tk,83

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ある中学校の夏休み、ずっと好きだった女の子が 転校することになった。
冬から遠くの学校に行くらしい。
僕は受け入れられず、涙が止まらなかった。
もっと、一緒に居たかった。
想いを伝えたって、もうどうすることもできないのが辛かった、悔しかった。

ある日彼女のお別れ会を開いた。
彼女はとても嬉しそうだった。

お別れ会が終わり、みんなが帰っていく。
そんな中、僕はまだ帰っていなかった。
彼女も同じく、楽しかった時間の余韻を楽しんでいる。
「なぁ」
僕は話しかけた。
「なんで、引っ越すことになったんだ。?」
僕はずっと気になっていたことを聞いた。
「親が、出張で…」
彼女は息が詰まっていた。
「本当は行きたくなかったんだけど」
「そうか。」
悲しい顔をしている彼女をみて、聞いたことを後悔した。
想いを伝えるなら今しかないのだろうか。
僕は思った。
いや、今しかない。伝えないぐらいなら、伝えた方がいい。
「ぼく、ずっと君が好きだったんだ。」
「え、?…」
彼女は困っていた
「君は引っ越して、また会えるかも分からないけど、僕は離れていても君を応援している。離れていても そばにいる。」
僕の溢れる思いをそのまま口にしていた。
「君と。ずっと一緒に居たいんだぁぁ!」
「ありがとう。」
彼女は嬉し泣きをしていた。
「今までそんな事言ってくれる人なんて居なかった。そうだね。
引っ越しだって、君がいるから怖くない。」
彼女はニコッとした。
その顔がとっても好きだった。
「おう!頑張れよ」
僕は泣いていた。
「またいつか。!!どこかで会えたらたくさん話そうね!」
僕は手を振って、彼女が見えなくなるまで、ずっと見守っていた。

遠い町へ

2/28/2023, 11:24:23 AM