『スリル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
妄想
想像
物語では
スリルあると
面白いのに
リアルでは
スリルは求めない
人間って
面白いね
(2023.11.12/スリル)
「いやー俺ギリギリにならないと課題やれないんだよね。やる気出ないっていうか」
友達はそう言う。まあいいだろう、それで苦しむ日がいつか来るのだから。
#スリル
いつ見つかるかわからないという背筋の冷たさが、私を我に返らせる。
踏み越えてはいけない。
心を強く持って、何としてでも耐えなくては。
「…まだ、耐えるつもり?」
なのに、胸の奥をくすぐる柔らかな声が、私の脳みそをあっという間に蕩けさせてしてしまう。
「っ、…あ」
全身を駆け巡る熱が私の思考を奪って、目の前の美しいケダモノに心が塗り変えられてゆく。
ゾクゾクするこのスリルさえ愛おしく思えるほどに、ただただ私は溺れて、逝く。
ガシャンと大きな音が廊下から聞こえてきた。今は深夜12時だ。僕以外誰もいないはずなのに。誰がいるのか見に行きたい好奇心があったが、本能が警告を鳴らしている。
今すぐ逃げろと。
その警告は正しかったのかもしれない。なぜなら、
今、目の前にナイフを持った男が教室に入って来たからだ。この男は確か、連続殺人犯で指名手配されていた。そんな男が今、目の前にいる。
その男はナイフを振りかざすと僕に向かって猛スピードで近づいてきた。まるで、見つけた獲物を逃さないように。僕は怖くて動けなかった。刺されると思ったとき、
ー夢から覚めた。
起きたときは汗でパジャマがぐっしょり濡れていた。呼吸も荒かったし、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。時計を見ると深夜2時を過ぎていた。
この夢は一生分の怖い夢を見たと思うくらいスリルがあり、怖かった。それから、僕は忘れ物があっても決して深夜の学校に取りに行かなくなった。
たまに君が読んでいる、小難しそうな専門誌。
君が席を外している隙に、興味本位で頁をパラパラと捲ってみた。
英語の長文、専門用語と読めない知らない漢字に申し訳程度のてにをは。 当然ルビはない。
頭がクラクラしてきた、本から離した手をそのまま額に押し当てて、テーブルの上をぼんやりと眺めた。
通話の邪魔と外されたタッチペンが転がってる。
片側がボールペンになっているタイプのヤツ、とても便利と君が重宝している物。
なんとはなしに手にとって、ボールペン側のキャップを取った。
そして、再び専門誌の頁をパラパラと捲って、幾つかの文字を丸で囲んでいく。
君は栞を使わないから、どこまで読んだのか分からない。
けど、気づいてくれると嬉しいな。
丸を描き終えて、テーブルの上、寸分違わぬ位置に専門誌を戻して。
君が戻ってくるのをドキドキしながら、ソファに座って待った。
テーマ「スリル」
スリル
破れ寺の薄暗い廊下を、二人並んでバタバタと走る。
「誰だこっそり潜入してさっさと任務を終わらせようなんて言い出したのは!」
「お前だ」
「俺だな!」
全速力で走りながらいつもどおりの冷静な突っ込みに笑いつつ、朽ちかけた障子を破って現れた敵を斬り払う。後ろからだけでなく左右からも襲いかかってくる敵の気配を察する余裕などなく、とにかく足を止めずに走りながら戦うしかない。
「お前の好きな驚きの展開だろう」
「こんなもの、お約束の展開で驚きも何もないぞ! いや、あまりにも定番すぎて逆に驚きなのか? どう思う?」
「知るか」
敵に見つかったのは失敗だが、任務そのものは成功しているのであとは二人揃って無事に帰還するだけだ。長い廊下の先にようやく見えた木の戸を、同時に振り上げた足で勢いよく蹴破る。朝焼けの光が差し込む中ぴょんと庭に降り立ち、振り返って刀を構えた。
「さて、反撃といこうじゃないか」
「息が上がっているぞ」
「君もなァ!」
息をひそめて潜入していた時よりも、どこから現れるのかわからない敵に追われながら全力疾走したことで心の臓が早鐘を打っている。
