『鳥のように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鳥のように
鳥でも飛べるけど、飛べない鳥
鳥でも群れない鳥
色んな鳥がいる
鳥のように…
と言っても単純にこうとは
言えない
鳥のように
醜いアヒルの子
になりたい
なんて
思うのもいいかな…
ジョバンニと謎の男はディエゴという仲間を加えて旅を続けていた。
ある日、彼らは神聖なる地に足を踏み入れることにした。
この場所に立ち入るには、まず聖なる泉で身体を清めなければならない。
そして、たとえ一本の草でさえ聖地から外に持ち帰ることは許されないという掟があった。
しかし、ディエゴは好奇心に駆られてその掟を破り、こっそり小さな石をひとつ持ち帰ってしまった。
彼が宿屋に戻りその石を部屋に飾ると、石は光を放ち始めた。
その眩い光がディエゴの目に入った途端に、ディエゴは猛烈な頭痛に襲われ意識を失いそうになった。
その時、謎の男は祈りを捧げた。
すると石から美しい翼が生えてまるで鳥のように窓から飛び去って行った。
ディエゴは禁断を侵すことへの後悔と、畏れと、興奮を同時に感じられずにはいられなかった。
「鳥のように」
#31 鳥のように
[飛鳥]
大空を飛ぶ鳥のように
悪いことも
水に流して
軽やかに生きよう。
明日は明日の風が吹く。
飛ぶ鳥が落とされないよう
物事を静観し
冷静に見極めて
注意深く行動しよう。
苦痛なことも楽しんでしまえばいい。
《鳥のように》
彼は幼い頃に、親と呼べる人を喪った。
そして、半分血の繋がらないご兄姉からは疎まれていた。下級労働者の血が入っていると、侮蔑を込めて。
それでも彼は、ご兄姉を憎む事は決してなかった。
生まれてからずっと立派な軍人となるよう育てられ、真摯に努力をして。
邪神討伐の旅の最中で彼をずっと育ててくれた乳母…実のお母様が殺されても、悲しむ暇さえなく自分を見失わず進み続けて。
無事に討伐が叶った今は、帝国の復興に全力を注いでいる。
指導者になるのは気が進まないと彼は言っていたけれど、帝国の未来の為ならばと見えないところでも全身全霊をかけて職務に励んでいる。
そんな彼は。
「白鳥みたいだなぁ。」
執務室の机で書類に目を通している彼を見ながら、ふとそう思った。
裏でも表でも、何事にも真剣で。
でも、その苦労を表には出さずいつも穏やかで。
湖面にゆったりと浮かぶために、水中は足で水を掻く。
私は、ぼんやりとその思考に集中していた。
「どうかしましたか、白鳥みたいとは?」
気が付けば、書類から目を上げた彼が私を見て微笑んでいた。
その柔らかく細められた目と視線が合わさり、ようやく私は認識した。
また、考えてたことをぽろっと口に出してしまった事を。
「す、すみません、何でもないです!」
妙な独り言で彼の仕事を邪魔してしまった。
慌てて私が謝ると、彼は「謝らなくていいですよ。」とまた優しく微笑んで書類に目を戻した。
その一連の動作も笑顔も、私には丸い月夜に湖面に浮かぶ白鳥のように輝いてみえた。
鳥のように
空を飛びたい。
そう思ったことが何度もある。
飛行機とかスカイダイビングとかじゃなくて、鳥みたいに。
何にも着けないで飛びたい。
一番の理想は、タケコプターかな。
鳥のように、自由に空を駆け回りたい。
何にも縛られないで。
そしたら、楽になれるのかな。
鳥のように
鳥のように、自由に。
よく言われる
鳥だって自由ではない
クリッピング 風切羽を切られ
籠の中で一生を終える鳥もいる
どちらを選ぶ?
