『誇らしさ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
(創作/散文/家父長制にしいたげられた少女人形)
紡いだ誇らしさは とうにハサミで断ち切りました。
貴方が誇ったあの所作も あまりに私がお人形さんで
貴女が誇ったその仕草も 酷く私が滑稽で
結局このまま一族の恥となるならば
絡んだ糸をあきらめるように
繋いだ縁を断ち切りましょう
私に行き着くまでの血筋も
全てちょきんと切りましょう
この決断こそが ガラス細工の私が持てる
はじめての誇らしさ
きっと明日には燃えている
「誇らしさ」
人生に満足している、それが私の誇らしさ。
誇らしさ…
埃かぶった誇りは時々悪さするのよね〜…
誇らしさ
私は営業として城下町付近をエリア担当していたことがある。
最初はがむしゃらに営業に取り組んでいたものの、なかなか成績が上がらず、焦りを感じていた。
ある日、お客様との何気ない会話の中で、祖先が武士であることが分かったので、そのことを褒めてみた。
すると、お客様は笑顔で誇らしげに、その話をしてくれた。
その時の表情には、まさに「誇らしさ」が溢れていた。
それ以降、私は何がその人にとって誇らしいことなのかを見極めるようになった。
ある方は家族の事を。
ある方は職業の事を。
ある方は故郷の事を。
それぞれが誇りに思っていることを見つけ出し、賞賛した。
その結果、信頼関係を深めることができ、少しずつだけど成績も上がるようになった。
しかし、私自身がそんな誇らしい表情を浮かべる瞬間は、まだ訪れていない。
私もそんな顔をしたいのだ。
誰が成績上げに来ないかなー
やっと描きあげた大作だけど、誇らしさはなかった。
壁のように立ちはだかるキャンバスに、ひたすらに絵の具を重ねた。目の前にある透き通ったそれを、自分の感じたままに、
【お題:誇らしさ】
このアプリで三日坊主になってないことっすかね、誇れる事。
日記って大体存在を忘れて続かなくなるし、書き留めたところで、それを読み返して恥ずかしくなるぐらいで何もいい事ないじゃあないですか。
最近、家ん中掃除した時に見つけたんですよ。
昔の自分の黒歴史ノート。
これ以上は何も聞かないでくれると助かります。
オレ、襟尾純の刑事としての誇らしさは、やっぱりボスと働いてる点だ。
オレが刑事として働くモチベーションの一つであるボスは、インテリダンディ、肉体の逞しさ、愛嬌など、数え切れないほどの魅力が詰まっている。そんなボスにオレがお供としてついていけるなんて夢にも見てなかった。
そんなボスをオレは、死なせまいと毎日トレーニングに励む。なんて生きがいのある毎日なのか!
『誇らしさ』
最後の1音を弾き終わると、会場には静寂が訪れました。
そして、一拍置いて万雷の拍手。
素晴らしい!
なんて素晴らしいんでしょう。
あの子がどれほど努力してきたのか、私は知っています。
厳しいレッスンに、日々の生活から削られる自由時間。
練習のし過ぎで手の腱を傷めたこともあります。
本当は緊張しやすい性格で、人前に出るのが苦手なことも。
食べ物に好き嫌いがあって、でもそれでは何曲も弾く体力がつかないと、我慢して飲み込んだことも。
お友達との付き合いも制限され、学校の授業さえ後回しになることも。
相応しくない人たちからの接触は、あの子のためになりませんものね。
何時に寝て何時に起きて、何時間レッスンに費やしたのか。
登校の途中で誰と行きあい、なにを話したのか。
帰りはどこを通って帰ってきたのか。
朝昼晩と、何を食べているのか。
あの子の1日を、私は全て把握しています。
「よく、赤の他人の子供にそれだけ入れ込めるな」
テレビを見ている私の隣で夫がなにか言っていますが、気になりません。
ああ、なんて素晴らしい!
誇らしさでいっぱいです。
荒波に揉まれ
人間の冷たさを知り
真夜中まで任務をこなし
対価の少なさに涙を流しつつも
大切な人のために働く
脚光を浴びることがなくても
俺はきっとヒーローだ。
サラリーマンとしての誇らしさを胸に
さ、今日も仕事行くか。
デスクの上のノートパソコンを開くと由香里は大きくため息をついた
夏休みの半分も過ぎた頃にはすでに宿題の課題はすべて終えていることが常であるのに、今回は課題の最後のひとつになった「作文」が遅々として進まない
テーマは『誇らしさ』
客観的事実を淡々と綴ることには何ら苦に感じたことは一度もなかったが、自分の内面を掘り下げるようなテーマは苦手というより意図的に避けてきていた
自己肯定感が極端に低い由香里にとって、自分に好意的な目を向けることはもはや苦行に近かった
自分の周りにいる友達は皆、如何に自分を可愛く見せるかとかどこの何がな美味しいとか、自分をご機嫌にすることに躍起になっていたが、感情というものを意識した頃から自分をまったく好きになることが出来ない由香里には、そうした彼女達の行動は不可解で滑稽ですらあった
彼女達と同じように着飾ったり、スイーツ巡りをすることに興じることが出来たらどんなに幸せだっただろう…
「由香里は何が一体不満なのよ〜?
