『スリル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
[スリル]
はぁはぁ、ここまでくれば大丈夫だろう
戸棚の下に隠れ、息をひそめる
遠くの方から小さな音で
コツ、コツ
靴の音が静かに響く
その足音は徐々に大きく聞こえ
だんだんと近づく
更に呼吸音をひそめ、ぐっと息を止めた
そのとき
「みぃつけた」
「うゎ、もう見つかっちゃった!次はパパが隠れてね!」
明日仕事そんなにだから有休つかおかなー
体キツいし
アナタたまにこれ言うけどね?
いいよね?
自分が休みたいから休む人は?
こっちは毎月いち子供の病院と
来月からの懇談会✖️2
年明けの進路相談✖️2
感染症なった時の連続休み想定
卒業式✖️2
入学準備✖️2
自分のための有休なんかいっこも入れられないんだよ!
いや、給料わたしはアナタの半分だし?
仕方ないかなとも思うよ?
いないより全然いいよ?
でもなんかさぁ…もちょっとさぁ…!
修学旅行の夜に見張り居ないか緊張しながらドアの外覗いて友達の部屋に移動したのたのしかったなー
欄干に身を乗り出して
底のない暗闇を見つめてみる
黄色い線の外側で
横切る車体を眺めてみる
割れたガラスを拾って
血管を刺してみる
ネクタイを巻きつけて
両手で横に引っ張ってみる
そうやって
ああ、生きている
なんて安心してみせる
『スリル』2023/11/1316
『スリル』
...送信っと。
遂に送ってしまった。このたかが十数文字を送るのに、僕は何分、いや、何時間かけたのだろう。あの人と出かけたいなんて思うのは簡単だが、行動するのはなかなかハードルが高い。この単語はどうとか、文末の形がどうとか、そんな普段は気にならないような、どうでもいい事まで気になって仕方がない。
返信が来ないか気になって仕方がない。そのくせ、もし今返信が来ても、少し時間が経ってから返すなんていうまねをする。いかにも落ち着いてる、こちらの方が一枚上手だとでも言わんばかりに。自分から誘っているのにも関わらず、だ。
聞き慣れた音がなる。画面が淡く光る。待ってましたと言わんばかりにスマホに飛びつく。が、開かない。というより開けないの方が正しい。今すぐ開いたら、鬱陶しいやつと思われてしまうかもしれない。そんなことが、頭を巡る。自分で自分を混乱の渦へといざなう。
何件かメッセージが来ているようだった。中身が知りたいが、何となく開けない。この時ほど、既読をつけずに内容を確認できる機能をアンドロイドにも搭載しとけと思ったことはない。深くため息をつく。無情に回り続ける時計の針を、ただ眺めていた。
ある人は、恋愛は付き合うまでのドキドキが一番楽しいという。相手との駆け引きなんかが醍醐味なのであろうか。当時の僕にそんなことを考える余裕など、微塵もなかった。が、確かに、あの時のスリルに近い感覚は、決して悪いものではなかった。
スリル
若い頃は、刺激的な日常に憬れていた…毎日、変化に飛んだ非日常生活を思っていた…それが何時からか、平穏な日常に、安らぎを感じるようになった…齢をとってきたからかも知れない…たまの冒険はいいけれど、ゆっくり過ぎてく、時間もいい…
あなたに隠れて 私は致す
バレてはいけない
私の秘密
貴方は知らない 私の秘密
あなたは知らない 私の秘密
密かな楽しみ あなたの致し
鼓動を抑えて
楽しむ私
貴女は知らない 私の秘密
バレてはいけない
気付かれてはいけない
今宵も致す 私の秘密
スリル
刺激は脳内麻薬にもなるよね。
一時の快感だけになるってことは、きちんと覚えておいたほうがいい。
スリル
彼をスリルジャンキーだと言ったことは嘘ではないが全くの真実というわけでもない。それは彼の一側面に過ぎず、彼は実際には死線を掻い潜るスリルなどとは無縁な、平穏でありふれた幸福な人生を問題なく受け入れることができることを僕は確信している。しかしそれを口にすることは決してない。このような、彼が僕のそばを離れない理由を一つでも失うまいとする僕の卑しい策略は数えきれないほどあり、さらに日々更新を続けている。
僕が僕である限り彼を繋ぎ留めるために策略は不可欠だ。或いは、僕がありふれた幸福を愛せる人間であったなら策略など不要だったかもしれない。実際には、何もなしで彼が僕のそばに居続けることは全く非現実的にしか思われない。彼にそのことについて尋ねたことは一度もないが、彼が僕の元から去る理由はいくらでもあるのだから、聞くまでもない。