「いやぁスリル満点だった」
「二度とごめんだ」
心の底から吐き出された、疲れ切った声に思わず笑ってしまった。
「俺もしばらくは遠慮したいな!」
生と死の間をさまよう。
この表現はあまり適切ではないかもしれない。
フリをする、と文の後ろにつけた方がいいだろう。
本当はわかっている。
こんな方法では、さまようことすらできないのだと。
スリルなんて、感じられたものじゃないのだと。
それでも私は刃を手にする。
「どうして、僕は」
〇スリル
晴れ渡る良き春の日。とあるテーマパークの名物である、ホラー系アトラクションに並ぶ男女がいた。二人はお揃いのカチューシャをつけて、仲良く列に並んで自分達の順番を待っている。
カップルでテーマパークに行く時、鬼門とされるのは待ち時間である。数分の楽しみの為に、する事も少ない中で何時間も待つのは中々に堪える人が多い。人の本性が見られるのは酒とテーマパークのアトラクションの待ち時間である。
しかしこの二人には全くもって関係の無い話であった。女の子が男の子に向かってあのね、それでね、と話を一生懸命するのである。男の子が退屈しないように話を用意したようで、講談とまではいかないものの、順序を組み立てて話をしている。男の子はそれをニコニコ聞いて、しっかり相槌を返している。そんな調子なので、雰囲気が悪くなるなんて事は微塵も無さそうだった。
女の子が一生懸命話をしていると、列はどんどん前に進む。あと四、五グループがアトラクションに入れば、次はこの二人の番になるという所まで来ていた。度々出口から人が出てくる中に、この二人と似たようなカップルがいた。女の子が「怖かったぁ!」と涙目になりながら男の子の腕に絡み付き、男の子は笑って「だから言ったのに。」と言いながら女の子と一緒に去っていく。
そんな二人を見て、一生懸命話をしていた女の子は話を止めた。それは、女の子が「全く怖がらない女の子って可愛くないかな……」と考えたからである。
というのも、この女の子はホラーが大好きで、スプラッターでもサイコホラーでも、どんなホラー映画を見ても一ミリも怖がらず楽しむタイプだからだった。このテーマパークに来たのも、このホラー系アトラクションを体験してみたかったという理由が大きくある。それまで頑張っていた話を止めてじっと真剣な顔をして固まった彼女を見て、ニコニコしていた男の子は不思議に思い、「どうしたの?」と問い掛けた。
すると女の子はハッとし、ぴよぴよ汗を飛ばした後、ぴと…と男の子の腕に寄り添った。
男の子がいきなりの事に頭に疑問符を浮かべていると、女の子は「ちょ、ちょっと怖いかも…。」と言う。
女の子は完璧だ!と思った。こうすれば彼氏に引っ付けるし、可愛いって思われるかも!と思った。男の子にホラーが好きなのを言った事がない為、バレないだろうと。
しかし男の子にはこれが嘘だとバレていた。彼女はいつも使っているカバンにホラー映画の不気味なマスコットを付けていたし、家に行った時ホラー映画のBluRayケースが並んでいたのを見ている。なによりテーマパークに来た時、女の子は「ここ行ってみようよ」とホラーエリアを指差していた。
男の子はなんとなく女の子の考えを読み取り、ニコニコして「じゃあ、手繋いで入る?」と聞いてみた。すると、女の子はぱっと笑顔になって「うん!」と頷いてギュ!と手を握った。馬鹿である。
しかし男の子はニコニコ彼女を眺めて、可愛いなぁ、と思うので、結果として女の子の思い通りなのであった。
彼は意外にも大胆だった。
文化祭の演劇の合間に、私達は暗幕に隠れてキスをする。
物陰に隠れる為に腰をぐっと寄せられて大人みたいなキス。
「ダメだってば」
「誰も見てないよ」
小さな声でダメと言いながら、真っ黒いマントに包まれているみたいでドキドキした。
世界からふたりだけ切り離されている。今度は私からキスをした。
幕開けのブザーが鳴るけど、きっと誰も見ていない。
玉ねぎを粗いみじん切り、鶏もも肉を一口大にカット
