『脳裏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
脳裏
楽しみにしていた2泊3日の一人旅が
今日で終わってしまった。
脳裏に浮かんでくるのは
初めて食べる郷土料理、光り輝く海、満天の星空…
楽しかった思い出が、走馬灯のように流れてくる。
幸せを多く感じすぎた日は、ちょっと寂しいんだ。
最近、普通の出来事に感動をしてしまうんです。
例えば先生にプリントを渡すとき、みんなすぐに字を読めるように反対方向にして渡したり、当番でもないのに黒板を消していてくれたり、衆議院選挙「割れてバカウケる」って友達と討論してたりね。
いやもうみんなすきです。
特に衆議院選挙関心ある人。おまえらまだ選挙権ないやん?こういう子たちがもうすぐで選挙権持つって考えると感慨深いですよねえ(脳死)。
感慨深いって言っとけば頭良さげに感じる。
いやね、うちが言いたいっていうか、話したいのは一つで、話し相手がほしい。
そう。だって、友達にそういうこと話しても「どうした?話聞こか?」ってそういう雰囲気になるもん。違うんだよ。ただ日本も捨てたもんじゃないねって言いたいだけなんだよ。まじで精神年齢おかしすぎてウケる。
最近ライバーになりたい今日この頃。
雑談配信とかしてみたい。でもトーク力ないしねえ?まだまだ知らないことがたくさんだよ全く。
時間を無駄遣いする天才だね、さては。
でも小説家になりたかったりするんだよね。自分絶対売れるやつ書いてるけん一発ぶちかましてからライバーなろっかな。
小説家さんのライバーもいるしね。いいかもね。
可能性は無限大!!!!(躍起)
――脳裏全然関係なくてすまんね
「僕の事は忘れてね」
ふんわりと私の頭に手を添えて、柔らかい声で笑いながら彼が私に言った、最後の言葉。それを言った瞬間から永遠に彼はこの世界から失われてしまった。私への感謝だとか今までの事とかも色々言われたけど、最後の言葉以前は混乱に塗りつぶされてしまった。
でも、あの瞬間の苦しみを覆い隠す綺麗な表情も暖かな手も鮮明で、これまではもちろんこれからも忘れる事は無いだろう。というか、絶対に忘れてあげないのだ。脳裏に焼き付けた貴方の存在証明を。
『脳裏』
脳裏によみがえる最後に会ったときの彼の笑顔と声。
訃報を知らなければ、自分の中では変わりなく、それなりに歳を取って、充実して楽しく暮らしているだろうと、今の彼を想像するわけで。
心の中で生きているってこういうことかぁ。 【脳裏】
「脳裏」
改めて漢字で見るとドキッとする
のうりって こんな字面だったっけね
脳の裏っかわ
誰しも何かを思い出そうと集中すると
頭の後ろを意識するものね
はて?ってやつ
目で追う情報と並行して
記憶と思考をぐるぐる巡らせて
更には会話までしたりして
ヒトって凄い
時々その緻密さに振り回されて
疲れてしまうけど
そんな時はしばし目を瞑って
頑丈なカプセルの中に居る自分を
脳裏に思い描いてみる
大丈夫
意外と ヒトって凄い
"脳裏"
ああまたこれか。もう何度この状況になったか覚えていないが、こうも何度も同じ状況に陥ると流石に此処が夢の中であることぐらいは瞬時に理解する。
この夢は必ず俺が包丁を握りしめた状態で始まる。俺が体を動かそうとしてもびくともしないのに、体は勝手に行きたい方向とは真逆へと歩いていく。
だめだ、そっちはだめなんだ!!
