遠くの街へ』の作文集

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遠くの街へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

2/28/2023, 12:12:48 PM

遠くの街へ


男のいた街はことごとく崩れていた。
廃墟と化したその街に男ひとり以外の人間は見当たらない。
無数の瓦礫。
干上がった水路。
むき出しの鉄骨。
灰色の空。
ノイズのような風の音。

男は人を求めて街を出た。
より遠くへ、灰色の世界を歩く。

線路の脇に携帯電話が落ちていた。
コール音が響いている。
男は電話を取り、耳元に寄せる。
賑やかな人々の声が聞こえる。

「そこに誰かいるのか」
男は返答を祈るように待っていた。
暫くして、反応があった。

「私はその街にいる。あなたを、皆はずっと待ってる。お願い、早く私を見つけて」

電話が途切れ、男は走り始めた。

2/28/2023, 12:12:12 PM

「遠くの街へ」

僕は二股をしている。

「遠くの街へ行こう。
2人で誰も知らないような街に。」

そう、2人の彼女に告げた。
街に行く準備ができたら同じ待ち合わせ場所に
来てくれ、と伝え。

そう、2人の彼女にだ。
僕には2人の同じくらい大好きな彼女がいる。
1人に愛想が尽きて1人に愛を注いでいる訳では無い。

2人とも僕のことが好きだし僕も2人のことが好きだ。
彼女達は彼氏が同じだし好きなブランドも一緒。
会わせたらきっと気が合うだろう…そう踏んだのだ。

そして僕の予想通り彼女はもう1人の彼女と
仲良さそうに談笑している。
2人が仲良くなったら僕と3人でお似合いのカップルに
なれるとふんでいたのだ。しかし

現実そう甘くはない。
僕は浮気がバレ、2人の彼女に振られた。
そして2人の彼女が恋人同士になってしまった。
「えっ?」
まったく予想もしていなかった展開だった。

だけど大好きな2人の幸せそうな顔を見て、僕は決めた。

「遠くの街へ行こう。
2人が誰も知らないような街に。」

2/28/2023, 12:10:50 PM

ふわふわり


      たんぽぽの綿毛のように
     柔らかな風に乗って旅をする

     穏やかな波の音に抱かれるとき
       ただ耳を澄ませる

      木々の間を通り抜けるとき
       その風の色を感じる

   空に天鵞絨色のカーテンがかかるとき
     最初に私を呼ぶのはどの星か

  すっきりと目覚めた太陽がダンスをしている

    鳥たちが庭で軽やかに朝を告げる

     甘い蜜はどちらでしょうと
     白い蝶がこちらを見ている


     地球はいつも語りかけている
    生命の豊かさに気がつけるように

    
      今日もわたしは風に乗る


         遠くの街へ

2/28/2023, 12:07:22 PM

遠くの街へ

僕は転勤族。
今は家族で一緒に暮らしてるけど、いつ転勤で単身になるか
分からない。
転勤は知らない街を知れるメリットはあるけど、家族を持つとしんどいな。
遠くの街への憧れを感じながら、現実を見てしまう今日この頃です。

