『突然の君の訪問。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
突然の君の訪問
突然の君の訪問。半年前に別れた彼女。あの時は自暴自棄になっていた。仕事も上手くいかず、イライラして飲みに行っては友達と喧嘩になり、彼女にも別れたいって言ってしまった。後から後悔しても、言ってしまったことは無しにはできず、諦めていた。
その彼女が、
「あんた昨日の夜中の電話は何なのよ!俺はお前が好きだ!忘れられない。もう一度寄りを戻したい。グジグジグジグジずーとそんなことを言って泣いて、、、。
だいたい、あんたが別れようって言ったのよ。お前となんかもう会いたくないって、、、。それを今更なんなのよ、、、私があれからどんな気持ちでいたかも知らないで、、、。ひどすぎる、、ひどすぎるよ。」
彼女が泣きじゃくる。
昨日?覚えていない。仕事終わりに酒を飲んで帰って来たのは覚えてる。
俺、こいつに電話したのか。しかも泣いて、、、。
「ユキ、ごめんな。ユキに酷いこと言っちゃって、、、。俺どうかしてたわ。別れてわかったよ。ユキがどれほど大切かって、、、。
許してくれないかもしれないけど、やり直したい。」
彼女は
「許すわけないじゃん。あんな酷いこと言われて、、、。おまえ怒ると、ひょっとこみたいでキモイから別れたいって。ひどすぎるよ」
俺、そんなこと言ったんだ笑
そりゃ酷いな。忘れてたわ。
ひょっとこって、、、笑。
でも少し似ているんだよなぁ。ひょっとこに、、、。でも、そんなところも可愛いんだけどな〜。
「ユキ、もう一度やり直そう笑」
「あんたちょっと笑ってない?」
ほらほら怒らないの。
またひょっとこになっちゃうよ笑笑
高く積み上がった書物に埋まるように
黙々と必要な情報を追いかける。
西陽が少し眩しいなと…
ふと、顔を上げると君が居た。
束の間の沈黙。
『相変わらず、すげぇ集中力だな』
彼は、少し呆れたように
ぐーっと伸びをして
そのまま高く上げた手で私の頭を撫でた。
『相変わらず、ボサボサだ』
私は、ぼろぼろとこぼれ落ちる涙も
ここが図書館であることも
高く積み上がった書物も何もかも
忘れて、目の前の彼に抱きついた。
「来週って…帰るの来週って…」
優しく包み込むように、背中をさすって
くれる彼は
『けど、もっと早く会いたかったから』
と、静かに囁いた。
【お題:突然の君の訪問。】
突然の君の訪問
かつて飼っていた猫がいた。彼女は気まぐれで、私が目を離した隙にいつもどこかへ行ってしまう。あの日もどこかへ行ってしまったきり、もう随分長く帰ってきていない。
その彼女が、今縁側の外にいる。
「あら、どうしたの」
にゃあ、彼女が鳴いた。
「おかえり」
私は言った。抜け出した彼女を捕まえにいくのは私の役目だったけど、それはできそうになかった。
「そうね。今日なのね。ちょうどいいわ」
雨も降っていないし、家族は出かけてしまった。
私は1人で死ぬのだ。私の誇り高き飼い猫が、かつてそうしたように。
いいや、1人と、1匹で死ぬのだ。
#突然の君の訪問
コンコン…コン…コン
それは春先の暖かく気持ちのいい日だった。
お昼寝でもしようか
そう思ってソファに横になり、ウトウトしだした時、
窓に何かが当たってるような音が聞こえた。
カーテン越しに薄っすらと見えるシルエットを見て私は驚いた。
「鳥だ…!!!」
慌ててメガネをかけてベランダに走る。
「きっと迷子になった飼い鳥に違いない!ええ!どうしよう!」
鳥さんがびっくりしないようにそっと窓を開ける。
そこで私は驚いた。
なんとそこにいたのは、パンツ。
正確に言うと、干し場所がなくなり、
ハンガーにかけられた旦那のパンツと洗濯バサミ。
落ちないように洗濯バサミで留めたのだった。
それがどういうわけだか視力の悪い私には、
鳥のクチバシに見えたらしい。
「うそやん……」
関西人でもなんでもない。
私は東北出身だ。
「そんなことあるぅ〜?」
誰に言うわけでもなく、ただ呆然と立ち尽くす。
コンコン…コンコン
そしてまたあの窓を叩くような音が聞こえた。
どこから聞こえる?
