飛べない翼』の作文集

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飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/12/2023, 5:46:02 PM

「飛べない翼」
誰にでも生まれつき羽はあると思う。
いつか大きくなって、羽が翼になったら自由に空を飛べるはず。
なのに私達はいつまでも自由に空を飛べない。立派に育った翼はあるのに。
自由に生きれない。
きっと落ちるのが怖いから。

11/12/2023, 1:26:14 PM

僕が普通じゃなくても愛してくれますか?
みんなと同じことができなくても、同じみんなと同じ愛情を持って接してくれますか?
僕は生まれながらにして、翼は持っていても飛ぶことができない天使だった。
真っ白な羽、柔らかな羽、肩甲骨の辺りからひょっこりと生えている。
僕のお母さんもお父さんもお姉ちゃんもお兄ちゃんもみんな持っている翼。
僕も持っているけれど、みんなと違うのは飛べないということ。
よく分からないけれど、天使のお医者さんのところに連れて行かれて、翼としての役割をコレは果たせないんだって。
稀にある病気の一種なんだって。
僕は意味もなくある、ただ飾りのコレと一生付き合わなくてはいけないらしい。
と言っても、生まれた時からこうだからみんなの可哀想とか辛かったね、とかっていう声かけは特に僕の心になんの影響ももたらさない。
だって僕にとってはコレが普通だから。

学校に行く歳になった。
僕は他の使える翼がある子とは違うクラスなんだって。
空を飛んで移動しないといけない授業とか、内容に僕は一緒に行動できないから、特別な学級に行くらしい。
それはごもっともなことで、他の子に置いて行かれて悲しい目に合うよりかは、僕と同じような境遇の子達と頑張って授業を受けることの方が良かった。
僕みたいに翼が使えない子や、翼がない子、片方しかない子、それから頭の上の輪がない子とか、いわゆる普通を持っていない子が僕と同じクラスになった。
それぞれができることは違うし、たしかに他の子とはなんか違うなって子達が集まっている。
でも、得意なこともあって、絵がものすごく上手だったり集中力がすごかったり、特定の知識だけはたくさん詰まってたりする特別な子たちばっかりだ。
担任の先生とは別に補助の先生もいていろいろ良くしてくれてる。
でもね、僕知ってるんだ。
百パーセントの愛で接してくれている訳ではないこと。百パーセントの善意で見てくれていないこと。
先生は言うんだ。あの子はああだったら、いいのに。とか、せめて〇〇はできないと生きていけないのに、とか。相手が面倒くさいとか。そりゃあね、場所を歩いて移動するしかないから、高いところに行くには連れて行ってもらわないといけないし、片方の翼しかない子はバランスが取れないから、体を支えてもらう必要があるし、頭の輪っかがない子は、頭の回転がちょっと遅いから受け答えがうまくできない時もある。
僕の世界では、普通じゃないことが見た目で分かってしまう。僕が外に出かけたらね、知らない人は顔を顰めるの。きっと僕が変な行動をしたり人に迷惑をかけたりすると思ってるんだ。迷惑はかけるかもしれないけど、顔を顰めなくていいのに。
僕はちょっと傷ついてしまうんだ。こんなこと慣れてるはずなのにね。

なんかね、2学期から学校の制度が変わって僕みたいな立場の子も普通学級に行かなくちゃいけなくなったの。
まあ、僕はそのままの学級なんだけど。
頭に輪っかがない子が普通のクラスに行くことになった。その子のお母さんは、他の子と違うってことが、ものすごく今まで嫌だったみたい。だから、その知らせを聞いてすごく喜んでた。
私の子は、普通なのよって。
不思議だね。クラスが違うだけでその子のお母さんは胸を張って自分の子の存在を人にいうことができるんだ。
おかしいよ。
でもね、数ヶ月経ってその子は学校に来なくなっちゃった。授業に追いつけないんだって。
今まで僕たちとやってたペースはゆっくりだったから、授業のスピードに追いつけなくなっちゃったって。
そりゃそーだよ。
なんで、僕たちにあったクラスに行ったら行けないのさ。僕は先生に聞いてみたんだ。
そしたらね、学校のボスの市役所ってところからの命令なんだって。
僕たちみたいにちょっと正常じゃない子がたくさんいて大変だから、その人数を減らすために基準をあげたんだって。意味が分からないよ。
授業に追いつかなくてもいいから教室にいるだけでいいよ、ってなんの意味があるの?
僕はまだこのクラスにいられる。
でも、授業の言ってる意味も分からない、友達もできない。教育の放棄だよね。

天使は天使っていう型にはまった見た目じゃないと、普通の子と同じものをくれないの?
恥ずかしいとか、可哀想とか、なんでそう思うの?
あーあ、なんて簡単で難しい問題なんだろう。

11/12/2023, 12:28:27 PM

北田さんへ


北田さんが貸してくださった本『飛べない翼』
読ませていただきました!