鍋を中火で熱したら、油をひいて肉を炒める
焼き色がついたらお皿に移し、次は玉ねぎを飴色に
さっきのお肉とトマト缶
今日は酸味が欲しいから、トマト缶はイタリア産を選んだ
ニンニクと生姜でコクを
ヨーグルトでまろやかさを
ここまで来たらいよいよお楽しみの時間
クミンにカルダモン
色付けにはターメリック
チリペッパー、多めに入れてみようかな
私が感じるスリルなんか、
新しい味つけに挑戦したときくらいでじゅうぶん
かなう見込みのない恋心を煮込まなくてもよかったのにね
中火のまま20分
鶏肉の中に火が通るまで
ここはスリルを求めちゃだめ
お気に入りのお皿に盛り付けたらできあがり
いいにおい
2日目のカレーも美味しいけれど、
今回はすべて今日中に食べ終えてしまおう
酸いも辛いも、今日のうちに
湧いて出てくる背徳感。自分の不幸が蜜の味。
喉に落ちていく血の味と、自責に駆られる貴方の顔。
「大丈夫、貴方は何も悪くない。」
そう言って抱きしめてあげたら縋るみたいに泣きついて、熱の残る右頬を「ごめん、ごめん」って撫でてくる。
完璧で、優しくて、誰にも好かれる貴方の、誰にも言えない秘め事を、自分だけが知っている。
焦燥感に煽られるまま、欲望の赴くまま。
貴方が人間らしく居られるのは、俺の前だけでしょ?
本当の貴方を知っているのは、俺だけだよね?
「俺……——が居ないと駄目なんだ。」
震える声で絞り出したその言葉は、すぐ嗚咽に戻る。
全身が内側から熱くなり、どうしようもなく愛おしい薄く骨っぽい貴方の身体を強く、強く抱きしめる。
「俺も、貴方が居ないと駄目なんです。」
貴方が居ないと。
「俺たち、ほんと終わってますね。」
誰が俺を罰してくれる?
「でも、それでいいじゃないですか。それで生きていけるなら。」
誰が俺の為に苦しんでくれる?
どうしようもない衝動を、俺だけに向けてほしい。
劣等感も全部、ぶつけてほしい。
「……ごめんなさい、自分勝手で。」
貴方の不幸が、蜜の味。
私の周りに来る人間はスリルを求めているようだ。私は、普通の人間に比べたら、感情の起伏があまりない。普通なら、怒るような事を笑って許してしまう。
だから、変な人間に好かれる。リストカットをしているのだと明かしてきた高校時代の知り合いが、どんな言葉を求めていたのかは知らないが、私は消毒だけは忘れずにしなよと行為そのものを否定する事はしなかった。
次の日から、その知り合いに付き纏われる事が増えた。他の人間と話していると割り込んで、私に話しかけるなとその口で吠えていた。
私は、心の中でうるさいなと思うばかりだったが、現実では急用でもあったのと、気付かないふりを装う言葉を口にした。知り合いは嬉しそうに、私の手を握り外で2人っきりで話をしようと持ちかけてきた。私が、返事をするより先に知り合いは私の体を引き摺っていたが、私は何も言わず流れるままに身を任せた。
知り合いは、私の許容範囲にスリルを感じている。
お終い
「スリルはたまに味わうから楽しいんだよ」
そう彼女は一歩も動かなくなった。
行楽日和の遊園地。それぞれがそれぞれの楽しんでいるのがわかる。
「そうだね。ところで今日はどんな目的でここに来たんだっけ」
「人って変わってくものだから」
「今日は絶対ジェットコースター乗るって言ったよね」
彼女の両手を掴んだ。少し手が汗ばんでいた。
「言ったっけ……」
「言ったね」
そのまま力を込めれば足をふんじばっている。
正直ジェットコースターはどうでも良かった。だがこんな反応が見れるのはなかなか愉快だ。もう少し楽しんでから乗り込んでもいいかもしれない。
ネットで知り合った人と会うのがスリルになった。
親や友達にバレないかというハラハラ感。
相手の人がどんな人かというワクワク感。
それっぽい人が現れたときのドキドキ感。
ネットの人と話してはいけない。会ってはいけない。
という約束を破った罪悪感。
すべてが重なってスリルになっている。
このスリルを楽しんでるわたしってちょーさいこう!
