━━━━━━━━━━鳥のように━━━━━━━━━━
「………鳥になりたいなぁ…………」
俺はいつもこの地下牢にいる。
理由は、俺の血から出るものになんでも治す力が宿っているかららしい。
だから俺の体はボロボロで包帯もいっぱい巻かれている。
……このまま俺は死んでいくんだろうな…
「そんな事はさせない!!」
知らない声が聞こえた鉄格子の方を見ると、知らない男が立っていた。
「私が必ずお前の事を自由にする!ここから出す!!」
「……どこの誰かは知らないが辞めた方がいいぞ」
ここの奴らは歯向かえば慈悲なしに残酷な事をしてくる。そいつの家族や友人を巻き込んで絶望させた後に殺してくる。
「安心しろ!俺には失うものは何も無いからな!!」
「それは……それで…」
コイツといると調子が狂うな…
「兎に角!!もう少しだけ待ってくれ!!」
「期待はしないでおく…」
ソイツはそのまま姿を消した
アイツが来てから数ヶ月が過ぎた
「やっぱり失敗したんだたろ…」
その瞬間
ヴーー ヴーー ヴーー
警報の音がした
「!……何があったんだ…?」
この牢獄の中にある唯一の窓を見ると
「!……燃えてる…」
城が燃えていた……一体誰が……
!まさか……アイツ…?
その瞬間
「迎えに来たぞ!!!」
アイツの声が聞こえた、声のする方に見たら
少しボロボロになったアイツの姿が見えた
「おまえ……本当にやったのか…」
「?言ったろ?必ず助けに来るって」
俺はその言葉を聞いた瞬間、目から涙が零れた
本当に助けてくれるなんて思ってもなかった、でも
凄く嬉しかったんだ
「もう大丈夫おいで」
ソイツは俺の方に手を伸ばした
俺は気付いたら
「あぁ」
その手をとっていた
あぁ、空がこんなに青いなんて思ってなかったな
俺は、この日鳥になれたよ
8/22/2024, 4:52:10 AM