北田さんがおすすめする本だから、結構難しいのかな、私でも理解できるかなぁ?と思ったけど、意外と読み進めてしまって、あっという間に読み終わっちゃいました!


主人公が何度も挑戦しては、心が挫けそうになるたびに、それでも立ち上がる姿がとても感動しました。

私もこの間、少しだけ、本当に大したことじゃないんですけど、少しだけクヨクヨしちゃって…

そんな時におすすめされた本だったので、とても元気が出ました♪
ありがとうございます!!

また素敵な本を紹介してくださいね。

私も諦めずに頑張りたいと思うこと、できました!

11/12/2023, 11:04:44 AM

飛べない翼


(お題更新のため本稿を下書きとして保管)


2023.11.12 藍

11/12/2023, 10:05:23 AM

飛べない翼

君が好きだ
肌、爪、角質、吐瀉物、排出物、唾液、菌、細胞、臓器、血液、骨、髪、人体、鼓動の音、呼吸する音、
全部愛している。

君の損なわれた肩甲骨
全部取ってあげたよ
君の中に入っていた悪い物とってあげたよ。

そして君は血になるはずだった体液をとめどなく流す
額から顎を通って喉を通って頸動脈に体液が流れ落ちる
眼をキラキラさせている君が僕を震えて見ている
君のみすぼらしい服は血飛沫がついていた

とってあげるよ。
僕が舐めとってあげる

金切り声で苦痛を表す君
来ないでとひたすらに鳴き叫ぶ

人間じゃない君が″なく″のは″鳴く″でいいのかな
それとも″泣く″かな
まぁ人型だもんね。″泣く″の方か

大丈夫だよ。今から綺麗にしてあげる
僕が血を落としてあげるんだよ
そのお返しとして君はありがとうって言うんだよ
人はこうやってコミュニュケーションを取るんだよ
なんとも煩わしく糞みたいなコミュニュケーションをね。

コミュニュケーションなんぞ知ったら無駄だよ
そんな物を知ったところで何の意味もないよ
コミュニュケーションなど所詮責めだ。

人と関わって何になるんだい?
なぜ人と関わりたいと思うんだい?
人は人に何が出来るんだい?

それなら僕だけと関わっていた方がいいじゃないか
僕は君に愛と愛の産物しか贈らないんだよ
そんなの君に良い影響しか及ぼさない
僕といた方が君の人生は断然輝く薔薇色になれる
それが例え無彩色の薔薇だったとしても。

僕には何もない
でも君には沢山あった
今はなくても前の環境には腐る程あった
僕にはない全てが君にはあったんだ

そんなの納得がいくわけないじゃない。
逆に納得がいき離してもらえるとでも?
そんなことあるわけがない
なんで君を離す必要がある

ああ、そうだ、君のお気に入りの羽毛布団は捨てておいたからね

ん?あれは羽毛布団じゃないって?
君は冗談も上手なんだね。
また好きになっちゃったよ
もうこれで君の良いところは無量大数個になった。

何か言いたそうだね
でも駄目だよ
君が今、発する言葉は僕から教わった言葉じゃないし
僕についての言葉じゃない
そして僕の言葉でもない
そんな言葉を発する必要があるかい?

僕以外の言葉を名前を言う必要があるって言うの?
君は言わないよね?
言うわけがないよね。
うん。そうだよね。

よしよし。良い子だね。
君の頭も前より撫でやすくなったね
変なアクセサリーを君が身に付けていたから前は撫でにくかったんだよ
まぁ、それ以外にも撫でにくい原因はあったけど。

まぁそんな事はいいじゃないか。

どうだい?腹でも減ってるだろ?
ご飯にしよう。
さぁ口開けて?

