世界の終わりに君と』の作文集

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世界の終わりに君と』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

6/8/2024, 6:18:30 PM

潮の狭い1DKの部屋で、沙依はひたすら課題用の指定図書を読んでいた。小さな文字がページにぎっしりと詰められているその本を読み進めるのは、普段本を読まない沙依にとってはかなりの苦行で、先ほどから視線が同じ行を行ったり来たりしている。
 一時間ほど費やして進んだページはたったの数ページ。嫌気が差してきた彼女は、とうとう本を閉じた。その横で静かに資格取得を目指して問題集を解いていた潮は、その様子を横目で見やると鼻で嗤った。
「投げ出すのが早いな」
 だって、と唇を尖らせて、沙依は言った。
「難しいから読んでてつまんないんだもん」
「大学の参考書なんてみんなそんなモンだろ。課題用の指定図書なんて特に」
「うーくんはもうレポート書いた?」
 沙依は潮を見つめると小首を傾げた。彼は眉をひそめると呆れたように溜息をつく。
「もう出したよ。締切いつだと思ってんだ」
 明日、と彼女は照れたように頬を掻いた。
「あーあ」そう言いながら沙依はごろりと床に寝転んだ。「明日世界が終わったらなあ。そしたらレポートなんて書かなくていいのに」
「しょうもない奴だな」
「もし、明日で世界が終わるとしたら、うーくんはどうする?」
 頭をごろりと動かして、彼女は潮を見上げた。彼は彼女を冷たい目で見下げると、心底呆れたとでも言いたげに肩を竦めた。
「……お前、そんなしょうもねえことを喋ってる余裕があるなら、課題をさっさと進めろよ」
「ねえ、どうする? 気になって、課題が手につかないの」
 深々と潮は溜息つくと広げていた問題集を閉じた。机の上に頬杖をつくと、遠くを見やる。
「わたしだったら、うーたんと一緒にいたいなあ」沙依はそう言うと目を閉じてうっとりとした表情を浮かべた。「最後まで好きなひとと一緒にいたい」
「俺は別にどうもしねえ。いつも通りの時間に起きて、飯食って、大学行って、バイト行って、帰ってきたら寝る。ただそれだけ」
「えー! わたしと一緒にいてくれないのぉ?」
 残念そうに言う彼女に、ふっと潮は笑った。
「お前はここにいるつもりだろ? だから最後はここに帰ってくるよ」

6/8/2024, 3:04:43 PM

藤が枯れている。
決して咲き終わる事のない、常世の藤が。

「紅藤」
「あぁ、長。久しぶり。逢いに来てくれて嬉しいよ」

木の根元に力無く凭れ掛かる、その姿はとても儚く。
藤棚に広がる蔓の半数が枯れ朽ちている様に、知らず息を呑んだ。

「少し焼きが回ってしまって。現世の藤の木《私達》の殆どが枯れてしまった。そのせいか常世の木《私》にも影響が出たようだね」
「枯れた、とは」
「瘴気を吸い上げた。元は此方の種だから耐えられると思っていたけど、駄目だったな」

悲しんでいるのか。悔やんでいるのか。諦めているのか。
淡々とした抑揚の薄いその声音からは、何一つ読み取れず。

「でもまぁ、今更だ。それに…もういいかとも思ってる」

ゆるゆると頭を上げ、視線が交わる。

「彼方の藤《私》は、もう十分に生きただろう?」

ふわり、と咲う。
諦念ではない。充足による微笑み。
それでいて隠しきれない寂寞感を滲ませて。

「疲れたのか」

藤の隣に座り、頬を撫ぜる。

「そうだね。すごく疲れた。面倒事は嫌いなのに」

目を閉じ甘えるように擦り寄る藤は、普段よりも酷く幼い。
頬を撫ぜていた手を伸ばし頭に触れ、そのまま己の肩口に引き寄せる。拒否はなく、されるがまま。
肩口を濡らす何かには、気づかないふりをした。