まだあなたは選べる立場にいる
風切羽を切られたって
生え変われば飛べる
籠の鍵を持っているのも自分
外の世界を決めつけているのも自分
さあ
「翔べ」
鳥のように
母の激昂した声が頭にガンガンと鳴り響く。
羽が鳥かごを叩く音が脳みそを現実に繋ぎ止める。
心臓が早鐘を打つ。ぽたりと落ちたのは涙か、脂汗か。
もう限界だった。
無我夢中に投げられた包丁を手にし、獣のように変わり果てた母の腹を刺す。
ぶつりと皮膚を破った感覚のあと、スッと勢いと共に鈍色が飲み込まれていく。
気づけば母は倒れていた。
自分の荒くなった息遣いと、鳥籠がはねる金属の音が時間が流れていることを実感させる。
ずっと望んでいたことは、案外呆気なかった。
「シネ!!コロス!!」
母が言い損ねた遺言を喋る鳥。
僕もこの鳥のように、冷たい籠の中で彼女の血を巡らせ生きるんだろう。
目を落とした先の僕の腕は、目の前の鳥と同じ色をしていた。
鳥のように
窓の外を飛びまわる鳥のように
私も空を飛んでみたい
━━━━━━━━━━鳥のように━━━━━━━━━━
「………鳥になりたいなぁ…………」
俺はいつもこの地下牢にいる。
理由は、俺の血から出るものになんでも治す力が宿っているかららしい。
だから俺の体はボロボロで包帯もいっぱい巻かれている。
……このまま俺は死んでいくんだろうな…
「そんな事はさせない!!」
知らない声が聞こえた鉄格子の方を見ると、知らない男が立っていた。
「私が必ずお前の事を自由にする!ここから出す!!」
「……どこの誰かは知らないが辞めた方がいいぞ」
ここの奴らは歯向かえば慈悲なしに残酷な事をしてくる。そいつの家族や友人を巻き込んで絶望させた後に殺してくる。
「安心しろ!俺には失うものは何も無いからな!!」
「それは……それで…」
コイツといると調子が狂うな…
「兎に角!!もう少しだけ待ってくれ!!」
「期待はしないでおく…」
ソイツはそのまま姿を消した
アイツが来てから数ヶ月が過ぎた
「やっぱり失敗したんだたろ…」
その瞬間
ヴーー ヴーー ヴーー
警報の音がした
「!……何があったんだ…?」
この牢獄の中にある唯一の窓を見ると
「!……燃えてる…」
城が燃えていた……一体誰が……
!まさか……アイツ…?
その瞬間
「迎えに来たぞ!!!」
アイツの声が聞こえた、声のする方に見たら
少しボロボロになったアイツの姿が見えた
「おまえ……本当にやったのか…」
「?言ったろ?必ず助けに来るって」
俺はその言葉を聞いた瞬間、目から涙が零れた
本当に助けてくれるなんて思ってもなかった、でも
凄く嬉しかったんだ
「もう大丈夫おいで」
ソイツは俺の方に手を伸ばした
俺は気付いたら
「あぁ」
その手をとっていた
あぁ、空がこんなに青いなんて思ってなかったな
俺は、この日鳥になれたよ
今日のお題。鳥のように。
ゆうゆうと、時に鋭く飛び、
いつも堂々とふんぞり返る
ちょっとお茶目で、おばかさんで
残酷で恐ろしい。結論は鳥って可愛い、
鳥みたいになりたい。あと猫と鳥の因縁
って同族嫌悪じゃないだろうか?
『鳥のように』
空を飛ぶ鳥が幼い頃から好きだった。だから軍艦よりも戦闘機が好きになった。戦闘機に乗ることが出来たなら鳥のように空を駆け巡れるし、お国のために敵機を撃ち落とすことだってできる。外国で戦っていた大人たちが華々しく凱旋してくるのを見たときには誇らしい気持ちになり、その夢に一層強く憧れたものだった。
人ひとり分としてはとても狭い操縦席に体を押し込めて耳を澄ませると、エンジン音に紛れてかすかに万歳三唱の声が聞こえてくる。滑走路から重たげな機体が地上を離れる感覚に憧れていた飛行機乗りになったという実感は湧いたが、心はつめたく冷えていた。
機体に積まれた爆薬と僅かばかりの燃料に鳥のような自由さは無く、迎撃用の機銃さえ積まれていない戦闘機では敵機を撃ち落とすことは不可能だった。目の前に広がる大空は青く美しいのに、それを美しいとも思えない。悲しいのかも分からず涙も出てこなかった。
燃料の底が見えてきた頃に特攻目標の軍艦も見えてきた。軍艦から放たれる対空砲にいくつもの翼が爆風に散っていく。思い残してきたことがいくつも脳裏を駆け巡り、空を飛ぶ鳥のように自由でありたかったと最後に思った。
荷物なんか、現実なんか、不安なんか
投げ出して鳥のように飛んで行きたくなる時
がある。
ひるなかの清々しいセルリアンブルーに風を切り
夕暮れ前の、この世のきれいを全部詰め込んだペールトーンに漂い
黄昏時の、紺碧とブラッドオレンジの交わるところを目指して
匂いの濃い夜に頬を撫でられ
まだ少しひんやりしている朝の空気に抱かれながら、
水平線で紅く萌える生まれたての朝日を、茶透明の瞳に閉じ込めたい。
お題《鳥のように》
空を見渡す瞳は、世界の真実を見る瞳。
神の鳥。
人の生死を見届け、遥か彼方を目指し飛んでゆく。
死者の魂を運ぶ、鎮魂の翼。
『鳥のように』
傍聴マニアと呼ばれる友人に誘われて、とある小さな地方裁判所で行われた窃盗事件の傍聴に行ったことがある。
被告人は40代前半の男性で、なんでも商店街の路地裏から段ボールを何十枚も盗んだらしい。
本人も犯行を認め、粛々と裁判は進んでいった。
最後に何か申し述べる事はないかと訊かれ、被告人はこう言った。
「満足のいく翼が作れなかったのが残念です」
一瞬、ポカンとした空気が廷内に漂った。
隣で友人が身を乗り出す気配がした。
裁判官の一人に説明を促され、被告人は滔々と段ボールによる翼の作成方法について語ったが、最後にこう締めくくった。
「空を飛んでみたかった。鳥のように」
イカロスか!
