『風邪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
風邪
どうも今年は常に風邪っぽい感じがあるんだよな。いつも喉に違和感がある。
熱とかはないしほかに風邪の症状はないから問題ないけどまたいつ風邪になるかと不安な毎日だ。
風邪の予防としてはビタミンCだかBの食べ物を食べる。ちゃんと寝る。手洗いうがいにマスクをする。これくらいか。
食べ物は毎日納豆を食べてるからいいとしよう。睡眠も問題ない。むしろ寝すぎな気がする。正直過眠症を疑うくらい寝てる。
とりあえず食と睡眠は問題ない。手洗いとうがいもしてる。あとはマスクか。これは正直風邪の予防どころか風邪になってもつけたくないんだよな。
マスクって単純に息苦しいしなんとなく気恥ずかしいってのがある。マスクしてるの俺だけ?みたいな。
予防として有効なんだろうけどそれでもマスクはつけたくないな。金がかかるしめんどくさいし。
今年はもう一度風邪になったからその恐怖はまだ記憶に新しい。だから風邪を引かないように気をつけよう。マスクはしないけど。
体調を崩して寝込んだ
恋の病?違う。
夏バテ?違う。
風邪をひいたのだ。
昨日やっとの思いで病院に行った。
風邪ですね
と、医者が言う
薬を貰った。
咳と鼻水。
全ての予定をキャンセルして
このままずっと惰眠を謳歌する。
20年目の風邪
20歳から風邪はほとんどなかった
20年後、長引く風邪を引いてしまった
休めぬ体にムチ打ち続けたこれまでに
大きなブーメランとして帰って来た
皆さんも
少し体を大切にしましょう
大きな(くしゃみ)が
時を超えてやって来ます
テーマ「風邪」より
湖が枯れたとき
音は砂に抱かれ
鼓動だけをのこした
動けなくなった
からだ
月に照らされて
影がゆらり
凛と尻尾を揺らし
星の砂浜
てんてんと
足跡を記した
滔々と流れる
川への憧れを
そっと 口ずさみ
やがて浮かび上がる
朝焼けへと
ほどけて
ほどけて
私は九月から毎日一題小論文を解き、ついに頭が限界を迎え10月半ばに熱が出た。普段勉強していなかった罰が当たったようだ。受験がきっかけで身についた勉強習慣に感謝し、この先も続けていく。今日も英単語を100個覚え、今休憩としてこのアプリを利用している。
風邪をひいた
身に覚えはあまりないけど
強いていうなら
仕事のストレスだろう
弱いところに出るという
迷信のような言葉は
私の場合は的を射ていた
声がれがひどい
元々低めの声だが
それにしても
酒焼けを疑われそうなハスキー
電話応対なんか最悪だ
こうなってしまったら
耳鼻咽喉科で薬を処方してもらわなくては
どうにもならない
とりあえず
通勤時間を確認し、私は上司に連絡した
案の定
「潰れたカエルみたいな声だな」
とひとしきり感想を聞かされ、有休扱いになった。
潰れたカエルはそもそも鳴けないだろう。
そんなことを思いながら、終話ボタンを押した。
あぁ、今週は面倒な1週間になりそうだ。
#風邪
題 風邪
なんて運が悪いんだろう
私は今日デートだってのに風邪で今寝込んでる。
朝熱測ったら8度あって・・・。
試験終わりで久しぶりに彼氏と会えると思ったのに~!
っていう気持ちと、もうダメ、ぐったりっていう気持ち。
熱が結構上がっていて、割と今しんどい。
お母さんもお父さんも仕事だし、今は私一人だけだ。
彼氏に連絡しても、返信無しだし。
てか未読スルーだし。
そんなことある?
あ、ちょっとイライラしてきた・・・。
眠って全て忘れよう・・・。
って思ってたら。
ピンポーンってチャイムの音。
こんなときに~!?
えー、辛い、居留守使おう。
と決めて目を閉じると・・・。
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ドンドンドンときた。
なっ、なになに?