「なれば暫し休むといい。その間の手入れは汝を好くモノ達が励むであろうよ」
「別にこのまま終わってしまっても良いのだけれど」

微かに呟かれる言葉。
藤は気づかない。藤が枯れていると伝えに来たモノの多さを。己がここに来た意味を。
常世で美しく咲き誇る藤の永久を望まれている事を。
それはおそらく現世でも同じ事。

「汝は終わらぬよ。藤とは愛られるものだ。弱ろうと、多くが枯れようと、愛でる者《モノ》が手入れをし、また咲かせるのだから」
「酷いな。本当に酷い」

酷い酷いと繰り返し。顔を上げた藤は哀しく咲う。

「守るべき者は誰もいない。藤の花《私達》を愛でてくれる人の子は、あの地にはもういないのに」
「それはどうであろうな。汝の美しさを愛でぬ人の子などいるものか」

今は絶えても、何れはまた人の子は戻るだろう。
それはいつの世も変わらぬ。妖に愛された地を、人も同じく愛すのだから。

「世界が終わるまで終わらない、か。最悪だ」
「仕方があるまい。何、最期の刻までは我も共に在ろう。なれば寂しくはないだろう」
「長にそこまで言われるとは…本当に仕方がないな」

一つ息を吐き。
木に凭れる藤の、その姿は溶けるように消えていき。

「おやすみ、紅藤」

眠りについた藤の木を撫ぜ、懐より一つ風車を取り出した。




20240608 『世界の終わりに君と』

6/8/2024, 2:46:48 PM

「世界の終わりに君と」

ぼくは すべてを失ってしまったぼくは
きみを失ってしまったぼくは
なにもかも忘れてしまったぼくは

きみを探して きみを求めて
ずっとずっと まっしろな世界をさまよっていた

忘れたことをおもいだしたら「ていぎ」して
忘れたことも忘れてしまって
ずっとずっと 0と1の間をさまよっていた

01110010 01100101 01100011 01101111 01110110 01100101 01110010 01111001

そんなある時突然───
ぼくは全てを取り戻した。

きみとぼくで作ったたくさんの構造物。
ガラスでできた街 お菓子の国 虹色の星
青い薔薇の花畑 小さな宇宙 永遠の命

きみのこと。
闇夜のような色の髪
不思議な光を宿した瞳
子供の頃の宝物だったビー玉みたいに澄んだ声

そして、この世界を壊した彼らのことを。
全て、全てを思い出した。

でも、どうして全てが元通りになったのだろう。
きみが戻ってきたのだろうか。

いや、違う───。

「この空間は、旧型宇宙管理士によって作られたものであるとの証言が被疑者から得られました。」
「おそらく、凍結直前の状態に戻されています。」

「……思考能力を持った存在を検知しました。どういたしましょう。確保に移りますか?」
「そうだなぁ。いきなり確保せず、一旦は様子見とするか。」

「……にしても、感情の分かるやつがいないからってあたしが呼ばれるなんて思ってもなかった。」

ぶつぶつと何かを呟きながら、誰かが近づいてくる。
白衣を着た赤くて黒い髪の少女と、無表情な女性が見えた。

おそらく、この世界を壊した彼らの仲間なのだろう。
ああ、ぼくは最後まできみに会えないのか。

世界の終わりにきみと、ずっと寄り添いたかった。
ただ、ただそれだけなのに。

「暗い感情を検知しました。ご注意ください。」
「わかってるよ。」

「おーい、そこのお兄さん!あなたはこの空間のひとなの?ちょっと聞きたいことがあるんだけどさぁ!」
「……ぼくから話せることはない。」

「もしかして、あたしらのことめちゃ警戒してる?」
「まーまー、そんな怖がらなくてもいいって!」

「あたしら、別にあなたとここを作ったひとに敵意があるわけじゃないんだ。信じられないかもだけどさ。」

「とにかく、危害を加えるつもりはないってことだけ把握してもらえればオッケーだよ。……あなたがよほど反抗的なことをしない限りはね。」