廷内の何人かは、きっと私と同じツッコミを心の中でしたことだろう。
すると、それまで黙って聞いていた年嵩の裁判長が砕けた口調で言った。
「この暑いのに、太陽に近づいたら熱中症になっちゃうよ」
今度は被告人がポカンとする番だった。
「もっと爽やかな季節の方がいいんじゃないかなぁ。それに、人に迷惑をかけるのは駄目だよね」
閉廷の合図と共に、裁判官たちが退廷していくのを見ながら、友人が私の腕をつついた。
「今日はなかなか当たりだったな」
それは認めざるを得ない。
もう疲れた
真っ青な空を
鳥が楽しそうに
飛んでいる
あぁ 気持ち良さそう
鳥になりたいな
選ばれない遺伝子
雄の鳩が体を大きくして一生懸命アピールしている
ヒラリと女の子は飛んで行くが
諦めずにまた別の鳩にアピールする
どうやら動物の世界では女性に選ばれないと
遺伝子は残せないらしい
数回振られたからなんだ?
諦めて殻に閉じ籠るひまあったら鳥になれ
鳥のように自由になりたい。
鳥だって、自由に飛べる鳥と自由に飛べない鳥がいる。
それに、自由に飛べても敵に襲われるかもしれない。
鳥だって凄く大変なことは分かっているけれど
鳥のように自由になりたい、
素敵だ。
鳥のようになりたい、と優等生は空を見上げた。
外は相変わらず暑いようだが、暦の上では処暑の前日。
お盆を過ぎて、これから徐々に涼しくなっていくという。嘘のようでホントの話。
夏休みが終わりを告げるように、今までの夏もいつかは終わりを告げていた。
夏休みが始まった日からずっと家にいる。
夏休みの宿題なんてとっくに終わっていて、受験生でもないのに毎日勉強机に座っている。
外が暑いからいけないのだ。
友達も誘ってこないからいけないのだ。
だから、私は外出しなくていい。
そんな都合の良いことを思いながら、勉強机に座っては、来年の受験期の前触れのような形容しがたい不安を感じ、防御する姿勢を取る。
体育座りのように両足を抱え、始終学タブの画面をペンで叩いている。
室温は24℃。
快適な温度のはずだが、変な姿勢のまま勉強机にずっと向かっていると、どうしてか体が慣れてきて、外気温のような、見えない暑さがまとわりついてくる。
肌に触れると、うっすらと汗。
冷や汗か、と指を這わせる。いや……汗だ。
優等生はガラスコップをつかんで、一気に麦茶を飲み干した。
優等生の喉のみがこくこくとゆっくり動き、コップの外側から垂れてきた水滴が、ダサい部屋着兼貧相な私服に落ちる。
空になったコップを机に置く。
コップの重装備の、水滴の鎧がみるみるうちに剥がれ、机の一部が水たまりになって、何らかの紙の冊子が水を吸う。即座に濡れの色に変わる。
優等生は、濡れたことにひょいと一瞥したが、特に対処はしなかった。変わらず学タブに夢中でいる。
空は夏の晴天を指していて、別に見上げた理由もない。
鳥になりたい、と思っていても、一匹も鳥はいない。
鳥の声も聞こえない。セミのうるさい鳴き声が、早くいなくなれとも思っていない。
優等生は胡乱げに空を見上げ、そして画面に目を戻した。
学タブには線画の鳥が小枝の上に止まっている。
見本はないが問題ない。
自由は見えないのと同じように、見えない鳥を描いている。美術部員であれば、さして問題のない事柄。
脳内物質を糧にペン先がしゅっと飛翔。
思いの外、翼の線が長くなったが特に書き直さなかった。
「基本、生き物系のお題、少ない気がする」
猫だの犬だの兎だの、これまで1年と5ヶ月このアプリに潜って、お題で見た記憶無いもんな。
某所在住物書きは今回配信分の題目の、ちょっとした珍しさに数度小さく頷いた。
鳥かごは出題された記憶があった。先月である。
蝶はモンシロチョウと「蝶よ花よ」の2例。
「そうだ。このアプリ、動物より植物が多いんだ」
そちらは桜にススキに勿忘草と少し豊富。
「ペンギンを空飛ぶ鳥のように見せる水槽、
鳥のように海に飛び出す毎年恒例鳥人間大会、