そんな思いとは裏腹に足は動き続ける。やがて突き当りまで来るとそこには妹が立っていた。
…ああ、やっぱり。
俺は包丁を振り上げると妹に突き立てた。俺の意思とは関係なく動く体を止めることはできない。それは何度も経験して理解しているのに抗うことはやめられない。せめて目だけでも閉じたいと思うがそれすら叶わず、無抵抗の妹を何度も何度も刺し続けていく。
もう、もうやめてくれ…。充分バツは受けただろう。まだ許してもらえないのか。
『許される時なんて一生来ないんだよ、お兄ちゃん。これから先もずっと自分の犯した罪を抱えて生きていくの。』
ふと妹の声が聞こえた気がしてハッとすると、未だ刺され続けている妹は歪んだ笑みを浮かべていた。
『マタネ』
___________________________
…………。
気づけば自分のベッドの上だった。やはり夢であることに違いはないのだ。しかし妹のあの歪んだ笑みははっきりと脳裏に焼き付いている。
もうすぐ妹の初月忌。これからもきっと俺は妹を殺し続けるのだろう。これは終わることのないバツなのだから。
No.172『脳裏』
いつだって目を瞑れば脳裏に君が浮かぶ。
その度に僕は願うんだ。早くそっちに行けることを。
君のいない世界に用はない。
君は写真が下手くそだ。
奮発してご馳走したフレンチは残飯みたいだし、旅行先の景色はモチーフが悪くて特別感がないし――そうだ、いつの日か隠し撮りした私の寝顔なんて最低の出来だった。
下手くそでも、楽しそうに撮っていたのに。
君はいつも、肌身離さずカメラを持っていたのに。
――ある日突然、君は写真を撮ることをやめた。
「なんで撮らなくなっちゃったの?」
「……もう、撮る意味がなくなっちゃったから」
私が尋ねると、君は寂しそうに微笑んだ。
目を合わせてはくれなかった。
「未練タラタラじゃん。うける」
「……そうだね。君に未練タラタラだよ」
私は死んだ。
そして退屈な私は、君に憑きまとっている。
「フィルム越しでしか君を見れなくなって、気付いたんだ――君のこと、どれだけ僕はこの肉眼で見ただろうって」
だからこれは自戒なんだと。
そう言って、君は俯く。
反則でもいいから、もう一度私を見て。
君の好きなカメラで、いくらでも。
――次はフィルムじゃなくて、脳裏に焼き付けてよ。
2024/11/09【脳裏】
脳裏
思い出す姿はいつも飄々として得体の知れない浮世雲みたいな後ろ姿ばっかりだったな。
ふとした時に名前を呼びそうになる。
その度に自分の中に色濃く残るその影を追いそうになる。そんな己の弱さが嫌だった。
嫌だったからあえてその後ろ姿を背負うことにした。
風にたなびくほど長いトレードマークの着物の丈を
短い羽織にしたのはそんな矛盾そのものを示すようで苦笑する。
フラフラしているようで誰よりも周りを見ていた。
諦めているようで誰よりも命を尊んでいた。
ふざけているようで常に大切なものが何かを捉えていた。
知っている。だって誰よりも近い位置でその背中に護られていたのだから。
三人と1匹で居られればなんでも良かった。
大切で大切で時が止まればいいと願う程に。
本当の本音はそれしかなくて。それ以外いらなくて。
世界とか未来とか難しい事なんて知らないと駄々をこねる姿だけはあの瞳に映したくなくて。
こんなのはただの意地だ。
ただただ、あの目に映る自分の姿に無様な己を見ることができなかった。だから笑った。意地でも心のうちなんて見せてやるかと笑ったんだ。
『行ってらっしゃい』
あの日、僕はちゃんと笑えていましたか。
ねぇ、銀さん。
つらい時、真っ先に脳裏に浮かんだのは
楽しかった小さい頃の思い出だった。
あの頃の無垢な私は「悩み」という言葉を
知らなかった。
頭の中にモヤっとしたものがあっても
それが困ったことだとは思えなくて
なかったことにしてまた笑う。
その頃のようになんでも笑顔で片付けられたら
どんなに楽だっただろう。
でも、大人になった今ではそれは意味がない。
通り過ぎるのではなく、立ち向かわなければならない
私はつらい時こそ小さい頃の思い出の中から
父のひと言を思い出す。
「人生には必ず山がある。
その山を避けて遠回りして楽をするか、
意地でもその山を乗り越えるか。
それによって得られるものが異なる。
お前はどっちを取る?
その人のそのときの意志が人生の岐路となる。
だから答えは目の前に山が現れた時に自ずとみえる」
『脳裏』
跡継ぎに選ばれなかった双子の兄は素行の悪さも手伝って家を放逐され、それを逆恨みした兄は悪党どもの頭領となった。領地の悪を成敗するのは領主の勤め。私は兄を殺しにゆかねばならない。
悪党どもの根城に向かう最中に脳裏には幼き頃の思い出ばかりが蘇っていた。仲睦まじかったふたりを何が隔ててしまったのだろうと考えるが答えの出ぬままに辿り着いてしまう。もうあとには戻れない。
多勢に無勢という言葉の当てはまる、戦いとも呼べない駆逐となった。残るは頭領のみ。私は、どんな言葉を掛けられても何も答えず首を捕ろうと思っていた。
「世話をかけたな」
この期に及んで兄の言葉に涙が滲む。脳裏を懐かしい思い出が支配しようとするが、兄の手元に刃の煌めきが見えた。兄の脳裏には私のことなど映ってはいないのだろうと解ってしまった。
刎ね落とした首がこちらを見つめている。記憶の中の面影とほど遠い、恨みつらみの籠もった目を伏せさせた私はしばらくの間立ち上がることが出来なかった。
【天国の父の声】
僕はあの日のことを忘れない。あれは8歳の時のことだった。
僕は4人家族だった。父、母、姉、僕だった。ある家族旅行の日だった。
「退屈〜!」
僕はそう嘆いて暴れた。
「こら、あと少しなんだから落ち着きなさい!」
母がそう注意しても、僕は聞かなかった。
「あ〜あ〜!」
僕はそう言いながら暴れ、自分でシートベルトを外した。運転してる父の肩を掴み揺さぶり、ハンドル操作を誤らせた。
ガッシャーン!
