『行かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
そんなに早く歩いて疲れるよ
はいはいそっちに行きたいのね
ぎゃー脱走したぞ
そのうちだんだん
ゆっくり歩くようになって
歩くことも少なくなって
寝ることが多くなって
先にお空に旅立った
いつも私の先に行くんだね
私の愛犬 こんどは一緒に歩こうね
テーマ「行かないで」
題名「先をいく愛犬」
虹音
今日、わたしはフラれた。徹頭徹尾、フラれた。
追い縋れば気持ちが変わるかな、とか、自分の性格を見つめ直せばあるいは、とかそういった淡い期待や望みを持つことすら許さず、彼はわたしをフッたのだった。
むしゃくしゃして、わたしはフラれたその足でスーパーに寄り、筑前煮の材料を買い込んだ。彼はごぼう入りの筑前煮が大好きで、わたしはレンコン派。わたしは彼の前ではかわいい女を演じていたから、いつも作るときはごぼう入りの筑前煮にしてきたけれど、今日でそれもさようならだ。
筑前煮の煩わしさは、下ごしらえと煮込み時間の長さだとわたしは思っている。その煩わしさを耐えてこそ、あの味のしみた最高の筑前煮ができるのだけれど、そう言えばあの男はそんなわたしの影なる努力も知らずに、ぱくぱく食べていたっけ。ああ、でも。ごはんを決して残すことはなく、豪快とすら思える食べっぷりが、わたしはいつも愛おしかったのだ。
出来立ての筑前煮を小鉢に盛る。湯気が立つ。わたしの好きなレンコン入りの筑前煮。文句なしの出来映えだ。ああ、美味しい。わたしって最高じゃん。こんなに美味しい筑前煮を作れるやつ、絶対ほかにいやしないのに。
馬鹿だな。本当に馬鹿。
わたしはいつしか、ごぼう入りの筑前煮の虜になっていたようだ。
テーマ「行かないで」
大切だったものを、投げやりにして
得られる「幸せ」、って
「本物」かな?大切に出来るのかな?
夢でしか、出会えない、そんな人なはずなのに
そんな夢のなかで、私は息が出来ずに
目を伏せてしまうの。
心が、痛くて。悲しくて、辛くて
知らずに前だけを見られずに、後ろばかり気にして歩いて。
2023/10/25/Wed 「行かないで」 ≠Mee≠
「大丈夫!」笑って私に貴方が話しかける、
ーーーこれは現実か?「…もう、大丈夫だよ?」
貴方の頭だけは、私、撫でてあげられない。
『どうしてーーー?どうして、こんなことしたの?』って
言われることで、また傷つけてしまうのが、辛いから。
ーーーそうしたら、突然
「最後にするから!」って、あえて一筋、自分に傷をつけて
貴方が突然、振り返って私の頭を撫でた。
「逃げなかったね」って。たくさん頑張ったね、って
「ごめんね」があまりに苦しいから、沢山「ありがとう」を
伝えてくれた。私の一生は、こんなことじゃ終われない。
ーーー生まれて始めて、私に生まれて良かった、って
心から思えたんだよ。
思いつかないので保存用です、あとで編集します
お題「行かないで」
『行かないで』
君の服を掴む手は、君を引き止める力にはならないの?
私の頬を流れる涙は、君を引き止める力にはならないの?
私の口からこぼれる、震えた「行かないで」の言葉は、君を引き止める力にはならないの?