音のする方向を探る。
こっちか…?
私は驚いた。本日三回目。
はい、うさぎです。
ペットのうさぎ。
空っぽになったご飯入れを歯でコンコンして遊んでいる。
「君はキツツキなのかい?」
今日のお題は、"突然の君の訪問"
こんな体験を思い出した夏の暑い日。
ころあね.
空がミルク色に白んでいる。
どうやらまだ起きるには早い時間らしい。
脳はまだとろけているようでぼんやりとおぼつかない思考が頭蓋の中で攪拌される。
だのに眼球だけは妙に冴えていて、わずかながら億劫に思いながらもこのまま眠れることはもうないだろうと無理やり起き上がりエアコンの冷気でひんやりとしたフローリングに足をつける。
目覚めの一杯に泥水のようにまずいコーヒーでも飲もうとスーパーの安売りで買った組み立てラックからインスタントコーヒーを手にとると《ピンポーン》と小気味良い音が1Kの部屋に響いた。
そこでふと気づく。
ああそうだ、そういえば私が嫌々起きてしまった理由はこの音だった。
しかしこんな朝早くから一体どこの不躾がこんなボロアパートに御用があるというのだろうか。
自慢じゃないがあまり交友関係の広さに自信なしなのでかなり不審に思いながら覗き穴に顔をびたりとくっつけると小さなガラスを隔てた向こう側には布に覆われた壁があった。
なんでこんなもんが私の玄関前にあるんだとますます疑問に思っていると突然壁が喋り始める。
「▓▓▓▓ちゃん開けてよお」
聞き馴染みのある声だった。
しかし同時にあり得ないとどこかの自分が強く否定する。
「▓▓▓▓ちゃん開けてよお」
この声は、この声はかつて高校時代私の先輩だったあの人だ。
間延びした独特の調子、言葉尻が溶けるように下がる糖蜜のような声色は私が知る限り彼しかいない。
でもどうしてここに?今日は、
「▓▓▓▓ちゃん開けてよお」
突如聞き慣れた軽快な音がどこからか流れてくる。
今日はいったいなんなのだ。
扉を気にしながらもベッドの端にいき、目当てのものを見つけると液晶に映る人物名を確認した後右にスライドし耳を寄せる。
「どうし、」
「彼、あなたのことがずっとずっと好きだったの。私と付き合ったのもあなたが振り向いてくれなくてやけになったからって言ってた。きっと嫉妬して欲しかったんだと思う。三時間前、私のところにやってきて急に『オレと別れて』って言われたの。呆れたわ、だって今日は結婚式だったはずなのよ。もう私もしっちゃかめっちゃかになっちゃって、手当たり次第に物を投げたわ。机もゴミ箱も、貰ったアクセサリーも、二人の写真が入ったフォトフレームもアルバムも。マグカップも。でも知っていたの、私は最初から彼があなたのことを好きだったって。それでもいいと思って告白したのも私。最低なのは彼の心の傷に入り込んだ私も一緒だって分かってた。私は彼が好きだった」
矢継ぎ早に言われる自分が知らない話。
彼女は自分すら穿つ錐のように尖った言葉を喉を震わせ吐き出しながも尚も言い募る。
「アクセサリーはきっとあなたに似合う思って買った物だし二人で行ったデート場所は全部あなたが行きたいっていってた場所ばかりだった。悔しくて悔しくて仕方がなかった。怒りに眩んでどんな罵声を浴びせたか覚えてはいないけれど普段は他人のつむじしか見てなさそうな男が土下座する姿は痛快だったわ。でもそんなの晒されたところで私の溜飲が下がるなんてことあるはずはなかった」
「………」
深いため息が一つつかれる。
「けど私は許したの。許すことがあの男と私は違うという唯一の証明だったから」
「▓▓▓▓ちゃんあけてよお」
「なのに、なのに……なのになのになのに、」
「▓▓▓▓ちゃん▓▓▓▓ちゃん▓▓▓▓ちゃん」
耳の奥で響く、ドクドクと流れる血流の音が大きく聞こえて煩わしいったらなかった。
