黑 猫 @ 中 学 生

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神様は意地悪だ。
「速報です。先程、地球に正体不明の巨大な落下物が降ってきているという情報が入ってきました。明日には地球に直撃し…」
「…地球や、地球の周りの星が滅亡するとの事です。」
いつもいつも、幸せな時にまた
どん底に落としてくるから。

僕は、至って普通…ではなく、毒親の元で育った精神疾患持ちの高校2年生だ。
やっと毒親から逃れられて、好きな人と付き合えたと思ったら、明日世界が終わるとか…。

…うだうだしてても仕方ないか。
どうせ明日世界が終わるなら、好きな人と最後まで過ごしたいし。
「というわけで、来たよ〜。」
「せめてメールくらいしてくれ…。」
「あ、ごめん忘れてた。…家あがるね〜。」
「どーぞ。」
「…っていうかさあ、この前世界が終わるならどうする?って冗談で話してたのに本当になるとか思ってなかったよね。」
「まーな。地球が滅ぶとか現実離れしすぎてるからなー。」
しばらく、沈黙が続く。
「ま、俺はいつもどうりに過ごすつもりだけどな。」
「そうだね。いつもどうりに過ごして、いつもどうりに眠りにつく…。そしてそのまま地球が滅んで死ぬ。僕にとってはまさに理想の死に方だね。」

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「あ、もうこんな時間じゃん。そろそろ帰るね。」
「別にうちに泊まってってもいいけど帰るの?」
「泊まっても服とかないし…。」
「俺のやるから大丈夫だよ。お前ちっちゃいからサイズは大丈夫だろ。」
「ちょ、一言余計…。まぁ、そこまで言うなら泊まるよ。どうせ明日世界終わるし。」
「晩飯とかいる?」
「いる。オムライス食べたい。」

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「はーご馳走様。さて寝るかー。」
「あ、ベッド一個しかないわ。俺ソファでn」
「い、一緒に寝よ!」
「お、おう。…ちょっと狭いけど大丈夫か?」
「だ、大丈夫。」
「そうか。…おやすみ。」
「おやすみ。」
そうして、2人は永遠に目を覚ますことはなかった。

「世界の終わりに、君と」

6/8/2024, 11:14:19 AM