「ごめんね。僕は行くよ」
この手から、君がすり抜けていく。
鉄の箱が、君を連れ去っていく。
「あぁぁぁぁぁ!」
崩れ落ちた体が冷たい地面に受け止められる。
大粒の涙が、途切れることのない涙が頬を伝っていく。
君が離れてしまった今でも、私には……。
“行かないで”と叫ぶことしかできない。
【行かないで】
これはまだ、僕が幼かった頃の話。
僕の父は、大学の講師をしていた。普通の会社勤めとは違うので、授業がない日は日中でも家にいることが多かった。そんなとき、たまに僕を連れて買い物に出かけることもあった。
ある日、ショッピングセンターに2人で出かけたときのこと。広い玩具売り場のすぐ横にスポーツ用品売り場があって、父の好きなゴルフアイテムも数多く並んでいた。しばらく2人で玩具を見ていたのだが、とうとう父も我慢ができなくなったらしい。
「いいか、サトシ。ちょっとだけ隣の売り場に行ってくるからな。すぐ戻るから、それまでここで待っているんだぞ」
父は僕の頭に手を置いてこう言った。
「うん、わかった‼︎」
僕は勢いよく返事をした。隣の売り場だし、すぐ戻ってきてくれるだろうと思っていたのだ。
ところが、父は一向に僕の元に戻ってくる気配がなかった。何か気になるものでもあったのだろうか。いつまで経っても父の姿が見えないことが、急に不安に思えてきた。
僕は、「わかった」と父に返事したことを激しく後悔した。もしもあのとき、「やだ、行かないで」と言っていたら今も一緒に玩具を見て楽しんでいただろう。
行かないで、行かないで、行かないで…想いを募らせた僕は、気がつけばたまらず叫んでいた。
「ちちうえぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜‼️」
いや、僕としてはいつものように父のことを呼んだ、ただそれだけのことだった。ただ、後に父は言った。あのときほど恥ずかしい思いをしたことはなかったと。
それ以降、「父上」「母上」だった両親の呼び名は「父さん」「母さん」へと変わった。父と一緒に出かけても、極力手を繋いで一緒にいてくれるようになったので「行かないで」と懇願する場面は2度となかった、
今日、僕がもうすぐ父親になることを父に伝えると、父はあのときと同じように僕の頭に手を置いてこう言った。
「いいか、サトシ…
我が子に『父上』と呼ばせるのだけは絶対にやめておけ」
『 』
透き通る空を写したような髪色をした彼は、顔を上げて真っ直ぐに前を見つめているようだった。
風は彼の決断を後押しするかのように、しかし名残惜しむかのように戯れ、空の向こうへと吹き抜けていく。
「沢山のものを貰ったと、そう思う。返しきれないくらいの、大事なものを」
彼は一言一言を大切に噛みしめるかのように、ゆっくりと言葉を吐き出した。
風に遊ばれていた空色の髪は、彼自身の白く大きな手でそっと抑えられる。
垣間見えた口元には、穏やかな笑みが浮かんでいた。
――あぁ、と。見つめていた自分の心が沈むのが分かった。
彼はもう決めてしまっているのだ。己の行く道を。その先を。
もはや迷いなど、その胸の内には無くなってしまったかのように。
そうして彼は、人とは違う銀色を灯した瞳孔をこちらへ向けた。
「だからこそ俺は行きたい。それが人々に対する、最大限の恩返しになるのならば」
そう思えたのも君のおかげだ、と。彼は目を細めて穏やかに笑う。
皮肉にもこうして見つめ合うのは久しぶりだった。
浮かんでは消える無音の言葉が、吐く息と共に消えていく。
己一人の気持ちのために彼を悩ませてはいけない。
ぐるぐる渦巻く言葉を飲み込み、真っ直ぐと立つその人へと笑みを向けた。
「行ってらっしゃい」
『行かないで』
*****
こんばんは、りありあリィと申します。
自キャラたちを動かしたく、小説に挑戦してみています。
思いついた物をザカザカと。一話短編な感じで書いてますが、そう見えるかな?
その内ちゃんと本編みたいな形で、連続したお話が作れるといいな…
よろしくお願いします。
◤行かないで◢
――行かないで。
何より言いたかった言葉を、喉の奥へと押し込んだ。
「ごめん」
君のために、そう言うのが精一杯で。
一度だけ振り向いたその顔は、泣きそうに歪んでいた。
Theme:行かないで
朝起きて、散歩に行って、朝ごはんを食べて、出掛ける支度をする。
支度をしている辺りから、なんとなく君はソワソワしている。
「行って来るよ」と声をかけると、「行かないで」というように全力で足に張りつき止めようとする君。
それでもなんとか玄関まで出ていって靴を履くと、諦めがついたのか耳をペッタリと倒してなんとも寂しそうな顔をしている。尻尾が項垂れるように下がっている。
平日朝のお決まりの儀式だ。
そんな君に「ごめんね、早めに帰るから」と言って、私は家を出る。
あんなに情けない顔をされたら、今日も仕事を頑張って早く帰ろうと思っちゃうじゃないか。
君が「行かないで」と毎朝毎朝必死だから、一度は全てを投げ出そうとした私も一生懸命に生きていける。
君に「ただいま」を言うために、私は今日も生きていける。
置いてかないでください
置いてくなよ!