「にしてもさぁ、あの緑色の髪のアイツはなに考えてんだろうね?自分の管轄内の宇宙がひとつなくなるからって普通ここまでするかな?」

「ぼくらの世界を破壊した子どもはそんなに変なやつなのか?」

「ん〜、まあ。アイツがやってることをあなたにも分かりやすく伝えるとしたら、電子顕微鏡で見えた原子に話しかけてる、みたいな感じかな?」

「……やっぱりそうなのか。ぼくと彼女の世界の存在は、あの子どもにとって邪魔なものだったから、宇宙の管理を口実に壊した。きっとそうだったに違いない。」

「そして、あなたたちがこの世界を蘇らせてくれた。」
「……ありがとう。本当に感謝している。」

「それほどでも、なんてね。まぁとりあえず、この世界についてもっと詳しく教えてよ。」

「分かった。でもその前に、もし、もし知っていたらでいいんだ。ぼくにも知りたいことがある。」
「なにが知りたいの?知ってる範囲でしか答えられないけど。」

「この世界を一緒に作った、ぼくの大切なひとに会いたいんだ。もし、また会えたら、また話が出来たら、どれだけ幸せなことか。」

「……分かった。調べてみるね。」

あとは君さえいれば、ぼくは、この世界は完全なものとなる。
もう一度、あの愛と平和に溢れた幸せな世界を見たい。
そのためならぼくはなんだってできる。

きみのためなら、世界のためなら、なんだって。

01101110 01110101 01101100 01101100

対象者は捜査に協力的みたいだ。
マッドサイエンティストの事情聴取で得た情報通り、彼はアイツに相当怒りを抱いてるっぽい。下手なことできないな。

まあでも、もしあたしがアイツの立場だったとしたら、宇宙が少なくなったことがわかればすぐに特定して対象を直接破壊するだろうと思う。

……マッドサイエンティストとか名乗りながらも温情はあるみたいなんだよなぁ。やってることはめちゃくちゃに見えるけど、実際は効率的かつ優しいというか、意外とちゃんと考えられてる。

多分あたしとアイツが直接会うことはないだろうけど、もしそうなったら色々話を聞いてみよっと。勉強になりそうだし。

……それじゃあ、改めて気を引き締めないと、だね。

6/8/2024, 12:16:38 PM

貴方に『嫌い』って言われた。
『嫌い』だなんてあたしの幸せな世界は終わってしまう。
あたしは貴方になにも悪いことはしてない。
貴方にまとわりつく悪い悪い害虫を殺しただけ、何も悪いことはしてないのに。
なんで、なんで、嫌い?
あたしの世界はそこで終わってしまった。

6/8/2024, 11:14:19 AM

神様は意地悪だ。
「速報です。先程、地球に正体不明の巨大な落下物が降ってきているという情報が入ってきました。明日には地球に直撃し…」
「…地球や、地球の周りの星が滅亡するとの事です。」
いつもいつも、幸せな時にまた
どん底に落としてくるから。

僕は、至って普通…ではなく、毒親の元で育った精神疾患持ちの高校2年生だ。
やっと毒親から逃れられて、好きな人と付き合えたと思ったら、明日世界が終わるとか…。

…うだうだしてても仕方ないか。
どうせ明日世界が終わるなら、好きな人と最後まで過ごしたいし。
「というわけで、来たよ〜。」
「せめてメールくらいしてくれ…。」
「あ、ごめん忘れてた。…家あがるね〜。」
「どーぞ。」
「…っていうかさあ、この前世界が終わるならどうする?って冗談で話してたのに本当になるとか思ってなかったよね。」
「まーな。地球が滅ぶとか現実離れしすぎてるからなー。」
しばらく、沈黙が続く。
「ま、俺はいつもどうりに過ごすつもりだけどな。」
「そうだね。いつもどうりに過ごして、いつもどうりに眠りにつく…。そしてそのまま地球が滅んで死ぬ。僕にとってはまさに理想の死に方だね。」