だから僕は今日も彼に言うだろう。「君にはスリルが必要だろう?」そうであってほしいと祈るように。
美しい人は、皆、好きだ。
綺麗な人は多いが、美しい人は少ないと思う。
美しい人は、皆、心の礎がある。
苦しみに翻弄されても、未来を、生き抜くことを、諦めない。
苦しみを、乗り越えた人は、皆、本当に美しい。
私が思う…美しい人は、皆、過去に苦しみを乗り越えた先の人だった。
誰よりも、美しい。
いつか、そう言われてみたいし、言いたい言葉だ。
まぁ、こう思う…うちは、言われないだろうけど。
もう、苦しみなんて御免だ。
私は、今、苦しみを乗り越える、最中だ。
きっと、大抵の人は、そうなのだろう。
大抵、皆、何かと戦っている。
そう思うと、何だか、嫌な気持ちになった。
まるで、私は特別で無いと言われたみたいに…。
いつか、その言葉を受け入れられたらな。
きっと、その言葉を受け入れられる時には、
その苦しみを越えられているのだろうか。
深夜の樹海を一人の男が走っていた。
時々、背後を気にしながら全力で枯れ木を踏みつけて走る。
【ソレ】から逃れないと、死ぬのだから……。
「うわっ」
何かにつまずいて男性が倒れる。何につまずいたのか足元へ目を向ける。そこにはーー人の頭蓋骨が転がっていた。
男性は絶叫した。恐怖と混乱でうまく体を起こすことができず、赤子のようにハイハイしながらその場から離れた。
「ピギャアア!」
樹海の奥から悲鳴のような叫び声が響いた。樹海に棲む動物や鳥が慌ただしく逃げていく。
男性は、木の影に隠れた。
声が出ないように両手で口を押さえつける。
バサバサ、バサバサッ
羽の音が近づいてくる。普通の鳥が鳴らすような音ではない。大きく重量のあるような重たい音だ。
「ピギャアア」
また甲高い悲鳴が上がった。静かな樹海に不快な風が吹いた。【ソレ】が起こした風だ。
カサッ、【ソレ】が地面に降りた。男性は木の影から【ソレ】を覗き見する。
胴体は鷹のような体。首から頭は人の顔だ。だけど、口は鋭い黄色い嘴(くちばし)をしていた。
なんとも面妖な不気味な怪物だ。
【ソレ】は嘴で羽を繕っていた。鳥のような動きに男性は吐き気を催す。しかし、ここで吐けば確実に自分の存在を知らせるようなものだ。男性は、喉から上がってくる液体を無理やり飲み込んだ。
【ソレ】が男性の隠れている木へ視線を向けた。
男性はすぐに顔を引っ込め、息を殺す。
【ソレ】がゆっくりと歩いて来た。
カサ、カサと枯れ葉を踏みつける音がする。
一歩、また一歩と、男性を弄ぶかのように時間をかけて近づいて来る。
そして、【ソレ】が木の前に来た。鼻息が真後ろで聞こえる。
男性は、神に祈った。
『この化け物がどこかへ行って欲しい』
切実に願ったのも束の間。男性の真横に顔がきた。
黄色い嘴、人の顔をした化け物がいた。
「あ、あぁ……」
男性は絶叫する力もなく、目の前にいる【ソレ】をただ見るしか出来なかった。
【ソレ】の口が開き、細い舌が出てきた。男性の頬をベロリと舐めた。
そして、【ソレ】は歓喜の声を上げた。
そこで、男性の意識が遠のいた。
* * *
『次のニュースです。○月○日に行方不明の男性が樹海で発見されました。男性はすでに死亡しており、警察の話によりますと、何かの動物に食われた痕跡があるとのことで、詳しく捜査をしていく方針です』
『スリル』 ♡10
ゆっくりと手を伸ばし、呻き声をあげる。
すると、叫び声が辺りを包み、バタバタと足音が遠ざかっていく。
しばらくすると、再び人が来る気配がした。
私は息を殺し、じっくりとその時を待つ。
今だ!
ボサボサの髪を振り乱し、血まみれの包帯に包まれた顔で声をかける。
短く叫んだその人は、腰を抜かしながらも必死で逃げていった。
あぁ、この瞬間がたまらなくいい。
恐怖に怯えて顔を歪ませ、一目散に逃げる背中を見るこの瞬間が。
この快楽に目覚めてもう五年。
来る日も来る日も前を通る人々を怯えさせてきたが、快楽が薄れることはない。
さぁ、次の獲物が来たようだ。
本日も我がテーマパークの名物お化け屋敷は
大盛況です。
バンジージャンプとか
絶叫マシーンとか
そんな大きなスリルじゃなくて
果たして次の信号に間に合うかとか
このレベルでステージボスを倒せるのかとか
そういう小さいスリルでいい
それだけでドキドキは止まらない
それだけで満ち足りてる
「スリル」20231112
スリルってなんだろう?
自分のとってのスリルってなんだ。
初恋の片思いの時かな?