学力テストは全国で一番だし、街を歩けばスカウトの声は掛かりまくりだし、私だったら浮かれまくってバンバン目立とうとするけどなぁ
本当に勿体ないよ…贅沢過ぎるよ〜」
と、親友の真奈美はいつもそう言った
学力テストで一番でも、それは単なる相対的な評価に過ぎない
周りに比べてどうか、ということであって、私の個人的な能力や可能性が評価されたわけではない
ましてや、すでに学んだことをどれくらい理解しているかを評価することに由香里はあまり意味を感じられなかった
周りからどう見られているかにはまったく興味の無い由香里には、そういった様々な評価や賛辞が由香里の心に満足感を与えることは無かった
「誇らしさ…ねぇ ダメだ、何も無い 私に誇れるところなんて無いもの」
パソコンの画面ではタイトルのところでカーソルが虚しく点滅するだけだった
その時飼い猫のレディが音もなく近づいて来て、由香里の足元に絡みついた
この家の一員として10年にはなるシャム猫のレディは、家族の誰にも懐こうとせず常に距離を取りたがり、よそよそしさを漂わせるかなり個性の強いメス猫なのだ
一番世話をしている母にもほとんど懐かない
それなのに、何故か由香里だけには心を許しているようだった
由香里も特別に可愛がるという訳でもなかったが、何故かレディには親近感を覚えて唯一心に通ずるものを感じ合える相手だった
「そっか!レディがいたよね
あんたが私に懐いてくれていることが、私の誇りっていうヤツかもね」
レディは忖度をしない
他の誰かと比べたりもしない
皆の中での一番とかじゃなく、「私」が良い!って認めてくれている…
珍しく由香里の心に「嬉しい」という感情が湧いた
由香里はレディのうなじに顔を埋めた
『誇らしさ』
「国語の問題ってさぁ、意味わかんなくない?」
「は?」
持っていたペンを机に転がして、テキストの上にどさりと被さる椋に、七海は思わず筆が止まる。
「どうしたの?くーくん。宿題わからないとこあった?」
同じく手を止めた灰原が尋ねる。
「この問の答えって意味ならわかるよ?でもさぁ…見てよぉコレ」
七海と灰原は一旦自分の課題をやめ、椋の取り組んでいた国語の問題集を覗き込む。
抜粋された小説を読んで答える、所謂文章問題だ。
「この問4の、『―線Bの「彼を止めようとしたのは僕だけだった」とある僕の心情について、次の中から当てはまるものを選びなさい。』って問題」
椋は転がっていたペンの先で問題を叩く。
「前後の文章を読めば、『A嬉しさ、Bやるせなさ、C誇らしさ』のうち、Cの誇らしさだって言いたいのはわかる、わかるんだけどぉ…」
ガッ音が付くほど勢いよく状態を起こして喚く。
「『誇らしさ』ってなぁに!?どうしたらこの展開で誇らしく思えるの!?こんなのただの自己中じゃん!誇りなんてワンちゃんにでも食べさせちゃえ!」
「犬にでも食わせとけ、ですか。
まぁ気持ちはわかりますがね、誇りも、国語の読解問題も」
「えっ七海もそんなこという!?」
「この手の小説の、主人公の感情を断定するのは好きじゃないんです」
ただの七海の私怨である。
『誇り』だって、そんなもののためにこの学校にいる人間はいないだろう。いたとしたらおそらく、もう去ってるか、二度と会えない人物か、だ。
「俺は『誇り』ってあるよ!」
「えっはーくんが?」
まさかの灰原発の回答に、椋が驚いて詰め寄る。
七海も内心少し驚いたので止めはしない。
「はーくんの誇りって?」
「七海とくーくん…来曲に、『仲間』って認めてもらってること!」
一瞬の沈黙。
「っっもおぉはーくんてばぁ!!そんなのあったりまえでしょお!?」
「うわっ、くーくん危ないよ!」
座ってる灰原に飛び付く椋のせいで、椅子がぐらりと揺れる。
なんとか踏ん張った歴史の長い椅子に労りの気持ちを送りながら、七海はため息を吐く。
「そんなくさい台詞を照れもなく言えることの方が誇れるんじゃないんですか」
「あー!またななくんったら自分だけスンッて顔してるぅ!うれしいくせにぃ」
「うるさい、早く課題を終わらせますよ」
まだじゃれ合っている二人を無視し、計算問題に戻る。
下を向くと落ちてくる邪魔な髪は、しばらく耳にかけられそうにない。
【誇らしさ】