2/28/2023, 11:59:59 AM

遠くの町へ、なんて怖いよ

勝手に飛ばさないでよ

今の町で悠々と暮らしていたいよ

だって今十分くらい幸せなんだ

大海なんて知りたくもないよ

でもそれも今だけ

いずれ人に頼るばっかりではいけなくなるんだ

未知のことが恐ろしいんだ

なんせバスの乗り方も分からない

ちなみに電車も

こうやって新しい世界を毛嫌いしていたらそりゃ

こんな世間知らずの15歳が出来上がるわけですよ皆さん

困ったもんですよ

何にも一人でできない

こうなったら生活力諦めて、
助けられ力を磨くっきゃないかもしれん

それもまた人生幸せに生きる能力なのだ
                     完

2/28/2023, 11:55:09 AM

気がつくと、私は神殿のような場所にいた。

和風というよりは洋風に近い、世界史の教科書に出てきたみたいなものに似ている。

ガラスをふんだんに使用し、自然光を取り込むのに使われている。

柱一つ板一枚を取っても質の高さが滲み出ていた。

柱には小さくだが、なにかが彫られている。

文字のようなものに思えるが、少なくとも私の知り得るものではなかった。

そのとき、目覚まし時計がけたたましく鳴り響き、私は一気に覚醒した。

時間はAM7:00。

いつもの朝だ。

昨日の夢の続きだった。

目は覚めたものの、手のひらには、あの彫り跡をなぞった指の感覚が気持ち悪いくらい鮮明に残っていた。

私は橋月亜矢乃。

普通の女子高生だ。

普通じゃないことと言えば、たまにあの生々しいほど鮮やかな異世界の夢を見ることくらい。

2/28/2023, 11:54:03 AM

遠くの街へ。
遠くの街。私は遠くの街に行く。しかしお金は無い。そんな時は電車を使おう。
電車は改札を通らなければ無料で何処までも行くことが出来る。だから私は遠くの街へ行く。

2/28/2023, 11:53:23 AM

『遠くの街へ』

ただ ただ
遠くへ 遠くへ
もっと もっと遠くへ

その思いだけで
目の前の道を ただ歩き続け
遠くの街へと…

のつもりで歩き続けて
気付けば 一周回って
産まれ育った故郷に戻っていた

結局 ここでしか生きられないのか…

でも 無断な時間を過ごした訳じゃない
様々な経験の中で得た知識は
数々の出会いは 無断じゃない

だけど…
遠くの街へ行くのは
しばらくいいかな…

今は ここで
とにかく 生きることに決めたから…

2/28/2023, 11:53:12 AM

遠くの街へ
大人になるに
つれて
故郷を離れて行く
そしたら
遠くの街に出る
色んな人達に会い
色んな出会いが
待っている
それが、
『遠くの街』
都会とか田舎
色んな場所が待っている
色んな冒険が待っている
それを頑張って
行かないといけないんだ!

2/28/2023, 11:50:52 AM

毎日毎日、どうしてこう仕事が沢山湧いてくるんだろう。ウンザリしてる。お休みの日ですら翌日の業務を考えてる自分にガッカリした事がある。芸能人の「今日は○○県に来ています!」を聞いて「いいなあ…でも行く時間無いし、土日は一日多いし」と何かと理由をつけて遊びにすら行かない。我ながら出不精だな、と思った。
 数ヶ月に1度位で平日のお休みがある。土日出勤している人が用事あると土日出勤、平日休みになる。そう、私は来週迎える平日の連休について先程からずっと予定を組んでいる。平日連休なんて最高。公共交通機関は人少ないし、多分街にもそんなに人が溢れない。この疲れきった身体を癒すのはただ一つ、温泉だ。たまにスーパー銭湯には行くが、泊まりの温泉は格別だ。来週なんて急だけど予約はすんなり取れた。何しよう、定番の観光地巡り?美味しい物食べ歩き?うーん、と悩むが口元が緩んでしまう。いっそノープランか。予定を組んで遂行出来ないと達成感がないからね。
 休日の前日。荷物は最低限。ミニマリストじゃないけど沢山の荷物は疲れてしまうから。準備して早目に床につく。翌朝、誰に向かって言う訳でも無いけど。「行ってきます」



「遠くの街へ」

2/28/2023, 11:49:41 AM

遠くの街へ

みんなで遠くの街へ行こう
赤く染まった道を裸足で踏みしめながら
もう当分会えていない家族を探そう
お婆ちゃんに会えたら、何をつくってもらおうかな
今を生かされている僕たちは、大人になったら何をするのかな
楽しみ。楽しみだなあ。
みんな、それぞれが望む未来を語った
いつ誰がどこで倒れても、おかしくないこの世界で__

2/28/2023, 11:40:36 AM

飛行機や新幹線に乗って遠くへ行ったのは、
修学旅行のときくらいだな…
出不精だしなぁ
遠出してみたら自分の中で何か変わるかな?

