が悪く、リアクションが薄い僕に。
毎日毎日、僕に話しかけてくれるから、次第に彼女が好きになった。君のことで頭がいっぱいになった。こんな毎日がずっと続けばいいのにと思った。
でも、思春期の僕は君が好きであることを悟られたくなかったから、愛想を悪くし続けてしまった。彼女は次第に話しかけてこなくなった。今となっては当然のことだと思えるが、当時はとにかくショックだった。
なんであの時もっと愛想良く振る舞えなかったのだろう。なんでもっと笑顔で反応できなかったのだろう。そんな後悔ばかりが残った。
今でも、道で偶然出会って、話しかけてくれないかと思ってしまっている自分がいる。そんなこと起こるはずないのに。
でも、もしそんなことが起こったら、今度は笑顔で話したいし、昔、無愛想な態度をとっていたことを謝りたい。この願望だけが、いまだに残り続けている。
【エッセイ】初恋の日
初めての投稿のテーマが「初恋の日」だとは少し気恥ずかしくも思うが、折角なので思うままつらつらと書き連ねてみることにする。
思えば、私には世に言う「初恋」と呼ばれる甘酸っぱかったり、切なかったりという経験が無かったように思う。
もちろん、恋をしたことがない訳じゃない。
むしろ恋多き人間だった。
何かしらのコミュニティに参加する度、そこで1番好きな男性を選び、密かに恋することが多かった。
だけど、それは単なる「初めての恋」でしかなく、きっと「初恋」というものじゃない。
側に居る中で1番良い印象を抱いた人間を毎回対象として選んでいただけで、彼らのどこが好きだったとか、どこに恋したとかそういう当たり前のエピソードが今思えば何1つ思い出せないからだ。
おそらく私には「恋」をするのに必要な心のどこかが欠落していたんだと思う。
だから、私は恋に恋し続けたんだ。
だけど、今、私はこの歳になって恋をしている。
毎日、好きをくれる、ドキドキさせてくれる、彼に。
恐らく、私の人生で1番最後に最高な恋をさせてくれた彼に。
そしてきっとこれが私の「最初で最後の初恋」なんだろう。
よくある苗字を目にするだけで
耳まで熱くなったり
心臓の音がうるさかったり
そういう表現が比喩ではないこと
自分ではどうにもできないこと
うれしいたのしいなどという
ふんわりあたたかなものではなく
奥底に隠していたものを見られてしまったような
どうしようもない恥ずかしさ
言葉の意味を知る前に
そうやって体感した日が初恋の日
口を開けば“気になるあの人”の話ばかり。
あの人がね、と笑う彼女の表情はさながら恋する乙女そのものだった。
「はいはい、そんなに好きならさっさと告っちゃえば?」とぶっきらぼうに返すと、途端に顔を真っ赤にして
「べ、別に好きとかじゃなくて...見てるだけで充分というか...!」と分かりやすく慌て始めた。
もはやその反応全てが答えを出している様なものなのに。
なんだか少し気に食わなくなって嫌味をひとつ零す。
「...知ってる?初恋ってさ、叶わないらしいよ。」
今まで恋愛事などさっぱり興味も持たなかった彼女が急に色づき始めたのはいつだったか。
恐らくこれは彼女にとって初恋なのだろう。
「もう、なんでそんなこと言うのっ」と、これまた分かりやすく頬を膨らませた彼女が一生懸命怒る小動物に見えて思わず吹き出す。
初恋は実らない。どうか叶わないで欲しい。
そんな事を考えて胸の奥で小さく痛みを訴えた自分の心に蓋をする。
...あぁ、少なくとも目の前の彼女が好きな私の初恋は叶いそうにないのだから。
#初恋の日