ドアを叩く音がして、慌ててしんどい体を起こす。
階段を降りて鍵を開けると、そこには彼氏がいた。
「大丈夫?!」
「えっ、ナツキくん、なんで?メール見てなかったんじゃ・・・」
「通知見れるから・・両親いないんだろ?急いで氷枕とかポカリとか、ウィダーインゼリーとか買ってきたよ、とにかく、暖かくして、ベッド戻れよ」
そう言われて、嬉しくて体がじんわりした。
「うん・・・」
玄関に来るまではあんなにしんどかったのに、今はそんなに辛くないなぁ。
隣にナツキくんがいてくれるから。
大人しく、促されるままにベットに入って布団をかけてもらう。
「びっくりしたよ、デート待ってたらいきなり具合悪いってくるから。とにかくシホの家に向かわなきゃって・・・」
「メールの返信ないから、見てくれてないのかと思った・・・」
「そんなわけないだろ?!シホのメールなんだから。速攻コンビニ走ってここまで来たよ」
あ、よく見ると、汗かいてる。
本当に急いできてくれたんだなぁ。
再び私の中に暖かいものが駆け巡る。
「ナツキくん、ありがと、あの、今日デートなしになっちゃってごめんね」
「気にするなよ。シホが元気じゃないならデートなんてしたくないよ。シホがまた元気になったらたくさんデートしよう」
「うん・・・」
あ、おかしい、涙腺が緩んで涙がこぼれそうになる。
「泣くなよ・・・」
優しいナツキくんの声。
嬉しいな。こんなに優しいナツキくんを見ることが出来て、風邪は苦しいけど。なんだか幸せだ。
ありがとうって素直に思えるから。
元気になったら私が食事奢らなきゃ。
たくさんたくさんナツキくんと幸せな時間を過ごすんだ。
そんな幸せな妄想がわたしの頭を占めて、ナツキくんに変な顔されちゃった。
ナツキくんがそばに居てくれるだけで幸せっていう気持ちも妄想も収まることが無かった。
風邪の時、細胞がめちゃくちゃ頑張ってるらしい。
(某映画を見て感動)
お見舞いに来てくれた君を対面せずに帰した。
風を移したら大変だし、申し訳ないから。
ぐずぐずと布団に潜って、仕方ないと諦めた。
夢にうなされて目が覚めた。
全身が汗でびっちょりと湿っていて気持ち悪い。
着替えなきゃと思いつつ、視界に入ったスマホを取った。
暗がりの中、一人で過ごす心細さに耐えられなかった。
「待ってたよ、電話くるの」
「寂しい」
「だろうね。行くよ」
「いいよ、もう遅い」
「タクシーとばすし」
「寝汗でグチャグチャだから会いたくない」
「それで?」
「声聞いているだけで十分」
「それで?」
君の優しい声に、私は縋りついていた。
「やっぱり会いたい」
「すぐ行く。あ、電話は繋いだままね」
電話越しにガサガサと音がする。多分慌てて身支度してくれているに違いない。
風邪を移したら申し訳ない。君にこんな辛い思いもさせたくない。だから来てほしくない。
でも会いたい。
「好き」
顔も頭も体もぐちゃぐちゃで、君に見せられたものじゃないけど。どこまでも優しい君に全て委ねてしまいたいと思った。
『風邪』
『風邪』
ピピピッ、ピピピッと体温計が鳴る音がする。
僕は気怠い体を無理やり起こして体温計を確認する。
38.2℃と表示されていた。
自分の体温を確認した瞬間、思い出したようにどっと体が重くなる。
「何度でした?」
部屋のクッションに足を組んで座っている彼が聞く。
『38.2℃……』
僕が絞り出すような声で言うと、彼は、やばいっすねw、といかにも他人事のように半笑いで答えた。
笑い事じゃない。こっちは必死だってのに。
少しむっとしながら、彼の方に背を向けてベッドに横たわる。
しかし、彼はそんな僕の様子など気にもしていないようで、なんか欲しい物ありますー?と間延びした声でたずねてくる。
『いや特にないですけど……ていうか、いつまでいるんですか?』
彼が僕の部屋に来てかれこれ二時間は経っている。
「もうちょっと居てもいいですかね?今お前の看病するって体で仕事抜けてきてるんすよね」
『……合法的にサボるために僕を使ったってわけですか』
「そうですね」
彼の性格から考えてそんなような気はしていたが、改めて聞くとつくづく最低な野郎だなと思う。