(遠くの街へ)

2/28/2023, 11:35:18 AM

【遠くの町へ】

今日は大好きなあの子へ贈り物を捧げる日。
少し遠く、小さな町へ足を運ぶ日。
今日はあの子が大好きなメロンパンとコーラを渡すんだ。
喜んでくれるかな。
あの子の大好きなメロンパンとコーラを黒いリュックサックの中に詰め、家を出る。鍵を閉めたらまずは近くのバス停へ。
ここから小さな町へはおおよそ2時間かかる。
行くのはちょっと大変だけど、あの子に会えるならそんなの気にしない。

バスに揺られて約2時間。バス一本とはいえさすがに疲れつつある。大好きなあの子に会う前に少し休憩をしよう。
こんな小さな町にもコンビニは存在する。僕はコンビニでツナマヨのおにぎりとお茶を買って、それをコンビニ内の小さなフードコートで食べた。朝、何も食べていなかったからか、おにぎりの具がすごく美味しく感じる。お茶も美味しい。

僕はコンビニを出た。腹は膨れ、大好きなあの子のいる場所まであともう少し。辺りはもう既に真っ暗で、人っ子一人居ない。小さな町なので調度良い街灯も勿論無い。僕は予め持っておいた携帯ランプの電源を入れ、歩き始めた。
細い道の端っこには用水路があって、落ちないか少し不安だ。もし、足を滑らせて落っこちたりでもしたら大変だ。大好きなあの子に会えるからって浮かれっぱなしでいるのは少し危険だ。僕は用水路に落ちないようにしっかりと歩いた

墳墓の前を通り、坂道を登り、木々の生い茂る山へと向かう。
大好きなあの子の所までもうちょっと。
森の中には少し小さな小屋がある。そこに大好きなあの子は居るのだ。
僕は小屋を見つけると期待に胸を膨らませながら腐りかけた木の扉をギィィ、と、開ける。ちょっと臭い。
あぁ、大好きなあの子が居た。山奥だからか、小屋の中は少し汚く、前よりも蝿が集っていた。だが大好きなあの子は前と全く同じ場所に座っている。
「久しぶり。1ヶ月ぶりだね。」
僕は感激の声を漏らす。だけど大好きなあの子は何も言わない。いや、何も言えないのだ。だけど僕は大好きなあの子の目の前にメロンパンとコーラを置き、少し話をしてからまた来るね。と一晩でその小屋を去った。

また来るね。その約束は叶わなかった。



一週間後、

朝から大雨で湿気が酷い日。

__次のニュースです。某月某日、某所の山奥の小屋で死体が発見されました。死体は既に白骨化していて、先程鑑定士が遺骨を鑑定した所、骨の形からしてこの骨は女性のもの。ということが判明しました。現在もこの事件については捜索中、との事です。__


テレビの電源をブツン。と切る。


「あーあ、あの子見つかっちゃったか。しかたない。また新しい子、探さないと。」

2/28/2023, 11:30:41 AM

「一人で大丈夫?」
「うん! 一人で行ける!」
 温かい陽気の二月の最後、小さい女の子は、リュックを背負い、靴をはく。見たところ、五歳になったあたりだろうか。
「シチューのルー買う!」
「そう、シチューのルーならなんでもいいからね」
「わかったー!」
 そう言葉を交わすと、女の子は小走りに行く。
一度振り返り、大きな声で「いってきまーす!」と叫んだ。
 すぐそこのスーパーなのだろう、母親は姿がみえなくなると家へと戻った。

 時はすぎ、あれから20年が経った。
「行っちゃうのね……」
 母親は大きくなった彼女を見て涙ぐむ。
「年に一、二回くらいは顔を出すよ」
 彼女は大荷物を引っ越し業者に頼み、自身はトランクを片手に持っていた。
「そうね、ずいぶん遠くの街へ行っちゃうからねぇ……」
 よし、と呟くと、彼女は歩を進める。一度振り返り、か細い声で「いってきます……」と呟いた。
 母親は姿がみえなくなっても、しばらく小さく手を振っていた。
 二月の最後、とても良い日和であった。新たな門出にはとてもふさわしい程に。



【遠くの街へ】

2/28/2023, 11:30:09 AM

テーマ:遠くの街へ #108

遠くの街へ行こうと思う。
誰も僕を知らない。
僕も誰も知らない。
みんな他人。
ただそこに存在していて、僕に話しかけてきたりしない。
そしたら、今とは違う生活になれるだろうか。
新しい人と友となりいつしか親友となるのだろうか。

遠くの街へ行こうと思う。
未知の環境。
空気や水が美味しいのか。
大きな建物が立っているのか。
大きな音が聞こえるのか。
夜は昼間のように明るいのか。
そしたら夜は今よりも眠れないのだろうか。
夜空が曇って見えるのだろうか。