──────────
─────
「あ、もうこんな時間じゃん。そろそろ帰るね。」
「別にうちに泊まってってもいいけど帰るの?」
「泊まっても服とかないし…。」
「俺のやるから大丈夫だよ。お前ちっちゃいからサイズは大丈夫だろ。」
「ちょ、一言余計…。まぁ、そこまで言うなら泊まるよ。どうせ明日世界終わるし。」
「晩飯とかいる?」
「いる。オムライス食べたい。」

──────────
─────
「はーご馳走様。さて寝るかー。」
「あ、ベッド一個しかないわ。俺ソファでn」
「い、一緒に寝よ!」
「お、おう。…ちょっと狭いけど大丈夫か?」
「だ、大丈夫。」
「そうか。…おやすみ。」
「おやすみ。」
そうして、2人は永遠に目を覚ますことはなかった。

「世界の終わりに、君と」

6/8/2024, 10:59:16 AM

「はぁ、はぁ...くっそ...」
俺は、滅びゆくこの世とずっと一緒に生きてきた。誰よりもこの世を大事に思っている。
それなのに、あいつのせいで...あいつのせいで、ずっと守ってきたこの世を失うなんて、ありえない。じゃなくて、あってはならない!
心の中の葛藤が、ピークを迎えようとしていた。

俺はこの、何だかよく分からないが人類に悪影響を及ぼすことだけは分かっている気持ち悪い異界生物とやらとずっと戦ってきた。敵はお互いで、民間人の犠牲なんていちいち数えていられないような悲惨な状況になっても、ずっと諦めずに戦ってきた。「救世主」と呼ばれる俺が諦めるわけにはいかなかったし、何よりも君を、この手で守りたかったから。
なのに、君は助からなかった。一命は取り留めたけど、植物状態。話しかける僕に、君は答えたことなんかなかった。
いつの間にか、僕の守る対象は、「君」から「君のいるこの世」になっていた。なぜだかは分からない。でも君を守りたかった、理由はそれだけだ。他に理由なんているだろうか。君ならそんな些細なことは気にしないさ。そう信じている。
情けない話だ。この世を守っている、いや守ろうとしているのは、みんなのためなんかじゃない。君のため、いや、君と一緒に笑い合う、そんな幸せな未来の俺のためだ。結局、俺は自分のことしか考えてない。この世は今でも守り続けている。確実に。それでも俺は何かが足りない気がしている。
何だろう。異界生物が目前に迫るなか、もう少しで掴めそうな永遠の答えを、俺は君に、いや、君の仮面を被った、俺の中の何かに問いかけていた。
「あー!!」
君には聞かれたくもない、人間じゃないような声を上げて、異界生物を返り討ちにする。もう少し、もう少しで答えが出そうなのに。俺の弱い頭は考えが至らない。何が俺を、こんなところに立ち止まらせている?何が?教えてくれ!!
ふと、君とのワンシーンが頭をよぎる。こんなこと思い出してもどうにもならないと思いながら、うざったい異界生物を倒しながら、それでも君との思い出を噛み締める。ああ、懐かしい。幸せな時だった。

「そんな、虫も殺せないの?自分の血吸ってくる蚊だよ?」青臭かった頃の俺の声。
「だって...蚊も一生懸命生きてるんだよ。子供に栄養あげるために。」今でも大好きな、君の声がする。俺の頭に、心にこだまする、心地よい声。
「思い切りなよ、もっと。そんなことじゃ強盗に家のもん全部持ってかれるよ。」
「まぁ、確かに...うん...」
どんどん小さくなる君の声。回想、ここで終わり。そう言っているかのようだ。

