いつもより時間の流れが早い。
今日がそんな日だとはとても思えない位いつも通り。
何度も好きだよと言った。幾度も愛してると伝えた。
何回私の前から居なくなってしまうのか。
この世の事象は何時何が起こるのか予測することは出来ない。
残念ながら身構えている所に死神は訪れない。
いつも寝首をかかれるように唐突に裸の私に衝撃を轟かせる。
たまたま身構えてない時にばかり襲われるのでは無い。
自分でしっかりと意識しているから隙がないのだ。
偶然ではなく必然。
私は完璧な最期を迎えたかった。
人生で一番愛を注いだ君に。
一言だけでいいから、一秒でもいいから、君の声と顔を拝みたい。
その刹那を求めて。
その想いを心に込めて君に会いにく。
感覚だけを頼りに探し回る。
息を切らしながら、焼き切れるほどに喉を鳴らす。
たとえこの行為に意味がなかったとしても。
ピンク色の空から一滴、私宛の雨雫が垂れた気がした。
6/8/2024, 10:22:12 AM