遠くの街へ行こうと思う。
まだ知らぬ未知の世界へ行くために。
不安はもちろん、今の生活が嫌いになったわけでもない。
嫌いな人が近隣に住んでいるわけでもない。
仕事が切羽詰まっているわけでもない。
自然が嫌いになったわけでもない。
ここにいる、自分が嫌いになったわけでもない。
そしたら新しい自分を見つけられるのではないかと思って。
新たな一歩を踏み出すために。
僕は遠くの街へ行こうと思う。

2/28/2023, 11:27:01 AM

「遠くの街へ」

全てを投げ出したくて

どうしようもなくなったときに

僕のことを誰も知らない遠くの街へ、

僕は消えたように空気に溶ける。

2/28/2023, 11:26:39 AM

【遠くの街へ】
【登場する名前は、架空の人物です。】







…あのさ。バイト終わりに家に帰ったんだけど。
なんか、道端に人が倒れてるんだけど。
しかもめっちゃ小さい子ども。

「おい。大丈夫かよ。なんかあったのか?」

……ピクリともしない。
とにかく、持ってる物とか怪我の確認をしよう。
持ち物は……あった。小学生?
持ち物の名前が全部ひらがなで書かれている。
親の文字ではなく、お世辞にも綺麗な文字ではなくて……とにかく、子どもの文字だった。

〝さいとう はな〟

女の子?髪短いし男っぽい服だし女の子が好きそうな物を持ってないから男かと思った。
怪我は、してないな。
してないけど、なんだ?
この、傷跡の数。もしかして、こいつ……

『ご…なさ……』
「は?」

なんか、言った?〝ごめんなさい〟?寝言みたいだけど。

「ってか、どうしよ。女児ゆうかい?になる。…あ。そうだ警察!それか救急車呼ぶか。」

なんで、はやく思いつかなかったんだよ。
落ち着いてスマホで電話しようとする。

「……あ。」

スマホ、家だ。わすれてた。
夜中だから人居ないし、かといって、こいつ1人にする訳にもいかない。なんか寒そうだし。上着かけて家に戻るか。



スマホを持って、外に急いで行くと女の子が体育座りをしていた。

「お前、起きたんだな。大丈夫か?倒れてたから心配した。」
『あ。ありがとう、ございます…あと、その…親に言わないでください。倒れてたの。私が悪いから。親は、悪くないの。だから』
「わかったわかった!一気に喋るな。」

やっぱり、親に怯えてるみたいだな。

「でさ、家に帰らなくていいわけ?もう夜の11時になるけど。」
『帰ってくるなって言われました。もう顔も見たくないって言われました。帰ってきたらなぐるって言ってました…。』
「なんだそれ。なあ、児童保護施設っていうのがあるんだけど、そこに相談した?お前みたいな小さい子どもは、すぐ動いてくれると思うけど。」
『親は悪くないから。私が悪いから。』

…ダメだ。
どうしようか。俺が代わりに電話するか?
傷だらけの女の子を保護してるって言えば何とかなりそうだけど。
ちらっと、女の子を見る。ガタガタと震えてる。そんなに寒くないのに。

『あの。私、公園行くから大丈夫です。ありがとうございました。』
「いやいや!全然大丈夫じゃないから。とりあえずさ、俺も公園行くから。俺、家族居ないし門限とかないし…とにかく心配だから、ついてくわ。」
『うん…わかった。』



……長い長い沈黙。
ひたすら女の子と一緒に公園に行く。
夜中だから危ないし、それに公園に着いてから児童保護施設の人に電話した方が場所もわかりやすいと思ったから。

『ここの公園です。』

へえ。結構広い公園だな。
ここなら

『あの。公園、一緒に遊んで。』

……え、いやいやいやいや!
ただでさえ、女児ゆうかいみたいな感じなのに、遊んでたらこっちが怖い。通報される!