僕の唾だよ
あぁそうだよね。
お腹減ってるのにこれじゃ足りないよね
じゃあ僕の食べたやつだよ。

食べて。
うん?色が変わってるって?
大丈夫だよ。

さぁ鼻つまんで食べてごらん?

うんうん。良い子だね。
君は本当に優秀な子だよ。
前の子と比べたら大層、

なんでもないよ。
ああ眠くなってきたね。
ん?お話を聞きたいんだね。そうか分かったよ
じゃあ話してあげる

お話の名前は my former 載ン茝

ん?聞き取りにくかった?
気のせいだよ

じゃあもう一回言うね。
my former 縺ヲン二
それでははじまりはじまり

僕という子の元にはとても可愛い妹がいました。
身長は小さくて歳に合わず少し幼い子でした
体重は軽くてでも食べる事は好きでした
いつもご飯の時は兄を急かしたりご飯だよというと
そこらじゅうを走り回る程でした
その子はよく肩甲骨で遊んでいました
肩甲骨を出したり引っ込めたり
その度にお母さんにやめなさいと言われていました
その度に兄は宥めていました
その子は肩甲骨が目立つほど出ていました
そんな妹が兄は大好きでした
ご飯を食べさせて寝かせてあげてお話を聞かせてあげてお勉強も教えてあげたり仲睦まじい兄妹でした。

でもそれをぶち壊す様なことが起こりました
それは交通事故で妹が亡くなった事でした
家族全員でデパートへと出掛けていたら
妹が飛び跳ねながら歩いていた時
そこを目掛けてと言わんばかりに車が向かってきたのです
その車に乗っていたのは同じく家族でした
そしてその車の下敷きになった妹は体液を流して
もう瞬きする事もない目が開いたまま動かなくなりました

そして今はその子によく似た子と一緒に暮らしているのです
めでたしめでたし。

どうだった?
my former angel。
もう聞こえないか
おやすみ。my former angel。

もうこれで君は飛べない。


天使を誘拐し
羽をもぎ取り妹と重ね育てている。
飛べない羽をもぎ取ったら
肩甲骨が出ていたんだ

そうしたら妹のことを思い出したんだ
いてもたってもいられなくなって僕は肩甲骨を折った
全部取ってあげたんだ
君の中にあった悪いものを

もう君の翼はないよ
もうどこへも行けない
君の悪い翼はもうなくなった
これからずっとその僕にとられて欠けた体で心が欠けきった僕と一生を添い遂げるんだよ。



妹の事件の影響か
この男の残忍性はあの妹の死体が今も忘れられないからなのかは分からない
my former angelとは妹の事なのか元天使かどちらかなど誰も分からない
そして最初に言った ″君″とは妹か元天使か
はたまた妹と天使を重ねているのか。

天使はスヤスヤと眠りにつき
男はそれを涙を流しながら見ている

誰が被害者か加害者かも分からない
だがみんな悩みに体を支配されているのは確かだ。

飛べない翼

11/12/2023, 10:02:33 AM

歩いてきたんだね。こんなところまで歩いてきたんだね。
飛べないことを隠すためにどれだけ痛めたんだろう。
貴方の望む、"いいよ"を用意できなくってごめんね。
その人じゃなくて悪かったね。どうしようもない挫折や諦めに手を引いていってやれないことを、たぶん弱さだって思うけれど、飛べない鳥だって多いよ。
私は、別に、いいよ。追いつけなくたって。
一人は好きだな。そんなことで貶める言葉を口にしなくて済むんだって思うから、一人は好きだよ。
こんな生き物がここに居る意味があるといいなと思うから、さよならはまだ、言わないことにした。今更だけど。