「え…?」
この事故で両親と姉が亡くなり、僕だけが生き残った。罪悪感から事故が起きてから20年間、俺は怒らない性格になった。周囲は怒らない僕を優しい人間だと思い、利用される事もあったが大切な人を亡くすあの経験に比べれば余裕だった。
だが結婚して子供が産まれて、父として子供を叱るべき場面でも僕はうまく怒れなかった。優しいだけの父として嫁や娘からも舐められていた。
そして娘が8歳になった年のある日。家族で熱海に向かう道中、山道が続いていた事もあり、娘が退屈だと騒ぎ始めた。
「もうすぐ着くから我慢してね」
そう僕は優しく注意しても娘は言う事を聞かず、
「ひーまー!つまんなーい!」
と自分でシートベルトを外して、俺の肩を掴もうとする娘をバックミラー越しに見た瞬間だった。20年前のあの光景と当時の父の声が聞こえた気がして
「やめろ!!」
と気づいたら僕は大声で怒鳴っていた。僕自身も驚いたが、おかげで無事熱海に着く事ができた。それから嫁と娘は僕への態度を改めてくれたが、あの時は天国の父が助けてくれたんだと信じている。
脳裏に浮かぶのはあの日の記憶。大切な人と別れたあの日のこと。別れは突然訪れるものなのだと知った日のこと。今も忘れたことはないよ。また会いたい。そう思うけどもう会えない。そんな大切な人たちの話。
テーマ【脳裏】
・脳裏
いま起きていることじゃない。
いま目の前にいる訳じゃない。
いま言われたことじゃない。
それなのに今現在もその場で起きているような気がして身動きが取れない。
もう終わった事なのに、自分の中では今もずっと続いて終わりそうにない。
なんで何一つ忘れられないんだ。
誰か頭を殴って欲しい。誰か脳みそを溶かして欲しい。
もう全部忘れたいんだ。
その時脳裏によぎったのは、両親が離婚してから一度も会っていない父親の事だった。
私の父親はその業界ではそれなりに有名な脚本家で、有名なドラマや映画の作品に何度も関わっている、自慢の父親だった。
私はそんな父親が大好きで、将来は父親のような何らかの物書きになりたいと思っていた。
しかし、私が小学校高学年の時、父親は業界の中で大きな失敗をして、脚本家であることが叶わなくなってしまった。それからほとんど間をおかずに、両親が離婚。私は母親の方に引き取られた。
バスにゆられながら、その後の事をぼんやり思い出す。
母親は父親と正反対で、平凡な人だった。
私に特に口うるさく言う事なく、でも学校の行事にはほとんど来てくれて、パートで忙しくしながら一人で私を育ててくれた。
私が高校を卒業して県外の大学に行きたいと言った時も反対しなかったし、家を出てからも定期的に仕送りをしてくれた。
私は母親が嫌いでは無かったが、父親以上に好きという事も無かった。多分、幼い頃に理由もちゃんと説明されずに父親と会えなくなったのを母親のせいだと思っていたのかもしれない。
大学を卒業してからは地元に帰らず、バイトをしながら創作活動をして、そのうちのひとつが賞を取り、私は運良く小説家になれた。
それから10年書き続けた。ドラマや映画となったものもあった。それに思うところはあったけれど、それでも書くのはやめなかった。
しかし、先日、健康診断の異常から病院に行き、癌であることが発覚した。幸い初期であったため命に関わる可能性は低いが、手術をしなければならない。真っ白になった頭の中に真っ先に浮かんだのは、父親が机に向かっている姿だった。
だから私は今、病院から出てそのまま父親の住んでいるところに向かう電車に飛び乗った。だから、というのがおかしいのは自分でもなんとなく分かるが、家に帰る気にはなれなかった。
そして電車からバスに乗り換えて、今、父親が住んでいるであろうアパートの部屋前に立っていた。
何を話そうかは考えていない。ノープラン。でも、何故か会わないといけない気がした。
そして、私は―――。
「………。」
私は何も言えず、ぼうっと駅のベンチに座っていた。幸い、私に話しかけてこようとする人はいなかった。
父親には会えた。シワが増えたり、髪の色が変わったりしていたが、面影はあの頃のままだった。
父親は離婚した時の事を教えてくれた。
最後に書いた作品が、世の中で大きく炎上した後。インターネットのどこかから、父親の個人情報が流出したらしい。そして、私は知らなかったが、家にも嫌がらせが来ていたらしい。
