『言葉はいらない、ただ・・・』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
黄昏時の浜辺は、海の水が空に照らされて光って見えた。足が砂浜に埋まっていく感覚と、心地よい波音がただ脳内に記憶されていく。
「見つけた。」
後ろから低くて聞き馴染みのある声がした。
気づいた時には温かいぬくもりに包まれていて、
なぜか、涙が溢れそうだった。
「え、っと……」
過去のことがフラッシュバックされそうで、なんだか怖くて、言葉に行き詰まった。
「言葉はいらない、ただ…」
"君に逢いたかったんだ"
無意識のまま、私は、
「私も」
と答えた。なんでだろうね、どこか心が満たされていく感覚がしたよ。
言葉はいらない、ただ…
あ、と思ったときにはすでに視線はそらされていた。
今、目が合ったよな。
たぶん。おそらく。高確率で、お互いのブラウンの視線はかち合っていたはずだ。いや、そんな気がしただけだろうか。逡巡していたためにわずかに伏せられていた視線を上げて彼女を探す。が、見える範囲にはすでに彼女の姿はなかったし、足音など大勢が歩き回るなかではひろえるはずもない。
「しょうがないか」
そうごちて俺もすべきことを探しはじめた。この町での滞在は今日までだ。団のですべきことはたくさんある。俺は頭を切り替えて、手近で仕事をもらえそうなメンバーのひとりに話しかけた
結局あの人はあれから見かけなかったな。どうも他のところ行ってたらしいけど。
夜。割り当てられた部屋のベッドで俺は思い出していた。一瞬視線が交錯していたと思ったのだが、何度も思い出そうとしたために、その真偽はもう分からなくなっていた。
でも、なぜだろうか。どうしてそんなに気になるのだろう。視線などいろんなところで、いろんなシチュエーションで、何度でも交わしている。
――理不尽だな。
自分の感じているこの不安なのか不満なのかよく分からないものが。ああいうかたちで、俺はすでにあの人のそばにポジションを得ているじゃないか。いきなり失うものでもないだろう――そう自身の納得を引き出そうとする。もっとも、それが成功しようのない試みであることはすでに分かっているのだが。
しかし不安を呼び水にした思考は止まらない。気づけば月が夜中を意味するあたりまで上ってしまっていた。ランプの油も尽きそうになっている。
理不尽だ。とんでもなく理不尽だ。
もう諦めて寝なければならない。でなければ明日に障る。そんなことはとっくに分かっている。だというのに、俺はまだまだ折り合うことはできそうになかった。
翌朝、結局ほとんど眠れなかった俺は小隊のリーダーに咎められ、少しのやりとりのあと、今日は馬車の中で休まされることになった。
「おい、どうした。すごい顔だな」
「あ――」
落ち込んで馬車の荷台に上がろうとしたそのとき、睡眠不足の原因が現れた。すぐ後ろで、いつになく上機嫌の彼女が笑って立っている。
「僕は、それが欲しかったんです。言葉でなく」
その素っ気ない声と、興味を引くものを求める視線が。
ようやっとそれだけ言葉にして、俺は荷台のへりによりかかった。
突然の君の訪問。
「嫁にしてください」
「は?」
背負っていた大荷物を下ろして三つ指をつこうとする鶴野を慌てて止める。
「玄関先でやめてくんない?」
「ところで機織り機あります?」
「現代日本の一般家庭にあるわけないだろ」
「おっけーです。持ち運び用の簡易機織り機あるんで」
「どういう需要があって存在すんのそれ」
大荷物からそれを取り出して見せてくる。いや知らん。
「家訓なんで。助けてもらったら嫁いで機織りせぇって」
「なんて厄介な」
『言葉はいらない、ただ……』2023.08.29
俺の奥さんはどこにでもいる奥さんだが、よく俺たち家族をまとめてくれていると思う。
