街の明かり』の作文集

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街の明かり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

7/8/2024, 12:32:50 PM

街の明かり



実家は田舎だから夜になると人通りが少なく、また民家と民家の間にも距離があるため、明かりはまばらだ。
そんな光景も悪くは無かったが、都会に出てきて何年かは実家には帰っていない。
電話は時折りするだけだ。

都会の街中は夜でも煌々としている。
むしろ、昼間の時より一際輝いているが、酔っ払いのサラリーマンの愚痴や、ホストクラブの勧誘の声など騒々しい。

眠らない街、東京とはよく言ったものだ。
初めて上京してきた時には、そのまばゆい光に圧倒された。

だが、孤独だ。
人は大勢いるというのに、どこまで行っても孤独を感じる。

終電を逃した。
走れば間に合うくらいだったが、走るのを拒否した。
何だか、ゆっくりしたい気分だった。

明日は土曜だ。
レイトショーもあれば、ネカフェもある。
一人居酒屋だって構わない。

信号や車のライト、店のネオンなどが段々と滲んで、水彩画のように写し出した。

(泣いているのか?)

自分でも不思議だった。
頬に伝わる涙は、暑さで少し生温かい。

祝日の月曜も入れれば三連休だ。
久しぶりに実家に帰ってみようと思った。

田舎の素朴な街の明かりを久しぶりに見たい。

7/8/2024, 12:32:40 PM

「街の明かり」

街を照らす明かりは一見同じように見える。
でも、そこに込められる思いは違う。

家族で明るく団らんする明かり
自分の夢へと進むため夜中でも一室だけついている受験生の明かり
自分の道を見つけるため努力し続ける会社の明かり

それぞれの意味や気持ち、理想が詰まっている。

7/8/2024, 12:32:32 PM

街の明かりはを見ていると、気持ちが落ち着く。明るくて、暖かくて、優しい。学校帰りで疲れた心が癒やされていく。明日も頑張ろう、そう思えるんだ。

7/8/2024, 12:32:11 PM

タイミング悪い
2024/07/08㈪日記

理由あってマクドナルドの優待券を
頂きました。
優待券が入っているとは思わず
今日、気がついた。
昨日、封を開けていれば。
また次の新商品に使わせてもらいましょう。

スーパーで高齢のご夫婦が
塩分タブレットを見て
「これとこれ、何が違うの?」って
話していたから、味が違うことを
教えたら、喜んでくれたんだけど
僕が棚の上にある別の味のタブレットに気づくのが遅くって教えられなかった。
家に帰ったらCMで〇味新発売って
流れていた。

あと2日耐えれば、暑さがマシになるみたい。
スーパーの冷凍食品がずいぶん減っていてみんな考えること一緒だねえと
嬉しかった。
今週もぼちぼち行きましょう。
おやすみ。

7/8/2024, 12:31:18 PM

#街の明かり…
街の明かりが今日は、やけに眩しく感じるのは、何故だろう…そう。それは、最初から分かってたはずの君との運命を目の当たりにしたから…今日、運命だと心から信じていたはずの君との恋が終わったんだ…あー…そう考えるだけで孤独だ…また一人になってしまった…悲しいけれど仕方が無い…そう、なんせ、これが僕の運命で人生なのだから…さぁて、またいつか始まる恋の為にまた自分磨き、頑張らなきゃな。とか言いながら、僕は過去にもう何度、自分磨きを繰り返して来ただろう…いっその事、もえ恋なんてしなければ…と考えた事もあったっけ…でも、それでも、僕は、何度だって、誰かに恋をするんだ…もう止まれないから…

7/8/2024, 12:31:13 PM

昔東京に住んでいたとき、よく冷えた真冬の夜に、ベランダから眺める街の灯りが好きだった。昼間は他人の気配を気遣う余裕もなく暮らしていたが、夜に眺める街の灯りで、この街で暮らす大勢の人達の存在を思い出して、ふっと気持ちが温まった。

7/8/2024, 12:29:24 PM

街はあんなに明るいのに、森に近い場所で暮らす私たちの村は月明りで過ごしている。
羨ましそうに街を眺める年少組は街で暮らせたら、とニコニコと笑いながら夢を語っている。

「おまえはどう思う?」

不意に訊ねてきた彼の意図が分からない私は内心首を傾げながら彼を見つめ返す。彼はバツが悪そうに視線を逸らした。

「おまえはいつか街に行くだろ」
「私が街に行くときは、葵くんも一緒だよ」

彼が息を呑む。静寂が流れる間もなく、アイアンクローをされた。なんで?!