『誇らしさ』
双子の兄はよくできた人だった。文武ともに優れていた自慢の兄に幼い頃から抱いていたのは誇らしさ。けれど齢を重ね、成人が近づくにつれてそれに比べてあの弟は、と囁く声に気づくようになった。自分は兄と比べて、世間一般と比べても凡庸であった。文武ともに中途で放り出してなにを成すでもない箱入り息子。囁かれる声は真実であった。
成人を迎えた兄は生まれ育った領地を家督を継ぐ形で治めることになり、私は僻地にある小さな飛び地を治めることになった。体の良い厄介払いだと誰もが理解していた。僻地へと向かう馬車を見送る際の兄の目にあったのは昔と変わらぬ慈愛。今の私が兄に抱いているのは、劣等感。けれどそれを兄に悟られたくないが故に目を合わせたくなかった。
「手紙を書くよ」
兄の声につい目をやると、別れを心から惜しむ涙が一筋見えた。私にも別れを惜しむ心はあった。けれどそれよりも早くここから立ち去りたいと願ってしまった。涙も流さず曖昧な返事だけを残して馬車が進み出す。
馬車の中で俯いた私はかつて抱いていた誇らしさがどこから変質してしまったのだろうと思い出せる限りの記憶を遡っていた。そんなことをしても無為であると知りながら、止め処無い記憶に溺れていった。
今、私は失いかけてる。
遠くで誰かが声をかけているみたいだけど、
それはなにも意味をなさなかった。
目の前の壁はそれほど大きく立ち塞がっている。
…ここまでかな?
-いいじゃない、もう受け入れてしまえば-
誰かがそっと囁く。
…そうだね、そしたらもう楽になれるね
「思い出せ」
…え?
「まだ終わってない!今までやってきたことを思い出せ!」
-苦しいでしょ ラクになりなさいよ-
何かが私に向かって恐ろしい速度で向かってきた。
私の身体は勝手に反応して打ち返していた。
長年の特訓は私をラクにはしてくれない。
私の身体は思い出させてくれた。
この先どうなるかわからない。
でも私のこれまでのことを誇らしく思えるようになった。
誇らしさ
「ケイとヒナは……むしゃむしゃ……どうして仲が……ずずずず……悪いんだい?」
信じられないほどの速度でご飯を口に詰め込むエリック。
「こいつが!……もぐもぐ……自分のヴァイオリンを!……ぱくぱく……弾かないからよ!」
エリックに負けまいと箸の速度を緩めないひな。
お腹が空いているのか意地になっているのか、僕が手をつけていないのにお皿が綺麗になっていく。
見ているだけでお腹がいっぱいになりそうだ。
「あんたも!食べなさいよ!」
「いや、僕はもう——」
「そんなんだから私に負けるんでしょっ……がぶがぶ」
しばらくして——
「さて、2人を呼んだわけだけど……」
何も聞かされていない僕たちに緊張が走る。
あのめんどくさがりで偉大なヴァイオリニストが僕たち2人を呼んだのだ。何か大きな理由があるに違いない。
はずだった……
「2人は恋人同士なのかい?」
「はい?」
「へ?」
噛み付いたのはひな。
「なんでこんなやつと、こ、恋人になるのよ!」
「なんでも何も、君たちのヴァイオリンは痴話喧嘩のようにぶつかり合って小気味いいじゃないか。そのことに君たちは気づいていないのか?」
ふと思い返すと、僕はいつも彼女のヴァイオリンに感化されて弾いていた。彼女あってこその演奏があったなら痴話喧嘩と言われても納得がいく。
「なるほど確かに」
「なにが確かによ!」
「私はケイに恋人ができて嬉しい。君は昔から私とヴァイオリンばかりで色恋の1つも見せやしなかったからねえ」
怒りで顔を真っ赤にしたヒナ。
いつも冷静な彼女のそれが面白くあったが、嘘をつくわけにはいかない。
「でもね、エリック。僕たちは本当に恋人じゃない。むしろライバルのような関係性だよ。といっても僕はいつも負けてるからライバルには見えないだろうけど」
「いや、それは違う。こいつはライバルよ」
彼女はエリックを真っ直ぐ見つめる。
「こいつは自分の良いとこまったくわかってないけど、私より上手いもの。だってそうじゃなきゃエリックさんが師匠なんてやらないでしょう?」
エリックはニヤリと笑う。
僕がひなより上手い? コンクールで負け続け、コンサートを開いても彼女はぼくより人を集める。そんな彼女より?