俳優だなんて、どっちに転ぶか分からない仕事をしている俺を気遣ってくれるし、やんちゃ盛りの息子二人の相手をしているし、そのうえ、産まれたばかりの娘もあやしている。
全国公演や地方ロケとなると家にいない俺にかわって、我が家を護っているのは彼女だ。
だから、家にいるときは家事全般を引き受けているし、母の日には毎年贈り物を贈っている。
彼女は弱音を吐かない強い人だ。俺の悩みはもちろんのこと、同じ演劇ユニットのメンバーの話もよく聴いてくれる。うちの最年少のアイツなんて、彼女のことを「ママさん」と呼んでいる。
ことさら懐いていた彼を、彼女もかわいがっていた。
トラブルに巻き込まれた彼を、誰よりも心配していた。
「元気にしているかな」
と寂しそうにこぼしている。
だから、彼が空に行った「ほんとう」を知ったとき、彼女はたいそうショックを受けて寝込んでしまった。
二十年越しに開かれた「お別れ会」に、彼女も出席した。祭壇に飾られた彼の姿は、最後に会ったときの若々しいまま。記憶に残る、彼だった。
「うちに来てくれたらよかったのに」
彼女は、それを強く強く後悔した。
助けてだとかつらいだとか。そんな言葉はいらない。
ただ、うちに来てくれるだけでよかった。
「本当にごめん」
良く言えばおおらか、悪く言えば呑気な彼には珍しく沈痛な面持ちでそう言葉を溢した。
一度は惚れ、そして寄り添った相手。その痛ましさも感じさせる弱りきった表情に私は小さく笑みを返す。
対面してから真顔を貫いていた私の表情が緩んだからだろう。絞首台を免れた罪人のように微かに安堵の息を吐きながら、彼は私の名前を呼んだ。そして始まりそうになった言い訳の羅列を遮るように口を開く。
「もう貴方からの謝罪も弁明も結構です。ただ、慰謝料の支払いだけをお願いします」
突きつけた額に顔を青褪めさせたかと思うと、同席する弁護士の事など忘れたのかこちらへの罵詈雑言を吐き出しはじめた草臥れた哀れな男の姿に、自分は男を見る目がないのだろうかと内心で呟いた。
/言葉はいらない、ただ・・・
言葉はいらない、ただ…
家から外に出ると、不安感がでてくる。
ひとりで歩いて、物を見て、空気を吸っている分には問題はない。
しかし、誰かと話すことが難しい。
ある程度の時間を生きていて、慣れはしたから、話しかけられたらほんの少しは声を出せる、けど、単語程度。
自分からは決して話しかけにいくことはできない。
いつも待っている。
誰かが気づいてくれないかと。
ここにいるんですよ。
だけど、こんなふうに待っているだけの自分が、ずっとずっと続いていて、いい加減、呆れてしまう気持ちもある。
しかも、話しかけてくれた人に対して、結局、怖さとか分からなさとか面倒臭さとかを感じてしまって、拒否してしまう。
いつまで経っても変わらないだろうと思えてしまう自分に対して嫌だという気持ちに、諦めさえも生まれてしまう。
それでも、それでも私は人が嫌いなわけではないし、寂しさも最近感じるようになってきた。だから、
言葉にできない私のそばに、
誰か、
ただ、寄り添ってはくれないだろうか。
そんなあなたの側で、希望することをゆるしてくれないだろうか。
今日、午後2時、どちらかと言えば田舎の交差点。
少しコンビニなどが建っているものの、周囲の見渡しは良好。
しかし、この時間帯はやはり暑い。だから人は全くいない。……強いて言えば、若い男女と幼稚園児ぐらいの女の子が横並びで歩いている。家族だろう。三人とも、リュックサックを背負っており、男は子供が好みそうなキーホルダーが付いたスーツケースの持ち手部分を持っている。セミの鳴き声をバックにスーツケースのキャスターが転がる音が響く。それが、どこか懐かしく感じた俺は、歩道に生えている小さな雑草をぼんやりと見つめる。
思い出にふけっていた俺を現実に引き戻したのは信号機が赤信号を告げた時。
転がる音が止まり、後に響いたのは鈍い、グロテスクな音と叫び声だけだった。