11/12/2023, 10:00:17 AM

私は天使、いわゆる天界に住んでる神の使いなの。
天使には羽がついていて、
空が飛べて、綺麗な白色をしているの。
でも私には飛べなかった
普通の天使とは違って、
私の羽は黒く染まってドロドロに溶けていた
周りの天使達は
「あれに触ると飛べなくなる」だの、
「黒い羽は不幸の翼」なんて
噂を流して私から離れて行くの
だけど、二人、私から離れないでくれた子がいたの
私は怖かったんだよ、裏切られるんじゃないかって
でもあなた達は私の羽を嘲笑ったりしなかった、
むしろ羨ましいって、そう言ってくれた
あなた達の世界に天使はいないんだっけ、?
あなた達からしたら羨ましいって思われてるんだね。
でもあなた達が天使だったら、?
あなた達は普通に飛べて、私だけ飛べなかったら、?
私はあなた達に聞いたの。
そうしたらあなた達は
「今と変わらず相手してやる」って言ってくれた
私は嬉しかったよ、初めてだったから
そう私に言ってくれたのは、
でも、あなた達はニンゲンだもの、
寿命とか、あるのよね
私はまだまだ長生きできるけど、
あなた達は、せいぜい80年程度、
だからいつか死んでしまって、もう会えなくなる
ーーーーーーーー
こんな話を聞いたことがある?
死後、天使が迎えに来て、
天界で過ごす天使になるって
でも、生前に天使と会ってしまうと、
羽を失い、飛べない天使が生まれるって。
….どういうことか分かる?
あなた達は私に会ってしまったから、
飛べない天使になってしまうの
私も、生前に天使と会ってしまって、
飛べなくなってしまったの
「回避する方法」はないかって?
残念だけど、天使になるのは回避出来ないわ、
飛べなくなって、虐げられる毎日。
…私のせいね、
私があなた達と出会ってなければ、
こんなことにはならなかったはずなのに、
本当にごめんなさい、
…えっ?
「それでもいい」…?
だめよ、!あなた達が虐げられるなんて…!
「一緒に行こう」…ですって?
…どうして、なんで私を嫌わないの、?
私のせいで、私のせいでこんなことに、!!!!
ーーーーーーーー
大丈夫です、僕たちがいますから
何も心配はありません。
僕たちが虐められたって、
あなたが助けてくれるでしょう、?w
あなたが虐められたら、
僕たちが助けます。
だから、一緒に行きましょう?
ーーーーーーーー
ありがとう、
あなた達に出会えてよかった、
….じゃあ、天使になったら、また会いましょう、?
その時は、美味しい紅茶でも、用意しとくわね、!

ー飛べない羽ー

ーー創作 1日目

11/12/2023, 9:59:46 AM

美味しいご飯食べたい。
お腹すいた。
でもお父さん怒ってるから、
今日はご飯なしだなぁ。
お腹すいた。

11/12/2023, 9:55:56 AM

飛べない翼……

10年前に読んだ嶽本野ばらさんの小説を思い出した。
タイトルは「ハネ」だったかな?

あの頃は図書室の本を毎週借りて読んでいた。

何かをきっかけに、昔読んだ小説のエピソードが、ふと目の前に浮かぶ。

頭の中のブラックホールに漂っているたくさんの物語たちが俺に語りかける。

ここではないどこかを感じながらも、現実から逃げているというわけでもない。

俺の人生の救い、俺が人生を飛ぶための翼になってくれている。

11/12/2023, 9:54:21 AM

シンボル



仲間であるという象徴を携えて

自分にしかできないことを模索する

諦めと挑戦の境目を決めるのは難しいが

可能性は拡がっている



※飛べない翼

11/12/2023, 9:53:17 AM

【飛べない翼】

今、僕の背中には誰の目から見ても明らかな翼がある。大きめの洋服やリュックで隠そうとするが、かなり不自然な背中の膨らみを指摘されることは少なくない。

もちろん、翼があるからといって飛べるわけではない。この翼は『飛べない翼症候群』によってもたらされたものだ。

『飛べない翼症候群』は国内で数千例しかない、珍しい症例だ。翼が生えることを除いては大きさや色、形などもまちまちで、原因も未だ特定されていない。幼少期に発症し、最初は肩甲骨が少し盛り上がっているくらいだが、小学生高学年から中学生にかけて翼が形成されていく。そして、高校から大学入学までに翼は消滅するとされている。