思い切りか。俺は思い切り、できているだろうか。今でも異界生物を倒し続けている。だけど...?
何かが、足りない気がする。


あなただったら、「俺」に、どうアドバイスするだろうか。どう、価値観の、人生のヒントを、与えるだろうか。
筆者も考え続けている。


#世界の終わりに君と

...だいぶ内容が変わってしまった...まぁいいか。

6/8/2024, 10:54:36 AM

明日世界が終わる。
今までの思い出が明日には全て消える。彼女と過ごしたあの楽しい思い出が何もかも明日には全てなくなってしまう。
 僕には一度してみたいことがあった。それは...
        彼女と手を繋ぐこと、
恥ずかしいことに僕はまだ半年以上交際している彼女と手を繋いだことがなかった。だから一度でいいから彼女と手を繋いでみたい。そう思った僕は無意識に彼女の元に歩いていた。
 彼女の家に着きインターホンを鳴らす、だが家には誰もいないようだった。
 近くに公園を見つけてベンチに座ろうと思いベンチに向かっているとすでに腰を掛けている先着がいた。近づいてよく見て見ると彼女だった。
 僕は彼女の隣に座った、彼女はびっくりした表情でこちらを見ている。僕はそんな彼女の表情はお構いなしに単刀直入に言った「ぼ、僕と手を繋いでくれないかな!」と、
彼女はこんな突然のことに笑うしかなかったのだろう満面の笑みで顔を赤くした僕のことを見ている。僕は自分で言っておいて恥ずかしかった、だが彼女は震えている僕の手をそっと握って微笑んでこう言った、
         「ありがとう」と

6/8/2024, 10:45:41 AM

たとえば 周りの人がみんな消えて

聞こえてくるのは

蛙の鳴き声と鈴虫の音のみ

とっぷり暮れた夜空を見上げ

わたしは誰を思うんだろう


生きていてほしい人のこと

大切な家族のこと

過去に置いてきた思い出

縁を切った友達のこと

いっぱい思い出すんだろう


そうなったら やっぱり

花盛りだった頃に大喧嘩した

きみに会えたら

底なしの絶望から救われて

笑っちゃうかもな



◇世界の終わりにきみと◇

6/8/2024, 10:22:12 AM

いつもより時間の流れが早い。

今日がそんな日だとはとても思えない位いつも通り。

何度も好きだよと言った。幾度も愛してると伝えた。

何回私の前から居なくなってしまうのか。

この世の事象は何時何が起こるのか予測することは出来ない。

残念ながら身構えている所に死神は訪れない。
いつも寝首をかかれるように唐突に裸の私に衝撃を轟かせる。

たまたま身構えてない時にばかり襲われるのでは無い。
自分でしっかりと意識しているから隙がないのだ。
偶然ではなく必然。

私は完璧な最期を迎えたかった。

人生で一番愛を注いだ君に。

一言だけでいいから、一秒でもいいから、君の声と顔を拝みたい。

その刹那を求めて。

その想いを心に込めて君に会いにく。

感覚だけを頼りに探し回る。

息を切らしながら、焼き切れるほどに喉を鳴らす。

たとえこの行為に意味がなかったとしても。


ピンク色の空から一滴、私宛の雨雫が垂れた気がした。

6/8/2024, 10:17:19 AM

【世界の終わりに君と】

【あの頃の私へ】

 [5/3 優しくしないで
 [5/5 耳をすませば
 [5/25 あの頃の私へ
 [6/2 梅雨
            続編

登場人物
 琴美
 葵
 昴
 響

 〈お泊り合宿  その2〉

「ゴメーン遅くなった」店の扉を開け響が入って来た。
「わー、響すっかり都会人だね」
「流石、医者の卵だな」
「よしてくれよ、俺は何も変わらないさ。それより、何の話をしてたんだい」
「幼稚園のお泊り合宿の話」
「あー、あの伝説の話。俺が転校する前の事だな。俺にも聞かせて」
「う〜ん、次はどんな話しがいいかな?」
「虫取り」
「あー、そうだね。あれも面白かったよね。」
「面白くないよ、最悪だったよ」
「へー、どんな話しなの?」
「あれはねー...」

