窓崎ネオン

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気がつくと、私は神殿のような場所にいた。

和風というよりは洋風に近い、世界史の教科書に出てきたみたいなものに似ている。

ガラスをふんだんに使用し、自然光を取り込むのに使われている。

柱一つ板一枚を取っても質の高さが滲み出ていた。

柱には小さくだが、なにかが彫られている。

文字のようなものに思えるが、少なくとも私の知り得るものではなかった。

そのとき、目覚まし時計がけたたましく鳴り響き、私は一気に覚醒した。

時間はAM7:00。

いつもの朝だ。

昨日の夢の続きだった。

目は覚めたものの、手のひらには、あの彫り跡をなぞった指の感覚が気持ち悪いくらい鮮明に残っていた。

私は橋月亜矢乃。

普通の女子高生だ。

普通じゃないことと言えば、たまにあの生々しいほど鮮やかな異世界の夢を見ることくらい。

2/28/2023, 11:55:09 AM