ただ、ごく稀に成人しても翼がそのまま残る場合がある。27歳の僕がその「稀な例」だ。

「あの、もしかして今井さんって『飛べない翼症候群』ですか?」

たまたま廊下ですれ違った総務の花岡さんに、突然声をかけられた。

「えぇ、まぁ…」

「やっぱり! でも、珍しいですよね。社会人になっても翼が残ってるのって。私も大学入学近くまであったんですよ、背中に」

あぁ、この人もそうか。

『飛べない翼症候群』だったという人には、今までにも何度か声をかけられてことがある。その後は決まってこう続くのだ。

「大変だねぇ、同じ症状を経験したことがあるからわかるよ。自分は早いうちに翼が取れたからいいけど、その歳で翼背負ってるって正直イタイよね〜」

別に好きで翼を背負ってるわけではない。同じ経験をしながら、相手の苦しみをまったく理解していない人ほどタチの悪いものはない。

「そうですか。じゃ、今は快適なんですね」

僕は、余計なことを言われたくなくて先にこう言った。でも、帰ってきた答えはまったく予想していない言葉だった。

「ううん、ちっとも。私、翼を失ったことを今でも引きずっているのよ」

すると、花岡さんは大学時代に出会った留学生の話をしてくれた。彼自身は『飛べない翼症候群』ではなかったが、友人知人の何人かにこの症例が当てはまり、自力で調べていたという。花岡さんも自分の症状を明かし、大学入学前に翼が消えてよかったと話すと、彼は思いがけないことを言った。

「翼はあった方がいいよ。大人になっても。だってそれは、とても大切な個性だから」

自分が経験したこともないのに、何て身勝手なとこを言う人だろう、と最初は花岡さんも良い印象を抱かなかった。でも、彼の友人たちはそれぞれ自分の翼を誇りにして、あえて隠そうとはしなかったという。そして、翼が消滅するときには仲間とフェアウェルパーティーを開き、感謝と惜別の想いを表したという。

「彼の友人で、成人しても翼が残っている人がいるの。その人ね、今はある大きなテーマパークのスタッフとして働いているんだけど、子どもたちに自分の翼を見せて今やパーク1の人気者になっているのよ」

僕は呆気に取られていた。僕以外で、成人しても翼が残る人物の話を聞いたのは初めてだった。しかも、それを活かして仕事をしているなんて…自分との圧倒的な差を感じた。

「それでね、今井さんの歩き方を見たときに学生時代の私を思い出してしまったの。何となく背中を隠すというか、庇っているような気がしたから。突然声をかけてしまってごめんなさい」

「いえ…あの、ありがとうございます」

僕は、花岡さんに深々と一礼した。初対面の僕を呼び止めて、こんな話をしてくれる勇気と優しさが嬉しかった。

「あ、あとね、もうひとつ」

花岡さんは急に小声になった。

「さっきのテーマパークのことが総務でも話題になってね、来年からあなたのように成人後も翼を持つ社員には何らかの補助が出るかもしれないの」

「えっ、ホントですか⁈」

「まだ『かもしれない』としか言えないけど。でも、一般社員より負担は大きいだろうし、できるだけみんなで働きやすい環境にしたいって話は進んでいるわ」

そうか、僕は今までこの翼を隠すことばかり考えてきたけれど、これからはこの翼を生かし、ともに生きることができるかもしれない。

「花岡さん、ありがとうございます。お話できてよかったです。今日からちょっとだけ、自分の翼を好きになれそうです」

僕はあらためて花岡さんに礼を言って、自分の部署に戻ろうと歩き出した。

「今井さん、背中!」

花岡さんに言われ、無意識に背中を丸めていた自分に気づく。自分の個性として完全に受け入れるにはまだ時間がかかりそうだ。

11/12/2023, 9:46:58 AM

「君はすごく優しいよね」
よく言われる
僕は優しくなんかないよ
ただの偽善者さ
自分が欲しい言葉を
人に言っているだけ
寂しいから
誰かに必要とされたいだけ
自分の存在価値を見出せないから
誰かに頼られたいだけ
僕は知ってるんだ
人の心の傷付け方を
誰よりも
だから
なろうと思えば
悪人にもなれる
だけど
良心の呵責が
罪悪感が強いから
悪人になりきれない
だけど
善人にもなれないんだよ
人を恨んで殺意に満ちてるから
君が僕の心を見たら
僕が優しいなんて
消して言えないさ
汚れた心
綺麗な心
悪意と善意
感情が揺れ動く
悪魔にも天使にもなりきれない
ただの人間
悪魔と天使のあいのこ
それが人間
だけど
僕のこの偽物の優しさも
君の救いになったなら
偽物ではないのかな
偽善者なりに
飛べない翼を背負って
頑張るよ
善意に満ちた
天使になって
空に飛び立つことも
悪意に満ちた
悪魔になって
地獄に飛び降りることも
人間の僕にはできないから

