━━━━━━━━━━━海へ━━━━━━━━━━━
※死ネタです。苦手な方は読まないことをオススメします
ザザーン・・・ ザザーン・・・
「………」
オレは今海に来ている。なんで海に来ているのかというと…
この人生を終わらせに来たからだ
オレはある奴が好きだった。因みにソイツの性別は男で、オレも男。
オレは同性愛者なんだ。
ずっと隠してきた。親にこの事を知られたら顔向け出来ないし。きっと失望されるからずっと言わなかった。
ダチにも隠してきた。キモがられたくなくて…嫌われたくなくて…ずっと隠してきた。
だけど、高校に入って同じクラスの奴にオレは恋に落ちちまった。
ソイツは暖かくてなんでも包み込んでくれてまるで
太陽みたいなやつだった。そのおかげかクラスの奴らにも好かれてた。もちろん告白してる奴も居た。
だがアイツは断ってたんだ。理由は
「将来を誓い合った彼女がいるんだ」
そうアイツは言ってた
オレは早くも失恋した。でも、それで良いと思った。そっちの方が早く諦めがつくと思ったから。
だけど、人の心は簡単にはいかないらしい。
オレは今でもずっとアイツの事が好きだ。きっとこれからもオレはアイツの事を思い続けるんだろうな。
そんな気持ちをずっと心に秘めながら残りの人生を
生きるんだろう。
自分が同性愛者だということを隠し好きでもないヤツと結婚する。ずっと自分や家族、周りに嘘をつきながら死ぬまで生きていく。
だがオレはそんなクソみたいな人生、まっぴらゴメンだ。
……だから今日ここで全てを終わらせに来た
同性愛者だってことも、アイツのことが今でも好きなことも、今までのオレの気持ちも全部
全部全部全部全部全部全部全部ぜーーーー〜んぶ
ここに捨てに来た。
今思へばずっと息苦しい人生だったな。本当の気持ちもオレも全部。皆が思い浮かべる"オレ"を演じる為に隠してたからな。
………せめて来世は自由に生きよう。好きな物を好きと言って、好きな相手に告白する。
あぁいいな、そうしよう。
あっ、そういえばアイツ結婚したらしい。高校の時言ってた彼女とそのままゴールイン。オレのとこにも結婚式の招待状が来たけど断った。
ただただ悲しいだけだからな…
……………そろそろ終わらせよう。
オレは、服にありったけの石を詰め込んで海に歩いて行った。
来世への期待と………アイツへの恋心を持って…
…………あぁ……
海は綺麗だなぁ……
━━━━━━━━━━鳥のように━━━━━━━━━━
「………鳥になりたいなぁ…………」
俺はいつもこの地下牢にいる。
理由は、俺の血から出るものになんでも治す力が宿っているかららしい。
だから俺の体はボロボロで包帯もいっぱい巻かれている。
……このまま俺は死んでいくんだろうな…
「そんな事はさせない!!」
知らない声が聞こえた鉄格子の方を見ると、知らない男が立っていた。
「私が必ずお前の事を自由にする!ここから出す!!」
「……どこの誰かは知らないが辞めた方がいいぞ」
ここの奴らは歯向かえば慈悲なしに残酷な事をしてくる。そいつの家族や友人を巻き込んで絶望させた後に殺してくる。
「安心しろ!俺には失うものは何も無いからな!!」
「それは……それで…」
コイツといると調子が狂うな…
「兎に角!!もう少しだけ待ってくれ!!」
「期待はしないでおく…」
ソイツはそのまま姿を消した
アイツが来てから数ヶ月が過ぎた
「やっぱり失敗したんだたろ…」
その瞬間
ヴーー ヴーー ヴーー
警報の音がした
「!……何があったんだ…?」
この牢獄の中にある唯一の窓を見ると
「!……燃えてる…」
城が燃えていた……一体誰が……
!まさか……アイツ…?
その瞬間
「迎えに来たぞ!!!」
アイツの声が聞こえた、声のする方に見たら
少しボロボロになったアイツの姿が見えた
「おまえ……本当にやったのか…」
「?言ったろ?必ず助けに来るって」
俺はその言葉を聞いた瞬間、目から涙が零れた
本当に助けてくれるなんて思ってもなかった、でも
凄く嬉しかったんだ
「もう大丈夫おいで」
ソイツは俺の方に手を伸ばした
俺は気付いたら
「あぁ」
その手をとっていた
あぁ、空がこんなに青いなんて思ってなかったな
俺は、この日鳥になれたよ
━━━━━━━━君の奏でる音楽━━━━━━━━
僕は小さい頃歌手になるのが夢だった。
だから、僕は自分で歌手を作ってメロディも考えて自分だけの歌を作ってはいつも歌っていた。
でもクラスの子からは「耳障りだから歌うな」と言われ、親にも「歌ってる暇があるなら勉強しろ!」と怒られた。
そして、決定的だったのが
「お前の作った歌は変なんだよ!!」
それ以来、僕は歌うのを辞めた。
そのまま音楽から遠ざかってから6年すぎ僕は高校1年生になっていた。もちろん歌は歌っていない。
今日も早く家に帰って勉強だ。でも今日は親が出張で家には居ない。
「……久しぶりに歌おうかな…」
僕は屋上に行った。ここなら小さく歌えば誰にも気付かれないから。
「•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*♩」
久しぶりに歌ったらとても気持ちよかった。
誰にも邪魔されない特別な時間になった。
「……•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*」
違う声が聞こえた。気づいた時にはその声とハモリながら歌っていた。その声は、あ〜とか、う〜とか、ラ〜とかで綺麗にハモってくれた、今歌ってる歌は自分で作った歌なのに、分かってるかのようにハモってくれて、とても気持ちよかった。