『スズメ』バチと言うが別に鳥のようには見えぬ、
焼き鳥のように、蒸し鶏のように、以下略。
……意外と余った冷やし中華のタレで半額鶏肉とか炒めるの酸味がきいて個人的に美味い」
いつの間にか食い物の話題になっている。
物書きは時計を確認した。 昼である。
――――――
今日も相変わらず東京は残暑が酷い。
「晩夏」っていつだっけ、どんな気温の頃のことだっけって、思う程度には暑さがバグってる。
大雨、道路冠水、駅の浸水に台風10号。雨降って冷涼ってワケもなく、ただジメジメで暑い。
ウチの支店長は独断で支店に小型冷凍庫を増設した。外回りから帰ってきた従業員がアイスですぐ体を冷やせるように。それから熱中症間近の通行人がウチをクーラースポットとして利用できるように。
そんな今日の、私の職場の昼休憩少し前は本店から、ひとり外回りの寄り道で休みに来た。
宇曽野主任だ。私と長い長い仕事の付き合いであるところの藤森先輩の、親友さんだ。
余ってる従業員用デスクに座るなり、まるで真夏の路上で暑さに弱ってる小鳥のように、グデっと。
吐いたため息は結構重くて深そうだった。
「中途採用の、若いのが居たんだがな」
ぐでぐで小鳥のような宇曽野先輩が言った。
朝職場に来たら、主任の隣の隣の部署が、朝から少しだけ慌ただしくて、
係長も課長補佐も、数人が課長の席に集まってて、他の人はスマホで連絡取ったりしてたと。
「無断欠勤のうえ、電話もグループチャットも、全部連絡つかずの既読無視、だとさ」
ははぁ。「脱走」ですな。
職場の鳥かごから勝手に扉開けて出てったと。
「始業時刻丁度にダイレクトメッセージで、『辞めます』の4文字だけ、送ってきたそうだ」
パリパリアイスを受け取って、またため息。
「俺も手伝ってそいつの捜索中なんだが、部署内は『例の突然解雇された青鳥のようだ』と騒動さ」
突然辞めるのはどうかと思うけど、そうしたくなった理由は、宇曽野主任も把握してたらしい。
中途採用君は最近、書類をファイルから抜いて整理する仕事を任されてたんだけど、
中途採用君の上司が「この書類は抜かないで」って、伝えるべき「例外」を伝えなかったせいで、
抜いちゃいけない書類まで抜いちゃったと。
情報伝達の不備。それによる仕事のミス。なのに責任は全部自分が被るっていう理不尽。
私にも経験があった。去年の3月18日頃だ。
似た状況で、現在は左遷制裁済のオツボネ上司から責任を押し付けられて、心をちょっと病んだ。
私には藤森先輩がいて、先輩が私の話を聞いて寄り添ってくれたから、乗り越えられた。
中途採用君には誰も居なかったのかもしれない。
「鳥なら鳥として、鳥のように、今頃自由に次の就職先でも探してるんじゃないか?」
運が悪かった、場所が良くなかった。それだけさ。
宇曽野主任はそう付け足して、アイスをぱくり。
「次の鳥かごではルールとモラルをもって、飛ぶなり騒ぐなり、再度脱走するなりしてほしいもんだ」
まぁ、そうだよね。
場所が悪かったら、鳥もうまく、飛べないもんね。
私は本店の騒動の酷さをちょっと想像してから、
今頃どこで何してるとも知れない中途採用君が、なるべく早く職場に帰ってきて謝罪の一言くらい……
いや、逃げるなら逃げるで、早めに退職代行の誰かと連絡とった方が、互いのためかなぁ……。
お題『鳥のように』
鳥のように自由に空を飛びたい、なんて言うけどさ、そのへんにいる鳥を見てあまりそうは思えないよな。
なんていうか、カラスはゴミあさるし、なんなら女子供めがけてわざと低空飛行してくるし、
ハトは餌くれる輩がいたらそいつに向かって一目散に飛んできて餌をついばむじゃないか。
スズメは小さすぎてつぶしてしまうのが怖いし、たまにいる駅に巣を作ってるツバメはヒナは可愛いが柱にフンがついてるのが気になる。
だから、鳥のようにから連想されるのは『人間はお前らのこと襲わないし、あいつら、自由気ままでいいよな』と思うことだけだ。