それに驚き、俺の視線は上に動く。
それと同時に、俺は息が詰まった。
血に塗れた車道と歩道。
涙を流し、声を上げる先程の家族。……その中に、女の子は居なかった。
あるのは車の近くでぐちゃぐちゃになっている女の子らしき肉塊だけ。
しばらく息も、思考もまともに出来なかった。
……信じたくなかった。先程まで、あんなに幸せそうだった家族が、一瞬にして不幸になったのだ。
事故の後。
様々な作業……記憶は無いが、大変だったことだけは覚えている。
そんな作業が終わり、帰路についた時。
近所の、全く関わったことのない人……主婦らしき人々の会話が聞こえてきた。
……あの子の母親は、生まれつき妊娠できない体質だったそうだ。
少し視線が下に向き、足取りが重苦しくなりながらも、無事に家には帰れた。
そして、あの事故はどうして起こったか、というと。
完璧に、車に乗っていた人の過失だった。
信号無視。彼が行った行為はそれだけだった。それだけのことだったのだ。
あの時、記憶から消したくても消せないあの時。信号機は、運転手の彼に対して赤信号を告げたのだ。
事故の後、彼は、速攻で思い付きそうな薄っぺらい謝罪の言葉を述べた。
違う。肺の上側に溜まっているような学生のジョーク程に薄っぺらい言葉はいらない。心の奥底で自分の小さくて大きな業のことを後悔しているか、人の死を悼んでいるかを知りたい。俺は被害者では無い。俺が言えることではない。彼女らの苦しみは彼女らにしかわからないんだ。
それでも、どんなに被害者が苦しんでいようと、法律とやらに従うことしか上の奴はできない。
やり場を無くした真っ黒の感情は、心の奥に積もっていく。
底が見えなくなって、ただの闇になっても、無慈悲に積もっていく。
どうしたら良かったのか。
今となっては、何もわからない。
お題:言葉はいらない、ただ・・・
題:言葉はいらない、ただ・・・
ありがとうも
ごめんねも
頑張ったねも
いらないよ。
私はただ、
そばに居てくれるだけで
楽になれる
そんな人に出会いたいだけ。
そばに居てくれるだけで
安心の涙が流れてしまうくらい、
落ち着ける人が欲しい。
ただそれだけなんだよ。
失敗した、失礼した、失敗した!!
「あーもー!!!なんてバカなことを!!!!」
顔から火が出そうだ、というか出てるよきっと。
見たか、彼女のあの顔を!
困惑から同情に変わった瞬間の顔を!
「言わなきゃ良かった、言わなきゃ良かったんだよ」 好きだなんて、冗談じゃないよ本気だよ、なんて。
「冗談だよ、って、今からいえば、間に合ったり?」
ばぁか。
「私が特別になりたかったから、私がそばに居たかったから、」
言葉はいらない、何も返事をしないで、
「ただ、」
ほほえんでそばにいて
───────言葉はいらない、ただ…………
あの後には一体なにが続いたのだろうか。キミは何を飲み込んでしまったのだろうか。オレは今でも偶に、あの時キミが口にしなかった言の葉について考えてしまう。
傍にいて欲しかった?……言われるまでもなくずっと、少なくともあの頃は一生を共に歩むと思っていたしそのつもりだった。
抱き締めて欲しかった?……いつだって抱き締めたかったし隙あらばキミに触れていたよ。多少強引なくらいでないとすぐに離れてしまいそうで怖かったから。
忘れないで欲しかった?……もしこれをキミの口から聞いていたら、見縊るなと怒ってしまったかもしれないね。キミとの時間は今尚鮮明に覚えているよ。忘れたくても忘れられそうにない鮮烈な記憶として刻まれている。
あの日の答えはもう何処にもない。キミはもう何処にも居ない。
なぁ、オレの手が届かない場所で目の届かないうちに居なくなるなんて酷いじゃねぇの。なぁ、オレの諦めの悪さ知ってるよな。
オレらの間に別れの言葉は無かった。それならキミはまだオレのでオレはまだキミのだろう?