あんたが言ったんでしょ
"僕と死んで欲しい''
"一緒に歳とろうや''
って
なのに
「先に死んでどうすんだよ....w」
【行かないで】
どうして勝手に私の元からいなくなってるの。行かないでよ。
あなたが辛い時、1人のあなたに手紙を書いたのは誰?
あなたの苦しいことを、全部聞いて一緒に抱えたのは誰?
あなたの沈黙を、ずっと待っていたのは誰?
お願い、思い出してよ、全部、ぜんぶ、私なの。
あなたが楽になれる居場所になりたい。いつからかそう思っていた。あなたが迷わないように、一緒に泣ける私になりたい。でも、あなたは知らなかったみたい。いつの間にか、私の方があなたを居場所にしていた。
お願い、行かないで。さっきから、胸にぽっかり空いた穴が塞がらなくて、痛くて痛くてたまらないの。
♯行かないで
俺は最近夢を見る。
少女の夢だ。
毎日毎日行かないでと泣きながらいっている。
顔は暗くてよく見えないのだが、その少女を見ているとなんだか悲しい気持ちになっている。
もしかして、なくなった娘と重ねているのだろうか。
「おい、どうした?」
友人の雅樹だ。
「最近変な夢を見ててさ…なんか気になるんだよなぁ」
「へぇ。でもタバコ休憩とはいえ仕事中なんだから考え事は後にしろよ。」
「あぁ。」
「あ、そういえばさ来週登山に行くんだけど、一緒にどう?」
「いいな。行こう!」
「決まりな…じゃ、そろそろ戻るか」
その日、夢を見た。
少女の夢だが、いつもと違う。
少女といつもはいない女の人が何も言わずこちらを見ている。とても悲しそうな雰囲気で。
なぜだろう?
登山当日雅樹と待ち合わせをした。
雅樹はスマホを見て待っていた。
「まった?」
「全然、さっさといこうぜ」
昨日、雨が降ったせいか道中、少し床がぬかるんでいた。
「おい、なんでこの日にしたんだよ。危ないじゃないか。」
「仕方ないだろ。仕事が忙しくて今日しか空いてないんだから。気をつければ大丈夫だって。」
雅樹はどんどん前に進んでいく。全然気をつけてないじゃないか。
だが、俺の不安は山頂についた途端吹き飛んだ。
「綺麗だろ?最後に見てほしかったんだよ…」
「? あぁ、来てよかったな」
雅樹崖の近くに進む。
「おい、危ないぞ。ここ柵がないのか?…ん?」
崖の近くに5cmほどの穴が空いている。
「おい、あそこ見てみろよ。珍しい花があるぞ!お前好きだろそういうの。
「本当か!?」
俺はなくなった娘の影響で花に少し詳しいのだが、そう言われると気になる。雅樹もいるし、大丈夫だろう。
「?どこだよ。」
ズルッ
「は?」
俺はぬかるんだ土に足を滑らせた。雅樹も同様に足を滑らせたようだ。
俺の意識はそこで途切れた。
目を覚ますとそこは病院だった。
「お目覚めですか?貴方は崖下に倒れていたんです。幸い、木の枝がクッションになって、命は助かったようです。ですが…ご友人は…」
助からなかったとそう言いたいんだろう。
黙り込んでいる俺をみて一人にしたほうがいいと判断したのか医師と看護師は何かありましたらナースコールをと声をかけて部屋を去っていった。
俺は…真相に気づいてしまった。
雅樹は俺を殺そうとした。恐らく俺が見た穴は看板が刺さっていたのではないだろうか?転落防止用の看板だ。
雅樹は前日に下見にと山を先に登っていた。
そこで看板と柵を…
