Theme:スリル
俺は子どもの頃から冒険者になろうと決めていた。
生まれそだった村は平和だったが、俺にとっては退屈だった。
時おり村を訪れる冒険者の話しはスリルに満ちていて、毎日がとても刺激的に思えた。
俺は16歳になると家族や友人が引き留めるのを無視して、冒険者として旅に出た。
目的はもちろん刺激的な毎日だ。
旅先で知り合った他の冒険者達とパーティを組んで、魔物の討伐をしたりダンジョンでお宝を探し求めたり。時には随分と無謀なこともしたこともあったけれど、俺はそのスリリングな生活に満足していた。
ある日、長い間パーティを組んでいたプリーストから告白され、俺たちは生まれ故郷に戻ってささやかな式を上げた。
子どもができたことをきっかけに俺たちは冒険者を辞め、家族で静かに暮らすことを選んだ。
正直言って、またあのスリル溢れる冒険に出たいと思うこともある。
だけど、それ以上に今の穏やかな生活が続くことを願っている。
たまに村に訪れる冒険者の話を聞くことが、僅かに残るスリルを求める心を満たしてくれる。
11/12/2023, 1:42:20 PM