オレが最低なやつってことはお前らに言われなくても判ってるよ。
他人を利用して貶めて。
それでも喉から手が出るほど欲しくなったものがあった時、オレは我慢の仕方がわからなかったの。
だからこんなつまらない空回りなんてして結局なにもかもうまくいかなかった。
笑っちゃうよね。
どうにもならなくなってあの日の夜、あいつに「オレと別れてほしい」っていったんだ。
空のビールジョッキが割れる勢いでブン殴られたのはクッソ痛かった。
そりゃ結婚式直前でそんなこと言われたら誰だって怒るわ。全部オレへの報い、当然だよね。分かってんだわそんなこと。
あいつが意気消沈した頃
頭から血を吹き出しながらふらふら立ち上がったオレは▓▓▓▓ちゃんの家へ向かった
『先輩、あの子と付き合うことにしたんですか』
『んー?そうだよお……▓▓▓▓ちゃん寂しい?』
『……寂しくないかと言われれば嘘になる気もします』
『え!?ウソ!?!!?』
『私はいつでも素直ですよ』
『ヤ、それはねーけど』
『本当なのに……』
『じゃなくて、…あ、あのさ、▓▓▓▓ちゃんがどーしてもっていうなら』
『先輩』
『んえ?』
『あの子のこと、大切にしてくださいね』
ハイビームの光が視界を眩ませる。
そこからは何も覚えていない。
「▓▓▓▓ちゃん開けてよお……開けてえ」
ボロアパートの一つの扉の前、ずっと前にもぬけの殻になったそこにオレは愛しい女の返事が聞こえるまで今も立ち続けている。
#突然の君の訪問
3時の来客
午前3時。今日も眠りにつけなかった。だめだなぁと感じた先の無気力。
鬱病になってから2年がたっていたらしい。今でも辛い時は本当にどうしていいのかわからなくなる。今もまた落ち込んで悩んでを繰り返すような地獄の夜だ。そう思ってため息を1つ吐いた。大学の友達はみんな楽しそうにしてるのに僕は駄目なやつだなぁ。虚しくなって無性に新しい空気が吸いたくなって窓を開けてみる。こんな夜でも時々大型トラックが通りを過ぎて行く。しばらく夜の街を2階の窓から眺めていると桜の花びらがふわんととんできた。小さくて桃色の桜。僕は丁寧につまんで眺めてみた、
誰にでも春は訪れる、のかもしれない。
【突然の君の訪問】
「突然の君の訪問。」
心臓が、止まると思った。
息をしているかどうか分からなくても、鼓動の音は消えてなくなったように、静まった。
いつも通りの、暑い朝。
買い物に行こうと、席を立つ。
家を出て、眩しい日向へと入る。
早朝だというのに、道路には車が夥しく並び、人が込み合うように立ちはだかる。
少し、人を押し退けるようにして、店に入った。適当にものを眺め、選ぶを繰り返す。
もう、夏も終わりだ。日差しは真っ直ぐ、僕の方を向いて落ちてくるような季節。なにもできない季節。
どうして、こんなにも早く月日はたつのだろうな。そんなことを考えながら店を出た。
まだ、僕は君になにもできていないのに。
人通りの多い表通りを歩き、裏通りに差し掛かる。
やはり、人気は少ない方が、楽だ。君と同じように。
そのまま家に直で向かう。古びたドアを空ける。なにもない部屋に入り、なにもないのに断捨離をする。
ボーとしたまま、手だけを動かしていると、不意に、音の外れた「ピーンポーン」という音が届いた。
宅配便かなにかだろう。適当に、ボーッとした頭のまま、ドアに手を掛ける。
「はい」
顔を上げる。
そして、その格好のまま、束の間、僕の中で、全ての時間が止まった。
僕の目の前には、君がいた。
紛れもない君だった。
体つきや顔は少し痩せこけているけれども、それは、正真正銘の君だった。
体が、完全に固まった。
心臓が、血液が、止まった感覚。
体温が零度まで冷やされるような驚き。
なんでここに君がいるの?
なんで突然会いに来てくれたの?