『言葉はいらない、ただ…………貴方の愛の全てが欲しい。全てを抱き締めて私は逝くから、貴方は私を忘れて幸せを見つけてくださいな』
2023.08.29夜 「言葉はいらない、ただ……」#11
あぁ、やっと来たんだね。遅かったじゃん。なに、彼女にでも甘えられてたとか?
仕事が忙しかっただけ?ふーん。ま、いいよ。お風呂入っておいで、早くしようよ。
私とあなたは割り切った関係。ここでただ二人シーツを汚すだけの、それだけのための関係。
最近あなたに彼女ができたと聞いたとき、ひどく胸騒ぎがした。お互い好きにならないって決めてたはずなのに、彼女ができたというあなたの顔はどことなく物憂げで。
どうせ私の願いは叶わない。だから、言葉はいらない。ただこの時間だけは私の首から下を愛してよ。
心が擦り切れて痛まないように。
43.『言葉はいらない、ただ…』
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言葉など 既に意味をなさない
【言葉はいらない。ただ……】
熱を下さい。
そう耳に囁いてから、俺たちはベッドに傾れ込んだ。
今日は家に親はいない。
兄弟も。
今だけ俺と君だけの時間だから、とそのまま口づけを交わした。姉の結婚式で見たような優しいものじゃなく、もっと長く、激しいものを。
二人で抱きしめ合いながら。
はぁ。と息継ぎも束の間。
言葉も惜しいと二人は直ぐに唇を重ねる。
奪い合う酸素。必死の俺。
苦しそうに息継ぎする君の顔が赤く、高揚していているのがわかったら。もう止まれないと思った。
高鳴る胸。君も同じ。
君の腕を掴むと、汗ばんでしっとりした。目が潤んでる。熱を求めるのが、俺だけじゃないって物語るみたいに。
時間は有限。
せめて。
今日こそ。
いいよね、と君の制服のボタンに手をかけた瞬間。
俺の部屋の扉が開いた。
「妹はいるのよ、お兄ちゃん」
「うわぁああああああ!!!」
馬鹿ぁ! と叫んでももう遅い。
高校生の俺たちは、大人の階段を踏み外して赤っ恥をかくのだった。
……部屋の鍵……買おうかなぁ。
言葉はいらない。
ただ君さえいてくれれば。
君が隣にいるだけで十分なんだ。
なんてどっかのラブソングの歌詞みたいな言葉。
そんな言葉じゃ表せやしないけど、
それぐらい君のことを愛しているんだ。
「言葉はいらない、ただ……」
あなたとの会話は
まるで夢の国のままごと遊びのよう。
「どれから食べますか?」
「じゃあこれから」
「飲み物は?コーヒー淹れましょうか」
「ありがとう。うん!うまい」
「それはよかった」
あなたがお父さん役で
私がお母さん役の
ままごと遊び。
だけど本当は言葉はいらない。
ただあなたのこころに
真っ直ぐに向き合って
本気で応える私の覚悟だけ。
言葉はいらない、ただ生きていてくれたら
日常の中でほんの少し笑える時があれば
遠いあの日
あなたを残して家を出た日
ひとりぼっちだと分かっていても
私たちは生きるためにあなたを残していくしかなかった
もう二度と会うことはないと覚悟して
なのに、、、
それから何年も
少しの本音が見える家族みたいな言葉
あなたの弱さゆえのくだらない言葉
どの言葉にも悲しみや寂しさを感じながら聞いてきた
次にあなたに会う時は言葉はいらない。
そこにあるのは
ただのあなた
私の中に連れて帰る
私と共に朽ちるまで
# 言葉はいらない、ただ・・・
言葉はいらない、ただ・・・
そばに居て抱きしめて欲しいの。
あなたがいれば、ひとりじゃないって感じれるから。
ただ私を、愛して。
言葉はいらない、ただ・・・
9歳になる甥っ子は小さい時から優しく賢かった。
僕が気落ちしていると、突然ハグをしてくれるのだ。
言葉はいらない、ただそれだけで僕の心はとても満たされた。
甥っ子の存在に僕はとても救われているのだ。
