淡い夢の女の子

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ある日、甥っ子が部屋の片隅で泣いていた。

どうすることが正解なのだろう。
傍に寄り添うことしかできなかった。

甥っ子は私が近寄ると怒ってくる。
だけどそのときは抱きついてきた。

彼の手は冷たくて、微かに震えている。
暗闇に残された独りの子ども。

甥っ子の母親は出産の後息を引き取った。
甥っ子の父親、私の兄は事故で息を引き取った。

その頃の甥っ子はまだ4歳だったのに。
もう両親に会えないなんてとても辛いことだ。

私はそんな甥っ子をぎゅっと抱きしめてあげた。

甥っ子は小さく掠れた声で呟いた。

「ぼく、パパとママに会いたいよ。」

12/7/2024, 12:49:11 PM