『部屋の片隅で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【部屋の片隅で】
部屋の隅においたランプひとつで事足りるような
そんな時期を過ごしていた
テレビは床に直置きだったし、
暖房はちいさなストーブだけで、
シャワーは劣化でヘッドが取れていたし、
冷蔵庫は空っぽだった
牛乳と食パン、プルーン、チーズ…
今でいうとどんな感じに形容されるのだろう
不健康で、不摂生で、怠惰で、怠慢で
今みたいに、料理や家事を楽しんでできる、
そういう世の中じゃなかったから
21時までくたくたで仕事して、服の話や仕事の話、
新商品の話題、社内恋愛の話、…
店の同僚たちと駅の階段前でビール飲んで
電車で降りる駅をまちがえたり…
そんな毎日だったなぁ
だけど、楽しかったよ
床に寝転がってそのまま寝てしまったり、
先輩からかかってきた電話にタメ口で出たり、
家にいるのは自分だけという毎日が当たり前だったから、
いろんなものにひとりで立ち向かったし、
スマホはなかったから時間もあったし
自由で、束縛されず、休みの日は寝転んで…
孤独とのつきあいかたみたいなのも知った
でも画材屋さんが近くにないのは寂しかったな
ひとりぼっち、なんて考えなかった
みんなそうだったから、たくさん話したし
話さないこともたくさんあった
整った部屋をつくることができなかった
どこだって仮住まい、いつでも動けるように
それが二十代の真ん中くらい
大量に積み重なるまあるく黄色い物体
こちらを見つめるつぶらな瞳たち
大好きなあなたが取ってくれた
大好きなポムポムプリン
「部屋の片隅で」
『部屋の片隅で』
何もすることがなくて床に寝転がり天井を見つめる。
いや、やることやりたいことはあるが
それらがぶつかり合って何もする気力が無い。
ちらっと視界に入ったギターもやりたいことの一つだ。
最初はワクワクしながらいじっていたのに日が経つ事に
触れる時間が減っていき最終的にはケースから
出さなくなってしまった。
ケースも遠目から見てもわかるくらいホコリを被っている。
いつも行動力はなく、やっと動いてもこのザマだ。
重い腰をあげて手をつけてはすぐに冷める...
そんな繰り返しでやる気が微塵も起きなくなる。
...まだ日は昇っている。
時間はまだまだある。
けれど、こうやって堕落して時間を浪費していく。
変わらなきゃ。
わかってはいるはずなのに瞼は重くなり、
世界は真っ暗になった。
語り部シルヴァ
部屋の片隅で
たくさんの
推しのグッズを
大量にコレクションをし
収集しながら
物があふれすぎて
散乱している
なかなか
片付けられなくて
部屋中が
大変な状態になっている
なんて素敵なんだろう♡
まるでわたしは
お姫様みたいな気分で
推し様は
まさにわたしの王子様
わたしを迎えに来て♡
毎日のように
妄想世界に閉じ込められながら
幸せなひとときを楽しんでいる♡
わたしは新作が出ると
すぐに購入する癖があって
誰よりも早く手に入れて
SNSやインスタグラム
YouTubeなどにアップして
みんなに商品紹介をしている
わたしはやっぱり
愛する推しの為なら
貯金をはたいてまで
コレクション命とも呼ばれ
収集に余念がない
わたしの愛する推し様に
ぜひわたしはお会いしてみたいと
いつも思っている
ライブでは会えるけど
それじゃないの
ふたりきりで会いたい♡
夢のまた夢だから
それは仕方のないこと
それでも
わたしは
望みは捨ててはいない
本当のことを言うとね
推し様は
みんなの推し様
わたしだけの推し様は
なれないんだよね
みんなだって
推し様を愛している
ひとりの推し様を
全国いや世界中の
