彼方美雨

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【エッセイ】初恋の日

初めての投稿のテーマが「初恋の日」だとは少し気恥ずかしくも思うが、折角なので思うままつらつらと書き連ねてみることにする。

思えば、私には世に言う「初恋」と呼ばれる甘酸っぱかったり、切なかったりという経験が無かったように思う。
もちろん、恋をしたことがない訳じゃない。
むしろ恋多き人間だった。
何かしらのコミュニティに参加する度、そこで1番好きな男性を選び、密かに恋することが多かった。

だけど、それは単なる「初めての恋」でしかなく、きっと「初恋」というものじゃない。
側に居る中で1番良い印象を抱いた人間を毎回対象として選んでいただけで、彼らのどこが好きだったとか、どこに恋したとかそういう当たり前のエピソードが今思えば何1つ思い出せないからだ。

おそらく私には「恋」をするのに必要な心のどこかが欠落していたんだと思う。
だから、私は恋に恋し続けたんだ。


だけど、今、私はこの歳になって恋をしている。

毎日、好きをくれる、ドキドキさせてくれる、彼に。
恐らく、私の人生で1番最後に最高な恋をさせてくれた彼に。

そしてきっとこれが私の「最初で最後の初恋」なんだろう。

5/7/2024, 10:53:28 PM