告白出来ない
病気が治らなかったけどイベント行きたくて
親に内緒でチケット応募して当選して
条件付きてイベント参加⸜(*ˊᗜˋ*)⸝
ウキウキ∩^ω^∩ドキドキ(⑉• •⑉)
ただ遠くから見てるだけで精一杯。
帰りの電車幸せ気分だけど(*˘︶˘*).。.:*♡
幸せ過ぎてどこか不安(´・_・`)
#42 スリル
目があったら、はにかんで
話すときに顔のぞいて、
ただ小さくも大きな秘密を
共有しただけ
誰かの好きな人と共有しただけ
ただそれだけだよ
2023/11/13
お題 スリル
本来のわたしは優等生である。わたしは間違えた事は無い。優秀な人間なんだから。
だが、ある時それがつまらなくなった。百点満点の答案用紙がつまらない。
そこでわたしは、わざと合格ラインスレスレの解答をするようになった。
ギリギリの合格点を取る事に、最高のスリルを感じるようになっていった。
解答を解けるのにわざと間違えてみる。これぐらいの得点なら合格出来るだろう。
あの頃のわたしは、相当上から目線で、他の生徒達を見下していた。それほどわたしは、自惚れていたのだ。
だがそんなわたしにも挫折する時が来たのだ。大学センター試験という大事な時にも、いつものクセでわざとマークを間違えたのだった。
馬鹿な事をした。無論不合格だ。人生を決める大事な試験まで、スリルを求めて解答してしまった。
転がり落ちる無様なわたし。こんなスリルなんて味わいたくは無かった……
ないようであって。
あるようでなくて。
あれば楽しいんだろうけれど、正直リスクばかり気にしてしまう。
なければ平凡な生活に飽き飽きして、つまらないと感じてしまう。
だから、どっちとも言えない代わりに怖くもあるし、楽しくもある。
”スリル”はいくらでも探せる。
ただその先にあるのがリスクなのかメリットなのかは、たぶんきっと解らない。
スリル
Theme:スリル
俺は子どもの頃から冒険者になろうと決めていた。
生まれそだった村は平和だったが、俺にとっては退屈だった。
時おり村を訪れる冒険者の話しはスリルに満ちていて、毎日がとても刺激的に思えた。
俺は16歳になると家族や友人が引き留めるのを無視して、冒険者として旅に出た。
目的はもちろん刺激的な毎日だ。
旅先で知り合った他の冒険者達とパーティを組んで、魔物の討伐をしたりダンジョンでお宝を探し求めたり。時には随分と無謀なこともしたこともあったけれど、俺はそのスリリングな生活に満足していた。
ある日、長い間パーティを組んでいたプリーストから告白され、俺たちは生まれ故郷に戻ってささやかな式を上げた。
子どもができたことをきっかけに俺たちは冒険者を辞め、家族で静かに暮らすことを選んだ。
正直言って、またあのスリル溢れる冒険に出たいと思うこともある。
だけど、それ以上に今の穏やかな生活が続くことを願っている。
たまに村に訪れる冒険者の話を聞くことが、僅かに残るスリルを求める心を満たしてくれる。
スリル
大人のあなたとわたし
会社の誰にも秘密の恋
同僚の披露宴に出席したあの日に
何人かで乗り合ったタクシーでの帰路
あなたは先に後部座席に乗り込み
わたしを自分の隣へといざなう
他の誰も疑いようもないほどごく自然に
驚きながらもその目に魅入られて
抗うことなく隣に滑り込む
ほどなく
わたしの振袖の袖下で見えないのを良いことに
誰にも気づかれないようにそっと
あなたの左手はわたしの右手を探し出し
優しく指と指を絡ませてくる
驚いてあなたの方に顔を向けると
いたずらっ子のように満面の笑顔を返してくる
それも滅多に見せない反則級のヤツ
瞬時にわたしの鼓動は高鳴る
他の誰かに気づかれやしないかと思うほど
顔も身体もカッと赤く熱くなって
お互いのぬくもりで掌が汗ばんでくるのがわかる
皆と他愛もない会話をしながらも
わたしたちの指と指は
ひっそりと別の会話を続けているみたい
幾度となく触れたことのある指なのに
お酒のせい?
優しく強く
そして今日はちょっと色っぽいその指が
いつもと違ったように感じられる
どれほどの時間が経っただろう
もうそろそろ降りなくちゃならないなんて
惜しむように指と指をほどくと
温かなものが失われていくみたいで切ない
すべてを離してしまうのが淋しくて
小指のほんの一部分だけをくっつけて
あなたの温もりを留める
ほんの数十分の
愛しくスリリングな時間
明日何もなかったような顔できるかな?
誰にも気づかれてないかな?
ニヤけてしまいそうで自信ないよ、わたし
あなたは余裕なんだろうな…
ズルい大人のあなた
スリル
目が合うたびに微笑みかける
ふとした瞬間肩に触れる
さらりと褒め言葉を唱える
一歩踏み込まれたら半歩退く
"好きになられたら負けゲーム"
恋のお遊び