11/12/2023, 9:45:49 AM

ダチョウは、飛べません。
ペンギンも飛べません。
でも、この二種類の鳥類は、飛べない代わりに、何か別のことに特化しています。例えばダチョウは、えげつなくでかい卵を生むことや、走るのが早いなどがあります。ペンギンには、氷の上を滑ることができます。
話は変わりますが、私は、勉強が平均にできる普通の人じゃなくて、国語が全くできない代わりに、数学がえげつないぐらいにできるのです。
このように、何かができない代わりに、自分だけの得意なことがあるのです。これからの人間社会でこのことを理解して、何事も乗り切れるようになりたいです。

11/12/2023, 9:41:35 AM

今日のデート先は彼女の希望した水族館に来た。開館時間から居てもうすぐ昼時になる。なのに彼女はあるブースからいっこうに動こうとしない。もうそろそろ行こうよ、と言った僕に彼女は「もう少しだけ」とだけ答えた。それからもうすぐ1時間が経とうとしてる。いったい彼女のもう少しはどれくらいなんだろうか。
ちっとも動きそうにないので彼女をその場に残し、僕は自販機でコーヒーとココアを買いに行った。今日は休日だから結構お客さんがいる。カップルから家族連れまで様々だ。みんな楽しそうに水槽の中の生物たちを眺めている。水の中で悠々と泳ぐ姿とか、沈んでじっとしている様子を観察しては盛り上がっていた。
けれど僕の彼女の見ているものは。水の中ではなく、陸の上でさっきからずっとたそがれている。時折手をバタバタしたり首を傾げたりもしているけど、あまり目立った動きを見せない。それなのに数時間も見て何がそんなに楽しいんだろうか。
「はい」
「あ、ありがとう」
買ってきたココアを渡すと彼女は僕の方を見た。でも再び柵の向こうに目を向ける。彼女の横顔は笑っていた。本当に好きなんだな。
「私、水族館にいる動物の中で1番好き」
「……ペンギンが?」
「うん」
まぁ別に珍しいことじゃないけど。わりと人気者だしグッズもたくさんある。けど2時間以上も居座るほど好きなのにはちょっと驚く。
「どうゆうところが好きなの?」
「だってさ。可愛いじゃん、一生懸命なんだもん」
ほら、と彼女が指差した1羽が両手をバタバタさせていた。
「ああやってるとこ。可愛くない?飛べないのに飛ぼうとしてるように見えるの」
だから可愛いの。満足気に彼女が笑いながら言った。言われてみれば、そんなふうにも見えてきた。本当は空を飛びたいのに、できなくて必死に手をバタつかせている。そう思うとなかなか愛嬌のあるやつだなと思えてくる。
「でもさ、もしペンギンが飛べたら、こんなに人気出てないよね」
「まぁ、それも一理あるな」
「だからこのままでいいの。飛べないおかげでこんなに人気者なんだよ、きっと」
飛べない代わりに皆の人気を獲得している。なんだか面白い話だな。出来ない事があるおかげでこんなにも人に愛されるって、人間同士じゃなかなか無い状況じゃないか。それってすごいことだぞ、おい。心のなかで呟きながら僕はすぐ手前に居たケープペンギンを見た。
「ふふふ」
「なんだよ?」
「ううん。ペンギン、好きになった?」
「まぁね。ちょっとどんくさそうなとこが親近感湧くかな」
まぁ僕は何時間も見てられないけど。でも、なんだか不思議とただ見てるだけで癒やされるんだよな。イルカもアシカも可愛いけど、ペンギンのほうが好きになったかも。
じゃあ、彼女が飽きるまでもう少し眺めていようかな。たまには時間に縛られず、のんびりするのも大切なことだから。今日のデートはすごく充実している。こういう日を大切にしたい。

11/12/2023, 9:38:28 AM

いつも鳥を見ている。
私は飛べない小さな鳥

羽を怪我しているのだ。
どうして飛べないと嘆いている。
私はふつうじゃないんだと、納得して生きている
小さな鳥

ある日人が言った、
小さな鳥よ名前を付けてあげよう。
君の名前は「あかり」だよ。
それを聞いて小さな鳥は嬉しかった。
しばらく悩みは消えなかったけど。僕はあかりを灯す役をしよう思えてきた。
そうしてから色んな鳥たちの悩みを聞く事をしてみた。あかりより大変な思いをしている鳥にも出会いました。
飛べないけど、それからはみんなに心をひらいていきました。心に、灯りをともし。