そんな言葉も、出た、はずだった。
僕は君を見て、驚きすぎたのか、一つの声もでなくなっていた。
目線は合わせることができず、君の首から胸をさ迷う。
そんな僕に、君はあの、いつも通りの笑顔で。
ニコッと「会いたかったの」そう、微笑んだ。
くつわ。
くつわ。
呼
び
掛
け
る
声
が
ぶ
つ
か
る
窓
暗
い
だ
け
の
闇
の
蒙
昧
またおんなじことを繰り返してしまった。
自分が責められているような雰囲気を感じると、それを否定するための嘘をついてしまう。
自分が悪いと思われたくなくて、嫌な子だと思われたくなくて。
それで家に帰って一人、自分の代わりに誰かが悪く言われているのを想像して。数珠繋ぎのように、事態が悪くなるビジョンが見えて、苦しくなって。
眠りにつけないんだ。
「久しぶり。元気してた?」
自宅の玄関前に突然現れた、よく見知った顔。
「元気してた?って…こっちが聞きたいよ。今までどこに行ってたの?」
高校の同級生である彼は、突然消息を絶ったまま、もう5年ほど経っていた。
「ちょっと…まあ、色々あったんだよ。」
彼は苦笑いしながら、言葉を濁す。
ベージュのダッフルコートに、落ち着いた赤色のマフラー。少し癖のついた黒髪。
5年という月日を感じさせないほどに、彼の姿は"そのまま"だった。
「色々、って…まあ、とりあえず入りなよ。聞きたいことは山ほどあるし。」
そう言って私は、彼を部屋に招き入れようとする。
「いや、ごめん。それはできない。これから行かなきゃいけないところがあるんだ。」
そんな、せっかく久しぶりに会えたのに。と私が言う前に、彼は続ける。
「君に渡したいものがあるんだ。」
そう言って彼は、右手に持っていた白い紙袋を差し出した。
「ありがとう。これは何?」
「…後で開けてみて。」
一体なんだろうと紙袋を眺めていると、彼が言う。
「元気そうでよかったよ。それじゃあね。」
「え、待っ──」
顔を上げた時、彼はもうそこにはいなかった。
紙袋に入っていたのは、彼と私が写った数枚の写真と、メッセージカード。
そのカードには、彼の字で、『今まで楽しかったよ。ありがとう。』とだけ書かれていた。
友人づてに、彼が亡くなっていたと聞いたのは、その3日後のことだった。
お題「突然の君の訪問。」
事前に連絡が当たり前で
こんな突然の訪問はめっきりない
相手を驚かそうとか
喜ばせようなんてのはもう面倒
そんな事を思ってくれる相手もなし
たとえ切羽詰まった事情ならば
やはりひとこと連絡は欲しい
ひとの生活の中に足を踏み入れるならば
こちらにもひと呼吸の時間は欲しい
ねぇ君、聞いてる?
笑ってないでさぁ
突然の君の訪問。
え!ちょっと待って!
部屋散らかってるから10分待って!
あ、やっぱ1時間
いや、1日…1週間……1ヶ月ほしいかも
気持ちの整理は10分じゃ終わらない
それは唐突な出来事だった。
「よっ、まだ残ってんの?」
「え、羽田派君?」
教室で1人、日誌を書いていた時に羽田派がやって来た。
「忘れ物しちゃってさー。んじゃーなー」
彼がひらひらと手を振る。なのでこちらも振り返した。
そう言えば羽田派君、最近私が日直の日は毎回忘れ物をしているような……?
突然の君の訪問
雨の日からあの9人と会うことが多くなった
もともと同じ高校ってことで、学校でも、話したりしている
今日は、一人で帰っていた
家につきベットに寝転ぶ
いつの間にか寝落ちしていたらしい
幸いな事にも10分も寝ていなかったみたいだ
私が起きた理由
それは
あの9人が突然訪問してきたようだ
下でワイワイガヤガヤと騒いでいた声で起きたみたいだ
ふと、机を見ると
おはよ
ゆっくりねれた??
起きたら下来てね!
9人より!!
と書かれたメモ帳があった
あー下行くか、と
ボサボサになった髪の毛
ボロボロになった顔を治す
まあ、メイク落としただけだけどなんて、思いながら
すっぴんで
突然の君たちの訪問
を受け入れた
今日、仕事の皆さん学校の皆さん❗お疲れさまでした!