時間はあっという間に流れて声の主がやって来た。
「上手だね君」
出てきたのは1つ上の男の先輩だった。
「えっと、ゴメンなさい!こんな所で歌って…」
「なんで?放課後は自由時間だよ?何処で歌っても変じゃないけど…」
「それに俺が今歌ってた歌自分で作った歌なんです。変な歌でしょ?」
僕がそう言うと先輩は黙って僕に近づいた黙って僕のことを見ている。
「……さっきの歌お前が作ったのか?」
僕は黙ったまま頷いた、きっと軽蔑されてるんだと思った、でも先輩の反応は僕の思った反応と違った。
「お前すげぇな!!」
先輩は目をキラキラさせながら興奮したように言った
「めっちゃ歌詞の内容が共感できてさぁ!聞いててめっちゃ楽しかったんだよ!おかげでハモちまった!!」
「……キモく…ないんですか?」
「はぁ?なんでキモイとか思うんだよ。すげぇじゃんか自分で考えて歌詞作ってメロディ付けて……俺出来ねぇもん、そんなすげぇ事。」
初めて認められたクラスの子にも先生にも親にも変だって言われたモノが初めて、そのせいか僕は
「!?なんで泣いてんだよ!!?」
僕はいつの間にか泣いていた子供みたいにどばどばと涙を流しながら「ありがとうございます」と泣きながら言った。先輩はそんな僕に引くこともせず僕の背中を撫でて慰めようとしてくれた。
「…なぁ、俺お前のこと全く知らねぇから気の利いた事も言えねぇけど、お前は凄い!それだけは分かるぜ」
「だからまた歌ってくれよ。お前の作った歌俺好きだからさ」
「……はい!!!」
僕は、その1件以来歌を作り続け新作が出来ては先輩の前で歌っている。
後、先輩とも仲良くなったお昼とか放課後とかは先輩と一緒に過ごしている。そして、過ごしていく内に
「俺、お前が好きだ!男同士だけど
…俺と付き合って下さい!!!」
先輩に告白され無事にお付き合いを始めた最初は少し照れて全然喋れなかったけど先輩のお陰で今は普通に話せるようになった。付き合ってから気づいたけど先輩は凄く一途で僕には凄く甘々だった。でもそのお陰で、毎日楽しく過ごせている。
それと……親と衝突した。僕が歌手になりたいって言ったら大激怒した。でも、僕も負けじと自分の思いを怒鳴りながら言った。数日はギクシャクして家に居づらかったけど、最終的には認めてくれた。大学の費用も出してくれる事も約束してくれた。あと、謝ってくれた。今までお前の意思や意見を無視して悪かったって。
なんだかんだで、良い両親だって思った。
そのまま月日が流れて……
僕は今大学3年生になった、もちろん先輩とはお付き合いは続いていて今は同棲もしている。変わった事といえば先輩が大学卒業してから過保護さが増した事かな。
でも、全然悪い気はしないからそのままにしている。
1度諦めた夢、今度は絶対に諦めない。必ず叶えてやる
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僕は今や世界を駆け巡る歌手となった。先輩とはそのまま進み、つい先月結婚をした。親には大層泣かれた。でも、幸せになれと言われた。何処までいい両親だよ。
さぁ今日も僕だけの音楽を奏でに行きますか
━━━━━━━━━━麦わら帽子━━━━━━━━━━
君と初めて会ったのは川の綺麗な山の中だったね。
私その時、お母さんに誕生日に買ってもらった麦わら帽子が風に飛ばされて木の枝に引っかかって泣いてたよね。
その時君が「どうしたの?」って声掛けてきてくれたよね。
事情を話したら「任せろ!」って言って色んな方法で取ろうとしてくれたよね。
時には木から落ちちゃったり、川に落ちたりしたよね
それでも、君は私のためにずっと頑張ってくたね。
私、凄く嬉しかったの。それと同時に君のことを尊敬したし驚いた。
初めて会った子の為に、ここまでやってくれる子なんて見たこと無かったから。そこが君のいい所なんだよね
夕方になって帰らなきゃと思って諦めた時、君は麦わら帽子を取って笑ってくたね。
私は今でもその麦わら帽子を大切にしてるよ。
だって、この麦わら帽子は
君と私を結びつけてくれた幸せを運ぶ麦わら帽子だからね
━━━━━━━━上手くいかなくていい━━━━━━━
中学1年、僕はバレー部に入った。
バレーは生まれて初めてやるから凄く緊張した。バレー部に入ってからの部活は楽しかったけど、それと同時に周りとの技術の差ができてきた。
僕が1つできると同時に一緒に入った友達は5つ出来るようになっていた。初めて友達に嫉妬をした。
それにバレーはレシーブが基礎なのにまだまだダメでいつも失敗する。
ある日の練習試合3セット目で相手チームがリードしてた。焦りからか失敗がどんどん増えていく。
見かけた監督がタイムを取った。
僕のせいだ、怒られる!
と、思っていたけど監督は怒らなかった。逆に心配していた。そしたら監督は
「お前はまだ1年生だろ?確かに周りと比べればまだまだかもしれんが確実に初めの頃より上手くなってるじゃないか。」
僕は泣いた嬉しかったのだ
今まで努力してきたのが褒められたから
監督はそんな僕を見ながら
「それに人それぞれ個人差があるお前はゆっくり少しづつ少しづつ上手くなってい派なんだろうよ。悪く言えば遅いがよく言えば丁寧なんだよ」
「何事も毎日の積み重ねが大事なんだお前はそれがよく分かってる
大丈夫!上手くいかなくていい、それをカバーし助け るのがチーム、仲間ということなんだから」
僕はそれ以降も毎日努力している
監督の言葉を胸に僕はバレー部主将としてこの部を支えていく。