女の子たちが愛しているから
だからね
みんなで
ひとりの男性としての推し様を
愛し合いましょう
きっとね
推し様はこの世の中には
たくさんいる
わたしは
いつかきっと
たったひとりの
素敵な推し様を好きになって
愛したいと心の中に誓った
・部屋の片隅で
洗濯物
待ちと済みとが
混在し
片せと聞こえる
部屋の隅っこで
わたしの世界は狭い。
ある部屋の、かわいい小部屋に住んでいるわたしは、この世界の大きさを知らない。ちっちゃな窓から見えるのは、黄色いカバーがかかった真っ赤なランドセルだけ。
そんなわたしでも、広い世界が見られる日がある。その日はいつも、温かい手がわたしを知らない世界に連れていってくれるんだ。
「はむりん、おいで」
小さな手が優しくわたしを包み込む。今日は冒険に出られるかもしれない。
「今日はいつもよりふわふわだね。かわいい」
わたしがコロンと転がると、彼女は微笑みを浮かべた。ああ、なんてかわいいんだ。
「今日は雨降ってるから、お外はまた明日ね」
そう言って彼女はわたしをいつもの小部屋に入れた。微かな足音が遠ざかっていくのがわかる。なーんだ、つまんないの。
いいもん、わたしはこの部屋の片隅で精一杯遊ぶんだから。わたしの小部屋にも、トンネルにパイプ、回し車だってあるんだもの……!
ザック、ザック、カランカラン、ザック、ザック
「ふふ、楽しそうね」
声がして顔を上げると、彼女が笑顔で立っていた。驚きで足がもつれる。
「はい、プレゼント。今日誕生日だもんね」
空から降ってきたのは、ひまわりのしずく。
やっぱり、どんなに部屋が小さくたって、わたしは幸せ!
お題「部屋の片隅で」
部屋の片隅で
部屋の片隅に同居人がいる。
おそらく「人」ではないと思うが、特に何だという確証があるわけでもない。とりあえず一緒に暮らすなにかだ。
同居人はこんな存在だ。
目に優しい色をしている。
抱っこするのに適したサイズ感と形状である。
癒される温かみと手触りを持っている。
夕食の余りを分け与える必要がある。
決して、この世のものではない。
私は、それについてこれ以上の説明をすることができない。
得体の知れない同居人は、気がついたら部屋の片隅にいた。最初は戸惑って追い出そうとした。が、ほとんど動かないそれは、なぜか捕まえることができなかった。
次第に無害であると分かってきて、体温と手触りについても知るうち、晴れて同居人となったわけだ。
それは、部屋の片隅から離れない。
それは、この世のものではない。
今日も夕食の余りを部屋の片隅に置く。皿の中身が少しずつ減っていく。同居人に触れると、いつも通り温かい。見覚えのない、見慣れた同居人。優しい色をしている。
捕獲を試みると、やっぱり捕まらない。
それとの生活は温かい。
ある日、甥っ子が部屋の片隅で泣いていた。
どうすることが正解なのだろう。
傍に寄り添うことしかできなかった。
甥っ子は私が近寄ると怒ってくる。
だけどそのときは抱きついてきた。
彼の手は冷たくて、微かに震えている。
暗闇に残された独りの子ども。
甥っ子の母親は出産の後息を引き取った。
甥っ子の父親、私の兄は事故で息を引き取った。
その頃の甥っ子はまだ4歳だったのに。
もう両親に会えないなんてとても辛いことだ。
私はそんな甥っ子をぎゅっと抱きしめてあげた。
甥っ子は小さく掠れた声で呟いた。
「ぼく、パパとママに会いたいよ。」
部屋の片隅で。
部屋の片隅で、また私は眠りにつく。
誰も知らない、私だけの場所で。
あの歌とは少し違うけど、部屋の片隅で毛布にくるまってまあるくなる。
ホットミルクでも作ろうかなと思ったけど、お風呂上がりに牛乳飲みきったことを思い出した。