動機は多分、妻のことだ。俺と雅樹と妻は幼馴染で雅樹が妻を好きなのを知っていたのに…
何も言わないから気にしていないものだと思っていたが…責任は俺にもあるのかもしれない。
妻と娘は交通事故だった。ひき逃げ事故なのだが今も犯人は捕まっていない。
雅樹は俺の幸せを少しずつ壊そうとしたのかもな
少女の夢はこの事を伝えようとしたのかもしれない。
俺は雅樹の事を恨んではいない。
俺も同じことをしたからな。お互い様だ。
行かないで
夢を見た。
そこは暖かな日差しが入ってくる、小さな部屋
端には本棚があって、沢山の漫画が並べられている
部屋を見渡すと、少しだけ長い黒髪の少年が寝ている。
どうやら部屋の主はこの男の子みたいだ
白いTシャツに黒のズボン
長いまつ毛に泣きぼくろ
よく見るととても綺麗な顔立ちをしている
いわゆる美少年ってやつだ。
とても落ち着く部屋だ
何回も何回も来ているような安心感がある
本棚に並べられた漫画を手に取る
パラパラとめくってみる。
どうやらバトル物のようだ
少年が起きるまで見る事にしよう。
部屋には、2段ベッドがある。
だが1人用だ。
なんと言うか、上に寝る所があって、下は勉強机がしまえる。みたいな
4月になると良くニ〇リのCMでやっているような気がする。
少し経つと、少年が起きた。
『久しぶり。』
あ、久しぶり
咄嗟に返す。
とても落ち着いている声だった。
だけど思い出せない、何故だろう他の事は思い出せるのに。
少年の髪の毛が、光に当てられてキラキラと光る
その後は、確か他愛のない話をした。
まるで毎日話している友達みたいだった。
とても優しい少年。
だけど少し不気味なんだ。
どこか、生きてないみたいな感じがある。
少しだけの違和感は、その時には微塵も気にはならなかった。
アラームがどこか遠くから聞こえてくる
まだ話していたいのに
『行かないで』
そこで夢は終わった
夢が覚めるとそこは私の部屋
時計に目をやると、もう昼だ。
それから8ヶ月。
夢を見る事はない
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ちなみにこれは私の実話です。
まじで美少年でした。
思うと、小さい頃にも同じ夢を何度か見ています。
夢が覚めた後に全て思い出すので、見ている途中には気づけません。
いつも不安な時や、凄く嫌な事があったら出てきてくれるので良い奴だなと思っています。
個人的にはまた見たいです。
笑った顔が背を向けてドアを開ける。
それに向かって、思わず手を伸ばす。
でも、その先は空を切るどころがバタンとドアが閉まって物理的に遮断された。
おわったんだ。
あーぁ、せいせいするじゃない。
心配だってしなくていいし
不安にだってならなくていいし
嫉妬もしなくていい。
偏食に付き合わなくたっていい
出来もしないゲームに付き合わされることだってないし
好きでも無い香りの柔軟剤だってつかわなくてもいい。
―――それなのに
「行かないで……」
溢れた言葉と共に、涙が零れ落ちた。
N『キミは、夢があるといった……
その夢かなえろ!すばらしい夢を実現し
キミの真実と するんだ!
トウヤ、キミならできる!!
それじゃ……
サヨナラ……!』
Nが、ゼクロムに乗って飛んで行く
待って、行かないで僕を置いて行かないで!
......