「いや、あのさ!えっと…先に、大人の人に電話しようかなって思ったんだけど…だめ?」
『大人の人…?そう、ですよね。わかりました。座って、待ってます。』

そう言ってベンチに座る。
ちらちらと確認しながら、電話する。
施設の人は、すぐに来てくれるそうだ。
それに優しそうな人だった。

「なあ、施設の人、すぐ来るってさ。近くにいるみたいで。」
『うん。わかった…迷惑かけて、ごめんなさい。』
「あのな、子どもは迷惑かけていいから。……そうだな。少しの間だけど。遊ぶか?」
『いいの?遊びたい!』

急に笑顔になった。
やっぱり、子どもだな。
それに、初めて笑顔見た気がする。




……遊んだ。疲れた。
子どもは、体力おばけって言うけど、本当だな。

『お兄さん、最初は、ヤンキー?かと思ったけど、優しい人で良かった。』
「あ?…まぁ、よく言われるわ。バイト中もおばちゃんに怖がられるし、何もしてないのに目つき悪いって怒られるし。」
『あ…そうなんだ。』
「まぁ、気にしてねえよ。」

他愛ない話。
この子は、少しでも日常を忘れることができたのか分からないけど、忘れることが出来たならいいや。



その後、施設の人が来て色々事情聴取?されて、何かあったらって言われて名刺渡されて、女の子と施設の人は、大きめの車に乗って行った。
女の子とは、その後、会えてない。
…てか、会える方がおかしいけど。
元気に過ごしてるなら、それでいいか。

「そろそろ仕事行くか。」

遠くの街へと引越しても、いつも思い出す。
俺の選択は正しかったよな?








大学の帰り、あの時の公園の前を通った。
あのお兄さん、居るわけないよね。
ありがとうって言えなかった。
私の家族は、良くない人たちだったから。

『ありがとうございました。』

小声で、ボソリと、言って、公園を去った。

2/28/2023, 11:26:18 AM

遠くの街へ

  独り
 
  行ってしまったあなた


  
  あなたの帰る場所が
  
  わたしのところではないことが


  こんなにも
  
  さみしいなんて



  張りつめていたこころが

  ぱりん と 

  割れた夜

  



          # 遠くの街へ (52)

2/28/2023, 11:24:23 AM

ある中学校の夏休み、ずっと好きだった女の子が 転校することになった。
冬から遠くの学校に行くらしい。
僕は受け入れられず、涙が止まらなかった。
もっと、一緒に居たかった。
想いを伝えたって、もうどうすることもできないのが辛かった、悔しかった。

ある日彼女のお別れ会を開いた。
彼女はとても嬉しそうだった。

お別れ会が終わり、みんなが帰っていく。
そんな中、僕はまだ帰っていなかった。
彼女も同じく、楽しかった時間の余韻を楽しんでいる。
「なぁ」
僕は話しかけた。
「なんで、引っ越すことになったんだ。?」
僕はずっと気になっていたことを聞いた。
「親が、出張で…」
彼女は息が詰まっていた。
「本当は行きたくなかったんだけど」
「そうか。」
悲しい顔をしている彼女をみて、聞いたことを後悔した。
想いを伝えるなら今しかないのだろうか。
僕は思った。
いや、今しかない。伝えないぐらいなら、伝えた方がいい。
「ぼく、ずっと君が好きだったんだ。」
「え、?…」
彼女は困っていた
「君は引っ越して、また会えるかも分からないけど、僕は離れていても君を応援している。離れていても そばにいる。」
僕の溢れる思いをそのまま口にしていた。
「君と。ずっと一緒に居たいんだぁぁ!」
「ありがとう。」
彼女は嬉し泣きをしていた。
「今までそんな事言ってくれる人なんて居なかった。そうだね。
引っ越しだって、君がいるから怖くない。」
彼女はニコッとした。
その顔がとっても好きだった。
「おう!頑張れよ」
僕は泣いていた。
「またいつか。!!どこかで会えたらたくさん話そうね!」
僕は手を振って、彼女が見えなくなるまで、ずっと見守っていた。

遠い町へ

2/28/2023, 11:23:18 AM

誰も知らない、誰も私のことを知らない場所へ行きたいと思う。
 知らない街並みの中で、知らない景色を見て、今までの私を知らない人ばかりのところで、新しい人物像を作って、一からやり直したい。
 きっとそこで見る太陽の光はどこまでもキラキラしていて、空も、世界も広く澄んで輝いているんじゃないかと。

 財布だけを持って、バスと電車を乗り継いで、どこか遠く、遠く……。


 そう夢見て、現実は外に出るのも億劫で、人とすれ違うと思うだけで憂鬱で、ただ玄関の一歩先へ進むのすら、重たくて、遠くて、ただただ『見たこともない理想的な街』へと、一人思いを馳せるのみ。

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