……別に気分が落ち込むようなことがあったわけでもないし、何かに怖がっているわけでもない。
ただなんとなくこうしていたい。
毛布はぽかぽかのふわふわで、ちょっとこのまま寝落ちしてしまいそう。
まあ……今日ぐらいはいいか。明日も休みだし。
明日体がバキバキになってても運動したらきっと治るでしょう。たぶん。
それじゃあ、部屋を暗くして目を閉じて……夢の世界へ行きましょうかね。
青いタヌキと海賊の夢が見られたらいいな。
あなたのことを思い出している
しょうもないラブソングを聴いて
散らかった部屋の片隅で
『部屋の片隅で』
「部屋の片隅で」
部屋の片隅に
ひっそりと仕舞っている写真。
未だに飾る事が出来ません。
想い出になる時は
くるのでしょうか。
今日も誰かに宛てて書きます。
部屋の片隅でこそこそすること、していたことってなにかありましたか。私は保育園や幼稚園くらい小さいころ、お母さんにかまって欲しくて部屋の隅で縮こまってみて、ほとんど毎回スルーされていました。
それよりもうすこし大きくなったころに部屋の片隅でしていたことといえば、ゲームかなあ。親に隠れて友達と通信をしたり、図鑑やアイテムをコンプリートしようと攻略本を読んだり。いまとなってはゲームを当時とおなじ熱量でプレイすることはないので、懐かしくてすこし寂しいですね。
いま部屋の片隅でしていることと言ったら、なんだろう。そういう発想をすること自体があんまりなくなってしまったような気がします。おとなになるってこういうことなのかなあ。
そういえばこの手紙も、部屋の片隅で書いているようなものかもしれないです。自己満足のかたまりで、あんまり大人数に見られたくはない。
でもそういうところに転がっているものって、なんだか味があるというか、きらきらして見えるんですよね。なんでだろう。
海岸に落ちているなんてことのない貝がらを、なぜだか拾ってとっておきたくなるような気持ちに似ています。
今日もなにか曲を書きます。
『ここから、ここから』という曲が好きです。
それこそ部屋の片隅で聞いていた曲です。
部屋の片隅でしていたことが、今の自分になるきっかけだったかもしれませんよね。
ようやく明日は日曜日ですね。今日もお疲れ様でした。終末も楽しみましょうね。
また。
「ぜったい、だいじょうぶだからね!」
小さな手が、僕の頬をはさんで強引に上を向かせた。悪意なんて微塵も感じられない無邪気な笑顔が視界いっぱいに映る。こつん、と額を合わせてもう一度同じ言葉を繰り返した。
小さな太陽みたいだと思った。
なんの根拠もないくせにその笑顔がすべて証明しているようだった。やまない雨はない、とか、そういう胡散臭いポエムとは違って目の前に完成品をぶら下げてそれ目掛けて走り出させてしまう、なんというか、パワーがある。
バイバイって小さな手を振りながら、反対の手を親に引かれて去っていく見ず知らずの子ども。僕と同じネームバンドをつけているのが不思議なくらい元気な様子だった。
いつか死んでしまうんじゃないか、もっと苦しむことになるかもしれない。尽きない不安とそれを助長する慣れない環境がつらくてしかたないのに、あの子はすごいな。
「…ぜったい、大丈夫だよね」
【題:部屋の片隅で】
部屋の片隅に、あなたが居た。
繰り返す日常の中、突然のことだった。
「どこから来たの?」と聞いても何も答えない。
とにかくご飯を食べさせて、お風呂に入れると、あなたは「ありがとう」と言うように「ニャー」と鳴いた。
それからの毎日は、一人暮らしの私に家族が増えて大変だったけど、なぜか、すごく楽しかった。
楽しいなんて思うのはいつぶりだろう。
そう思いながら、サラサラな毛並みを撫でる。
艶のある真っ黒なあなたは、鏡になりそうなほど綺麗だった。その鏡に私が映ると汚れてしまいそうで、目を逸らす。