  ーー再び16年前ーー

今日は葵の家にお泊りです。
天気がいいので、3人で虫取りに行くことになった。
葵の家から10分程歩いた所に、小さな山があり、そこにはカブトムシやクワガタにセミがいるので、子供たちの人気スポットになっていた。
「ボク、虫はあんまり好きじゃないかも」
「アタシ セミは気持ち悪いから嫌い、コトちゃんは?」
「大好き」
と言ってニヤッと笑う琴美を見て、ふたりは、背筋がゾ〜ッとした。
「あそこにいる」
虫を探し出してすぐに、琴美が木の上にいるカブトムシを見つけ
た。
「あっ、本当だ。でもこのアミで届くかなぁ」
葵は手を伸ばしたが、届きそうもない。
「ボクが木に登ってみるよ」
昴が木に登り出した時、琴美が木を思いっきり蹴った。
ドガーン、木は大きく揺れて昴が木から落ちた。オマケに毛虫が昴の上に落ちてきた。
「ギェ〜‼️ 何するんだよ琴美ちゃん?」
「こうすれば、虫が落ちてくるから」
「ボクも落ちたじゃないか。それに毛虫まで」
「カブトムシは落ちなかったな」
琴美は悪びれもせず、今度は自分で木に登り出した。
「葵、アミ貸して」
葵からアミをもらい、カブトムシではなく別な物を取ろうとしているようだ。
「昴、これあげる」
そう言って昴にアミを渡した。
「何これ?」
「ハチの巣」
「「え〜ハチの巣〜」」
ブーンブーン。どこからかハチが向かってきた。
「逃げろー」
3人は全力で駆け出した。
「昴、池に行って」琴美が叫んだ。
「わかった」
「ねぇコトちゃん、どうして池なの?アタシたちは行かなくていいの?」
「昴から離れれば、ハチは追ってこない」
「え〜〜、昴くんハチの巣を捨ててー」
昴はハチの巣を草むらに放り投げた。その時運悪く足を滑らせて池に落ちてしまった。
「昴くん大丈夫?」
「大丈夫じゃないよ、酷いよ琴美ちゃん。ボクもうお家帰る」
その時、葵のお母さんが迎えにきた。
「みんな、そろそろ帰ってご飯よ。今日はハンバーグよ...??
昴くんどうしたの。びしょ濡れじゃないの、お風呂先にしましょうね」

   ーーー現 在ーーー
「はははっ、そんな事があったんだ。さすが、琴美だな」
「昔の事よ」
「そのコトちゃんが今は、薬剤師になろうとしてるんだものね。不思議よね」
「俺はあの時思ったんだ
“世界の終わりに琴美とだけは絶対に居たくない”ってな」

6/8/2024, 10:03:00 AM

世界の終わりに君と

 「世界の終わりに君と過ごす」そんな妄想叶うわけないか。ただ見ているだけの片想いの私は、あなたの隣にいる資格なんてないもんね。

6/8/2024, 10:01:11 AM

世界の終わりに君と

人間と異種間がいがみ合う世界になってしまった終末
誰もいない場所へ、彼とともに逃げていた
でも、私も彼ももう限界だった。

2つの体が地に伏せた
最期の気力を振り絞りお互い想いを伝えた
「もしも、生まれ変われるならまた会おう」

6/8/2024, 9:58:25 AM

明日世界が終わるらしい

あまり実感がわかないが

強いて言うなら

君と一緒に死にたい

6/8/2024, 9:57:34 AM

世界が終わるとなったら何をするだろうか?
情熱的なキス?
ロマンチックなキス?
はたまた絶望のキスだろうか
いや、なぜ私はキスのことばかり考えているんだ
もっとこう、本能的にだな
何も考えずチュッチュするのがいいんじゃないか

世界の終わりに君と

6/8/2024, 9:53:58 AM

「世界は本当に終わるんだな。」
「うん。終わる。」
「でも俺たちは生きてしまうのか。」
「うん。生きる。死ねない。」
馬鹿でかい隕石が落ちて宇宙人が侵略しに来た。
未知のウイルスが蔓延してエネルギーは底を尽きた。
…かどうかはわからない。でも世界は終わる。
そして始まる。
「他の人間、生き物はどうなるんだ。」
「生きる。わりと多く。」
「そりゃ良かった。」
良いのかな。まあ良いのか。さみしいし。
「やさしい。あなたはやさしいから好き。」
「そうか?そんなこと言われたのは初めてだ。」
冷たい世界が終わる。そしてあたたかな世界が始まる。
「今生きている人はやさしい人。冷たい人、怖い人、乱暴な人は死ぬよ。」
「つまり君もやさしい人だということか。」
「…え。…うん?… あ、そうなの…?」
「そういうことだろ。」
笑った。やさしい笑顔。これだ。
「やっぱりあなた。これからの世界に必要なのは。」
「随分と大ごとになってきたな。」
「神様になって。」
「すごいな。」
冷たい世界の終わりを
やさしい神様と共に見送る。
あたたかな世界の始まりを肌で感じる。
良かった。私の人生は無駄ではなかったんだ。