お忙しい中読んでくださりありがとうございます❗
ゆっくり休んでください。
おやすみなさい
Episode.10 当然の君の訪問。
やはり君は、何がしたいのか分からない。
そんな所も、まあ。
____ピンポーン。
インターホンから姿を確認すると、そこには俺の親友がいた。
「いつき〜…これ、また作りすぎちゃってさあ…一緒に
食べてくんない?」
「おー、いいよ。
どうせなら俺の部屋で一緒に食わない?」
彼女の名前は夏乃で、俺と同じ大学生だ。
そして、俺の好きな子だ。
俺がこの街に引っ越した時、同じマンションの隣に住んでいたのが夏乃だった。
夏乃はいつも自炊をしているらしいが、どうも作る量の感覚だけは未だに掴めないらしい。
作りすぎた日には、俺におすそ分けをしてくれる。
いつもはそのまま一人で食べるが、今日は一緒に食べよう、と誘ってみた。
夏乃は喜んでるように見えたし、とりあえず1週間お願いすることにした。
1日目。食べながら俺の部屋をぐるぐる見回す。
部屋に入ること自体が初めてのような仕草だった。
2日目。今日は落ち着きがない。
ずっと何かを気にしているように、ソワソワしている。
3日目、4日目、5日目。普段の夏乃に戻っている。
少し落ち着いたのか、笑顔も自然に見える。
6日目。夏乃はこんなことを聞いてきた
「…あのさ樹、」
「んー?なに?」
「また次の時も、一緒に食べに来てもいい?」
「おう!いつでも言ってくれよー」
7日目。夏乃は、少し真面目な顔で話しかけてきた
「そいえばさ、樹は恋人とか好きな人、いないの?」
「…好きな子ならいるけど。」
「えー!?初耳なんだけど!だれっ?誰なのー!」
「…飯食い終わったらな。」
食後、俺は心臓が飛び出るんじゃないかという気持ちでいた。
もう我慢ならない、はやく好きだと言いたい。
…夏乃も好きだと嬉しいが。
「で!好きな子、だれなの?」
「…なつの」
「ん?」
「…っだから、夏乃が好きなんだってば!」
「…はあっ!?」
俺の部屋で、お互いが顔を真っ赤にしていた。
……あ、れ?なんで夏乃まで?
期待で胸が膨らんだ。はやく、はやく。
「…い、いつから私の事すきなの。」
「会ってから1ヶ月位の時から。」
「な、ながいな…そっか…うん…」
「んで、夏乃はどうなの。」
「へ。」
「俺は夏乃のことが好き。付き合って欲しい。
…返事は?」
「え、えと、ぁ……お、ねがいします…」
「…マジ?ほんとに?」
「ま、まじ!ほんとに!」
「やべー……めっちゃ嬉しい、好き…」
「わたしも、私も、樹のこと好き!だいすきー!!」
それから。
「樹、起きてー!朝!仕事行くんでしょ!」
「んー…おきた……」
「えらい!おはよう!」
「おはよう…ちゅーして」
「…早くしなきゃ時間なくなるよ!」
「ちぇ、けち。」
「もー…」
そう言いながら、彼女は俺の腰に手を回しハグをする。
その左手には、キラキラ輝くリングが見えた。
何度見てもにやけてしまう。
それを見た彼女がひとこと。
「なにニヤけてんのー!キモ!はやく準備しろ!」
…今日も頑張りますか!