あなたのご飯を作っているとき、玄関の呼び鈴が鳴り、私は急いでドアを開ける。見知らぬ女性が立っていた。
「黒色の猫を知りませんか?」
私はあなたの飼い主を見つけた。あなたの元へ女性を連れていこうとしてやめたのは、部屋の片隅に居たから。
「ごめんなさい、私が飼っているのは白黒の猫でした」
そう嘘をついて怪訝な顔をする女性に帰ってもらうと、あなたはまた「ありがとう」と言うように「ニャー」と鳴いた。
怯えていた。あの女性に。
猫の気持ちなんて、わからない。でもなぜか、あの日と同じ、怯えた表情をしていたから。
でも、それだけじゃない。
私はあなたに居て欲しかった。あなたが偶然あの日に私のところへ現れたとは思えなかった。
私はあの日死のうとしていた。
ロープも買った。準備はできていたのに、あなたが邪魔するように現れた。
あなたは私を助けてくれた。猫の気持ちなんてわからない。でも絶対に、絶対にそうだと思う。
_さっきから連続する呼び鈴がうるさい。
次は私があなたを助け、そして守る番だと、世界でいちばん大切な存在を部屋の片隅に隠して、
ドアを開けた___。
テーマ「部屋の片隅で」
鳴り響く雷雨に囲まれて
明かりが灯らないボロ部屋の片隅。
ひどく臭う土の香りと剥がれ落ちた木の板が
私を安心させてくれる。
突如開いた扉から
見知らぬ人の影
こちらへと進んでくるなり
「どちら様ですか?」
と聞いても答えてはくれず、
そのまま私の唇を奪って行った。
私は、お母さんが、私のことを、愛してないとわかった。生きるかちがないとわかりました。
私は、しんだほうがいいとおもいました。
ごめ
んなさい。声もかけたくないです。
生んでくれて、ありがとうございました。
あれは…1年の夏
3年の先輩方が引退後
部室を片付けていた
3段ボックスのような棚を
動かして掃除をしていた
黒いマジック?
点々と落書き?
近づいて見ると
部屋の片隅で
Gの赤ちゃんが沢山
蠢いていた
キャ〰〰〰❕
✴️234✴️部屋の片隅で
押し入れの小部屋の片隅では、フローラの匂いが満ちている。
それは隠れ家。狭く暗い所が落ち着く。入った者の心情である。
そこには時計はあるが針は止まっている。電池切れであるゆえに。交換する予定は無い。ただのインテリアとなっている。
人が独り入るだけで精一杯の小部屋。そこで紡がれるのは、部屋の片隅でをテーマにした物、
息を吸い、息を吐く。ただの呼吸。けれども、思考を切り替えるにはちょうど良い。
ランタンの明かり。それが小部屋を照らし出す。片隅に置かれたランタンは影を作り出す。
飾られた造花の蔦はラティスに絡みついて、緑の色彩を与えている。
ペンを走らせ、物語を紡ぎ出す。それはどんな物語なのか。
それは誰にも分からない。筆者でさえ考えていない。
ただ思うがままにペンを走らせゆく。物語の息吹に導かれるようにして。
秒針を刻まない時計は何を思っているのだろうか。
造花の蔦や花たちは何を思っているのだろうか。
ただ、小部屋の片隅では、ペンを走らせる音だけが鳴り響くのみーー。
ーー隠れ家小部屋にはどんな物語が眠っているのか。
それは誰にも分からない。ただ、紡がれる時を待つしか無いのだからーー。
部屋の片隅で
微かに残るモノがあった
消える事のないモノ
飽和した痛みと情報の中で
自分を立たすモノ
想い出の数々が
果てしなく追いかけ、咎める
責苦の様に続いたソレは
物語の末路に相応しいかった
……相応しかった?
本当に?
分からない
分かりたくも、ない
貴方が最期にくれた
ハートのネックレス
部屋の片隅に
追いやられたモノ
私を生かす為に、
片隅に残ったのは
微かな愛だった