お題 スリル
本来のわたしは優等生である。わたしは間違えた事は無い。優秀な人間なんだから。
だが、ある時それがつまらなくなった。百点満点の答案用紙がつまらない。
そこでわたしは、わざと合格ラインスレスレの解答をするようになった。
ギリギリの合格点を取る事に、最高のスリルを感じるようになっていった。
解答を解けるのにわざと間違えてみる。これぐらいの得点なら合格出来るだろう。
あの頃のわたしは、相当上から目線で、他の生徒達を見下していた。それほどわたしは、自惚れていたのだ。
だがそんなわたしにも挫折する時が来たのだ。大学センター試験という大事な時にも、いつものクセでわざとマークを間違えたのだった。
馬鹿な事をした。無論不合格だ。人生を決める大事な試験まで、スリルを求めて解答してしまった。
転がり落ちる無様なわたし。こんなスリルなんて味わいたくは無かった……
11/12/2023, 1:45:44 PM