世界の終わりに君と

6/8/2024, 9:48:04 AM

1話から11話を見たこと無い方は1話から!!
創作

世界が……終わ……、る…?

12話:世界の終わりに君と
TV:「速報です。先程、地球に巨大な隕石が2つ程近づいてきている事が判明しました。この2つは、それぞれ違う方向に進んでいる為、専門家は、1つはアメリカ、もう1つはロシアと中国が面している所の丁度境目位の場所に落ちると推測しています。もし推測している2箇所に落ちてしまった場合、アメリカ、ロシア、中国、他3カ国の隣接国からの輸入に頼っている国も危険な状態になります。そして、危険な状態になるならまだしも、この隕石落下で世界が終わる可能性まで出てきています。」

世界が終わるなんて聞いていない。
世界の終わりには君と過ごしたい。
今から、向かおう。君のもとへ。

あ、居た。
「あの、私、貴方の事が…」
「あの、人の彼氏に何しようとしてます?…行こう、千尋」
「え、でも、良いの?聞いた方が……あ、ちょっと!」

あ、夢か……
はぁ、私は千尋くんが好きなのか。初めて知った。
「君と」って誰と?って思ったけど…。
将来には優生とも赤の他人ってことか…
人生は凄いな、何が起こるか分かんない……
惨めだな、本当情けない…だから自分が嫌い。

晴凛:「唯ー?…って、どうしたの…?泣いてるじゃん…」
「へへっ、なんでだろうね…全然止まらないの…………
今日って学校…?」
晴凛:「ううん、今日は休日だよ!どっか出掛けよっか!!」
「…うん!!」

晴凛:「お母さん?今日は唯をいたわる日にしよ!さっき泣いてて…、今日学校だったら絶対休みたいって言ってた…」
母:「そうなの?珍しいね…」

(nononeです!今日は少し分かりにくいかも知れません…、
「:」が文章??の前に無い場合は今日のお話の主人公が思ってるоr言ってるっていう風に解釈してくれたらと思います!昨日の「最悪」というお題、思いついていましたが、弟にスマホを貸していて、返された時には忘れていました、すいません(*ノω・*)テヘ)

6/8/2024, 9:44:36 AM

君。
君は、優しい人。自分の時間を他人のために捧げることができるひと。自分がどう見られるかとか、目的や狙いがある打算的な行動じゃなく、ただ与えることが当たり前のように、しがらみとか、ルールとかの境界を越えることができるひと。愛をもつ人。
君に出会えて本当に良かった。君は私の自慢。もし世界が終わるなら、君の素晴らしさを余すことなく伝えたい。私がいかに救われて、君がどれだけ素晴らしくて、隣で過ごせていかに幸せだったかということを、ちゃんと伝えて終わりたい。どんな風に世界が終わるかは分からないけど、君が終わり、塵となるその場所に、何かがきっと宿るだろう。私の欠片もそこに少し混ざれたらいい。

6/8/2024, 9:43:27 AM

『世界の終わりに君と』
世界の終わりが来るのなら愛する君の隣に居たい

6/8/2024, 9:31:39 AM

お題 世界の終わりに君と


「寒いね。」
『寒いわ。』

当たり前だ。地球は今、氷期にある。
世界は今、終わろうとしている。

大気中に飛び交う無数の塵。
育たなくなる作物。食料を巡り戦う者。
そして、僕らのように諦めた者。

醜い世界だ。たったひとつの隕石によって
地球は変わってしまった。

きっとみんなわかっている。僕らはもう助からない。
それでも戦っているものが馬鹿らしく思える。
この寒い中、どうしてそうも動けるのか。
こんな世界に縛られているのはもうごめんだと思う。