『……それ、彼女とかにやらない方がいいですよ』
「大丈夫です。友達すらいないので」
清々しい答えだ。
『そうですか』
まあたまには、こんな風に二人でいるのも悪くないかと思った。
普段から全然モテないのに、時期が来ると猛アタックしてくるヤツがいる。でも俺はそいつに屈するのが嫌で、防壁を作って入り込む隙を与えなかった。
乾燥した季節、気温の低い時期、ヤツは常に俺のそばにいて、隙あらば俺の体を奪おうとする。仲間を連れて来たり、勝手に居座ったりすることで距離を縮めようという作戦だ。
あの日はとても疲れていた。年末の忙しさに忘年会のスケジュールも加わり、帰りが深夜になる日が続いた。そして夜、深酒してそのまま寝入ってしまったんだ。
警戒を解いてしまったと気づいた時にはすでに遅く、ヤツが俺に侵入してきたのがわかった。俺に抵抗する力は残っていなかった。
翌朝、目が覚めるとすでに頭が痛く、咳と鼻水の症状があった。体もだるい。測ってみると発熱もあった。俺は自室に監禁された。
それから二日間、ベッドを出ることも許されず、ヤツに全身を蝕まれた。身悶えする苦しみと忘れがたい悪夢にうなされ続けた。
そして三日目の朝、ヤツは昨日まで体中を弄っていたことを忘れたかのように、不意に俺に興味をなくし、俺の元から去っていった。
決してヤツを追ったわけじゃない。早く外の空気を吸いたかっただけだ。動けるようになった体で部屋のドアを開けると、一陣の風が吹き抜けていった。
「風邪」
風邪をひいている時はお風呂は駄目と譲らない君と。
なんとしても入りたい私。
【風邪】
「うぁぁ…最悪だぁぁ」
何でよりによって
ペア授業の初っ端に風邪なんて
ペアの相手はランダムだし
絶対1人余るはず…その人に
申し訳ないな…っ
こんなにいい天気なのにさ
1時間目から6時間目まで
ペアの相手はどう過ごすんだろ…
カタンッ!
こんな時間に配達物?
と不思議に思い
カーテンを開けてみると
美形だけど絶対コイツ
ヤンキーやん!
みたいな容姿な人が
我が家のポストに何かを入れた。
その人が帰って数分後に
僕はポストの中身を確認し
驚いた。
内容は
ペア授業の内容や必要なもの
今日やっていたであろう授業内容のノート
僕は あんな相手がペアかよって
思っていたのに
まんまと騙された。
根はいい子で優しい子なのかもしれないな。
けど!それは漫画の世界!騙されないぞ!!
っと心の中で謳歌した。
そのヤンキーくんは
毎日同じ時間に
ポストへと手紙類を入れている
僕はお礼なんて言えず
その様子をずっと窓から見ていた。
ある日のこと
こんなに天気が荒れるとは
天気予報士の人もビックリと発言するくらい
天候が一気に変わってしまった。
大雨だ。
流石にかなって思い
カーテンを開けると
傘もささず…カッパも着ず
制服でポストの前に立っていた。
僕は無意識に玄関の方向へと足を進め
気づけば そのヤンキーくんの手を
我が家の玄関にまで連れてきてしまった。
気づいた頃には遅かった。
僕は知らない人を家に入れてしまった
もしくは、知らない家にヤンキーくんを
押し込んでしまった。
2つの罪悪感からオドオドしてると
ヤンキーくんが口を開いた。
「あ…ありがと……」
意外にも声は高くて
声変わりもしてない青少年のような声色だった。
「ずっと…話したかった」
「僕と!?」
見た目とは正反対に
ヤンキーくんは 人見知りのように感じた。
「窓から見てたよ…ね?」
僕はギクリとした
バレていたらしい。
そのヤンキーくんは
僕が休んでた時の学校の様子を
綴らに話してくれた。
最初の授業で失墜をしてしまった。
そこから怖がられるようになり
誰も相手にしてくれない。
先生にさえも距離を置かれるほどにまで
それを半泣きになりながら
語ってくれた。
僕は
【そんなことないよ】と
言うべきなのか
【頑張れ】と背中を押すべきなのかを
頭の中でループ化している。
悩んでいると横で
クシュンと聞こえた。
鼻が真っ赤で今にも凍えそうなくらい
寒そうに手同士を擦り合わせている。
「あ!ごめん!タオル持ってくる!」
っと体の向きを変えようとした
そしたら後ろから
「大丈夫…っ!