「ハッ。なら、一生この森の中だな」

そう彼は嘲笑った。

7/8/2024, 12:29:08 PM

夜の景色は自分を照らしてくれる。
どこにだって行ける。

またあの人の隣で笑い合えるまで歩き続ける。
例えそこが地獄だとしても──。

7/8/2024, 12:28:47 PM

街の明かり

自室から見える遠くに光るきらきらした世界。

私は体が弱くって、郊外に住んでいる。

でも、体が弱くて良かったと思える。

上を見上げれば、星や月が煌めいていて、

視線を戻せば街の光が煌めいているから。


2024/7/8

7/8/2024, 12:28:10 PM

ほんの少し
違った景色を観たいだけ
街の明かりが点く頃の
その瞬間を感じてたい
できるのならば
永遠に

7/8/2024, 12:25:36 PM

街の灯りは
誰を照らすこともなく
輝いている

あんなにも輝いているのに
孤独だなんて

7/8/2024, 12:22:16 PM

街の灯りがポッ!と点る時、
彼女の柔らかい笑みが浮かぶ。
彼女の笑みは
ボクの心に灯りがそっと灯る。

7/8/2024, 12:21:54 PM

深夜の、高台にある公園が好きだった
ブランコを揺らしながら、街を見渡すの
勉強、読書、通話
眠れない人、眠りたくない人
街の明かりひとつひとつに、生活が詰まっているのね
お風呂の湯気や作り置きのカレーの香りも
夜風に漂う生活の一部なのね

私の部屋の明かりは、今は消えている
少しだけ、逃げていたいの

明かりのない部屋にも
眠れない人はきっといるのに
夜の闇に紛れてしまうから
私からも見えないの

見たくないものに蓋をするために
この公園にいるのかしら

ブランコの軋む音
誰も聞かないでいて



#街の明かり

7/8/2024, 12:21:13 PM

街の明かり

暗く騒がしい
何処か他人事で
日中より距離がある

明かりと言うと
基本的には居酒屋かな

音と声
様々な感情で
気持ちが悪くなりがち

理性を手放したいのかも
それが快楽なのかもしれない

三大欲求
これがそうじゃない?
何処で忘れてしまいたい

行為に覚悟がなく
その結果を嘆くけど
改めない
離れない
忘れられなくて
もう二度と戻れない

我も忘れ
我を成す
我が身を持って
我でなくなる
誰にとっても自分って
貴重ではなくて邪魔なのかも

本来は生きてるだけで
精一杯で
考える余裕すらなく
周りがあるようにあるだけで
同じだけど違ってもいて
何も持たないまま
自分すら持たずに生きて死ぬ
これが人間だとしたら失うものはない

今日も疲れてる
復活してはいない
なんとなく諦めずに
日常をこなしてるだけかも

自分を自分で諦めない
その先、行き着けた場所に誰かがいる

ふと街の明かりを見るけど
集まりは道連れで
その途中なんだと思ったりした

私は基本的に通り過ぎるだけですね

7/8/2024, 12:20:03 PM

ここから見ると、街の境界がはっきり分かる。
色とりどりの光が集まり、街の輪郭をくっきりなぞっているからだ。酒場のネオン、信号機、受験勉強中の学生の部屋、工事現場の警告灯、走り抜ける無数の車·····。一つ一つの灯りは小さくても、これだけの数が集まればそれは街全体を浮かび上がらせる。
この街のランドマークと言われるタワーのてっぺん。
その壁にもたれる男が一人。

「不夜城、とはよく言ったものだ」
その視線をほんの少し動かせば、途端に明かりは途切れて真っ暗な闇が広がる。
その闇の中にも命は生きているのだろう。
街の形をした光から溶け落ちるようにして出てきた光が、細く長く伸びながら闇の中を流れていく。
あの光の主が向かう先には、きっと大切な者がいるのだろう。煌びやかで騒々しい街と、真っ暗で静かな闇。

「どちらが心地いいんだろう?」


END





「街の明かり」

7/8/2024, 12:18:52 PM

“街の明かり”

月が、街が、輝いていると、ふと思えたのです
なぜかわからないけれど、どこか懐かしい気持ちになれました。私たちは、自然の愛おしさや、日々に溢れている街並みを眺め、愛するべきなのかもしれません。