11/12/2023, 9:37:35 AM

【飛べない翼】#79

飛べない翼を生まれ持った。
みんな飛べるのに、私はただの役立たず。
そう。飛べないのなら、ただ役立たず。
私には自由に生きる権利なんか
一ミリたりともなかった。
彼は天使の梯子の場所を案内してくれた。
雲の上ならば自由も、生命も、権利も、
何も気にせずに過ごせると言った。
でも、彼は私とそれを登る覚悟はなかった。
やっぱり、この世界は小さかった。

11/12/2023, 9:33:32 AM

【飛べない翼】


「今度生まれ変わるなら天使がいい」
そう言うと、神様はちょっと考えるみたいな顔をして、口を開きかけてすぐに閉じた。神様が答えないってことは、そういうことだ。
「ダメなの?」
「たいていは、同じような種類に生まれ変わるね」
遠回しに言うけど、なんとかしてくれるのが神様じゃないの?
「種類って……天使だって、翼あるし。それに同じのはもういい」
「どうして?」
「飛べないってバカにされた。なんのための翼だろ」
「飛べるってことはね、逃げなきゃならない敵がいるってことなんだよ」
「敵、いてもいいもん」
「そうかなあ。敵もいなくて、ご飯が保証されてる生活。いいと思うけどな」
「だからシアワセだっていうの?」
「うん。そうとも言うね」
呑気すぎて、敵を敵だと気づけなくて、滅びたヤツらだっている。それが幸せだっていうのかな。
「何が不満なの。充分可愛い姿をしてるのに」
「違うんだって! 可愛いじゃないの! カッコよくなりたいの! 天使カッコいいもん。空も飛べるし、手も使える」
「そう? 可愛いくなりたくたって、なれないコもいるのにね」
神様はのんびり言うけど、そうじゃないんだ。
「必要ないもの持ってたって、しょうがないよ」
神様が小さく息を吐く。
「それはね、『ないものねだり』って言うんだよ。翼、飛ぶ以外にも、お役に立つことたくさんあると思うけど」
「分かんないよ」
「それに気づいたら、もしかしたら天使にもなれるかもね」

11/12/2023, 9:31:45 AM

「良いよな、お前には目に見える才能があって」
「アンタにもあるだろ」
「これは俺のしたいことじゃないっっ!!!」
彼のアトリエ(彼は認めてないけど)に絵の具や筆がぶちまけられた。べったりと、白い床に赤黄青などが混ざる。
「はは、今のアンタみたいな色になったな」
「はー、うるさい」

「描いてる絵、綺麗じゃん。白い翼が、黄色と黒が混ざった背景によく映えてる。……コイツ片翼だけなんだな」
「水面には両翼つけるつもりだ」
「昔は飛べてたっていう暗喩?もしかしてさっきの才能の話?」
「……違う」

「残った片翼、よく見ると羽が毟り取られた跡がある。自由に飛べないようにされたんだな」
「……」
「コイツ、アンタに似てる」

「飛べないやつはどうなると思う?」
「まあ大体死ぬだろ」
「コイツは拾われたっていう設定で描いた。中途半端に世話されて、鳥籠に入れられて……」
「何で鳥籠描かずに水面描いたの?」
「生きにくい場所ってこと」

「もうコイツ空見れないんだな」
「もう飛べないからな」

11/12/2023, 9:30:57 AM

12.飛べない翼

想像力は無限大だ…

私に翼があったなら…
空をぼんやりと
眺めながら
イメージが膨らむ

大空を優雅に散歩して
行きたい場所へ
ひとっ飛び
子どもの時に
思い描いた世界へ
舞い戻る

時には翼が傷ついて
自由自在に
飛べないこともある
動けないこともある

翼の羽は
とても暖かく
君は君だよって
包んでくれる
ありがとう
私は私で大丈夫なんだって
その温もりの中で
安心して眠りにつく

あー
私の翼は癒された
さぁ次は勇気を出して
誰の元へ飛んでゆこうか
傷ついて飛べない翼の
君の元へ

11/12/2023, 9:27:42 AM

彼は、羽の折れた鳥を見ていた。
 あの翼は意味があるのだろうか。
 飛ぶための翼。
 見た目なんて自然では意味がない。
 そんな鳥を彼は家に持ち帰って世話をした。
 翼が折れていなければ他の鳥と変わらない。
 そう思うと折れた意味が彼にはあった。

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