トウヤ『待ってN、行かないで!』
そう言っても、Nは、遠ざかっていく、
そして、
Nは、去っていった
僕は、そこで、泣き崩れた
行かないで (10.25)
ダンッ
興奮した先生の足音に飛び起きる。足利義…わからない。眠気に負けた赤い字が見事に踊っている。修正テープをカチリと開けて、またすぅと意識を持っていかれそうになったその時。
「えへへ、おやすみなさーい♪」
きゃらきゃらと高い声。ぶうんという羽音も相まって反射的に手ではたき落としたその先には、透明な翅をきらきらとさせた妖精がいた。
「な、何するのよ!眠りなさいっ」
オニは外、と言わんばかりに金色の粉を投げつけてくる。しかし空いた左手でしっかりガードしたので効果なし。
「眠ったら授業なんて一瞬よ!願いを叶えてあげてるんじゃないの。離してっ」
これは夢かな、と思いながらジタバタする小人をつまみ上げる。思いっきりあっかんべーをする姿はなかなか愉快だし、このまま見ていたいのだが。
「君さ、僕の専属にならない?」
「…はあ?」
「夜全然寝れないんだよ。昼夜逆転ってやつ。薬とか、親が心配して飲めないし」
そう言うと急に黙り込んで、じいっと目を見てくる。
「猫飼ってない?犯罪に興味は?まさかロリコンの趣味ないでしょうね?」
「…全部ないから」
「よし合格」
「そんで、わしは今まで元気に生きとるんじゃ」
今年で100になるじいちゃんの、最近の口ぐせである。
君が僕に教えてくれたこと
お米は水で洗うこと
洗濯物はシワを伸ばして干すこと
よく失くす物には定位置を決めること
雷が鳴ったら君と手を繋ぐこと
そして、
僕には魔法が使えないこと
君が夢を追って遠くへ行くと言った日
応援したいと離れたくないで
僕の心は避けてしまいそうだった
けれど「行かないで」という僕の言葉に
君を引き止める力が無いことはすぐに分かった
君のことはよく知っている
僕が何を言おうと決めた事は貫くんだ
芯があって、凛々しくて、格好いい
そんな君が愛してるって僕に言うから
なんの躊躇いもなく信じられた
だから、呪文は使わなかった
使ったって効かないからね
僕は文明の利器に感謝しながら
大人しく君を待っていることにするよ
いつか君の顔を赤くする呪文くらいは
ちょっと考えておこうかな、なんて
【行かないで】
行かないで
「行かないで」
きっといつもそう言いたかったよね。
朝も早くて、お迎えも一番遅かった。
保育園の事務室で、大抵一人でおもちゃで遊びながら、待ってくれてたっけ。
あの頃、何も言わなかったね。
この子は大丈夫だと思ってた。
朝行く前には、必ずぎゅっと抱きしめていたけど、それくらいしか寄り添うようなことはできてなかった。
最近になって、先生にむちゃくちゃ怒られて怖かったとか、最後になるのが嫌だったとか教えてくれるようになり、小さなあなたがどれだけ耐えて頑張ってくれていたのか知って胸が痛くなる。
あの時、それを言わせなかった自分の余裕のなさが情けない。
でも、のんびりと元気に育ってくれた。あなたが頑張ってくれたから、今まで仕事を続けることができました。ありがとう。
#67
行かないで。
「ごめん!!本当にごめん!!謝るから……!!置いて行かないで……!!」
目の前の彼に泣きそうな声で訴えかける。
「バカとか、キモすぎとか、咄嗟に出ちゃっただけなの!!お願い!!待って!!」
今回こそは冗談ではなく必死だった。
彼でさえも私の元から離れてしまったら、私はきっと一生立ち直れない。
きっと、もう二度と自分の部屋のベッドから動けない。
「お願い……!」
「いや、俺もう無理。もう待てないわ。だってかなり待ったよ?なのに状況は一切変わらなかった。なら仕方ないじゃん。」
「そんな……」
彼がいなければ私は……
私は……!!
「……うッ…ぁ……」
恐ろしさについに涙を我慢できなくなってしまった。
そんな私を見て目を丸くした彼。
「おいおい……泣くことないだろ……。
んな蜘蛛ごときで……。
お姉ちゃんでしょ???」
「いや無理じゃん!!!やだよ蜘蛛に怯えながら眠るの!!キショい!!まじ◯ねク◯が!!!」
さっきからずっと私が弟に縋っていた訳は簡単だ。
この家で蜘蛛に耐えられるのは弟だけだったからだ。
弟でさえも私の部屋を出てしまえば、蜘蛛に怯えながら眠ることになってしまうのだ。
「あ、いた」
「えッどこッ」
「お姉ちゃんのうしr」
「ギャアアアアアァァアアアァァァァァアア!!!!!!」
その後弟が無事にティッシュで包んで逃がしてくれました。
「てかお姉ちゃん部屋汚すぎ。だから蜘蛛湧くんだよ。」
「お黙り!!!」
(見返してみるとわかりやすいと思いますw)
ねぇ、どこにも行かないで、
わたしにはあなたしかいないから、