けれど、人間とは愚かなもの。それらを失って初めて、今の生活というのは奇跡に近いのだと、本当は輝きに溢れていると気付くのでしょう。

私たちは、いつからこれらの輝きに慣れてしまったのでしょうか。すべてがきらきらと私たちを照らしてくれると言うのに。慣れとは恐ろしいものですね。

最後に、読者のあなたにして頂きたいことがあります。今度外に出た時、道端に咲く花や草、空を舞う鳥、明日もある空、自身の影を見て頂きたいのです。どれも素敵ですが、それぞれの歴史や意味を持っておられます。どうかあなたに、目を向けていただきたいのです。いつかのあなたを励まし続けてくれる、そんな、明かりのような存在に。

7/8/2024, 12:16:41 PM

「綺麗だね」

そう言って彼女は僕に笑いかけた。

僕も笑って再び前に目を向ける。

そこには僕の視界に収まりきらないほどの明かりが光り輝いていた。

しかし、僕の耳にはその場の雰囲気に合わない明るい音楽が聞こえている。

「ねぇ、聞いてる?」 

いきなり話しかけられ持っていたスマホが落ちた。

「…そんなにつまらなかった?」

また始まった。

スマホを拾いながらそんな事を思う。

顔は可愛い。

学歴も申し分無い。

そんな彼女にもだめな部分がある。

性格だ。

正義感の強い優しい子かと思っていたが、実際に付き合ってみると面倒くさい女だった。

「つまらなくないよ」

「じゃあこれは?」

言葉に詰まる。

「別に、浮気してたわけじゃないし良いでしょ」

「は?」

本音が漏れた。

隣から聞こえるため息。

なんの音もしない静かな夜。

最悪だ。

一気に崩れた。

今まで築き上げてきたイメージが、全て。

こいつのせいだ。

付き合ってやってるんだから少しくらい我慢しろよ。

告白してきたのはそっちだろ。

次々によぎる言葉の数々。

周りの目がある中これ以上そんな言葉を発する訳にもいかなかった。

「最低、そんなやつだったなんて。がっかり。別れましょ?」

そう言って僕の目を真っ直ぐ見つめる彼女の目に光はなかった。

まって、ごめん、違うんだ、信じて、悪かった、それはやめて、お前が悪いんだろ、なんで、だって。

一瞬のうちに出てきた言い訳は彼女の目に打ち消された。

そんな目で見るなよ。

嫌悪感。

酷いこと言った。

罪悪感。

仕方ないだろ。

背徳感。

まるで僕が下みたいだ。

劣等感。

どうせ僕と別れたら言い寄ってくるやつなんていない。

優越感。

気持ち悪い。

全部、何もかも。

「良いよ」

口走った心にも無い言葉。

「じゃあ…」

目を伏せ足早に去っていく後ろ姿を見ながら何となく、よりを戻したいなんて考えていた。

「ちょっと!あの女誰?」

一難去ってまた一難。

「ごめん」

今度は僕が伏せる番だ。

                             ー街の明かりー

7/8/2024, 12:14:47 PM

街灯っていいな
夜は明るくて安心できて
昼間は点いてなくても邪魔じゃないしなんならちょっとかっこいいデザインのものが多いし

私みたいに何やっても何やらなくてもお荷物って事ないもんなーーーー!!!!!
立てば躓き歩けばぶつかり座っていても周囲の邪魔!!
どんくさい巨躯。ウドの大木。建て付けの悪い扉。
体力もないし持久力もないし筋力もない。
私についているのは脂肪です。
走ったらすぐ息切れするしご飯の量は食べれない。
そんなにデカくて食べないの!?って何回驚かれたことか。
お菓子もそんなに食べられないし。
ポテチは3回くらいに分けて食べる。
あんまり食べるとご飯が入らなくなるから。

飲み会も苦手。社会人になって新入社員歓迎会とかあったけど最初の1回か2回くらいしか行ってない。人と話すの苦手だし。うまく返せないし。どう返そうか考えてる間に他の人が返して話題変わるし。そんなこんなでぼっちです。半年たったけど社内に友達とかいません。年上の先輩社員さんからおせんべいとかもらえるのがありがたいんですがあんまり食べられないので最近は断らせていただいております。好意はありがたい。

そして今の私は朝からミスを連発し先輩に気を遣わせ10分程休憩に入らせていただいておりますー!!!これはサボりとかではなく!!作業に集中していたら休憩時間に入っていることに気づかず!それで10分他の方が作業している間に休憩させていただいております!!

うわぁぁぁぁあ今日は朝から寝坊するしパンは焼けてないし洗濯のスイッチ入ってなかったしパンプスのヒール折れたし資料作成のサイズ間違えるし拡張子変更うまくいかないしテキストミスったしもう、もう、もう!!