『言葉はいらない、ただ…』
私には愛している人がいる。だけど、その人は病気で病院でしか会えない。でも、今はコロナとかで面接はダメってなっているから元気なのかどうかもわからない。でも最近になってから、面接OKになった。嬉しかった。彼に会える。彼の顔が見れる。なかなか会えなかったからとても寂しかった。ワクワクしながら彼に会いに行った。病院につき、彼に会った。彼の顔はとても暗かった。私に会えたのが嬉しくなかったのかな?それとも、気持ちが冷めちゃったのかな?どちらにせよ、いつかはそうなると思うからいいけど…。「久しぶりに会うね。」「うん。」心地が悪い。彼に会えて嬉しいはずなのに…なぜなのだろうか…「○○。」「ん?どうしたの?××。」「俺…あと1年の寿命らしいんだ…」「え?」「昨日…担当の先生から言われた。あと1年の寿命だ。って。」「そんな…あと1年…嫌だよ…××に会えなくなるの嫌だよ…」「俺だって嫌だよ…でも、人間はいつ死ぬかわからないからね。仕方ないよ。」「そうだけど…」「泣くなよ。こっちまで涙が出る。」「ごめん。だって…」「仕方ないだろ。」「・・・。」久しぶりに会ったと思ったらこれか…私はどうしてこうも運がないんだ。神様!私に運をください!私はまだ彼と一緒に居たい…これからどうしよう…「××。外には出られないの?」「先生に聞いてみないとわからない。」「そっか…もし、外に出られたら一緒にお出かけしよ?」「どこまで出られるかわからないけどね。」「もし、病院の敷地内ってなったらその周りを一緒に回ろ?」「そうだな。」「うん。」なんて暗い会話なんだ。もっと明るい会話をしないと。でも、頭が真っ白で何も浮かばない。「今日は…帰るね。また明日。」「うん。また明日。気をつけて。」「うん。ありがとう。」明日…来れるかな…。次の日に来てみた。だけど、病院に入るのを拒んでしまった。そのまま帰ってしまった。そして次の日にも行ったが入れなかった…それが3日間続いた。4日目に行った。入ろう!入らないと!もしかしたら彼は外に出られるかもしれない!よし!そう思って中に入り彼に会いに行った。「おはよう。ごめんね。なかなか行かなくて。」「別にいいよ。久しぶりに会ったのにあんな話をしちゃったから…ごめん…」「大丈夫だよ。」「ありがとう…」
そこから沈黙が1時間もあった。「先生に聞いてみた。外、出てもいいって。だけど病院の敷地内だって。」「そっか。良かったね。」「うん。」「今日は…帰るね…」「うん。」「また、明日。」「うん。」なんで帰る私!まだまだ話したいことあるのに!明日って…明日って言ったけど、勇気が出なくてまた帰っちゃうじゃん…。そんなことを考えながら私は帰った。次の日に行き、外に出た。やはりいつもと同じだ。その日も昨日と同じくらい早い時間に帰った。そして次の日も行き。その次の日も行き。そしてついに明日で余命宣告された1年になる。「明日…だね。」「うん。」「最後かわからないけど最後くらい明るくしようよ。」「うん。」「暗いまま終わるの嫌だよ…」「うん。」「"さよなら"はなしだよ?」「うん。」「・・・。」「○○。今までありがとう。」「そんな言葉はいらない。(ボソッ)」「え?」「そんな言葉はいらない、ただ・・・私は…普通のありがとうがほしい…ううん。ありがとうも要らない。ただ。あなたと居たい。」・・・。そして、次の日になった。私の願いは叶わなかった。彼は亡くなった。
わたしは、努力が苦手だ。
努力したって、どうせ報われないんだから。
わたしは、痛みが苦手だ。
痛みに耐えても、誰も褒めてくれないんだから。
「すごい!」「頑張ったね」
こんな言葉が欲しいとか思うくせに、
いざ言われても何も感じない。
言葉より、行動に移してくれないと、信用できないんだ。
言葉はいらない。ただ…
#言葉はいらない。ただ...。