しかしエリックは頷く。
「ケイのことをわかってくれる子がいた……では私は、ケイの才能を実らせることができたのかな? だとしたら私は誇らしい」
2人が知る僕を僕は知らない。
僕は……何者なのだ。
詩(お題)
『誇らしさ』
遊びもお絵かきも
勉強もスポーツも
お金も家柄も
すべてがこのおれを
貶(おとし)める刃(やいば)だった
努力とか友達とか
それすら拒否してた
自慢とか誇らしさ…とか
なんにもないおれは
世間様とやりあってた
いじけて怒っても
差別は無くならねぇ
反抗とか服従とか
どうてもいいおれが
たったひとつ、悔いてはいる
生きてるそれだけで
恥だと親は言う
自慢とか誇らしさ…とか
やれないけどおれは
あんたらが親で良かった
『誇らしさ』
他人には気づかれず
傷つけられたり
意図的に
踏みにじられたり
何かの拍子に注目を集め
讃えられたり
褒められたりすることもある
自分や属する組織へのアイデンティティ。
私は、祖父、祖母、父、母、兄弟に囲まれて
決して、裕福でも、才能に恵まれたわけではないが、
この家族という集団の中で育てられたということに対して誇らしさを持っている。
若い時は、自分だけで今を生きているという自我が強く、親ガチャは、中の下で良くなかったと思っていた。
しかし、歳をとった今は、この家族の中で、色々な事を教わり、たくさんの愛情を受けて育てられたのおかげで、今の私があるということに家族を持つことで気づき、とても感謝している。
“誇らしさ”
皆様は、自身の誇らしさをお持ちでしょうか?
学力や経済力、精神の安定、人柄、もちろん、このアプリを続けていらっしゃることも、立派な“誇らしさ”であるのです。
皆様は、自身のことを褒めてあげられていらっしゃるでしょうか?
今日もまた生きていることを、そしてまた今日、文章を綴れたことを、でございます。
わたしが、皆様には感じられない日々のあなたの素晴らしいところを、“誇らしさ”を、見つけられるお手伝いをできたら、と思うのです。ここまで目を通してくださったあなたは、他人の文章にも興味がお有りなのでしょう。それもまた、あなたの素晴らしいことなのです。皆様に楽しい読み物を感じていただけるよう、今日もまた、精進して参ります。
誇らしさ
今日、100年続く山奥の小学校が卒業式という形で幕を閉じる。最盛期には、50人ちかくの子供たちが学校に通っていたが、今は、本日卒業式を迎える彼女ただ1人となっている。
卒業式が終われば閉校となることか決まっている小学校に彼女は誇らしさを感じていた。
3年生までは上級生がいたが、同級生はずっといない。それでも、担任の先生と二人三脚で勉強に学校行事にと取り組んてきた6年間。中学からは麓の学校となるため人が増え、同級生、友達も増える楽しみがある。けれど、勉強でも運動ても誰とも競ったことがなく自分の実力がどの程度なのか分からない。もしかしたら勉強はみんなについていけず落ちこぼれになってしまうかもしれない。ずっと、ずっと不安だった。
ても卒業式の日、小学校の校長先生から言われた言葉は忘れられない。
「あなたは1人ではありません。ご両親、地域のみなさん、先生がた。みんなさんがいろいろことを教えてくれました。支えてくれました。この学校て学んだ誇らしさを胸に持って羽ばたいて行って下さい。」
あの山奥の小学校を卒業してから6年。
9月からはハーバード大学への進学が決まり、私はアメリカに向かう飛行機の中にいる。
アメリカに行けばより多くの人や人種に出会い、レベルの高い能力が求められる。
それでも、山奥の故郷で学んだ小学校が私の誇りだ。
誇らしさ
私に誇らしいものはあるのだろうか。。
思いつかないな。
人生で
誇れるもの
って
何だろう?
それなりの
普通の人生だったし
特別な
能力もないし
ただ、
なんか
あぁ、
このタイミング―――
持ってないなぁ
わたし。
と思う瞬間は
いくつかあって
自分に
誇り
なんて
自信なんて
あまり
持てていない。
とりあえず
挫折を味わいながら
今まで
なんとか
生きてこれたことは
良かった。
#誇らしさ