「街灯になりたい……」
「何言ってんだお前……」
「オワーーーーッ先輩すみません!!!休憩終わりですね!今行きます!!」
「様子見に来たんだよなんか思い詰めてんなと思ったから」
「…………はい!」
「何の返事なんだそれ。思い詰めてんなやっぱり」
「いえ、あの、えと、大丈夫です!完全復活!」
「大丈夫大丈夫、ちょっと麦茶淹れるだけだよ、お前はあと5分休憩だし」
「でもあのほら、もう元気ですし」
「今日外気温35度越えだってよ。調子悪くなるよ、誰でも」
「私若いですし!」
「休める時に休めよ、大事だぜ」
「……私、要領悪くて、鈍臭いし。他の方の何倍もやらなきゃ追いつけないですから」
「一生懸命と真面目は美徳だ。でもな、『仕事ができる』ってかっこよさには勝てねぇんだよ」

そんなのは、わかっている。
失敗するたびに思い知る。笑って、誤魔化して。
いつも本気でやっているのに、うまくいかない悔しさを誤魔化して。鈍臭いからとか。要領が悪いからとか。頭が悪いとか。
自分を下げて。非難して。仕方ないやって諦めて。
どうしようもないから人と仲良くして許してもらいたいのに、それもうまくいかなくて。もうどうしろっていうんだ。

「だから仕事できるようになるまで自分の事悪く言うな。できる。一回一回諦めるな。次いけ。根気強くやんねぇとだが、絶対できるようになってくから。な」
「で、できるようになるって言ったってそんなのわかんないじゃないですか、今全然出来ないのに」
「わかるよ、お前一生懸命だしプライド高いし負けるの嫌いだし同期全員ライバル視してるし」
「ななな何を根拠にそんな法螺話を繰り広げてるんですー!?」
「周りめっちゃ見てて成績表めちゃ睨んでて一回やったミス2度とやらねぇの凄いんだぜ、私は全然逆だったからな、めちゃくちゃ怒られながら成長した」
「つまり怠惰で周りがどうでも良くて向上心もなく自分のミスを認められず注意されても繰り返していた時代があったんですか?」
「嫌なところだけ抜くな」
「で、怒られながら成長したって事は私これから怒られますか!?いやです!!私は褒められて伸びます!!今日褒められる要素一歳ありませんでした!!つまり説教確定!嫌です!!」
「怒られた分倍褒められたわ!舐めるな!!」
「先輩が褒められて育ってもそれ今の私に関係ないですし!」
「ある。確かにこれからお前を褒めはしない。説教もしないが」
「…………何しに来たんですか?」
「慰めに来てやったんだよ。確かに他の同期と比べてお前はゆっくりな感じだ。でも確実に成長してる。お前の同期がバケモンなだけだ。食らいつこうとしてるお前は凄い」
「……ありがとう、ございま、す…」
「だから焦るな。休む時は何も考えず休め。わかったか」
「…………」
「わかったか?」
「えぇ、はい多分」
「今のままでいいなんて言わないからな。お前は仕事ができるようになる。絶対にだ。」
「本当ですかねぇ…?」
「コツコツやってる奴は特に強いからな」

じゃ、5分後戻ってこいよ。
なんでもない風に去ってしまった。背筋が伸びていて、かっこいい。あの人が街灯だったら。んー、コンビニエンスストアだな。安心感ある。なくなったら困る。行き着いたら安心できるしなんか大丈夫だって思える。仕事バリバリできる。

あんな風になりたい。
あんな風に、なれるかな。

ちょっと大きすぎる夢かもしれない。
出来っこないって言われるかもしれない。
だけど偉い人も言っている。千里の道も一歩から。
チリも積もれば山となる。失敗は成功の母。

だからやっぱり、食らいついていくしかないのだ。
先輩ほどは輝けずとも、私は私らしく。
みっともなくとも、足掻いていくのだ。

7/8/2024, 12:11:06 PM

その日の夜、街の明かりは煌々と照らされていた。
その祭は夕暮れ時から始まった。
昔から伝統に続いている歴史のある祭事。
シラカミ様という神様を祭り、毎年ある年齢になった子どもを選び神子としてお宮に迎える。
今年はうちの弟が神子として選ばれた。
弟は最初こそ乗る気であったが、
今は少し緊張気味である。