疾うの昔の話しである。
私の父には、多くの側室がいた。全て、政略結婚だった。富豪の娘に、上級貴族の娘、大臣の娘…など、有力な家ばかりとの繋がりを持つためだった。
彼にとって婚姻とは、その家の力と弱みを握る手段でしか無かった。
そんな彼は、遂に正室を迎える。その女性は、階級の中でも最下層の出だった。当時には珍しい、恋愛による格差の結婚だった。そして、彼は正室の彼女しか、生涯愛さなかった。彼から唯一、寵愛を注がれた女性。それが、私の母だった。
多くの側室が居れば、子も多い。私には、腹違いの多くの兄と姉が居たが、正室の子の私が嫡男となり、家督を継ぐこととなった。
つまり、そう…。感の良い方はお気づきの事だろう。
私の子ども時代は、地獄と化した。
私が幼少の時に、母は病に伏し、若くして亡くなっていた。
そんな地獄にも、希望があった。一部の兄弟が、私の味方に付いたのだ。
それにより、勢力争いを勝ち抜き、生き残ることが叶ったのだ。
兄弟たちが隣国に嫁いだ、その後も文通による交流は続き…、その兄弟たちとは、再会の約束を取り付けることに成功した。
待ちに待った今日、ドアのベルと再会を喜ぶ、音が玄関ホールに響き渡った。
「驚かせたかったから」
チャイムの音で玄関を確認すると、モニター越しに君が佇んでいてびっくりした。
急いで玄関に行きドアを開けると、そこには少し申し訳無さそうな、でもどこか嬉しそうな顔の君がいる。
「今日は、研究、忙しいんじゃないの?」
昨日の時点で言われていた事を反芻すると、研究は一段落ついたの、と君は苦笑気味に言った。
その手には少し重そうなスーパーのビニール袋が握られていて、思わずそれを持ち上げる。
「一緒に夕食、どうかしらと思って、内緒で色々材料買い込んじゃった」
君は、小首をかしげて両手を後ろで組んで、片方の靴を立てながら、ご迷惑じゃなければ、と僕を覗き込んでくる。
その、夜色の瞳に、僕は年甲斐もなくドキドキした。
人間、二十五を過ぎても胸はときめくものなのだとどこか他人事に思いながら、突然の君の訪問が嬉しかったと告げると、今度は君の顔にとびきりの笑みが咲く。
「私も、あいたかったのよ…!」
そう言われてしまえば、玄関先にも関わらず思わず君を抱きしめていた。
君の顔が赤く熱くなったことは首筋で知る。その反応もまた嬉しかった。
突然の君の訪問。
僕の休日に鮮やかな彩りが生まれた瞬間。
"ピンポーン"
静かな家に突然鳴り響くインターホン
待ってたよ、待ってたんだよ。
自分からは行けないから、でも他の人に取られたくなくて、わたしだけの貴方であって欲しくて
2日前
貴方のインスタのストーリーを開く、
そこに写るのはお友達さんとのプリクラ
「あぁ、わたしのなのに」
「わたしだけの貴方であればいいのに」
きっと、異性が恋愛対象な貴方にとって
私は恋愛対象外
わかってるけど、むりなの、抑えようなんて
だって、止められないんだもん
「なにしよう」
「恋バナしようかな」
「映画見ようかな」
「なんの映画にしよう」
いろんな案を1人で出し続けながらインターホンに
向かう
「はーい」
ほんとうは、たまらないくらいドキドキしているけど
あえて隠して、余裕感を出す
「ねぇ、伝えたいことがあるんだけど」
突然の君の訪問。
破天荒なところはあったが、連絡なしに来るひとだとは思っていなかったので、驚いた。
会えた嬉しさと心配と、少し困惑もあったがうまく隠せたのではないかと思う。
なまぬるい微糖の紅茶を飲むと、あの夜を思い出す。
どうしたのと問う私に、君はなんともいえない笑顔を返した。
突然の訪問に続き予期せぬものを見せられて、しばらく言葉を忘れてしまった。
それ以上踏み込ませない、硬く脆い盾のような笑顔だった。
よく分からないまま、ホットの紅茶を買った。
私と同じように、ストレートが好きなのは知っていた。ストレートを選んだつもりだった。けれど微糖だった。こんなことは初めてだった。私も、動揺していた。
今夜の選択肢を間違えば、その先が全て崩れてしまうと確信していた。
あたたかなボトルを握っても、指先が気持ち悪い冷え方をした。
私の動揺が選ばせた微糖の紅茶を君が飲んで、やっと少し空気が弛んだように思えた。
それでもなお、無意識に呼吸が浅くなるような、そんな空気だった。
緊張に締まる喉を舐めていく、なまぬるい微糖の紅茶。
その心地の悪さを、冬が来るたびに私は思い出すのだ。
さっきはごめん
20:18
別にいいよ。気にしてな
いし 20:20
よかった
20:21
うそついたからさ
20:22
なかよくしても
らえないって…
20:22
大丈夫。心配すんな。
20:23
俺はずっとお前の親友
だからな。 20:24
ありがとう。
20:25
お前が親友でよかった。
20:25
お前今何処に居るんや
20:26
おい 20:26
返事しろ 20:26
📞キャンセル 20:26
📞キャンセル 20:27
今からお前ん家行くから
20:27
10分もかからん 20:27
それまでなんもすんなよ
20:28
ー突然の君の訪問。ー