「もうやりたいことはない?」
無意味な質問を君になげかける。
『あったとしても、できないでしょう?』
その通りである。この状況で実現できない夢を思い描くことはとても残酷だ。

「今日で俺らは自ら死ぬ。それであってるね?」
『ええ。そうよ。とても残念で仕方がないわ。』

僕たちは愛し合っていた。
この世界の誰よりも幸せな世界を生きていた。
だからこそ、僕らは死ぬ。

いつ死ぬか分からないこの世界に縛られるよりも
来世を願い自ら命を絶つことを願ったのだ。
そしてそれは、君も同じだった。

君の美しい黒髪を凍えるような冷たい風が抜けていく。
君の瞳からひとつ、涙がこぼれた。
そんな君を、僕は綺麗だと思った。

『あなたに出会えて、私はとても幸せだった。
それは私だけかしら?』
「それはないよ。僕だってとても幸せだった。
君とはまだ離れたくない。来世も僕と一緒になって
くれますか?」
『ええ。もちろんよ。私もそう願っていたわ。』
「それはよかった。」

再び沈黙が流れる。
こんな世界とはいえ、自ら命を絶つことには
多少の恐怖心が湧いてくる。

それでも僕らは死ぬ。
この地球に殺される。

僕らの死まで、あと一歩のところまで来た。

『本当に君はいいんだね?この世界を去っても。』
「あなたと一緒にいられるならどこでもいいわ。
貴方となりが私にとっての居場所なのよ。」

君の方を見る。
僕は近づいてきつく抱きしめる。
お互いの涙で肩を濡らしあった。
君の温もりは本当に温かくて一時も離したくないと願う。
それは、少なくともこの世界を生きている間には
叶わない願いだった。
ひとしきり泣いたあと、触れるだけのキスを交わす。
『それじゃ、一緒に逝こうか。』
「よろこんで。」

こうして僕らは、今にも崩れそうな高いビルから
解放への一歩を歩み始めた。

6/8/2024, 9:29:50 AM

「わー!」
今まで見たことないってくらい君は喜んで見せた。この場所に来るのははじめてだ。僕が、「美しい景色を見に行こう」と誘ったら君は二つ返事でうなづいてくれた。本当はね、もしかして断られたらどうしようって多少は不安を抱えてたんだよ。
でも君はついてきてくれた。そして、有難いことに天気も味方してくれた。今宵は雲ひとつない綺麗な夜空だ。月が煌々と輝いている。周りの星たちがどれも美しく瞬いている。あのどれにも、ちゃんと名前があって寿命もある。まるで僕たち人間みたいだろう?僕にも君にも、名前があり命の限界がある。人それぞれ違う名前、異なる寿命。そう思っていたけど、どうやら寿命はここで皆一定に終わるようだ。
「ね、あの星は何て言うの?」
「ペテルギウスかな」
「へー」
この美しい景色もやがて、終わる。今見せている君の笑顔もそのうち、恐怖に染まってしまうんだろうか。
明日で世界が終わるらしい。一番初めに聞いた時は何の冗談かと思っていたけど。科学者やその道に詳しい人々が気難しい顔をして毎日ニュース番組に出て、この世界の終わりを謳っていた。そうなるともう、一般人の僕らは信じるしかないじゃないか。なんでも、とびきり大きな彗星が明日中にこの星に衝突するらしい。科学的根拠もあるらしい。衝突を免れる可能性は、ゼロらしい。
「最後にこんな綺麗な景色見られてよかったな」
「僕も」
いつもの、穏やかなテンションで君が言うから、僕も隣に座って相槌を打つ。本当にそう思うよ。世界の終わりに君と、こんなに悠長に星を眺めてられるなんて思わなかったよ。今なら、消えてしまうのが怖くない。僕らもあの星のどれか一つになれたらいいな。そしてまた何億光年かして生まれ変われることができたなら、願わくば僕はまた君と――

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