俺…このまま風邪ひいて
学校休もうかなって考えてるし」
僕は再びヤンキーくんの方へと
体を向け発言した。
「一緒に登校するためには
お互いが健康体でいることだよ」
っと伝え
タオルがある洗面所にへと向かった。
初めて友達が出来た。
嬉しかった。
案外、風邪をひいての
友達付き合いは悪くないのかもしれない。
毎年この季節は憂鬱だ。
タダでさえ寒いってのに、こんな時に限って風邪なぞひいてしまった自分のポンコツさを恨む。
背筋はゾクゾクと震え、鼻水はツーっと止まらない。そして頭は大きな岩を乗っけたかのように重くて、痛い。
独り布団で震えるこの時間も虚しい。
身体だけでなく、まるで心も病に冒されてしまったよう。
寂しい、苦しい、寒い、痛い。
このしんどさを分かち合える相手がいない悲しみに枕を濡らした。
道端歩いてる時に見た
多分女子高生ぐらいのかわいい
女の子とイッパツ×××したい
なんて妄想してみたり🤤
「ひょっとしたら、風邪をひいたのかもしれない」
僕が呟くと即座に
「んなわけないだろ」
と応える。
「だってさ、寒いよ?なんだか体が冷たくなったし」
「じゃあ俺も風邪かなぁ?」
もう一人が尋ねるが
「だからそんな事ありえないだろ」
と応える。
先日美術館に向かってるであろう人達が
「寒い寒い」「こんなに冷えちゃって」「風邪ひいたよ」などと口々に話していた。
(体が冷えると風邪をひくのか)と思って言ってみたのだが、違ってたらしい。
「じゃあ風邪ってなに?」
「しらないよ。ニンゲンのビョウキの一つだろ」
「じゃあ俺達もかかるかもしんないねぇ」
「かからないよ、ニンゲンじゃないから」
「僕達ニンゲンじゃないの?体はそっくりだよ?」
「じゃあ俺達はなんなんだよ」
「チョウコクだよ」
僕たちは美術館の前にいる。ずっといる。朝も昼も夜もいる。暑くても寒くても暖かくても雨でも。かれこれ百年近く前にオーギュスト・ロダンという人が作った彫刻の型から、僕らは作られた。生まれたときから三人だ。膝のあたりまで落した拳を三人で突きつけている。膝を曲げ、合わせた拳に目を向ける。自然と首は項垂れる。
僕の右隣はいつも冷静だ。現実を解き、事実を重んじる。
対して左隣はいつも陽気だ。なんでも思ったことを口にしては右隣に窘められる。
僕は……僕はなにも知らない。わからない。世界のことを知りたいとは思うのだが、こうして固定されているから周りのことしかわからない。聞いたことや起こったことで図ろうとするが、よく間違えるらしい。右隣に窘められる。
世界のことを知りたいのは他の二人も同じようで、左隣は「お、鳥が止まった」「なんか落ちてきた。木ノ実かな?」「虫がぶつかった」などと、自分に起こったことを呟いている。右隣はどうしてこんなに冷静でいられるのだろう。
「君は世界をどうやって知ろうとしているの?」
と尋ねると、右隣は
「考えているのさ。思考こそが世界を知る唯一の方法だ」
と応える。
考えるにしても材料が無いことには考えられない。
「僕はどうやって世界を知ればいいのだろう……」
思わず呟くと、
「お前、気づいていないのか?お前がそうやって色々知ろうとしているから、こいつは自分に起こったことを受け止めて、それを元に俺が考えているんだ。忘れたのか?俺達は三人で一つなんだ」
ああ、そうだった。僕が関心を外に広げているから、自分に起こったことを考えられるんだった。
僕達は今も美術館の前にいる。どうか皆さん、良い鑑賞を。
熱があるなら
寝てなきゃだめだよ
ここに居てあげるから
ちゃんと寝よう?
いやいや
そこに居ると風邪がうつるから
大丈夫だよ
それに熱が上がってしまうから……
ん?どうして熱が上がるの?
…///
いじわる
寒い日が続いてるね
風邪
ひいてない?
お腹も冷やさないでね
あなたが元気でいること
私の願いです
「風邪」
「へっぐしっへっぐし」
出勤時からずっとくしゃみを連発をする僕。
どうやら一昨日から風邪気味らしい。
「可笑しい。新人よ、君は-5度の中でも薄着で居て平然としていたはずだ。何故気温3度の日に風邪を拗らせる?」
昼休みのオフィス内。
先輩は半風邪気味のすりおろした林檎が入った器を渡してきた
そもそもここ職場なのに何故すりおろし林檎があるんのだろうか?