私に取り返しのつかない被害が起こったら。それを恐れた両親は、離婚することで少しでも私への被害が来ないようにすることを考えたらしい。
父親は私にも説明しようと言ったが、母親が「あの子の夢を大人の都合で暗いものにはしたくない。あの子の憧れは、私が守ります。」と言ったらしい。
それを聞いて、私は何も言えなかった。
父親に、癌のことはついに話せなかった。昔は何だって話せていたのに、不思議なものだ。
そして今、脳裏に浮かんでいるのは、大学を卒業してから一度も連絡を取っていない母親の事だった。それは父親よりも鮮明で、鮮やかなものばかりだった。
私は立ち上がり、切符を買って改札を出る。空はオレンジに黒が混ざり始めていた。
どうしたいかは、相変わらず浮かばない。それでも私は、母親の所に向かう電車に乗った。
今から向かえば、着くのはきっと深夜だ。絶対に驚かせるだろう。でも、何故か、母親にならば癌の事もちゃんと話せてしまう予感があった。
目的地まではまだ長い。走り出した電車の揺れを心地よく感じながら、私はそっと目を閉じた。
私は、今日は大学で卒論の発表をする。
何回か同じ研究室の人達と模擬発表練習をしたがイマイチだった。
それからは、必死に何回も練習を重ねて大丈夫な状態にまで完成させた。
自信はついた、大丈夫。
それでも脳裏に失敗した姿がよぎる。
脳裏
今コインランドリーで洗濯中。
昨夜急に部屋の片付けを始めた。
4年前に亡くなったキジトラ猫が最後
を過ごした場所をやっと片付ける気に
なった。
なかなか手がつけられなかった…
「4年?信じられない!」と言われる
だろうけどあのこの毛一本でも元気だ
った姿が頭をよぎる…
最後に使った毛布 敷布団
今 やっと次の出番になりますよ🌷
脳裏によぎることって大抵実現するよね。
往々にしてその出来事はよくない出来事だよね。
こうなったらいいのになあと脳内で思い浮かべることはただの空想で、嫌だなあということは発生するなんて不平等。
脳内ポジティブ化計画始動しようかしら。
あ、これも空想?
(脳裏)
脳裏によぎるのは、今までに恋仲になった誰かや、優しい友人達、家族の笑顔だ。
誰かを喜ばせる自分で居たい。
人を笑顔にしたい。
そんなシンプルな願いが、私の根幹にあるのだ。
一方で、幼い私の声が腹の奥から絞り出すように響く。
愛されたい。
受け入れられたい。
無条件に受け止めてほしい。
叶わないと分かっていても、求めずにはいられないのだ。
人は誰も皆、思い通りの人生は生きられない。
容姿も、出自も、才能も、声も。自分の思惑なんてお構いなしに設定され、形作られていく。
それでも自分を受け入れて、誰かを好きになって、何かを慈しんで生きていく。
その営みにこそ温かい希望が宿るのだと、私は信じたい。
脳裏
浮かんでは押し込んで。
押し込んではぷわりと浮かぶ。
何度押し込んでもそれは消えない。
一時的に歪んで見えづらくなるだけ。いつかはくっきりと見えるようになる。
この行為は傍から見れば無駄なのだと思う。無心で続けられて、その上で何の困難もない。時間という制約を破らなければ、いつまでもいつまでも同じことを続けるだけなのだから。
なら、無理に力を入れず見ていればいいのか。それもまたひとつの答えだ。向き合い方は人それぞれ。
だが、私は何度も繰り返すことにも何かしら意味があると思っている。繰り返すこと自体に意味がなくても、繰り返した時間や意思に意味が宿るのではないか、それを自分の意思で選ぶことに意味があるのではないか、と。何度も見ることは、己の安定を見つめ直すことに繋がる。自身の力を使って自然的なシステムの1部になる。何も変わらず、良いことも起こらないのなら、悪いことだって怒らないはずだから。そしてその行為はある種の心の調律とでも言うような、不思議な集中力と快感をもたらしてくれる。周囲と溶け合うようなそんな感覚。
無理に受け入れる必要も突き放す必要も無い。
少しだけ見えないところに置いて、浮かび上がったら、焦点を合わせてまた見えないところへ押し込むだけ。意味は無いが、きっと何かをもたらしてくれる。
「何してんの、そろそろ行くよ」
「はーい」
プールから浮かんだボールを持って、私は帰路へつく。水音と喧騒が残ったまま歩く道、いつもよりも深く沁み入った。