「姉ちゃん、なんか怖いよ。
嫌な予感しかしないよ。」

「大丈夫。
これまでも何も起きなかったじゃない。」

そう言って弟を安心させていた。
いよいよ表通りでは祭りが最高潮に達したらしい。祭囃子がうちへと響き渡ってきた。

その祭囃子は賑やかながらもどこか不穏な響きだった。

神輿が着くと弟はそれに乗り、わっしょいわっしょいとお宮へと運ばれていった。
私はその神輿を楽しみ半分心配半分で追いかけた。
神輿がお宮に着くと周りの灯籠は一斉にかき消された。人の気配も一瞬にして消えた。

何かおかしい。 何かいるのかここには。

弟は半べそになりながらお宮の堂中へ入った。中は人一人おらずまるで伽藍堂の様だった。
「あの、誰かいませんか。」
心配になった弟は思わず声を出した。
すると返事がした。
「とおりゃんせとおりゃんせ。ここはどこの細道じゃ。天神様の細道じゃ。行きはよいよい帰りは怖い」

その声はすぐ近くから聞こえた。
か細い女性の声だった。

弟は思わず息を呑んだ。
もしかして、この方がシラカミ様?

その声の持ち主はすぐ目の前に現れた。
髪は透き通る様に白く地面につくほどまでの長さ、顔は薄暗い為よく見えないが美しく端正な顔立ちの様に見えた。僕のお姉ちゃんと同じくらいの年齢かな。

「あの、僕、どうすれば」
「おぉ、おぉ、お前は。お前は私の。」

そういうとそのシラカミ様と思われる女性は僕に抱きついてきた。

そのフワッとした髪が触れた瞬間少しくすぐったかった。

「弟、会いたかったよ。ずっとあなたの事を待っていたのよ。」

何を言っているんだこの人は。

そう思っていたらお宮の開戸が開いた。

「ちょっと、私の弟よ。」

お姉ちゃんだ。お姉ちゃんがきてくれた。

「何を言っておる。この子は私の弟ぞ。お前如き小娘に弟を奪われた私の気持ちなぞ判ってたまるものか。」

そういうとシラカミ様はばっと風を舞起こした。一瞬の出来事だったが凄まじい風圧だった。お姉ちゃんは壁まで吹っ飛ばされた。

「私にはわかるよ。あんたが昔私と同じ様に弟を贄として奪われた事を。調べ上げたんだから。この祭の成り立ちを。」

「なぜ、その事を」

「だからこそ私にとってあなたの弟と同じくらい大切な弟なの。何がなんでも返してもらいます。」

そういうとお姉ちゃんは僕の前に出てばっと手を広げて庇う様な体勢になった。

おねえちゃん、そんなに僕の事を。

シラカミ様はその後何もできなかった。
何もできなくて立ちすくんでいた。
元を正せば僕達と同じ人間だったのだ。
だから、毎年祭の度に自分の弟によく似た子どもを探し続けていた。
いや、弟の生まれ変わりを探し続けていた。

それが僕だったのか。

僕がこの人の弟の、生まれ変わりだったのか。

僕はそっと前に出た。
お姉ちゃんは止めようとしたがそれでもなお僕はシラカミ様に近づいた。

そしてそっとその体を抱きしめた。
そしてふと口から言葉が出た。

「もう、いいんだよ。姉上。ずっと一緒にいるからね。」

それは僕の言葉ではなかった。
それは生まれ変わる前の、シラカミ様の弟の言葉だった。

シラカミ様は抱きしめられながらその顔から雫がこぼれ落ちた。

「弟、これからもずっと私と一緒よ。」
「わかっております。姉上。」

そういうとシラカミ様はすっと消えてしまった。

今までの出来事はなんだったのだろうか。
お宮の周りを見ると灯籠の火は煌々と輝いていた。

「さ、帰ろっか。」
「うん。」

僕達は何事もなかったかの様に街へ戻った。
街の明かりはもう祭が終わった為か、消えてしまっていた。

今日の出来事は多分一生忘れないだろう。
お姉ちゃんの事はこれからもずっと大切にしよう。そう僕は思った。

「シラカミ奇譚」

7/8/2024, 12:09:03 PM

「私は貴方の唯一の灯りよ.
だから貴方を灯すことも出来るし
貴方の道を照らすことも出来る.
同時に貴方を暗闇に置いていくことも.」

「僕は貴女と居たいだけです.」
貴女の言葉の意味を分からず,咄嗟に答えた.

「そうね.そうなのね.
ならば貴方は街の灯りに溶け込んだ
私を見つけて.」

此処は貴方を見失った街.

-- ''街の灯り''

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