「スリル」
私はジェットコースターに
彼氏と一緒に乗った。私は絶叫系がとても苦手だ。
なのに、なぜ乗ったのか、
それは彼氏の前で強がったからだ。後悔しかない。
今、私は安全ベルトを付け終わった。
怖い。怖すぎる。子供用でも恐怖なのに。
彼氏は横から「楽しみだね」と話しかけてきた。
うるさい。話しかけるな。そう思いながら彼氏の方に目をやった。
ドンッ!!ガラガラ〜
ついに、、動き出した。
上に上がっていく。頭が重い。
空が見えてきた。私はどうなるんだ。
そして、、、下に、、落ちた。
私は一瞬意識が飛び、走馬灯が蘇ってきた。
しかも、その走馬灯はいい思い出ではなかった。
3代目の彼氏に浮気をされ、(現在は5代目)階段に八つ当たりをしたところ、小指をおもっいきりぶつけたという悲劇だ。なぜ今思い出す。
そして、私は地上に下りてきた。
横に居るであろう彼氏の方向に目を向けた。
彼氏は気絶していた。痩せ我慢だったんだな。
私の今の感情は複雑だ。元彼へのさらなる恨み。
小指の苦痛。その中でも良い感情が一つある。
一番は、スリルを味わったことだ。
浮気の修羅場やバイト先で皿を5枚割ったときですら
スリルを味わなかったのに、
今日初めて味わうことができた。悪くないな。
(走馬灯は嫌だけど)
胸のときめき、いやドキドキ、手汗を握りテストを開始。
その後はイキイキ、頭を使った分つぎは体を使う。さぁ、次へ行こう。
#スリル
孤独を抱えて駅のホームに立ってはいけない。
一歩と言わず充分に後ろに下がりなさい。
踏切も同様。
ひいては全ての線から充分に距離を取りなさい。
それはしっかり手綱を握るべき物。
楽しめる内は良いのです。
空想であると言い切れる様になるまで待ちなさい。
スリルとは決して
冷や汗と命で味わう物では無いのです。
不安
恐怖
緊張感
罪悪感
それを上回る
刺激
快楽
背徳感
優越感
すべてが混ざって
あなたと私の
左薬指に焼きついてる
【スリル】
【スリル】
命はふたつあれば足りる。
僕はそう思う。
生きていくための1つと、1度死ぬための1つ。
理由は簡単。
1度死ねば怖さ、痛さが分かる。
どれだけ自分が愛されているか分かる。
だからふたつ。
1つだから足りないわけじゃない。
1つだからいいことがある。
1つだから死が怖いんだ。
でも、1度死んでみたくないか?
やっぱり私って狂ってるのかな。
―――――――――スリルを味わうためでは無い。
スリルを求めて殺人をした二人の男がいたらしい。
初めて聞いたときは理解に苦しんだ。そこまでのスリルを渇望することなど、あるだろうか。少なくとも、自分の人生にはなかった。スリルなんて必要ない。平穏であれば平穏であるだけ良い。
しかし、それを壊す存在が現れてしまった。彗星の如く現れたその人は恐ろしいほどに美しく、狂おしいほどに眩しかった。まるで神の最高傑作。目の前にいるはずなのに、どこか次元がズレているような気すら感じさせる。あの体には内臓なんてなくて、宇宙が秘められているのだと言われても納得してしまいそうだ。
信じ難い衝動を呼び起こされたことを自覚するのに時間はかからなかった。あの輝く姿をひと目見ただけで気がおかしくなる。平静を装うので精一杯だった。
壊したい。壊されたい。あの人を天界から引きずり下ろして、自分と同じ存在に落としてしまいたい。
いつか自制が効かなくなるとわかっている。わかっているのに離れたくなくて、なあなあに日々をやり過ごしている。この醜い本性を知られたくないと思いつつ、胸の底では暴かれたいとも願っていた。そのスリルが堪らなかった。
更なるスリルを求めたら、どうなってしまうのだろうか。
『スリル』