「あぁ、林檎か。昨日顔見知りから貰ってな、昼飯後に食べようと
器とすりおろし板とともに持って来たんだ。しかし出勤時に後輩が咳き込んでるし、馳部から聞いたら風邪気味だと聞いてな、さっき給湯室ですりおろしてきたんだ」
丸ごと林檎と器とすりおろし板を持って出勤して来る人、
初めてみました。
「ありがとうございます」
僕はうさぎちゃんのイラストが書かれた子供用の器に入った
すりおろし林檎を一口運んだ
(ゲホゲホ)
噎せた。
待って?なんか漢方薬のような…味と匂いが若干するんだけど…
「あ、あの…せんぱい…林檎に何…入れたんですか?」
「なんだっけ?えーと、〇〇〇と〇〇〇〇と〇〇〇〇?」
入れちゃ駄目です。全てなるべく単品で飲むやつです。
「…素人考えでその手の飲み合わせ食べ物合わせをしないで下さい」
「ふむ。馳部が林檎とは合うのかと疑問に思っていたらしくな、
ちょうど私が林檎を持っていたのを知ってせっかくだからと。」
「せっかくだからと云ってなんの前触れもなくやらないで下さいよ。
下手をすれば命に掛かることですよ」
「ちっ…」
何処からともなく仕打ちをする声が聞こえた。
振り向くと僕の椅子の後ろには僕が座った座高と同じ身長の馳部さんの姿
「ふむ。馳部、合わせちゃ駄目らしい」
「知ってる。自分でやるの怖いから誰かに実験台になって貰おうかと
思ってる中でアンタが風邪気味だて知った中で林檎が手に入ったから、 林檎の成分と科学反応するかなて」
「…偶然に風邪気味の僕を見て偶然の偶然で実験台にされた訳ですか…。」
「あんまり効果無いみたいだね。あ、あとから効いてくるパターンかも。なんかあったらさ、連絡してよ」
馳部さんは屈託のない笑顔で云った。
貴女に連絡する前に救急車を呼びますよ。
この二人の前で風邪を引いちゃ駄目だと理解した僕だった。
よくあるよね、恋愛漫画とかで。
一人が風邪を引いちゃって、もう一方が家に来て看病して、そこでイチャイチャしたせいで結局もう一人の方に風邪移しちゃうやつ。
風邪なめんなって。
なんで熱出てるかって、体が危険を感じてウイルスを追い出そうとしてるからであって、それを恋愛のトキメキにすり替えてもらっちゃ困る。
熱だぞ。出てんだぞ熱。辛いんだよ。一刻も早く治したいんだよ。本当に恋人のことを思うならイチャついてないで放っておくでしょうよ。引いてる方だってこんなもの移したくないし。
なんてことを前に言ったせいで、理解のある彼は全く見舞いに来ない。LINEもよこさない。
「お大事に。これ以降連絡は控えるから、しっかり休んで」
今朝このメッセージが来て、それきり。
気絶のような眠りを細切れに繰り返しながら、起きたら夕焼け小焼けのチャイムが流れていた。冬の弱々しい日差しが、閉め切ったカーテンを鈍く光らせる。38℃。ぜんぜん下がらない。
もうちょっと連絡くれないかな。
弱りきった心でそんなことを思ってしまい、そんな自分に嫌気がさす。彼は私の希望に沿ってくれた。なのに今さらやっぱり寂しい、連絡が欲しいだなんて、自分勝手にもほどがある。
学校はホームルームが始まる頃だ。彼はいまどんな顔で、誰と、何を話しているんだろう。
もし愛子と話していたら? 私が学校に戻った時、彼と愛子が仲良くなっていたら。悪い子じゃない。でも。
彼と愛子が手を繋いで帰り道を歩いている姿を想像して、急にぼろぼろ涙が出てきた。
弱りすぎだろ、私。あほか。
茶化してみようとするも涙が止まらない。連絡がないのは、もしかして私を気遣ってるからじゃなくて、愛子に心が傾いたから? だめだ。自分の妄想で自滅してどうする。
着信音。
はっとしてスマホを手に取ると、メッセージが一件。
『ごめん。やっぱお見舞いに行ってもいい?』
心のうちで花が咲いたようだった。
ふふふ、へへへ、と笑いながらスマホに頬擦りする私は、ハタから見たら変人だ。
早く風邪を治して彼に会いたい。
【お題:風邪】